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ONKYO DAC-HA200 ではじめてのポタアン!

ONKYO 製ハイレゾ対応 USB-DAC搭載ポータブルヘッドホンアンプの「DAC-HA200」を買ってみました。移動中に音楽を聴く時は Beats X などの Bluetoothイヤホンが便利なのでそれで十分なのですが、以前から寝床で音楽を聴いたり動画や TV を見たりするのに一つ欲しいなと思っていたところでした。

実売 1万円~ 3万円くらいのポタアン市場はかなり競争が激しいようで、各社から様々な製品が投入されています。2014年 7月発売と、この手の製品の中ではかなりのロングセラーとなっていた DAC-HA200 以外には、SONY の「PHA-1A」、2月に発売された FiiO の「Q1 Mark II」を候補としていましたが、最終的に非常にお手頃な価格になっていた DAC-HA200 を購入することに決めました。

詳細な仕様はこちらから ⇒⇒ DAC-HA200 SPECIFICATION


外観を見て分かるとおり、TEAC の「HA-P50」とは共同開発による姉妹機にあたります。両者とも DAC として BurrBrown 製の「PCM 5102」を採用していますが、オペアンプとして HA-P50 が「OPA1652」を使用しているのに対して DAC-HA200 では「MUSES 8920」を採用することと、スマホ用アプリの違いで特色を出しています。特に DAC-HA200 では「Onkyo HF Player」のアップサンプリング機能がなかなか優秀なようです。

この非常にコンパクトなサイズにしては入力系統も USB が Micro と Type-A の 2系統、アナログに光入力まで可能となかなかに豊富で、iOS・Android 双方のスマホに接続して使う事ができるほかノートPC と一緒に持ち歩くというのも良さそうです。また、最近の iPhone はイヤホンジャックが廃止されてしまって 3.5mm ミニプラグの有線イヤホンがそのままでは使えなくなってしまっているので、将来 iPhone を買い換えた時も本機があるとお気に入りのイヤホン・ヘッドホンを使い続けることができます。

DAC-HA200 外観

正面にはボリュームノブ(電源スイッチを兼用)、ヘッドホン端子(3.5mm ステレオミニプラグ)、光/アナログ入力端子(光ミニプラグ/3.5mm ステレオミニプラグ兼用)、GAIN 切替スイッチと電源・バッテリー充電状態のインジケーターがあります。付属品は、USB-Micro USBケーブル、USB-A DC充電ケーブル、スマホなどを固定する為のシリコンゴムバンドx2本となっていました。専用の充電器は付属しませんが、USB Type-Aコネクタの普通のスマホ用充電器を使う事ができます。

DAC-HA200 入出力 背面には電源プラグ、オーディオ信号入力用の Micro USB と USB Type-A端子、入力系統切替スイッチが配置されています。前面・後面共に端子部分を保護するような出っ張りがありますが、前面はボリュームや L字型のイヤホンジャックを保護するに足る位の長さが確保されているものの背面のそれは短く、スマホなどと接続する USBコネクタなどもほとんど剥き出しの状態になってしまいます。レビューなどを見ていると USBコネクタが破損したというものをちょくちょく見かけますが、鞄などに入れていると無理な力がかかりやすそうだなと感じます。
ボディはボリューム部分の赤いラインがアクセントとなっており、なかなかの高級感があります。スマホなどとほぼ同じサイズに 210g はややずっしりしていますが、ボディは金属製で強度は十分です。


iPhone SE と重ねてみるとぴったりのサイズでした。付属のシリコンバンドでまとめてみましたが、かなりの厚さになるのでポケットに入れるというのはやはり無理がありそうです。iPhone SE との接続には手持ちで一番短かった 20cm程の Powerbeats3 に付属していた Lightning-USBケーブルを使ってみましたが、コネクタ部分の出っ張りは如何ともし難いですね。鞄に入れて持ち運ぶとしてもやはりコネクタにはかなり無理がかかるのではないかと思いました。腰にベルトで固定できるような方法があれば移動中も使いやすいかも知れませんが。

持ち運びを考えた場合、とにかく使用中に正面からイヤホンケーブル、背面からはスマホとの接続用 USBケーブルと両端からケーブルが出てしまうのがよろしくないです。コネクタの配置を工夫して正面にボリュームとステレオミニジャック、USB端子を配置できていればもっと使い勝手がよかっただろうにと思います。

音に関してはとても満足しています。SONY のヘッドホン「 MDR-100A 」と接続してみたところ、iPhone や iPad のイヤホンジャックから直接接続した時と比べて明らかに音の厚みが増していると感じることができました。今まで聞こえていなかった繊細な音も聞き取ることができ、ちょっとした驚きがありました。イヤホンでは ONKYO の「 e-700m 」を接続してみましたが、こちらもやはり低音が締まってしっかり聞こえるようになったようで弦楽器などの響きもよく、全体的に情報量が増えたように感じます。

間にポタアンを挟むことで音質的にはしっかり変化を感じることができ、ボリューム調節も DAC-HA200 で楽にできるのでよいのですが、イヤホンなどに付いているリモコンを使ってのスキップや停止などの操作ができなくなってスマホなどで直接操作せざるを得ないのは仕方のない事とはいえやはりちょっと不便ですね。


「 ONKYO HF Player   」も試してみました。本来であればハイレゾ再生機能のロック解除に 1,200円を支払ってアプリの拡張パックを購入する必要がありますが、DAC-HA200 を接続していると無料で同等の機能が使えます。iOS と Android の両方に対応しているほかに Windows版 と Mac版も存在しますが、Windows版はプレイリストなどが申し訳程度の機能しか無く、正直使い易いとは言えませんね。Mac版については使ったことが無いのでなんとも言えません。iPhone・iPad との接続では、DAC-HA200 を接続するとアプリで感知して ONKYO HF Player の機能ロックが解除され、FLACやDSD、Ogg Vorbis などのハイレゾ音源の再生機能が使用できるようになります。

再生できる曲は iPad や iPhone 本体の iTunes ライブラリに保存されている曲に限られます。そのためリッピングなどをした曲はあらかじめスマホなどに転送しておく必要があります。NASなどのネットワーク機器からの再生には対応していません。また、同じスマホに保存されていても他の音楽ダウンロードサービス(dミュージックなど)で購入した曲は保存場所が違うのか認識されません。再生させたい場合はリッピングした曲などと同じように iTunes のフォルダに転送しておく必要があるようです。

多少事前準備に手間がかかる面はありますが、アプリの操作性自体は歌詞表示などにも対応しており、まずまずと言ったところです。iPhone・iPad ではアプリ上で「48kHzモード」に設定するとアップサンプリング機能が有効になって 96kHz での再生が可能になるようです。