前回 PC を使ってオンラインで申請を出す方法について書きましたが、今回はスマホを使って申請する方法について書いてみたいと思います。今の多くの人にとってはこちらの方が一般的でしょう。
スマホを使って申請する場合は、手持ちのスマホが「NFC(近距離無線通信)」を搭載していて、更にマイナンバーカードの読み取りに対応している必要があります。目安としては、iPhone の場合は Apple Pay が利用可能であること、Android の場合はおサイフケータイを搭載していること(一部例外もあり)です。動作が確認されているスマホのリストは以下の通り。
それではそれぞれ手続きの流れをみてみます。
■ iPhone を使って申請する場合の準備(iPad では申請できません)
iPhone で申請する場合、単一メーカということもあって線引きは非常にはっきりしています。今回オンラインで給付申請する場合は、iOS 13.1 以上がインストールされた iPhone 7 以降の機種が必要です。つまりは Apple Pay が使える機種と言うことです。
「マイナポータルAP」は、右のバッジ「こちら」のページで表示されている QRコードを読み込むことで入手することが出来ます(無料です)。
」をクリックするか、「また、マイナンバーカードとマイナンバーカードの受取時に設定した「署名用電子証明書のパスコード(英数字 6~16桁)」が必要になります(4桁の方の暗証番号ではありません)。「署名用電子証明書」のパスコードは 5回連続で入力エラーになると即ロックされてしまい、解除手続きが必要になるので必ず事前確認しておきましょう。(マイナンバーカードの受取時に「署名用電子証明書」のパスコードを設定していない場合は役所に赴いて設定する必要があります。)
iPhone の NFC を使って申請するので別途ICカードリーダー等を購入したりする必要はありません。Webブラウザは OS標準の「Safari」が指定されています。
■ Androidスマホを使って申請する場合の準備
Androidスマホを使って申請する場合は、Android 6.0 以降の OS を搭載したマイナンバーカードの読み取りに対応した端末に「マイナポータルAP」というアプリをインストールする必要があります。
「マイナポータルAP」をインストールすることのできる端末のリストは「こちら」です。(現在は5月9日時点の情報が掲載されています。)さすがにソニー・シャープ・東芝と、国内メーカーのスマホは多くが対応しているようですね。海外メーカーのものでも対応している機種はあるようです。
「マイナポータルAP」は、「こちら」のページで表示されている QRコードを読み込むか、「Google Play」で入手することが出来ます(こちらも無料です)。こちらの Webブラウザは「Google Chrome」が指定されています。
残念ながら私の所有している OPPO Reno A はリストに載っていませんでした。Google Play でアプリを検索すると、「お使いのデバイスはこのバージョンに対応していません。」との表示が出てアプリをインストールすることすら出来ませんでした。同じ OPPO の端末でも R15 Pro や A5 2020 なら使えるようなのですけどね。NFC を搭載していておサイフケータイにも対応していたとしてもマイナンバーカードの読み取りには対応していないものもあるようです。
■ スマホを使った申請の流れ
スマホの準備ができたら「マイナポータルAP」を立ち上げます。(iPhone を例にしています。)
アプリの最初のメニュー画面で「ぴったりサービス」を選択します。基本的には PC で申請する場合と同じ流れです。郵便番号か都道府県名+市町村名を入力して利用出来るサービスを検索し、「特別定額給付金」にチェックを入れて作業を進めていきます。
警告画面が表示されますが、iOS 13.1 以上の iPhone 7以降の機種に「マイナポータルAP」をインストールできていれば条件はクリア出来ていますので大丈夫です。PC同様環境チェックが行われますので、マイナンバーカードと「署名用電子証明書のパスコード(英数字 6~16桁)」が手元にある事を確認して先へ進みます。
連絡先のメールアドレスと電話番号を入力して次へ進むとすぐに「mposs@mail.oss.myna.go.jp」から確認メール届きます。(メールフィルターなどを設定している場合は通過できるようにしておかないと弾かれてしまいます。)
続いて申請者自身の情報を入力します。マイナンバーカードに格納されている情報を読み取らせて大部分を自動入力させることができるのですが、ここで利用するマイナンバーカードの暗証番号は数字 4桁の「券面事項入力補助用暗証番号」であることは十分注意して入力してください。自信が無ければ手入力にしておく方がいいかも知れません。
マイナンバーカードのパスコードには、英数字 6~16桁の「署名用電子証明書暗証番号」以外に、数字4桁の「利用者証明用電子証明書暗証番号」「住民基本台長用暗証番号」「券面事項入力補助用暗証番号」の 3つが存在します。数字 4桁の方の暗証番号に同じものを設定していた場合はよいのですが、もしバラバラに設定していた場合は十分に注意してください。4桁の方の暗証番号は三振即アウトです。続けて3回連続でエラーになるとロックされてしまいます。
「マイナンバーカードを読み取り」からパスコードを入力したら「次へ」をタップします。
図のようにマイナンバーカードの上に iPhone の上部をのせたら「読み取り開始」をタップします。
iPhone を使う場合、カードを読み取った後に「マイナポータルAP」のトップ画面が表示されるのですが、ここではアプリのメニューの操作はせずに画面左上の「◀safari」をタップしてブラウザに戻って下さい。時々上手く読み取れないことがあるようなので層の場合は再度試してみてください。
読み取りが成功していれば「申請者情報の入力」画面に戻り、ある程度の情報が取得された状態になるので、足りない情報(カタカナ氏名、郵便番号、電話番号等)を入力したら「次へすすむ」をタップします
同一世帯に属する給付対象者(家族)の氏名と給付金の受取口座情報を入力します。受取口座情報の入力は銀行とゆうちょ銀行に分かれていますのでどちらか一方のみ入力して下さい。確認画面で間違いが無いか確かめて添付書類の登録へ進みます。
受取口座の確認書類をアップロードします。申請者名義の通帳、キャッシュカード、インターネットバンキングの画面のスクリーンショットなどで、口座番号とカナ氏名の確認ができる画像であればよいそうです。アップロードする画像はその場でカメラアプリを起動して撮ってもいいですし予め撮影したスマホの中の画像などを使う事も出来ます。(自動的に圧縮してアップロードしてくれるようです。)
確認書類のアップロードが出来たら注意事項を読んだ上で「以上を確認・同意し、次へ」をタップし、電子署名の付与へ移ります。
電子署名を行う際の操作については先ほど申請者情報の入力時にマイナンバーカードで読み込んだ手順と同じです。但し、ここで付与する電子署名は、英数字 6~16桁の「署名用電子証明書暗証番号」の入力が必要です。こちらは 5回連続で間違えてしまうとロックされてしまいますので十分注意して入力してください。
電子署名を行った後に「マイナポータルAP」のトップページが表示されてしまう点も同じです。アプリのメニューの操作はせずに画面左上の「◀safari」をタップしてブラウザに戻って下さい
最後にデータを「送信」して申請作業は終了です。「申請様式の控えおよび申請完了後の申請データを登録アドレスに送信する」にチェックを入れて控えのデータを必ず入手しておきましょう。
■ パスワードロックが掛かってしまったら
もしもマイナンバーカードにパスワードロックが掛かってしまったら残念ながら役所に出向いて解除手続きをするしかありません。ここ最近、給付申請の為にマイナンバーカードを使おうとしたところパスコードを忘れてしまっていたり、入力回数制限に引っかかってしまってロックされたりして解除申請の為に役所を訪れる人がかなり増えているらしく、利用急増によるシステム障害も相まってかなり混雑しているそうです。新型コロナウイルスへの感染を防ぐ為に「3密を避けろ」と言われていますが、他に方法はありません。間違えないようできるだけ注意して入力してください。
それでもパスワードロックがかかってしまったら以下の記事にロックの解除と再設定をした時の事を書いていますので参考にでもして頂ければと思います。
■ 最後に
記事にする為にPCとスマホそれぞれで申請作業を送信する直前までやってみましたが、やはり余計な機材(ICカードリーダー)も必要ないですしスマホで申請した方がかなり簡単ですね。対応しているスマホをお持ちでしたら是非挑戦してみて下さい。慣れない作業に戸惑うこともあるかも知れませんけどね。
また、2020年の9月以降、「マイナポイント」というキャッシュレス決済サービス(QRコード決済や各種クレジットカード決済など)と連携した還元事業が予定されています。サービスや買い物をした際に購入額の25%(上限5,000円)が返ってくるので利用しない手はないでしょう。「マイキーID」というIDを設定し、「マイナポイントの予約」をするという事前登録が必要なのでこの機会に手続きを行っておくとよいでしょう。