Noctua製 CPUクーラーのよい所の 1つは、とにかく長期間使い続けられるという点にあります。これは使用されているファンの耐久性の高さ(最新の「NF-A12x25」を初め、現在販売されている Noctua製ファンの MTTF(平均故障寿命)は 15万時間にもなります)もさることながら、CPU のプラットフォーム(Socket)が変わっても取付用マウントキットを変更することで長期にわたって追従していけるという点にあります。
実際、下の「NM-AM4」という取付キットを用意することで過去に販売されてきた NH-C12P、NH-C12P SE14、NH-C14、NH-C14S、NH-D14、NH-D14 SE2011、NH-D15、NH-D15S、NH-D9L、NH-L12、NH-L9x65、NH-U12、NH-U12F、NH-U12P、NH-U12P SE1366、NH-U12P SE2、NH-U9、NH-U9B、NH-U9B SE2、NH-U9F という 2005年くらいからのモデルでも Socket AM4 のCPUクーラーとして使用出来るようになります。(NH-U14S、NH-U12S、NH-U9S については別の取付キット(NM-AM4-UxS)が必要になります。)
現行品はもう Socket AM4 に対応したマウントキットが最初から付属するようになっているはずですが、多少入手に時間が掛かってもよいというのであれば、Noctua に CPUクーラーと Socket AM4 に対応したマザーボードか CPU の購入証明を送れば無料でマウントキットを送付してくれるというのは以前の記事でも紹介した通り。価格に見合う品質とサポート体制は非常に魅力的です。
・・・ということで、今回は「NM-AM4」を使って「NH-U12P SE2」という Socket AM4 が存在していなかった頃の CPUクーラーを ASRock B450 Steel Legend に取り付けてみることにします。NH-D15 など他の製品を使用する場合でも取付の流れは同じです。
「NM-AM4」の中身はこのように理路整然とパーツが並べられています。なんか結構指紋がベタベタと付いていましたが、Amazon のレビューでもよく見かけますので、どうも製造工程上の問題のような気がしますね。無水エタノールで拭けば大体綺麗になったのでまあいいですけど気持ちのよいものではありません。せっかく綺麗に並べられているのにね。パーツの精度に関しては素晴らしいの一言です。扱いは Sythe となっていました。
まずはマザーボードに取り付けられている標準の CPUクーラーマウンターを取り外します。尚、バックプレートはそのまま標準のものを使用するので取り外す必要はありません。
キット付属のグレーの樹脂製スペーサーをバックプレートの脚に被せたらブリッジパーツを乗せてネジで固定します。スペーサーのおかげで Socket 周囲のコンデンサやチョークに干渉する心配はありません。ブリッジパーツは長短 2種類が用意されているので CPUクーラーを取り付ける向きに合わせて必要な方を選んで下さい。今回は長い方のパーツを使用しました。「NH-U12P SE2」の場合はこれでメモリ側から I/Oパネル側へ風が流れるようになります。
CPU を取り付けたら一旦マウント側の作業は終了です。次に、CPUクーラーのベースプレートにリテンションブラケットを裏側から取り付けます。キット付属の小さい方のネジを使ってしっかりと取り付けておいて下さい。以前使っていた CPU の跡が付いてしまっていますがまあ気にしない(笑)。
後は CPU にグリスを塗ってクーラー本体を取り付けるだけです。ただ、取付部のネジにはバネが入っているので取っ掛かりができるまではちょっと苦労するかも知れません。クーラー本体をしっかり持ってネジを押しつけながら回していく必要があります。柄の短いドライバーではちょっとやりにくいかも知れないので出来れば柄の長い自動車整備用のドライバーなどを使うのが良いでしょう。
取付が完了したらファンの風の向きを確認してクリップを使ってファンを固定すれば作業完了です。
「NH-U12P SE2」はもう中古市場くらいでしか入手することは出来ないでしょうが、12cm ファンを搭載した後継機としては「NH-U12A」が販売されています。ヒートパイプの数が 7本に増やされた上にファンだけでも高価な「NF-A12x25」を 2基搭載しているなど価格相応の強化・改良は施されていると思いますが、品薄状態が続いているようなので高値掴みにはご注意ください。