スポーツ用自転車で一番弱い場所、それはやはりリアディレーラーの辺りでしょう。自転車のリアディレーラーは自転車の変速機構を担う大事な場所であるため「ディレーラーハンガー」と呼ばれるパーツを介して自転車のフレームに取り付けられているのですが、転倒などをした際に直接フレームやディレーラーに衝撃が加わって壊れてしまわないようにわざと曲がりやすく作られています。ディレーラーハンガーが犠牲となって曲がり、身代わりになってくれるという訳ですね。
ディレーラーハンガーは落車・転倒した場合ばかりでは無く、駐輪中に風が吹いたりして倒れたり、輪行中や輸送中に何かに当たって曲がってしまう場合もあります。曲がってしまったディレイラーハンガーは、手で曲げ直せば一応走行できるようには出来ますが、変速がスムーズに出来なくなる可能性が高いです。また、パーツ強度も落ちますので、何度も曲げ直したりしていると折れてしまう恐れもあります。
ディレーラーハンガーを取り替えればまた正常に走行できるようになりますが、出先に予備を持っていくという周到な人はあまり居ないでしょう。近くに自転車屋さんがあればなんとかなるかも知れませんが、時間帯や場所によっては途方に暮れることになりかねません。
こんな事もあろうかと(!)、世の中には「ディレーラーガード」なる製品が販売されています。転ばぬ先の杖というわけで、私も下記の KCNC の製品を購入して取り付けておくことにしました。
KCNC は英国で設計・開発されている軽量自転車パーツのブランドです。製造は台湾などで行われているようですね。台湾と言えば TSMC などの半導体生産を思い浮かべる人は多いと思いますが、GIANT や MERIDA など多くのスポーツバイクメーカーが工場を構える自転車のメッカでもあります。
KCNC では今回のディレーラーガードの他に、スプロケット、プーリー、ボトルケージなども製造しています。非常に軽く出来ており、アルミニウム製なので重量は僅か 45g 程です。
こちらの製品は「クイックリリース」と「6mm の六角穴の付いたスルーアクスル」の両方に対応しています。赤〇のピンを取り外せば「クイックリリース」に、ピンを付けたままなら「スルーアクスル」に取り付ける事が出来るようになっています。
取付は至って簡単!私の TREK FX 3 Disc はリアがクイックリリースになっているので、まずは赤〇で囲んだ部分のピンを取り外してクイックリリースシャフトのナットの代わりにアダプターをねじ込みます。
その後、ギアをトップに入れた状態にして、ディレーラーに干渉しない位置でガードプレートを固定すれば作業完了!ガードプレートの締め付けトルクは最大 1.0Nm とのことですので、締め付けすぎないようにだけ注意して下さい(アルミなのでねじ切ってしまう可能性があります)。
ガードプレートの取付に 2.5mm の六角レンチが必要になりますが、トルクが要る訳では無いので自転車用の携帯マルチツールがあればまず大丈夫でしょう。大体含まれているはずです。
今回取り付けた製品は元々アダプターの部分だけで車軸に取り付けるライトホルダーとして販売されていたもののようで、これにガードプレートをセットしたようですね。保護プレートの位置をある程度調節することが出来るので、フレームやディレーラーに干渉しないサイズであれば更にリアライトなどを取り付ける事が出来ます。いやはや、ちょっとしたものですが良く考えられた製品ではないでしょうか。
カラーバーリエーションも豊富なので、車体カラーに合わせるもヨシ、アクセントとして別の色をチョイスするもヨシです。私はオーソドックスな「ブラック」を選びましたが、スプロケットが黒色なこともあってなかなか引き締まった感じになりました。如何にもという感じがしない点もまた GOOD!