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自宅を楽天モバイルの基地局としてしまう「Rakuten Casa」とはどういったものなのか。申し込み方法は?

記事公開当初から契約に必要な条件が大きく緩和されたため、2020年12月時点の情報に書き直しております。条件は今後も変更が行われる可能性がありますので、契約前に必ずご自身で Rakuten Casa のページ の内容をご確認ください。


4月8日、NTTドコモ・au(KDDI)・ソフトバンクに次ぐ ” 第4のキャリア” となる MNOサービスが楽天モバイルによって「Rakuten UN-LIMIT」として正式スタートを切りました。料金プランも月額 3,278円(税込)の「Rakuten UN-LIMIT」プラン1種類のみと非常にシンプルで分かりやすくなっており、利用料金の高止まりしていた携帯電話回線事業者に大きなインパクトを与えるものになったと思います。

ですが、追加料金無しでデータ利用が無制限となるのは楽天モバイルの自社回線エリアのみです。その他のエリアは au の回線を借りたローミングエリアとなり、5GB / 月以上の利用をする場合には最大 1Mbps という通信速度制限を受けるか、1GB / 550円(税込)の追加料金を支払う必要があります。

ここが現状の楽天モバイルの最大の弱点ですね。楽天自社回線エリアは徐々に拡大してはいますが、日本全国に広がるにはまだ相当な時間が掛かることは事実です。そこで代替手段として用意されるのが、自宅や店舗などを局地的に楽天モバイルのサービスエリアとしてしまう「フェムトセル (femtocell) 」で、日本では「超小型基地局」と意訳されることが多いようです。

■ 「フェムトセル」とは?

電波改善装置としては他にも「レピータ」というものもありますが、そちらは設置場所まで届いた微弱な電波を「増幅」して屋内の電波状況を改善するための装置です。一方「フェムトセル」は、インターネット回線に接続することで携帯電話の基地局として限定されたエリアを作り出すと言う点で全く異なります。イメージとしては家の中に家族専用の超小型電波塔を建てるようなものになります。

フェムトセル概念図

「フェムトセル」は、実は既存の 3大キャリアでも希望者に条件が合えば提供されています。ただ、長年の投資の積み上げで日本全国に基地局を備えていて人口・エリアカバー率が高くなっているのであまり一般に知られていませんし、実際に使っている人も少ないでしょう。

いずれの事業者でも料金支払いに対する役務が果たされていないということに変わりは無いので機器の利用料自体は無料になるようですが、事前に立ち入りで電波状況の現地調査が必要となるなど敷居が高く、希望したからと言って必ず設置出来るわけではありませんでした。「Rakuten Casa」の場合、条件さえ満たしていれば立ち入り調査までは必要ないと言う点では敷居は低くなっていると言えます。ただまあ、この「条件」がなかなかに曲者ではあるわけですが・・・。
⇒ 2020年12月現在、「条件」に関しては大きく緩和されています。


■ 「Rakuten Casa」はどういったものなのか?

「Rakuten Casa」は、NTT などの光回線を使って楽天モバイルの携帯電話網に変換するフェムトセル基地局です。こちらの機器を使うことで例え自宅が auのローミングエリアにあるとしても「Rakuten UN-LIMIT」の自社回線エリアとして月額最大 3,278円(税込)でデータ利用が使い放題となります。(もちろん電話に関しても「楽天 Link」アプリを使う事で国内通話かけ放題となります。)

Rakuten Casa外観 「Rakuten Casa」の外観は右のような物になり、白と黒の2色が用意されるようです。据え置き専用となり、壁掛については想定されていないようなので設置場所は考えておいた方が良いでしょう。 「ご利用ガイド」として「こちら」で簡単な説明が公開されていますが、詳しい仕様などについては不明です。設計は台湾にある「Sercomm Corporation」で中国で製造したものを楽天が販売するという形になっている模様です。消費電力は 22W以下とのことなので 1日の電気代は 12円弱といったところでしょうか。
画像:楽天モバイル

「Rakuten Casa」はフェムトセル基地局としてだけでなく、Wi-Fiホームルーターとしても使う事ができるようです。対応規格は IEEE 802.11 a/b/g/n/ac となり、5GHz帯で最大 867Mbps、2.4GHz帯で最大 300Mbpsでの通信が可能です。所謂「Wi-Fi 6」や「メッシュWi-Fi」といった最新の規格に対応するものではありませんが、まあ無料で利用出来ますしこんなものでしょう。ただ、これらの数値は「カタログ値」なので、実際にどの程度の速度で通信できるかは使ってみないと分かりません。

■ 申し込み方法、そして設置に必要な「条件」とは?

「Rakuten Casa」の申込は以下のページから行うことになります。(詳しい説明も書かれています。)

個人が Rakuten Casa の設置を申し込む場合、フェムトセル本体の価格は 0円、送料やレンタル料が掛かることもありません。事務手続き手数料として別途 3,000円(税込)が必要ですが、設置の完了が確認された時点で同額の楽天ポイントとして還元されるそうです。申込に必要な条件は以下の通り。

  ・ 「楽天モバイル(MNO)」に契約しており、楽天回線に対応した端末を使用していること
  ・ 「楽天ひかり」のネット回線の契約  👈条件から外れました!
  ・ 楽天モバイルが指定しているインターネット回線が契約・開通済であること
    (フレッツ光以外に auひかりや NURO光、J:COM NET でも契約できるようになっています)
  ・ 楽天モバイル(MNO)に登録している住所で Rakuten Casa を設置すること
  ・ Rakuten Casa の設置規約重要事項説明書へ同意可能であること

上記のように、Rakuten Casa の申し込みには「楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT V)」の契約者である事が必須条件となります。4月に申込が始まった時点では「楽天ひかり」のネット回線の契約も必須でしたが、こちらについては条件から外れたようです。これに伴って光回線事業者の制限も大きく緩和されましたが、「SoftBank 光」を利用している場合は乗り換えが必要になるようです。

他社のモバイル回線でフェムトセルを行う場合は事前に電波状況の立ち入り調査が必要となりますが、楽天モバイルの場合はこの調査は不要です。以前は「楽天ひかり」の契約も必須だったため、非常に設置へのハードルが高かったですが、この制限が無くなったおかげで随分と敷居は下がりました。尚、未成年者(一人暮らしの学生など)が契約する場合は保護者など法定代理人の同意が必要となります。


■ 他に気をつけておくべき点について

「楽天ひかり」の契約が必要なこと以外にも注意すべき点がいくつかあるので書き出してみます。

  1. 小型ですが「Rakuten Casa」歴とした「携帯電話の基地局」です。このため、利用者自身が「基地局の運用者」として楽天モバイルから総務省に届け出がされます。
  2. 「基地局」としての扱いになるので、申請した住所以外に勝手に場所を変えて設置したり(帰省先で使おうと持って行ったり)、旅行などでしばらく家に居ないからと言って勝手に電源を切ったりしてはいけません。これらは「電波法違反」となり処罰される場合があります。また、引っ越しなどの場合は設置場所の変更を届け出が必要になります。
  3. 分解・改造をしてはいけません。(同じく電波法違反で処罰の対象となり得ます。)
  4. 「Rakuten Casa」は楽天モバイルから「貸与されているもの」なので解約時には返却が必要です。返却しない場合は違約金として 20,000円(非課税)が請求され、遅延損害金も科せられる場合があります。

■ 「Rakuten Casa」はどのような人に向いているのか

一番向いているのはやはり飲食店などの店舗や複数の人が利用する職場などかなと思います。個人個人の SIM で認証を行うため、公衆Wi-Fi として開放してしまうよりはセキュリティ面でも有利です。今後の楽天モバイルの普及の仕方次第ですが、楽天モバイルの電波が確実に拾えることが集客アピールの一助となる可能性もあるでしょう。

個人宅で導入しようと思っても、4月に設置の始まった時点では「楽天ひかり」の契約も必須であったため、申込を躊躇する人が多かっただろうと思います。この点については上記の様に光回線事業者の制限が大きく緩和されたため、Rakuten Casa 設置へのハードルは大きく下がりました。ただ、光回線が引けているなら Wi-Fi環境も当然あるでしょうし、スマホの通話にしても「楽天Link」アプリから行えば原則無料となるので、特に Rakuten Casa を設置するメリットは無いかも知れません。まあ電気代以外は無料で置けるので別に置いていても構いはしませんが。

フェムトセルは利用者にとっては悪いものではないのですが、携帯電話回線の通信をインターネット回線に変換して流すものなのでプロパイダの通信網に負荷を掛ける要因になる可能性もあり、他社で導入が始まった頃にプロパイダ各社の間でインフラの「ただ乗り」ではないかと批判が高まった事がありました。4月の時点で楽天モバイルが Rakuten Casa の設置条件として「楽天ひかり」という自社のプロパイダ経由でしか利用を認めていないのはこうした問題を回避する目的もあったのでしょう。この制限が取り払われたということは他事業者との折り合いが付いたという事なのでしょう。

「楽天ひかり」については 6月から「IPv6 IPoE + DS-Lite(但し transix ではなく Xpass)」方式による高速インターネット接続サービスが始まっています。傘下にした「SUNNET」がv6プラス方式を採用していたそうなのでその流れを汲むのではないかと思っていましたが、こちらについては予想が外れました。今のところ特に速度低下など大きな問題は起きていないようですし、随時キャンペーンなども行われているようなので、これまで PPPoE 方式でしかインターネット接続サービスを利用しておらず、ネット回線速度の低下に悩んでいる場合は一緒に乗り換えを見当する価値はあるでしょう。

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※ 追記 ※


Rakuten Casa 設置に必要であった「楽天ひかり」の契約が必須条件から外れ、大きくハードルが下がるなど取り巻く環境の変化がありましたので、冒頭に記述しております通り、2020年12月時点の情報を織り込んで記事の一部書き直しております。
(2020.12.21)