パソコンのマザーボードは UEFI/BIOS の更新によって機能の追加やパフォーマンスの向上、不具合の修正などが為されることがあります。ただ、アップデートに失敗すると最悪起動不能となってしまうなど一定のリスクを伴うので、少し前までは基本的に更新は推奨されておらず、メーカーのスタンスとしても不具合があったら更新してくれといったような感じでした。
ただ、最近はマイクロコードに起因する重大な不具合の修正(最近の Intel のことですが)があったり、積極的なパフォーマンスの最適化が施されたり(こちらは AMD の CPU に当てはまります)と、” 自己の責任に於いて ” という接頭語こそ付くものの個人の判断に任されるようになっているようです。
下の SS は、私が使っている「X670E STEEL LEGEND」の BIOS 更新履歴を示したものです。
私が「X670E STEEL LEGEND」を購入した時点で搭載されていた BIOS のバージョンは「3.01」。私が使用している AMD の「Ryzen 7 9700X」が一応正常に認識されるギリギリのものでした。その後 CPU パフォーマンスの最適化や ” 105W ” モードへの対応、” Gaming Mode ” オプションの追加等マイクロコードの更新が含まれているので、是非アップデートしておきたいところ。
ということで、「X670E STEEL LEGEND」の UEFI/BIOS 更新方法や注意点をメモしておきます。
※ BIOS/UEFI の更新には一定のリスクが伴います。 ※
※ 更新作業はくれぐれも自己の責任に於いて行って下さい。 ※
■ USBメモリに更新する BIOS/UEFI をコピーしておく
まずはマザーボードメーカーから更新に必要な BIOS/UEFI ファイルをダウンロードして解凍し、 USBメモリにコピーしておきます。今時 USBメモリの 1つや 2つは持っていると思いますが、FAT32 でフォーマットできるものなら基本的にどんなものでもOKです。「X670E STEEL LEGEND」の BIOSファイルは 15MB ちょっとです。
先程もちょろっと書きましたが、USBメモリは必ず FAT32(または FAT16/12)でフォーマット して下さい。他のファイルシステムでフォーマットした USBメモリは認識されませんのでご注意を。また、更新する BIOSファイルはルートディレクトリ上に置いて下さい。
■ マザーボードの UEFI画面から BIOS をアップデート
UEFI/BIOS のセットアップ画面に入ります。「X670E STEEL LEGEND」の場合は、起動直後に「F2」または「Del」キーを押し続けて下さい。複数のディスプレイを接続している場合は意図しないモニターに表示されることがあるので注意。
UEFI/BIOS をアップデートする際、fTPM を無効にしておかないと正常にアップデート出来ないことがあるようなので、一旦「アドバンスド」タブから「CPU 設定」に入り、「AMD fTPM switch」を「無効」に設定しておきます。
更新する BIOSファイルを格納した USBメモリをマザーボードに接続し、「ツール」タブから「Instant Flash」を選択して下さい。更新対象となるファイルが検索されますので、バージョンを確認して「更新」を押下。自動的に PC が再起動されて更新作業が開始されます。
更新作業中はキーボード操作がロックされます。作業が終了すれば自動的に再起動されますが、その間何も操作する事は出来ません。作業中に電源が落ちることのないよう充分ご注意下さい。最悪 PC が起動不能となってしまう恐れがあります。だいたい 10分程掛かりました。
無事作業は終了して UEFI/BIOS のバージョンが「3.15」に上がりました。「fTPM」が有効になっていることは確認しておきましょう。” AMD AGESA ” が ” 1.1.7.0 ” から ” 1.2.0.2b ” にアップデートされ、チップセットのファームウェアも更新されているようです。
更に 12月27日付けで「3.16」という新しいバージョンがリリースされたようなのですが、何故か製品のサポートページからはダウンロードできないようになっています。ついでに私がインストールした「3.15」も履歴から消えてしまっている?!何か問題が出て取り下げられたのでしょうか?もうアップデートしちゃったよ・・・。取りあえず今のところ問題は出ていないのでこのまま様子を見るつもりですが、不安になるからこういうのやめて(苦笑)。