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「マイナポータル」でPCを使った場合の特別定額給付金申請方法

新型コロナ対策の一環として政府から全国民に一律 10万円が給付されることになりました。基準日(令和2年4月27日)時点で住民基本台帳に記録されている人の全てが対象となり、世帯主が家族全員の分を纏めて給付申請するようになっているそうです。(2世帯住宅などの場合はそれぞれの世帯主が申請)

申請方法は以下の 2つ。

  1. 「郵送」で申請
      市区町村から郵送されてくる「特別定額給付金申請書」に給付金の受取口座などの必要事項を
      記入し、振込先口座の確認書類(キャッシュカードのコピー等)と本人確認書類(免許証等)
      の写しを同封して返送します。記入方法については「こちら」で詳しく説明されています。
  2. 「オンライン」で申請
      「マイナポータル」にアクセスして申請内容を入力し、振込先口座の確認書類をアップロード
      した上でマイナンバーカードを使った電子署名を行って申請します。

いずれにせよ申請には郵送方式の申請受付開始日から 3ヶ月以内という期限がある(受付開始日は市区町村毎に異る)点は注意が必要です。焦る必要はありませんが早めに行っておいた方がよいでしょう。

3ヶ月という期限があるのでこの機会に今からマイナンバーカードを取得しようと思っている人はちょっと考えた方がいいです。というのも、今からマイナンバーカードの取得を申請したとしても発行まで数ヶ月かかってしまうという事態も予想されるのです。

マイナンバーカードは平常時でも申請してから取得できるまで 3週間~1ヶ月程度は掛かるのですが、オンライン申請に必要という事を知った人が慌てて申し込みに殺到し、遅れが出始めているようなのです。今回の給付申請のためだけに欲しいというのであれば大人しく郵送申請用の書類が届くのを待ってそちらで申請した方が結果的に早くて確実でしょう。今回のケースでは「世帯主が」マイナンバーカードを取得していないと意味もないですしね。勿論今回間に合わなくても構わないのであればそれでいいですし、既に取得済みであれば簡便に手続きを済ませることの出来るオンライン申請を使わない手はありません。

■ マイナポータル?

「マイナポータル」とは、マイナンバーに関する情報の閲覧や電子申請を行えるポータルサイトのことです。今回の給付金申請の他、自分の個人情報をどこの行政機関がいつ・どんな情報を利用したかの確認や、公共料金の支払いを行うことができ、今後もサービスの拡充が予定されているそうです。

情報提供等記録表示 情報提供ネットワークシステムを通じた住民の情報のやり取りの記録を確認
自己情報表示 行政機関などが持っている自分の特定個人情報の確認
お知らせ 行政機関などからの個人に合わせられた通知の確認
民間送達サービスとの連携 行政機関や民間企業等からの通知を民間の送達サービスを通じて受け取る
子育てワンストップサービス 地方公共団体の子育てに関するサービスの検索・オンライン申請
公金決済サービス ネットバンキング(ペイジー)やクレジットカードでの公金決済
外部サイト連携 マイナポータルから外部サイトへのログイン(要連携先登録)

今回の給付金申請をオンラインで行う場合はまずこの「マイナポータル」に登録する必要があるのですが、「マイナンバーカード」(通知カードではありません)の他にスマホ(iOS か Android でマイナンバーカードの読み取りのできるもの)か PC(Windows 及び Mac で ICカードの読み取りができること)が必要です。

また、マイナンバーカードの受取時に設定した「署名用電子証明書のパスコード(英数字 6~16桁)」が必要になります(4桁の方の暗証番号ではありません)。「署名用電子証明書」のパスコードは 5回連続で入力エラーになると即ロックされてしまい、解除手続きが必要になるので必ず事前に手元に用意しておきましょう。(マイナンバーカードの受取時に「署名用電子証明書」のパスコードを設定していない場合は役所に赴いて設定する必要があります。)


■ PC(Windows、Mac)を使って申請する場合の準備

  • Windows PC を使う場合

     Windows PCを使う場合は、Windows 8.1Windows 10(1703・CreatorsUpdate)以降のOS
     で、Webブラウザとして Google ChromeInternet Explorer 11Microsoft Edge のいずれか
     をインストールしている必要があります。尚、Microsoft Edge に関しては Chroniumベースに生ま
     れ変わった「新しい Edge(バージョン79以降)」にも対応しているようです。

    Win動作環境

    • こちら」からブラウザに合った「マイナポータルAP」をインストール。

      • Google Chrome を使う場合
        マイナポータルAP-Chromeこちら」から「MPASetup_Chrome.exe」をインストールします。インストールが完了すれば「chromeウェブストア」が表示されるので、右上の「CHROMEに追加」をクリックします。更にダイアログが表示されるので「拡張機能を追加」を押して機能を追加をした後に Google Chrome を再起動すれば準備完了です。
      • 新しい Microsoft Edge(バージョン79以降)を使う場合
        1. こちら」のページ上部に表示される「2020年1月16日以降にMicrosoft Edgeのバージョンアップ(バージョン79以降)を行った方はこちら」の手順に従って準備を進めます。 マイナポータルAP-edge1
        2. Microsoft Edge を立ち上げたら右上の「・・・」をクリックして表示されるメニューから「拡張機能」を選択します。
        3. 画面左下の「他のストアからの拡張機能を許可します。」のスイッチをONにします。
        4. インストーラーは「MPASetup_Chrome.exe」を使います。 新しい Edge は Chroniumベースになっているので Google Chrome と同じものが使えます。
          マイナポータルAP-edge2
        5. こちら」から Chromeウェブストアに進み、「Chromeに追加」ボタンを押します。
        6. 「”マイナポータルAP”を Microsoft Edge に追加しますか?」というダイアログが表示されるので「拡張機能の追加」をクリックします。
        7. Microsoft Edge を一旦閉じて再起動すれば準備完了です。
      • 古い Microsoft Edge(バージョン40台)を使う場合(非推奨)
        こちら」のページのリンクから「Microsoft Store」アプリに入り、Edge の拡張機能として「マイナポータルAP」を入手します。インストールが終わったら「起動」ボタンをクリックして拡張機能を有効化した後 Edge を再起動すれば準備完了です。

      • Internet Explorer 11 を使う場合(非推奨:セキュリティホールが放置されています)
        こちら」から「MPASetup_IE.exe」をダウンロードしてインストールします。インストールできたら Internet Explorer 11 で新しいタブを開くと「’Cabinet Office'の'マイナポータルAP'アドオンが使えるようになりました。」というダイアログが下部に表示されるので「有効にする(E)」をクリックします。一旦ブラウザを閉じて再度立ち上げれば準備完了です。

    • マイナンバーカードの読める ICカードリーダーを準備
      JPKI  今年 e-tax を利用して確定申告をした方は準備ができているのでその
       まま使う事ができます。今回初めて ICカードリーダを購入した場合
       は、メーカーのHPから最新版のドライバをインストールし、「利用
       者クライアントソフト
      」を「こちら」からダウンロードしてインス
       トールしておく必要があります。
      残念ながら PC で申請する場合、スマホを ICカードリーダーとしてマイナンバーカードの読み取りに利用することは出来ないようです。マイナンバーカードの読み取りに使えるカードリーダーについては以下の PDF にリストがありますが、今はどれもかなり品薄になっているようですね。

      「マイナンバーカード」に対応したICカードリダライタについて」 (PDF・2020年4月8日現在)

下の製品は Sony の Windows用 ICカードリーダーとして販売されているものですが、リストの中ではかなり使いやすい方だと思います。(こちらは Windows 専用です。)私は一つ前のモデルである「RC-S330」を持っているのですがこちらでも問題無く使用出来るようです。


  • macOS 搭載機(MacBook、iMac、Mac mini 等)を使う場合

     macOS を搭載したApple のPCを使って申請する場合は、macOS 10.12 Sierra 以降のバージョン
     (High Sierra、Mojave、Catalina)
    である事が条件です。Webブラウザは OS標準の Safari か
     Google Chrome
    に対応しています。

    MAC動作環境

    macOS 搭載機は持っていないため検証することが出来ません。Google Chrome を使う場合は「こちら」、Saffariを使う場合は「こちら」の手順に従ってご準備ください。どちらもブラウザの拡張機能として「マイナポータルAP」をインストールする点では Windows機と大差ないようです。

    また、Mac に対応した「利用者クライアントソフト」は「こちら」からダウンロードしてインストールして下さい。Mac では Java の実行環境も必要なようです。「こちら」から「JRE 8.0 Update241」以降をインストールしておいて下さい。

ICカードリーダーについても macOS に対応したものが必要です。下の製品は mac・Windows の両対応のようですね。やはりかなり品薄になっているようですが。



■ 申請の流れ

給付金申請-1

特別定額給金の申請は「マイナポータル」のサイトから「ぴったりサービス」を利用して行います。「申請はこちら」をクリックしてください。
給付金申請-2 ・郵便番号か住んでいる自治体の都道府県、市町
 村を選んで「地域を検索」をクリックします。
・「ぴったり検索」欄に利用出来るサービスの一覧
 が表示されるので「特別定額給付金」にチェック
 を入れて「この条件でさがす」を押します。
・次の画面でも「特別定額給付金」にチェックを入
 れて「申請する」をクリックします。
マイナポータル準備 対応した OSバージョンの Windows PC・Mac で、Webブラウザに「マイナポータルAP」のインストールを済ませて準備が整っていれば右のように Step 1~3 にチェックが入った状態になります。Step 4 の各項目にチェックを入れて「次へ進む」をクリックします。「署名用電子証明書のパスコード(英数字 6~16桁)」は必ず事前に確認しておいて下さい。5回連続でエラーになるとロックされてしまい、役所で解除手続きをしなくてはならなくなります。
給付金申請-3
連絡先のメールアドレスと電話番号を入力して「次へすすむ」をクリックします。「mposs@mail.oss.myna.go.jp」から確認メールが入力したアドレスに届くのでフィルターなどを設定している場合は通過できるようにしておく必要があります。
続いて申請者自身の情報を入力します。手入力でももちろん構わないのですが、マイナンバーカードに格納されている情報を読み取らせて自動入力させることができます。正常にセットアップできているか確認する意味でもここはマイナンバーカードからの読み取りを試しておくとよいでしょう。

給付金申請-4

但し、ここで利用するマイナンバーカードの暗証番号は数字 4桁の「券面事項入力補助用暗証番号」です。マイナンバーカードのパスコードには、英数字 6~16桁の「署名用電子証明書暗証番号」以外に、数字4桁の「利用者証明用電子証明書暗証番号」「住民基本台長用暗証番号」「券面事項入力補助用暗証番号」の 3つが存在します。数字 4桁の方の暗証番号に同じものを設定していた場合はよいのですが、もしバラバラに設定していた場合は十分に注意してください。4桁の方の暗証番号は三振即アウトです。続けて3回連続でエラーになるとロックされてしまいます。

自動入力で足りない情報(カタカナ氏名、郵便番号、電話番号等)を入力したら「次へすすむ」をクリックします。

給付金申請-5

提出する世帯主の情報を確認し、同一世帯に属する家族の氏名と給付金を受け取る銀行かゆうちょ銀行の口座情報を入力します。確認画面が表示されるので間違いが無いことを確かめて次へ進みます。

給付金申請-6 振込先の口座の確認書類をアップロードします。申請者名義の通帳、キャッシュカード、インターネットバンキングの画面のスクリーンショットなどで、口座番号とカナ氏名の確認ができる画像をアップロードすればいいようです。「ファイルの選択」をクリックすればエクスプローラーが開くので画像を保存したフォルダを選択してアップロードします。iPhone で撮った写真を使う場合は PC に iCloud をインストールしていればiPhoneで撮った写真もそのままアップロードすることができます。(アップロード時に画像サイズは自動的に圧縮されるようです。)
尚、アップロードする事の出来る画像ファイルは、拡張子が「jpeg, jpg, png, gif, tiff, tif」のものです。それ以外の形式の画像ファイルをアップロードするとエラーとなるのでご注意ください。

給付金申請-6

アップロードした確認書類を確かめたら(アップロードしたファイルをクリックすると別タブに画像が表示されます)確認・同意事項をよく読んで「以上を確認・同意し、次へ」をクリックし、電子署名を付与して送信すればOKです。ここで電子署名を付与する為に必要なのは、英数字 6~16桁の「署名用電子証明書暗証番号です。こちらは 5回連続で間違えて入力するとロックされてしまいますので十分注意して入力してください。

給付申請-7

「送信完了」画面が表示され、連絡先として登録したメールアドレスに送信完了通知が届きます。「ぴったいサービス(受付番号)_申請書控え.zip」という ZIPファイルが添付されてくるので解凍すれば申請書の控えの PDFファイルを入手することができます。うまくメールが受信出来ない場合などは「送信完了」画面からダウンロードして保存しておきましょう。


■ パスワードロックが掛かってしまったら

もしもマイナンバーカードにパスワードロックが掛かってしまったら残念ながら役所に出向いて解除手続きをするしかありません。ここ最近、給付申請の為にマイナンバーカードを使おうとしたところパスコードを忘れてしまっていたり、入力回数制限に引っかかってしまってロックされたりして解除申請の為に役所を訪れる人がかなり増えているらしく、利用急増によるシステム障害も相まってかなり混雑しているそうです。新型コロナウイルスへの感染を防ぐ為に「3密を避けろ」と言われていますが、他に方法はありません。間違えないようできるだけ注意して入力してください。

それでもパスワードロックがかかってしまったら以下の記事にロックの解除と再設定をした時の事を書いていますので参考にでもして頂ければと思います。


■ ついでに「マイナポイント」にも登録しておきましょう

元々が消費増税の影響を緩和する為の事業なので、この新型コロナウイルス騒動の最中、当初の予定通り始まるのかよくわかりませんが、2020年の9月以降、「マイナポイント」というキャッシュレス決済サービス(QRコード決済や各種クレジットカード決済など)と連携した還元事業が予定されています。サービスや買い物をした際に購入額の25%(上限5,000円)が返ってくるので利用しない手はないでしょう。「マイキーID」というIDを設定し、「マイナポイントの予約」が必要なのでこの機会に手続きを行っておくとよいでしょう。

こちらについてはまた近いうちに記事にしてみたいと思います。


※ 追記 ※


Windows 10 に最新バージョンの「Windows 10 May 2020 Update(2004)」を適用した後 PC上でマイナンバーカードの情報が読み取れなくなってしまいました。公的認証サービスの「利用者クライアントソフト」で動作確認ボタンを押してみても「R/Wのタイプが不明です」というメッセージが出てくるので、どうやら RC-S330 が認識されていないようです。楽天Edy の読み取りは正常に出来るのでソフトウェアを疑い、SONY の FeliCa のページから「PC/SC アクティベーター for Type B」を再インストールしてみたところ無事認識されるようになりました。

もしWindows の更新後にマイナンバーカードの読み取りが出来なくなってしまった場合は一度上記のソフトウェアの再インストールを試してみてください。
(2020.6.19)