こちらの記事の内容は、2021年7月時点のものです。記録のために当時の記事を残していますが、料金体系やプラン内容などの最新の情報は「楽天ひかり」にてご確認頂きますようお願い申し上げます。
楽天の光回線を使った高速インターネットサービスの「楽天ひかり」は、楽天モバイルの携帯電話サービス「Rakuten UN-LIMIT VI」とセットで申し込むことで 1年間利用料金が無料となります。条件などもありますので、ちょっと調べておきたいと思います。
■ 楽天ひかりの「月額基本料金 1年間無料」キャンペーンの概要
キャンペーンの概要は以下の通り
- キャンペーン特典内容
・「楽天ひかり」の月額基本料金が1年間無料
・楽天市場の「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」が +1倍
(Rakuten UN-LIMIT VI にも申し込んでいれば合わせて +2倍)
- キャンペーン適用条件
・楽天会員であること
・「Rakuten UN-LIMIT VI」を既に契約中であるか、「楽天ひかり」を申し込んだ翌月 15日ま
でに「Rakuten UN-LIMIT VI」にも申し込むこと
・「楽天ひかり」の申込月を含めて 4ヶ月目の末日までに「楽天ひかり」の回線が開通すること
「月額基本料金」についてはキャンペーンにより 1年間無料となりますが、下記表のとおり「初期費用」と、工事が必要な場合は工事費が別途掛かります。価格は全て税込価格です。
フレッツ光を 利用していない場合 |
他社光コラボからの乗り換え (事業者変更) |
フレッツ光からの転用 (転用) |
|
---|---|---|---|
初期登録費 | 880円 | 1,980円 | 1,980円 |
標準工事費 | 費用はケースにより異なる | 工事不要であれば無料 | 工事不要であれば無料 |
工事費については 36回の分割払いのみとなるようです。月毎の支払額は工事の内容によって分かれているので「こちら」で確認して下さい。auひかりや NURO など NTT のフレッツ光以外の光回線からの変更や、ADSL などから光回線に変更する場合などは新規扱いとなり、工事費が発生します。
回線敷設費用の割引は無いようですので、今までフレッツ光の利用が無い全くの新規で光回線を引くのであれば、工事費の割引のある他社を利用するか、開通後に転用させた方がいいかも知れません。よくお調べになってから申し込んで下さい。他社光コラボからの乗り換えやフレッツ光からの転用であれば十分魅力のあるキャンペーンだと思います。
- 注意点
解約ペナルティがあります。
・契約期間中(3年毎に更新)の解約には契約解除料 10,450円(税込)が発生します。
(今回のキャンペーン特典期間中の解約についても契約解除料が発生します。)
・分割払中の工事費の残債がある場合はその残額について一括払いとなります。
スマホの回線と違って固定の光回線の契約先をコロコロ変える人は少ないかとは思いますが、例
えば思っていた程回線速度が出ないなどサービスが気に入らない場合であっても「3年縛り」か
らは逃れられないという点には注意しておいた方がよいでしょう。
また、「楽天ひかり」と「Rakuten UN-LIMIT VI」を両方契約する必要があります。但し、
「楽天ひかり」を申し込んだ時点で既に「Rakuten UN-LIMIT VI」を契約中であるか、新規の契約
であるのか、MNP による転入なのかは問われません。つまり、後から「楽天ひかり」に申し込
んでも大丈夫ということです。
<広告>
■ キャンペーン期間満了後の利用料金は?
「月額基本料金1年間無料」キャンペーンの期間満了後の楽天ひかりの利用料金ですが、
となり、工事費の分割が残っている場合はこれに加算されて請求されます。プロパイダ料金込みなので、まあ他の事業者とプロパイダを組み合わせて使うのよりは安い方だと思います。
メールアドレスが必要な場合は、「無料メールアドレスのオプション」を申し込むことで「(ユーザーID)@gol.com」の形式のものを使う事ができます。ユーザーID は半角 2文字以上 16文字以内の任意の文字列(早い者勝ち)を設定することが可能で、家族用のアカウントなどを無料で最大 10個まで追加することができるようです。
■ 「楽天ひかり」の IPv4 over IPv6 は「クロスパス」方式!
「楽天ひかり」は IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6 という構成になっているのですが、IPv4 の通信を行う際は「クロスパス」という通信方式を採用しています。
「クロスパス」は「DS-Lite」という通信方式の 1種です。これまで「DS-Lite」方式の IPv4 over IPv6 と言えば、日本では IIJ(Internet Initiative Japan : 東証1部 3774)傘下の Internet Multifeed 社が提供する「transix」のサービスを指していたのですが、「楽天ひかり」は同じ仕組みを使った、アルテリア・ネットワークス(東証1部 4423)の「Xpass(クロスパス)」というサービスを採用しているようです。
NTTのフレッツ光回線を使ってインターネット接続サービスを提供している事業者は、 VNE(Virtual Network Enabler:仮想固定通信提供者)を介してサービスを行っています。当初 VNE としては KDDI などが出資する「JPNE(Japan Network Enabler)」、IIJ系の「Internet Multifeed」、ソフトバンク系の「BBIX」の 3事業者しか存在していなかったのですが、新規参入が認められたことによって「NTTコミュニケーションズ」「ビッグローブ」「朝日ネット」などが加わりました。「楽天ひかり」が採用している「アルテリア・ネットワークス」も新たに加わった VNE のうちの 1社です。
同じ「DS-Lite」方式を採用していると言っても「transix」とは別の「Xpass」というサービスなので、対応できないルーターも存在します。「DS-Lite」は利用者側のルーターから NTT の NGN網との接続部に設置された「AFTR(Address Family Transition Router)」と呼ばれる機器に接続するようになっているのですが、この機器のアドレスが transix のものとは異なるのです。ですから、古い機器などでその部分の変更ができない場合は接続できないということになります。
具体的には AFTR に「dgw.xpass.jp」を指定出来る機器であれば使用出来るようです。「こちら」に楽天ひかりでの動作が確認されたルーターの一覧が掲載されています。
Yamaha の「RTX830」は対応機器のリストに載っていませんが、基本的には下記の記事内の設定のうち、AFTR を指定する部分を修正してやりさえすれば動くはずです。
tunnel endpoint address [AFTR ADDRESS] ↓ こちらに修正 tunnnel endpoint name dgw.xpass.jp
RTX830 以外にも RTX1210(Rev.14.01.20 以降)、NVR510(Rev.15.01.09 以降)であれば AFTR に FQDN を指定出来るようになっているので使えるはずです。残念ですがそれら以前の機種では無理でしょう。(ファームウェアの更新があれば使えるようになるかも知れませんが期待は薄いです。)
ただし、私は楽天ひかりの回線を使っているわけではないのであくまでも憶測に過ぎません。動作確認したわけではありませんで、もし動かなかったとしても責任は取れませんので悪しからず。
■ 「Rakuten UN-LIMIT VI」の補助にフェムトセルの設置も可能
今は要件が緩和されたので 楽天ひかり の回線を使用しなければいけないわけではありませんが、当然ながら「Rakuten Casa」という ” フェムトセル ” を設置して Rakuten UN-LIMIT VI の電波状況を改善させることも可能です。「Rakuten Casa」が一体どういったモノなのかといったことや、設置に必要な条件などは以下の記事で書いていますので宜しければ併せてお読み頂ければと思います。
2020年4月から第4のキャリアとしての正式サービスが始まった楽天モバイルですが、サービス開始から日が浅いこともあって、まだまだ自社回線ネットワークの基地局数が足りていません。楽天の自社回線エリア以外は au のローミングエリアとなっており、5GB/月を越える通信量には速度制限が掛かるのですが、「Rakuten Casa」を設置できればこの制限を回避する事ができきます。楽天モバイルに割り当てられた電波の特性上、ビル街や地下など苦手とする箇所も多いですからね。
そもそも光回線の使える自宅では Wi-Fiネットワークも使えるわけで、フェムトセルの必要性については悩ましい所ではあるのですが、飲食店などの店舗で「Rakuten UN-LIMIT VI」の電波が入るということが集客の足しにできるようなこともこの先あるかも知れません。
<広告>
■ 夜間のネットワーク速度低下に悩んでいるなら一考の価値あり
近く廃止される予定であるADSLからの乗り換え先を探している方や、特に夜間のネットワーク回線速度の低下に悩まされている方などは、楽天ひかりが「クロスパス」という、DS-Lite の派生方式を使っているという点で通信速度の改善を期待することが出来ます。条件をよく確かめた上で検討してみて下さい。