(新)タイトルいつ決めるのさ

何かの参考にして頂ければ幸いです。


▼ 当ブログはアフィリエイトサービスを利用しており、リンクにはプロモーションが含まれます ▼
当ブログではアフィリエイト広告により得た収益をブログの運営・維持に充てさせて頂いております。提携しております ASP につきましては「プライバシーポリシー」よりご確認下さい。
尚、企業様より商品またはサービスの提供を受けて掲載した記事につきましては、別途「PR・プロモーション」カテゴリに分類し、記事冒頭にその旨を分かりやすく記載するよう心掛けております。
当ブログ記事の記載内容や広告の掲載方法に関するご指摘がございましたら「こちらのフォーム」よりお問い合わせ下さい。

SONY のミラーレス一眼カメラ α6600 の「全画素超解像ズーム」機能を使ってみた

写真を撮影しているともっとズーム倍率が高ければ・・・という時ありますよね。レンズ交換式のカメラを使っているのなら交換レンズを買って持っていけばいい話ではありますが、焦点距離の長いレンズは重くて高価ですし荷物にもなります。サインクリングなんかには何本も持っていくわけにもいきません。

ところで、SONY のミラーレス一眼カメラには「全画素超解像ズーム」という機能が用意されています。この機能、なんと SONY のフラグシップモデルである ” α1 ” にも搭載されているのですね。相応の調整もされているのでしょうが、画質に拘る最上位機種にも搭載されているあたり、この機能がただのオマケ機能なんかでは無いということがよく伝わってきます。

以前使っていた α6400 にも「全画素超解像ズーム」機能は用意されていたのですが、この機能を使う際は RAW+JPEG 形式で画像を記録することが出来ないという制約があったので、頭の片隅にはこの機能の存在はあったもののこれまでまともに使ったことがありませんでした。

先日 α6600 に買い換えてから改めてこの機能を使ってみて「なんだ、これいいじゃないか!」と目から鱗が落ちたので、今回はこの「全画素超解像ズーム」とはどういったものなのかについてしっかりご紹介してみようと思います。


■ 「全画素超解像ズーム」とは?

α6600 で使う事の出来る「ズーム」には、「光学ズーム」「全画素超解像ズーム」「デジタルズーム」の 3種があります。「スマートズーム」という機能もありますが、これは「JPEG画像サイズ」を「M」または「S」に設定していた場合のみ使用可能で、撮影した画像の一部を切り出して拡大する実質的な「トリミング」にあたる(後で PC を使って画像の一部を切り出すのと同じ)のでここでは割愛します。

まずはこれら 3種類の「ズーム」の違いについて見てみることにします。

  • 「光学ズーム」

    「光学ズーム」は、ズームレンズ本体のズームリングを操作したりすることで実際に焦点距離を変えてズームを行います。ズームできる範囲はレンズの性能に依存し、当然ながら「単焦点レンズ」で「光学ズーム」することは出来ません。ズームしても画質の劣化が生じないというメリットがある反面、レンズ構成が複雑になるため高価で重いものになりがちです。

    ちなみに私が主に使っている TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070) というレンズなら 17mm~70mm(35mm判換算で 25.5mm~105mm 相当)でズームを行うことが可能です。このレンズに興味をお持ちでしたら以下の記事もどうぞ。

  • 「デジタルズーム」

    「デジタルズーム」は、カメラの画像処理エンジンを使って撮影画像の一部分を無理やり拡大します。フイルムカメラで言う「引き延ばし」ですね。拡大するのは一部分に過ぎないため、デジタルズームの倍率を上げれば上げるほど画質の劣化が激しくなります。

    デジタルズームで「2倍」に拡大するということは、画像センサーに映っていた 1/4 の部分だけを引き延ばしたことになりますから、高倍率にするほど画質劣化が大きくなることは容易に想像できますね。スマホのカメラでデジタルズームを使って風景写真を撮影した後、画質の悪さに驚いた方も居るでしょう。スマホは画面が小さいので撮った時はあまり分からないのですけどね・・・。

    なるべく倍率を上げないようにして撮った写真をスマホの画面で見たり SNS に上げる程度ならさほど問題にはならないだろうと思います。要は使い方といったところでしょうか。

  • 「全画素超解像ズーム」

    さて、「全画素超解像ズーム」です。この機能、実のところは「デジタルズーム」の 1種であることに変わりはありません。ただし、「デジタルズーム」が単純に撮影画像の一部を拡大したものであるのに対し、「全画素超解像ズーム」はソニー独自開発の全画素超解像技術を利用して、写真を構成しているすべての画素を解析し、画質劣化の少ない画像処理により拡大しているとのこと。

    α6600 では画像処理エンジンの「BIONZ X」がこの機能を担っているようですね。動画撮影時にも使用可能だそうです。 SYLKYPIX や Photoshop のような PC用の写真調整ソフトで処理しなくても撮りたい被写体により大きく迫り、解像感を保ったまま高画質で記録することができるということなので、単なるデジタルズームより格段に綺麗な写真が残せそうです。

■ 「全画素超解像ズーム」機能を使う上での制約とは?

この便利そうな「全画素超解像ズーム」機能ですが、利用するにあたっていくつかの制約が生じます。どのような縛りが生じるのか、次はそちらを確認してみましょう。

  • 「全画素超解像ズーム」使用中は「RAW」画像の記録が出来ない

    「全画素超解像ズーム」使用中は「JPEG」形式でしか撮影画像の保存が出来ません。「RAW+JPEG」形式で保存しておけば家に帰ってから現像し直すといったことも可能なのですが、撮影時の設定ミスからのリカバリーやより良い写真への仕上げを行うことが出来ません。

  • フォーカスエリアが「中央」に、測光モードが「マルチ」に固定される

    「全画素超解像ズーム」使用中は、フォーカスエリアの設定が無効になり、AF は中央に固定されます(マニュアル操作は可能)。顔や瞳を優先して自動でピントを合わせる「顔検出 / 瞳検出」機能も使用できなくなります。また、測光モードも画面全体の最適な露出を決定する「マルチパターン測光」モードに固定されます。激しく動き回る動物や鳥などの撮影は少し難しいかも知れません。

また、「全画素超解像ズーム」の倍率は、JPEG画像サイズが「L」の場合で約 2倍までです。APS-C用のテレ端 70mm のレンズを使った場合なら約 140mm相当(35mm判換算 210mm相当)までズーム出来るようになるということですね。これなら川辺で羽を休めている鳥なんかならいけそうです。

ソニーストア ソニーストア


■ 「全画素超解像ズーム」の設定方法

先程も書いたように、「全画素超解像ズーム」では JPEG以外の画像形式で撮影データの保存を行うことが出来ません。よってまずは「ファイル形式」を「JPEG」に設定変更する必要があります。と言ってもカメラ背面の「Menu」ボタンを押し、一番左のタブの「画質/画像サイズ1(1ページ目)」で「ファイル形式」を「RAW+JPEG」から「JPEG」に変更するだけでOKです。

設定変更

次に、左から 2番目のメニュータブで「ズーム(5ページ目)」を選択し、「ズーム設定」で「光学ズームのみ」から「入:全画素超解像ズーム」に切り替えます。「デジタルズーム」を選んだ場合は、まず光学ズームから全画素超解像ズームに移行し、全画素超解像ズーム倍率を超えた場合にデジタルズームが使用されます。画質面での影響が大きくなりますが、どうしても大きく撮りたい場合にはどうぞ。

ボタンカスタム エラー


画像記録モードの変更は仕方ないとしても、「全画素超解像ズーム」を使いたい時に一々メニュー画面から「ズーム」で設定するのも面倒なので、α6600 のカスタムキー設定で「C3」ボタンに「ズーム」を割り当てておくことにしました。「C4」は「未設定」となっていますが、デフォルトの機能でごみ箱が割り当てられているのですよね。

この状態なら画像記録モードが「RAW+JPEG」になっていた場合、C3ボタンを押して「全画素超解像ズーム」を使おうとすると右の写真の様にエラーを出してくれます。画像記録モードの変更はメニューの 1階層目にあるので、これならたいした手間でもありません。

■ 「全画素超解像ズーム」撮影サンプル

実際に α6600 で「全画素超解像ズーム」を使ってみました。左から「光学ズームのみ」「全画素超解像ズーム 1.4倍」「全画素超解像ズーム 2.0倍」となっています。

・TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)


まずはほぼ付けっぱなしにしている TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070) で。テレ端の 70mm(35mm判換算 105mm相当)での撮影サンプルです。ブログ掲載のため、画像サイズのみ SYLKYPIX JPEG PHTOGRAPHY 10 を使って 1200x800 pix に縮小しています。

sample1-1x sample1-1.4x sample1-2x


海王丸の船尾を撮影したものです。絞り f/11、シャッタースピード 1/125秒。

sample2-1x sample2-1.4x sample2-2x


こちらは海王丸の艦橋付近。絞り f/8、シャッタースピード 1/125秒。特におかしな所があるようには見えません。風景写真でもうちょっと望遠が欲しいという時でも充分実用になるのではないでしょうか。35mm判換算で 210mm相当にもなるのであれば水鳥の撮影なんかにも使えそうです。

・SONY SEL30M35


マクロ撮影時に使ったらどうなるのかも気になったので、SONY の SEL30M35 でも試してみました。

sample3-1x sample3-1.4x sample3-2x


まずはギリギリまで寄って諭吉っつぁんの目もと付近を比較。お札の裏から光を当てているので裏側の印刷も透けています。焦点距離 30mm(35mm判換算 45mm)、絞り f/3.5、シャッタースピード 1/40秒。

sample4-1x sample4-1.4x sample4-2x


続いて昔北海道で買った木の人形。焦点距離 30mm(35mm判換算 45mm)、絞り f/3.5、シャッタースピード 1/50秒。マクロ撮影の 2点はミニ三脚を使用しています。これならモノ撮りをしていてもっとディテールを写したいと思った場合でも充分使い物になりそうです。

■ 知っておいて損は無い便利機能

「全画素超解像ズーム」という名称からなんだか凄そうな技術のような印象を受けましたが、英語だと「Clear Image Zoom」と割と平凡な名称なのですね。イメージ的にもインパクトのある「全画素超解像ズーム」というのはナイスネーミングなのではないでしょうか。

「RAW」で画像が保存出来ないので、設定ミスからリカバリーしたり家でじっくり弄ってより良い写真に仕上げたりといったことは出来ませんが、旅行やサイクリングに出掛けるときにはそうそう何本も重たいレンズを持っていくわけにもいかないでしょうから知っておいて損の無い機能だと思います。

αシリーズに限らず最近の SONY のデジカメの多くに搭載されているこの「全画素超解像ズーム」。まだ使ったことが無いという方が居られましたら是非使ってみて下さい。