以前 KIOXIA(キオクシア)の「EXCERIA BASIC」という microSDカードのレビューをしましたが、今回改めて 1つ上のグレードの「EXCERIA」シリーズの 128GBモデルを購入してみましたので、何か違いはあるのかといった点を見ていきたいと思います。
今回は楽天に出店していた「風見鶏」という神戸市長田区にあるお店で並行輸入品を購入してみました。以前は店頭販売もしていたそうです。こちらのお店では海外リテールパッケージについては 1年間の RMA補償を付けてくれるそうです。並行輸入品の保証は販売店に拠って異なると思うのでご注意ください。
EXCERIAシリーズの microSDXCカードには、3次元フラッシュメモリ技術の「BiCS FLASH」が採用されているそうです。いずれのシリーズも IPX7準拠の防水性を確保しており、過熱・発火防止のためのヒューズが搭載されるなど、安全にも配慮されたものとなっています。
EXCERIA HIGH ENDURANCE |
EXCERIA PLUS |
EXCERIA |
EXCERIA BASIC |
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主な用途 | ドライブレコーダー、監視カメラ | 4K録画、写真撮影 | フルHD録画 | 標準画質録画 |
対応規格 | ||||
最大読出/書込速度 | 100 MB/s / 85 MB/s | 100 MB/s / 85 MB/s | 100 MB/s / - | 50 MB/s / - |
容量(GB) | 512/256/128/64/32 | 1TB/512/256/128/64/32 | 256/128/64/32/16 | 512/256/128/64/32/16 |
CPRM | 〇 | 〇 | ✕ | ✕ |
防水性 | IPX 7 | IPX 7 | IPX 7 | IPX 7 |
動作温度 | -25℃~85℃ | -25℃~85℃ | -25℃~85℃ | -25℃~85℃ |
保証期間 | 2年 | 5年 | 5年 | 5年 |
KIOXIA の microSDカードは、上記のとおり監視カメラやドライブレコーダーなど重要な映像の記録に適した「EXCERIA HIGH ENDURANCE」、4K動画撮影や高速な写真撮影に適した「EXCERIA PLUS」、スタンダードモデルの「EXCERIA」、ベーシックモデルの「EXCERIA BASIC」の 4種類の製品ミックスとして販売されています。
上の表の「保証期間」については正規流通品の場合のものです。今回購入した風見鶏さんでは 1年間の RMA保証を付けてくれるようですが、並行輸入品の場合はせいぜい初期不良対応くらいのものと割り切っておいた方がよいでしょう。今回は並行輸入品を購入したため、パッケージの説明も全て英語のみでしたが、必要な方は 以下のリンクから日本語の取扱説明書を入手することも可能です。
■ KIOXIA EXCERIA 128GB とご対面
今回購入したものは「海外リテールパッケージ」とのことでした。表記が英語になっているくらいで、国内流通品と基本的に異なるところはないものと思われます。今回購入した製品のパッケージ上の型番は「LMEX1L128GG2」となっていました。連絡先からすると欧州向けの製品のようですね。
製造は台湾でした。KIOXIA の microSDカードは、台湾製のものと日本の四日市で作っているものがあるようですが、海外リテールパッケージなら台湾製なのも自然な流れですね。
以前に国内流通品の「EXCERIA BASIC」を買った時にも思ったのですが、相変わらず開けにくいパッケージです・・・。赤〇のところから裏のフイルムを剥がすようになっているのですが、フイルムが薄すぎて SDカードを取り出すのに非常に難儀しました。
microSDカード本体以外には SDカードアダプタが同梱されているだけでした。ケースが必要な方は別途購入するか、一部のショップでアダプタの代わりにケースをセットにしているところがあるようなので、そういったものを購入するとよいでしょう。メモリは exFAT でフォーマット済みでした。ユーザー領域は 116GB との表示。SDカードはメモリ容量の一部が管理領域として使用されるため、全ての領域を使えるわけではありません。これで正常です。
■ 「H2testw」を使って動作確認
並行輸入品ということでしたし、動作チェックは入念に行っておくことにします。「H2testw」という定番ソフトを使用してチェックすることにしました。「H2testw」の使い方については以下の記事で触れていますのでご参照ください。
SDカードの容量や書き込み速度にも拠るのだとは思いますが、書き込みテストには 128GB も容量があると 1時間以上掛かります。とは言え、SDカード関係は紛いものも多いようなので、最初の 1回くらいは面倒くさがらずにしっかりチェックしておきましょう。テストが始まってしまえばあとは放ったらかしで大丈夫ですので。
容量偽装なども無く、今回のものは SDカードとして何も問題無さそうですね。これで安心して使う事が出来ます。
■ 「EXCERIA BASIC」と比べてみた
外見ではデザインくらいしか違いが見られませんのでベンチを取って比較してみることにします。但し、手持ちの SDカードリーダーが古いので性能を発揮出来ていない可能性もあります。数値に関してはあくまでも ” 参考値 ” としてご覧下さい。AUKEY の「CB-C55」という多機能USBハブに挿した時よりも Panasonic の「CF-J10S」という古いノートPC に挿した時の方が良い数値が出たのでそちらのベンチ結果を掲載しています。
比較には定番ベンチマークソフトの「CrystalDiskMark 8.0.4」を使わせていただきました。
Read性能ではむしろ ” EXCERIA Basic ” の方がいい結果が出てしまいましたが、書き込み性能は若干 ” EXCERIA ” の方が良いようです。それにしても ” Basic ” の方は公称Read性能は 50MB/s とされているのですけどね・・・。まあ個体差だった可能性もあります。
大して性能差は無いようなので、DAP に挿して音楽を楽しんだり動画を撮らないのであれば ” EXCERIA BASIC ” で充分かも知れません。ただまあ特に並行輸入品ではほとんど価格差が無い状況になっているので、Read性能の公称値が 100MB/s と明示されている ” EXCERIA ” の方を選んでもいいのではないかと思います。
ちなみに ” EXCERIA ” の方は、 ” EXCERIA G2 ” という公称書き込み性能最大 50MB/s、U3 及び V30 に対応した改良モデルの販売が始まるようです。
■ Pioneer「XDP-20」の相棒に
動作確認も無事出来たので、早速 PC に接続して楽曲ファイルを microSDカードに書き込み、先日入手した Pioneer XDP-20 に挿し替えて使ってみました。XDP-20 を PC に直接繋いでもいいのですが、この方法の方が書き込みも早く管理もし易いのです。楽曲ファイルは大雑把に言って ALAC で 5分程度の曲が 1曲 35MB 程度、DSD なら 5分程度で 200MB にはなりますが、いずれにせよ 128GB もあれば相当な数の楽曲を詰め込むことが可能です。
DSD と FLAC の音源はほんの少ししか持っていないので本体のメモリーに入れておき、ALAC、mp4、mp3 の音源のうち良く聴くものを SDカードに入れておくことにしました。ALAC でも 2,000曲以上は余裕で入るはずです。音楽はサブスク制が主流になってしまいましたが、自分で CD からリッピングしたお気に入りの楽曲をアップコンバート機能の優秀な DAP でじっくり聴くのもよいものですよ。
それにしても大容量の microSDカードも安くなったものですねえ・・・。