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須磨港と淡路島の津名港を結ぶ新航路実証実験「2024 スマアワ Ship & Cycle」に参加して来ました!

9月の 29日に催行された「2024 スマアワ Ship & Cycle」に参加して来ましたので、乗船の様子などをご紹介しておくことにします。今年の「スマアワ Ship & Cycle」は、淡路島側の発着港が昨年と同じ淡路市役所近くの津名港(9月28日、9月29日)と、明石と淡路島を結んでいる「ジェノバライン」と同じ岩屋港(10月5日、10月6日)の 2港となりました。

「スマアワ Ship & Cycle」は、須磨港と淡路島を結ぶ新たな海上航路を設置するにあたって需要や課題を洗い出すための「実証実験」です。” Ship & Cycle ” の名が示す通り、この実証実験では自分の自転車を持ち込んで一緒に乗船し、目的地に着いたら自由にサイクリングを楽しむことが可能です。とは言え自転車は現地でもレンタル可能ですし、淡路島各地を巡るバスツアーも用意されているので、普通に観光目的で申し込んだ方も結構居られたようです。

2022年、2023年に続き今年も催行となりましたが、この実証実験は今年が最後。今後は 3年間に蓄積された実験データを分析し、常設の新航路としての事業化可能性を検討するとのこと。気になるのはやはり近く(明石)で定期運行している「ジェノバライン」が既にあるという事。なかなか難しそうな気もしますが、津名や洲本を結ぶ便ならある程度の需要はあるんじゃないでしょうか?

「スマアワ Ship & Cycle」自体の詳細については以下の記事で詳しくご紹介していますので、併せてお読み頂ければ幸いです。

申し込みから催行日までかなりの日数があったので当日の天候だけが不安でしたが、なんとか雨が降る事態だけは避けられました。

■ 朝食を調達して乗船場所へ

昨年の集合時刻は須磨海岸のスタバがギリギリ開く時間帯だったので珈琲を調達してから乗船しましたが、今年の便の乗船受付締切は 7時15分。当然スタバは開いていないので朝食はコンビニ調達かな・・・と思っていたのですが、Google MAP で探してみたところ、なんと鷹取商店街に朝の 5時半からオープンしているベーカリーショップを発見!評判も悪くないので行ってみることにします。

マル井パン

「マル井パン タカトリ店」

   住所   : 兵庫県神戸市長田区若松町11丁目6-9
   電話   : 078-731-1238
   営業時間 : 5:30 ~ 19:00
   定休日  : 火曜日
   駐車場  : 無し
   備考   : 現金決済のみ


ベーカリーショップで朝の 5時半からやっているというところはあまり無いでしょう。ちょうど妙法寺から板宿を抜けて国道 2号線方面に出る時に使う道の側にあったのはラッキーでした。朝の早い時間帯だというのに朝食に食べたいであろうサンドイッチ系や調理パンなどがちゃんと用意されていて品揃えも悪くありません。カスクート(バケットで挟んだサンドイッチ)が美味しいらしいので今度買ってみよう。

鉄人オブジェ

乗船受付終了までまだかなり余裕があったので、新長田駅近くの公園に設置されている鉄人 28号のモニュメントを見に行ってみることにしました。もちろん以前から存在は知っていましたが、まだこれまで一度も行ったことが無かったのですよね。時刻はちょうど 6時半過ぎくらい。多くの方がラジオ体操に勤しんでらっしゃいました。混ざっといてもよかったかな?(笑)。

■ 乗船手続きを済ませて出港!

乗船受付場所は昨年と同じでした。現在は普段入れないよう閉鎖されていますが、” たこフェリー ” が運行されていた頃に発着していた埠頭のようです。

集合場所

「須磨シーワールド」方面からは駐車場も綺麗に整備されたので以前よりはだいぶ分かりやすくなったと思いますが、やはり初めてで迷っている方も居た模様。東方面からアプローチする場合は一見真っ直ぐ行けそうな高架があるのですが、自転車通行禁止なので下の側道を通る必要があります。

受付-1受付-2

受付で事前に印刷して記入しておいた旅行申込書兼チケット引換書を渡して乗船チケットを受け取ります。・・・が、この用紙の記入が面倒で・・・。なんでネット申し込みをして料金の支払いも済んでいるのに今時わざわざ用紙を印刷して住所氏名年齢生年月日まで記入させるのか理解不能です。しかも往復で 2枚ですよ?確認メールの提示と生年月日確認程度で十分じゃないですか?

咸臨丸-1

咸臨丸-2咸臨丸-3

今回乗船する「咸臨丸」です。「咸臨丸」と言えば幕末に勝海舟、ジョン万次郎などと共に米国へ渡った蒸気船ですが、もちろん今回乗船するのはその姿を元に観光船として造られたもの。鳴門海峡の渦潮遊覧船として使用されていましたが、より大型の「新・咸臨丸」にその地位を譲り、現在は明石海峡クルーズ船として余生を送っている船のようです。

咸臨丸-4

自転車の固定状況です。中甲板の船尾付近にサイクルラックが設置されていました。この積載方法だと船の揺れで隣の自転車と当たったりしないのかなと思いましたが、ホイールを縛ることで揺れないようにしていたようです。

Ship & Cycle-1Ship & Cycle-2Ship & Cycle-3
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取り急ぎ船橋甲板(UPPER DECK)の見晴らしのいい席を確保しました。天候がイマイチとは言え、船内に籠もっているのは勿体ないですからね。買っておいたサンドイッチで朝食タイム。

Ship & Cycle-7

予定通り 7時半に出航しました。行って来ます!

Ship & Cycle-8

上甲板(MAIN DECK)・第二甲板(UNDER DECK)にも船室はあるので、これで全員というわけではありません。定員は 150名でしたが、乗船率は 5~6割といったところだったでしょうか。天候が読み辛い日が続いていたこともあるのでまあ仕方ないでしょう。ただ、宣伝はもうちょっと気合いを入れてやった方が良かった気がします。「スマアワ Ship & Cycle」自体聞いたこと無いって人も多いでしょう。

Ship & Cycle-9Ship & Cycle-10

Ship & Cycle-11

須磨港を出港し、明石海峡大橋を観ながら淡路島へ。迫力という点では明石海峡大橋の下を潜る「ジェノバライン」の圧勝ですね。

航路

もっと沖合を津名港まで一直線という感じの航路を取るのかと思っていましたが、実際にはかなり沿岸に沿う航路になっていました。燃費的には沖合を突っ切った方が効率的だと思うので、携帯の電波が入りやすいようにという配慮なんでしょうかね?スマートウォッチで計測していたのですが、距離は約 30km でした。概ね 10~11ノット程度(時速 20km 程度)で航行していたようです。

咸臨丸-5咸臨丸--6咸臨丸--7

せっかくなので船内を探索してみます。最下層の第二甲板にはトイレのほかフェリーの相部屋のような船室がありました。が、窓も小さいのでここには誰も居ませんでした(笑)。また、明石海峡で摂れる魚の標本や、咸臨丸に関する資料などが展示されています。

咸臨丸-8

船尾の方には咸臨丸の模型も展示されていました。咸臨丸の模型はウッディジョーから出ているので、興味のある方は頑張って!


朱印状-1朱印状-2朱印状-3

咸臨丸とは直接関係ありませんが、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康による朱印状も展示されていました。

咸臨丸-9咸臨丸-10

この展示スペースは存在を知らなかった方も多かったかも知れません。私も船内探索しなければ知らないままでしたから(笑)。乗船する機会があれば是非覗いてみてください。

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上甲板の客室は冷暖房完備。自販機はありましたが、特に食事を提供するようなサービスは無いようでした。サンドイッチを買ってきておいてよかった・・・。

Ship & Cycle-12

揺れも少なく、約 1時間 45分の快適な船旅でした。

■ 淡路島の「津名港」に到着!

淡路島の津名港に到着です。

Ship & Cycle-13

津名港はかつて畿内交通の要所とされ、江戸時代には風待ち港として栄えた港でした。大阪や神戸と結ぶフェリーも多く発着していましたが、明石海峡大橋開通に伴って利用客が減少し、現在では全ての航路が廃止されて高速バスのターミナルとして使用されています。

Ship & Cycle-14

須磨港から乗船する際はスロープが設けられていたのですが、津名港では階段のあるタラップでした。ここを自転車を抱えて降りなければならないわけで、もし定期運行が実現するようであれば是非改善して頂きたい点ですね・・・(希望すれば降船を手伝ってもらうことも出来ますが)。

津名港ターミナル

思ったよりかなり立派なターミナルで驚きました。初日(9月28日)は歓迎のイベントなどもあったそうですが、この日(29日)は特に何も無し。ま、しゃーないですね(笑)。

今回の須磨港 ↔ 津名港の実証実験の料金は、片道 1,500円 + 自転車持込料 500円の 2,000円。往復で 4,000円は安くはありませんが、燃料費などが高騰していることを考えると妥当な水準かなと思います。ただ、距離を短縮出来るとは言えジェノバラインの倍以上になりますし、1日 1便ずつとなるとなかなか使い辛いものがありますね・・・。岩屋~津名間はほぼ平坦なので、サイクリストの多くはやはりジェノバラインを使うでしょう。

もちろん淡路島へ渡る手段の選択肢が増えてくれると嬉しいですが、採算の取れる軌道に乗せるのはなかなかに難しそうな気がします。市や県からある程度の補助金のようなものは出るでしょうけどね。サイクリスト以外の利用者をどれくらい増やせるかが鍵になりそうです。長くなってしまいましたので、淡路島サイクリングの様子については近日中にまた別の記事にて!