(新)タイトルいつ決めるのさ

何かの参考にして頂ければ幸いです。

自宅を楽天モバイルの基地局としてしまう「Rakuten Casa」とはどういったものなのか。申し込み方法は?

4月8日、NTTドコモauKDDI)・ソフトバンクに次ぐ ” 第4のキャリア” となる MNOサービスが楽天モバイルによって「Rakuten UN-LIMIT」として正式スタートを切りました。料金プランも月額 2,980円の「Rakuten UN-LIMIT」プラン1種類のみと非常にシンプルで分かりやすくなっており、利用料金の高止まりしていた携帯電話回線事業者に大きなインパクトを与えるものになったと思います。

ですが、追加料金無しでデータ利用が無制限となるのは楽天モバイルの自社回線エリアのみです。その他のエリアは au の回線を借りたローミングエリアとなり、5GB / 月以上の利用をする場合には最大 1Mbps という通信速度制限を受けるか、1GB / 500円の追加料金を支払う必要があります。

ここが現状の楽天モバイルの最大の弱点ですね。楽天自社回線エリアは徐々に拡大してはいますが、日本全国に広がるにはまだ相当な時間が掛かることは事実です。そこで代替手段として用意されるのが、自宅や店舗などを局地的に楽天モバイルのサービスエリアとしてしまう「フェムトセル (femtocell) 」で、日本では「超小型基地局」と意訳されることが多いようです。

■ 「フェムトセル」とは?

電波改善装置としては他にも「レピータ」というものもありますが、そちらは設置場所まで届いた微弱な電波を「増幅」して屋内の電波状況を改善するための装置です。一方「フェムトセル」は、インターネット回線に接続することで携帯電話の基地局として限定されたエリアを作り出すと言う点で全く異なります。イメージとしては家の中に家族専用の超小型電波塔を建てるようなものになります。

フェムトセル概念図

フェムトセル」は、実は既存の 3大キャリアでも提供されています。ただ、長年の投資の積み上げで日本全国に基地局を備えていて人口・エリアカバー率が高くなっているのであまり一般に知られていませんし、実際に使っている人も少ないでしょう。いずれの事業者でも料金支払いに対する役務が果たされていないということに変わりは無いので機器の利用料自体は無料になるようですが、事前に立ち入りで電波状況の現地調査が必要となるなど敷居が高く、希望したからと言って必ず設置出来るわけではありませんでした。「Rakuten Casa」の場合、条件さえ満たしていれば立ち入り調査までは必要ないと言う点では敷居は低くなっていると言えます。ただまあ、この「条件」がなかなかに曲者ではあるわけですが・・・。

■ 「Rakuten Casa」はどういったものなのか?

「Rakuten Casa」は、NTT などの光回線を使って楽天モバイルの携帯電話網に変換するフェムトセル基地局です。こちらの機器を使うことで例え自宅が auローミングエリアにあるとしても「Rakuten UN-LIMIT」の自社回線エリアとして月額 2,980円でデータ利用が使い放題となります。(もちろん電話に関しても「楽天 Link」アプリを使う事で国内通話かけ放題となります。)

Rakuten Casa外観 「Rakuten Casa」の外観は右のような物になり、白と黒の2色が用意されるようです。据え置き専用となり、壁掛については想定されていないようなので設置場所は考えておいた方が良いでしょう。 「ご利用ガイド」として「こちら」で簡単な説明が公開されていますが、詳しい仕様などについては不明です。設計は台湾にある「Sercomm Corporation」で中国で製造したものを楽天が販売するという形になっている模様です。消費電力は 22W以下とのことなので 1日の電気代は 12円弱といったところでしょうか。
画像:楽天モバイル

「Rakuten Casa」はフェムトセル基地局としてだけでなく、Wi-Fiホームルーターとしても使う事ができるようです。対応規格は IEEE 802.11 a/b/g/n/ac となり、所謂「Wi-Fi 6」や「メッシュWi-Fi」に対応するものではありませんが、5GHz帯で最大 867Mbps、2.4GHz帯で最大 300Mbpsでの通信が可能です。まあ無料で利用出来ますしこの辺はこんなものでしょう。これらの数値は「カタログ値」なので実際にどの程度の性能が出るかは使ってみないとわかりませんが・・・。

「Rakuten Casa」の詳しい説明については「こちら」のページを参照下さい。

■ 申し込み方法、そして設置に必要な「条件」とは?

申し込みは、個人の場合は「楽天モバイル 楽天市場2号店」から申し込むことになります。

価格は 0円、送料もかかりません。別途事務手続きの手数料として 3,000円(税込)が必要ですが、設置の完了が確認された時点で同額のポイントとして還元されるそうです。申込に必要な情報は以下の通り。

  ・ 「楽天モバイル」の電話番号
  ・ 「楽天ひかり」のユーザー ID
  ・ 「フレッツ光」の回線 ID (CAF~またはCOP~)
  ・ 生年月日(未成年者の場合は保護者など法定代理人の同意が必要となります。)

上記のように、申し込みには「楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT)」と「楽天ひかり」双方の契約者である事が必須条件となります。「楽天ひかり」は NTTの「フレッツ光」回線を利用した「光コラボ」の 1種です。光コラボ間の乗り換えは以前よりかなり簡単にできるようになっているようですが、当然ながら「SoftBank 光」や KDDI の「au ひかり」から乗り換える場合は回線工事などが必要になります。

他社のようにフェムトセルの設置に事前の立ち入り調査が必要となるわけでない点はいいのですが、現在使っているネット回線のプロパイダの変更が必要になるという点で敷居の高さは否めません。

■ 他に注意が必要な点について

楽天ひかり」の契約が必要なこと以外にも注意すべき点がいくつかあるので書き出してみます。

  1. 小型ですが「Rakuten Casa」歴とした携帯電話の「基地局」です。このため、利用者自身が「基地局の運用者」として楽天モバイルから総務省に届け出がされます。
  2. 基地局」としての扱いになるので、申請した住所以外に勝手に場所を変えて設置したり(帰省先で使おうと持って行ったり)、旅行などでしばらく家に居ないからと言って勝手に電源を切ったりしてはいけません。これらは「電波法違反」となり処罰される場合があります。また、引っ越しなどの場合は設置場所の変更を届け出が必要になります。
  3. 分解・改造をしてはいけません。(同じく電波法違反で処罰の対象となり得ます。)
  4. 「Rakuten Casa」は楽天モバイルから「貸与されているもの」なので解約時には返却が必要です。返却しない場合は違約金として 20,000円が請求され、は遅延損害金も科せられる場合があります。

■ 「Rakuten Casa」はどのような人に向いているのか

一番向いているのはやはり飲食店などの店舗や何人か使う人の居る仕事場などかなと思います。公衆Wi-Fi として開放してしまうよりはセキュリティ面でも有利です。今後の楽天モバイルの普及の仕方次第ですが、楽天モバイルのサービスエリアであることが集客のアピールとなる可能性もありそうです。

個人宅で導入しようとする場合にネックとなるのはやはり「楽天ひかり」の契約が必要な点でしょうか。固定のインターネット回線は既に使っているものがある場合契約変更が必要になるので躊躇する人は多いかと思います。光回線が引けているなら Wi-Fi環境も当然あるでしょうし、スマホの通話にしても「楽天Link」アプリから行えば良いので特別メリットがあるようには思えません。まあ電気代以外は無料で置けるので別に置いていても構いはしませんが。

フェムトセルは利用者にとっては悪いものではないのですが、携帯電話回線の通信をインターネット回線に変換して流すものなのでプロパイダの通信網に負荷を掛ける要因になる可能性もあり、他社で導入が始まった頃にプロパイダ各社の間でインフラの「ただ乗り」ではないかと批判が高まった事がありました。今回楽天モバイルが「楽天ひかり」という自社のプロパイダ経由でしか利用を認めていないのはこうした問題を回避する目的もあるのでしょう。

楽天ひかり」については 6月から IPv6高速インターネット接続サービスと、IPv4 over IPv6 方式にも対応を予定しているとのことです。詳細な情報はまだ開示されていませんが、傘下の「SUNNET」がv6プラス方式を採用していたそうなのでその流れを汲むのではないかと思います。これまで PPPoE 方式でしか利用しておらず、ネット回線速度に悩んでいる場合は一緒に乗り換えを見当する価値はあるでしょう。

⇒⇒ 「楽天ひかり」は「DS-Lite」方式(但しtransixではなくXpass)を採用したようです。


※ 追記 ※


楽天モバイルから iPhoneiPad で「Rakuten UN-LIMIT」を使う場合の APN設定方法動作確認状況についての情報が出ていますが、ローミングエリア内で SMS の受信が出来ないことが示されています。SMS認証は様々なアカウントの作成時に必要とされる事が多く、使えない事の影響も少なからず出てくるので、「Rakuten UN-LIMIT」で iPhone を使いたい場合にはこの「Rakuten Casa」を導入するメリットはあるでしょう。自宅が楽天回線エリアとなればデータの使用量制限も無くなりますしね。まあ「楽天ひかり」への乗り換えを厭わないのであれば・・・の話ではあるのですけどね・・・。
(2020.4.29)