飲み物じゃないですよ(ベタ)。「COCOA」というスマートフォン用アプリが iOS・Android 向けに配布されています。もうインストールされましたか?私はアプリがリリースされてすぐに入れておきました。既にテレビニュースなどでも何度か採り上げられているので知らない方は少ないかも知れませんが、改めてこのアプリについてちょっとここで整理しておきたいと思います。
■ 「COCOA」とは?
「COCOA」は、” COVID-19 Contact-Confirming Application " の略称で、厚生労働省謹製の新型コロナウイルス接触確認アプリです。このアプリをスマートフォンにインストールしておくと、Bluetooth機能を使って新型コロナウイルスの罹患者と14日間以内に一定以上の時間近い距離で同じ場所にいた場合にお互いの匿名性を保ったまま感染の危険性を通知してくれるものです。概ね 1m以内で 15分以上の接触があった場合が情報記録の対象となるそうです。電車やバス、職場や学校などといったケースが想定されるでしょう。
【接触確認アプリのご案内】
— 厚生労働省 (@MHLWitter) July 3, 2020
「新型コロナウイルス接触確認アプリ」は、下記からインストールいただけます。国民の皆さま、ぜひご活用ください!#厚生労働省
接触確認アプリに関するQAhttps://t.co/hi3V5nK21F
■App Storehttps://t.co/U4EOAgxBN3
■Google Playhttps://t.co/qIVDh8OZzQ pic.twitter.com/hYBlX2910r
厚生労働省に拠ると、8月7日17時の時点で iOS版・Android版併せて約1,205万件のダウンロードがされているそうです。(再ダウンロードなどで複数回のカウントがされている可能性はあります。)
但し、これは当然のことなのですが、このアプリを入れたからといって新型コロナウイルスの感染を未然に防げるわけではありません。あくまでも感染に繋がる可能性のある人との接触があったことを知り、自身の健康に気を配ると共に周囲の人に感染を広げたりしないような行動を取る為の参考の一助とするべきものです。また、プライバシーへの配慮がされているため、いつ・どこで・接触したうちの誰が感染者だったのかというような具体的で細かな情報は全くわかりません。14日間のうちに感染者との比較的濃厚な接触があったかどうかということを知るためのアプリです。
このアプリはより多くの人がインストールし、罹患してしまった場合に自分で情報を登録する(もちろん匿名性は保たれます)人が増えれば増える程意味のあるものとなります。国民の 6割という目標はさすがに厳しいでしょうが・・・。
■ アプリのインストール方法
まずは App Store または Google Play から「COCOA」アプリをインストールします。費用は掛か
りません。各ストアで直接検索したり上記の Twitter のリンクから入手して下さっても構いません。
動作可能な OS は、iOS版が iOS 13.5以降、Android版が Android 6.0以降となっています。スマホの「Bluetooth」機能を ON に設定。
自分と接触者それぞれの Bluetooth機能が ON になっている必要があります。電話番号や位置情報などの個人情報が交換されるようなことはありません。
近接に関する情報は、14日経過後に自動的に無効となります。また、気に入らなければアプリの利用への同意はいつでも撤回し、アプリを消去して記録を抹消することができます。
■ アプリ使用上の注意点
アプリに関する FAQ は「こちら」のページに掲載されていますが、いくつか注意しておくべき事項について書いておきます。
「Bluetooth」機能が有効になっていないと意味がありません
このアプリは、スマートフォンの Bluetooth機能を使うことで利用者同士の接触情報を匿名性を保った状態で記録し、罹患者が情報を登録した際に記録された情報を元に感染の可能性のある方への通知が行われる仕組みになっています。このため、電池保ちを気にして普段 Bluetooth を OFF にしている場合などではアプリをインストールしていても何の意味もありません。せめて電車に乗ったり人混みに出たりする時だけでも Bluetooth を ON にするように心掛けて下さい。罹患した場合は「自分で」情報の登録が必要
PCR検査などで陽性が確認されると「新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理支援システム」の「処理番号」が本人に SMS またはメールで送付されるそうです。ここで発行された「処理番号」を「COCOA」に感染者自身が登録しないかぎり接触者に通知が発せられることはありません。
尚、自動登録されるわけでない事が影響しているのか、陽性判明者が自身で情報を登録した件数は、8月7日の時点で通算165件に留まっているそうです。一旦削除して再度インストールした場合は、それまでの接触履歴も削除されてしまいます。
■ 最後に
もしもアプリから感染者との接触に関する通知が届いた場合は、アプリ上で症状の有無を選択することで生活上の注意や検査の受診の案内などがされるそうです。
アプリに対する様々な批判があることは承知しています。ですが、今私たちが出来る事はできる限り感染が広がるスピードを抑え、少しでも治療薬・ワクチンが開発されるまでの時間を稼ぐことです。自分が罹らないよう気をつけるのはもちろんですが、もし罹患してしまった場合に接触のあった人に注意を促すことが出来得るという点で少なくともインストールしておく価値は十分にあるのではないかと思います。
新型コロナウイルス接触確認アプリの「COCOA」ですが、陽性者の全数届出の見直しなどからアプリの有用性が薄れたとして、2022年11月17日より順次「機能停止版アプリ(Ver.3.0.0)」の配信が始まり、年度末までにサービスを終了することになったそうです。
これに伴い、「COCOA」を「機能停止版」にアップデートした後機能停止手続きを行い、アプリを削除するよう通知が出ています。 アプリの機能停止を行わずに削除してしまった場合は、そのままではスマホの接触確認機能自体は動いたままとなり、若干の通信やバッテリー消費などを伴う可能性があるそうなので、可能な限り「COCOA」アプリで機能停止手続きを行ってからアプリを削除するようにした方が良さそうです。もしアプリ削除を先に行ってしまった場合は、スマホの設定から接触通知を切って下さい。
役に立たなかっただの税金の無駄遣いだのと色々批判もあるようですが、新型コロナ対策として何が正しいのか分からない状態の中、危険に対する意識を持てるという事で一定の役割は果たしてくれたんじゃないかと思います。アプリ作成・運営に携わった方、本当にお疲れ様でした。
(2022.11.17)