Garmin から新しいスマートウォッチとして「Forerunner 965」が間もなく発売されるようです。私が現在使っている「Forerunner 955」の後継モデルとなるわけですが、う~ん、どうなんでしょうね?
ディスプレイは AMOLED の採用によって解像度が上がり、発色も良くなることでパッと見て分かるレベルで綺麗になるでしょう。地図もまず間違い無く見易くなるでしょうね。SoC もより高性能なものに変わっているかも知れないので、タッチ操作のレスポンスも良くなる可能性があります。
一方、画面の焼き付きを最小限にするために一定時間でディスプレイが消灯するようになっています。電力消費も増えるようで、「GPSモード」で稼働時間が約 42時間から約 31時間へ、「UltraTracモード」に至っては約 80時間から約 34時間にまで激減しています。フルマラソン程度なら問題無いでしょうが、より長時間のアクティビティに使うつもりなら注意しておいた方がいいかも知れません。
MIP液晶画面の昼間屋外での視認性の良さは間違い無いですし、バッテリーに余裕がある点なども考えると、「965」ではなく「955」を敢えて選ぶのも充分にアリな選択肢ではないでしょうか。別に私が最近「955」を使い始めたからと言って負け惜しみを言っている訳では無いですよ(笑)。
というわけで、今回は「Forerunner 955」のお薦めの設定や Connect IQ アプリなどについて書いておくことにします。「Forerunner 955」自体のレビューや初期設定、「Connect IQ」アプリとのペアリングなどに関しては以下の記事もご参照ください。
■ 「ウィジェット」の追加方法
「Forerunner 955」には予めいくつかの「ウィジェット」がセットアップされています。「ウィジェット」は、「Forerunner 955」の時計表示画面からタッチ操作または UP / DOWN ボタンを使って画面を上下にスクロールさせることで切り替える事の出来る機能です。
一部のウィジェットは初期設定では非表示となっているので、使いたいものがあれば有効化させておくとよいでしょう。「Garmin Connect」アプリから追加する場合は・・・
初期画面で上部の時計アイコンをタップし、「設定」メニューから「表示」→「ウィジェット」と進んで右上の「編集」からウィジェットの追加/削除や並び替えを行うことが可能です。
個人的には、「天気」「気温」「気圧計」「コンパス」「血中酸素トラッキング」「日出&日没」あたりを追加しておくのがお勧めです。「ABC」は「高度計」「気圧計」「コンパス」をまとめて表示するウィジェットです。こちらもなかなか便利ですよ。他にも「Garmin コーチ」など必要に応じて追加して下さい。逆に要らないものは削除しておくとすっきりします。
■ 各種センサーの登録方法
各種センサーのペアリング方法は「ForeAthlete 745」の場合と同じです。TREK のロードバイクやクロスバイクにビルトインする事が出来る Bontrager製の「DuoTrap S」、Garmin のスピード&ケイデンスセンサー、ランニングダイナミクスポッド(RD ポッド)については以下の記事をご参照下さい。
■ 「Connect IQ」アプリから気に入った機能を追加
Garmin のスマートウォッチにはアクティビティデータを管理・分析・共有することの出来る「Garmin Connect」とは別に「Connect IQ」というアプリも用意されています。こちらは「Connect IQ ストア」からアプリやウォッチフェイスなどを入手し、Garmin のスマートウォッチを自分の使い方に合わせてカスタマイズするためのものです。「Connect IQ」のダウンロードは以下のバッジからどうぞ。
左は「Garmin Connect IQ」アプリの画面例です。ホーム画面では人気のあるアプリやウォッチフェイスなどが紹介されています。書かれているレビューはほとんどが英語ですが、どのようなアプリなのかは紹介画面の画像を見ればだいたい見当が付くでしょう。気に入らなければ消せばいいだけなので、あまり深く考えず、取りあえず使ってみるのが一番だと思います。「検索」からカテゴリー毎の人気アプリを見ることが可能です。
ウォッチフェイスを 5つ、アプリを 4つ、データフィールドを 6つインストールしてみましたが、アプリ領域として確保されているストレージの半分程度の容量しかまだ使用していないようです。インストール・アンインストール共にそれ程時間もかかりませんのでとにかく色々試して見て下さい。それでは私が現在使っているものについていくつかそれぞれの特徴と共にご紹介しておきましょう。
ウォッチフェイス
「ウォッチフェイス」は、通常常に表示されている時計画面のことです。「ForeAthlete 955」にインストール済みのウォッチフェイスは、時計左中央のボタンを長押しして「ウォッチフェイス」画面から上下へのスワイプ操作で簡単に切り替える事が可能です。予め何種類か入れておき、気分によって切り替えるのがよいでしょう。
- Simple TDB
「ForeAthlete 745」の頃からのお気に入りです。普段は時刻、年月日、
心拍数、気圧、標高、バッテリー残量などが分かるよう少しカスタマイ
ズして表示させています。バッテリー節約のため、秒や心拍数の表示は
時計を動かした時にだけしばらく表示するよう設定しています。 - Enduro Like Plus
こちらは初回リリースが 2022年10月と新しいものですが、なかなか見易
いのではないでしょうか。デフォルトでバッテリー、歩数、心拍、時刻、
天気・気温、カロリー、日出日没時刻、風速・湿度、日付などが表示さ
れるようになっています。 - SHN TxD II-E
こちらは無料でも使えますが、一部の機能制限を解除するために寄附が
必要です。2€ 以上支払えば全ての機能を使うことが出来るとのことです。
PayPal が使えると言う点は安心出来そうですね。こちらも今年に入ってか
らリリースされたばかりの新しいウォッチフェイスです。 - 静穏
アナログ時計っぽい表示も試してみたくて入れてみました。以前の機種
に比べて針のジャギーは減っているのですが、さすがに MIP液晶では厳
しいですね。こちらは 965 や 265 など、AMOLED ディスプレイを搭載
した機種で使うべきもののようです。秒針表示はバッテリーの減りを早
める点にはご注意を。 - Titanium
こちらは Garmin 純正のアナログチックなウォッチフェイスです。どうや
ら Ferix 3 の頃のもののようですね。これなら MIP液晶の 955 でも見易い
かと思います。ただ、秒針が常に表示されるタイプなので、バッテリー
の消費量が大きくなる点にはご注意下さい。
- Simple TDB
アプリ
アプリは ForeAthlete 745 の時と同様特に入れていません。Forerunner 955 のレビューをする際に「Connect IQ benchmark」と「3D Benchmark」というベンチマークアプリを入れた程度です。ミュージック
Forerunner 955 では最大 2,000曲の楽曲データを本体に保存することが可能です。音楽プロパイダからの楽曲データダウンロードにも対応しているので、Bluetooth イヤホンとペアリングすることでスマホなどを持ち歩かなくてもワークアウト中に音楽を聴くことが可能です。
ただ、私の場合は音楽再生をスマートフォンに完全に任せているので、こちらの機能は使用していません。Spotify や Amazon Music など音楽配信サービス毎のアプリも用意されているので、必要な方はインストールなさって下さい。
データ項目(Data Field)
「データ項目」を追加することでランやバイクなどのアクティビティ実行中にに表示するトレーニングページに様々なデータ表示を追加することが可能になります。こちらは Forerunner 955 にインストールしただけでは使用することが出来ません。具体的な設定方法については後述させて頂きますが、ここでは取りあえず私がインストールしている「データ項目」をご紹介しておきます。- Trail Run Multi
トレイルラン向きに設計されたデータフィールドです。1画面に時刻、消費
カロリー、バッテリー残量、上昇/下降高度、現在高度、平均ペース、現在
ペース、心拍数、経過時間、走行距離、ゾーンなどを全て表示させること
が可能です。 - F3b Dozen Run
レース向きのデータフィールドです。日本語でアプリ説明がありますが、
いまいち要領を得ないかも知れません(苦笑)。ピッチ、心拍数、ペー
ス、走行距離、高度などの基本的な情報の他にゴール予測時間が表示さ
れる(距離の設定が必要)のが特徴です。 - Single Run Field (Single Field)
現在時刻、心拍数、平均ペース、ピッチ、経過時間、走行距離、バッテ
リー残量が大きめの表示で見易く整理されています。 あまり多くの情報
が表示されても見にくいよという方はこれくらいがちょうどいいかも知
れません。 - CyclingDF7 2
サイクリング用にインストールしているデータフィールドです。時刻、
経過時間、走行距離、速度、ケイデンス、心拍数、上昇/下降高度、バッ
テリー残量を 1画面に表示させることが出来ます。ケイデンスと速度に
ついては別途自転車に取り付けたスピード/ケイデンスセンサーと連携
させて表示させることが可能です。 - Cycle / Bike Multi
こちらもサイクリング用にインストールしているデータフィールドです。
先程ご紹介した「Trail Run Multi」と同じ方が開発しているデータフィー
ルドで、時刻、消費カロリー、バッテリー残量、速度、ペース、ケイデ
ンス、心拍数、経過時間、走行距離、ゾーンなどを 1画面に表示させる
ことが可能です。 - Walker
ウォーキングや散歩を行う際に使用しているデータフィールドです。時
刻、平均歩行ペース、歩行距離、現在の歩行ペース、心拍数、経過時間
、万歩計、消費カロリー、バッテリー残量を一目で確認がすることが出
来ます。
- Trail Run Multi
■ 「データ項目(Data Field)」の設定方法
先程も書いたように、「データ項目」は Forerunner 955 にインストールしただけでは利用することが出来ません。ちょっと設定方法が分かりにくいと思うので、実際に「Trail Run Multi」というデータフィールドを Forerunner 955 に設定し、ランニング時の記録に使えるように設定してみましょう。尚、データ項目は、ランやバイクなど 1つのアクティビティに付き 2種類まで登録可能なようです。
ウォッチ本体でも「データ項目」の追加は可能ですが、今回はスマホの「Garmin Connect」を使って設定してみましょう。「Garmin Connect」を立ち上げたらまずは上部の時計アイコンをタップ。
「アクティビティ&アプリ」→「ラン」→「トレーニングページ」→「ページ追加」と辿ります。
「画面選択」で「カスタムデータ」を選択します。すると画面レイアウトを何項目に分けるか聞かれるのですが、ここでは「1項目」を選んで下さい。ここが分かりにくい点なのですが、「データ項目」は予め固定された画面レイアウトとして作成されているため、ページ分割をしたり他のページにデータ項目の一部だけ表示させたりすることが出来ないのです。
「画面編集」で「データ項目」をタップし、「Connect IQ」のところで使いたいデータフィールド(今回は「Trail Run Multi」)を登録すれば設定完了。
時計表示の画面に戻り、右上のボタンを押してアクティビティ(ここでは「ラン」)を選択し、スワイプして「Trail Run Multi」が表示出来ていれば OK です。
「サイクリング」や「ウォーキング」など他のアクティビティのデータフィールドも同様の手順で登録することが可能です。トレーニングページの表示順は後からいつでも並べ替えることが出来ます。設定したページが不要になったら「トレーニングページ」でペンのアイコンを押して「削除」を選べば簡単に消去することが出来ますので、気軽に色々試してみて下さい。
■ 「Forerunner 955」にお薦めの設定
最後に、「Forerunner 955」を使うにあたってお薦めの設定について見ておくことにしましょう。だいたいの設定変更は時計からでも「Garmin Connect」アプリからでも行うことが可能です。
ウリの機能の一つである「Garmin Pay」についてですが、今のところ私はまだ設定していません。一応 PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の口座はあるので使おうと思えば使えるのですが、口座にほとんどお金を入れていないのですよね(笑)。近いうちに交通系 ICカードを PiTaPa から Suica に切り替えようかとは思っているので、そちらを作ったら改めて考えてみたいと思います。
バックライト点灯時間の設定
MIP液晶は太陽光下でも非常に見易くて良いのですが、暗い場所ではバックライトに頼らざるを得ません。とは言えずっと点灯させていたのではバッテリーの消耗が大きくなるので、「Forerunner 955」では、通常時、アクティビティ中、睡眠時と 3つの点灯パターンについてそれぞれタイムアウト時間や輝度などを設定しておくことが出来るようになっています。
設定は、本体の左中央ボタンを長押しし、スワイプして「設定」→「システム」で「バックライト」の項目から設定します。私は通常時と睡眠時は初期設定のままでアクティビティ実行中のバックライトを「キーとタッチ」はオン、「アラート」もオン、「ジェスチャー」は「日没から」、「タイムアウト」を 8秒に、「輝度」は 20% に設定しています。
「ジェスチャー」は、腕を上げて時計を見る動作をした時にバックライトがオンとなる設定です。「日没から」に設定しておくことで、暗くなってきてから時計を見る動作をしたときだけバックライトが点灯してくれます。日中はバックライトなんて不要ですからね。タッチ操作の設定
「Forerunner 955」のタッチ操作はかなり便利なのですが、不意に何かに当たって誤操作の原因となる事もあります。そこで、同じく「システム」の設定で通常時はタッチ操作オン、アクティビティ実行中は全てのタッチ操作をオフとしておくことにしました。「自動ポーズ」と「自動クライム」の有効化
これらはアクティビティ毎に設定が必要なようです。「自動ポーズ」は信号待ちなどで停止した時や、一定の速度以下になったときに記録を自動的に止めてくれる機能、「自動クライム」は内蔵の高度計による高度変化の自動検出をオンにする機能です。「自動クライム」については以下の記事でご紹介していますので、併せてお読み下さい。 「Climb Pro(クライムプロ)」は予め走行するコースを設定しておく必要がありますが、「自動クライム」は ” 登坂 ” を検知して画面を切り替えてくれるのでなかなか便利ですよ。まあ坂を登っていても検知してくれないこともちょくちょくありますけどね(笑)。衛星を使った測位モードの切り替え
こちらもアクティビティ毎に設定が必要なようです。「Forerunner 955」は、米国の ” GPS ”、ロシアの ” GLONASS ”、EU の ” Galileo ”、日本の ” みちびき ” の各衛星測位システムに対応しており、更にそれらを組み合わせたり複数の信号を補足して測位精度を高めたりする機能も搭載しています。
最も高精度に測位することが出来るのは「マルチ GNSS マルチバンド」というモードで、ビル街や森林の中など衛星からの信号を補足しにくい状況でもかなりの精度で位置情報を取得してくれるのですが、こちらはバッテリーを非常に多く消費します。
「Forerunner 955」では測位モードを「GPS」「マルチGNSS」「マルチ GNSS マルチバンド」「自動選択」「UltraTrac」の中から選ぶ事が出来るので、「ラン」と「ウォーク」では「マルチ GNSS マルチバンド」に、長時間の稼働時間を確保したい「バイク」では「自動選択」に設定しておくことにしました。
「自動選択」では「SatIQ」という技術によって環境に応じて最適な測位モードが自動的に選択され、これによりバッテリー稼働時間を優先しながらも高精度な位置情報の取得が可能なのだとか。
実際のところ、サイクリングに出掛けた際に「ForeAthlete 745」から「Forerunner 955」に買い換えたのに思ったほど稼働時間が伸びないなと思っていたのですが、これはデフォルトの状態で測位モードが「マルチ GNSS マルチバンド」に設定されていたことが原因だったようです。
測位モードを「自動選択」に変更してからはバッテリー持続時間が劇的に伸びています。これなら ” アワイチ ” などのロングライドに挑戦しても充分にバッテリーが保つでしょう。精度にも大きな問題は無さそうなので、サイクリング時にはこちらのモードを常用することにしました。
今現在「Forerunner 955」に行っている設定はだいたいこんなところでしょうか。また何か気付いた事があったら追記するなり新たな記事を起こすなりしていきたいと思います。