一般的にロードバイクにキックスタンドを取り付けるのが邪道とされていることは承知していますが、私の場合、カメラ機材やチェアリングの道具などをパニアバッグやトランクバッグに入れてサイクリングに出掛ける事が多いので、利便性確保のために TREK のグラベルロード「Checkpoint ALR 5」にキックスタンドを取り付けることにしました。
ロードバイクには軽さや速さを求める方が大多数でしょうからね。余計な物を取り付けて重くしてしまうのは可能な限り避けたいという気持ちもよく分かります。ですが、走行中に何か面白いものを見つけて写真に撮りたいと思った時にバイクを立て掛ける場所を探したりすることなくさっと停めてパパッと荷物を取り出すことの出来るキックスタンドがあるとやはり便利なのですよ。好きな場所にバイクを停めて風景と一緒に写真に収めることも出来ますしね・・・。
強度面やバイクへの影響(見た目も)が気になったのですが、ひとまず取り付けた状態でしばらく乗ってみてそれから判断すればいいやと言う事で、この 3ヶ月間ほど Checkpoint に取り付けた状態で試用していました。その結果このまま使って行く事としたので、こちらでご紹介しておくことにします。ロードバイクにスタンドを付けようかと思っている方が居られましたら参考にでもして頂けると幸いです。
■ ロードバイク用のスタンドあれこれ
ロードバイクにキックスタンドを取り付ける場合、フレームの素材や形状によって物理的に取り付ける事の出来ない製品が存在します。例えば、私の「Checkpoint ALR 5」はアルミロードなので取付可能な製品の選択肢は比較的広いですが、カーボンロードの場合はフレームに直接取り付けるようなタイプは厳禁です。取付可能な製品なのかどうかよく検討してから購入するようにして下さい。
主流では無いとは言え、やはりロードバイクにもスタンドを取り付けたいという需要はそれなりにあるようで、様々な製品が販売されています。まずはどのような種類があるのか、ざっと見ていきましょう。
- センタースタンドタイプ
BB のすぐ後ろ、チェーンステーが左右に分かれて伸びている辺りを上下から挟み込むように取り付けるタイプです。脚が 2本出ているため、バイクを安定して自立させることが出来るようです。取付にはチェーンステーが同じ高さで平行に伸びている必要があります。私の Checkpoint はチェーンステーがオフセットされているので取付不可。シフトやブレーキケーブル等の干渉にもご注意下さい。
- BB を挟み込んで取り付けるタイプ
フレームでは無く、BB を挟み込んで取り付けるタイプなのでカーボンロードでも使用可能。シマノのホローテック Ⅱ には取り付ける事が出来るそうですが、私の Checkpoint に採用されている BB は Praxis Works の T-47 という規格でベアリングがフレームの内側に来る ” インターナル ” と呼ばれるもの。まあ無理ですな。
- ブレーキキャリパー共締め型
ディスクブレーキ搭載車のブレーキキャリパーに共締めするタイプです。カーボンロードにも取付可能ですが、ブレーキキャリパーは制動時に大きな力が掛かる場所なので、ボルトの緩みには常に注意しておく必要がありそうです。こちらも駐輪した状態で荷物を付け外ししたりするにはちょっと強度的に不安があるかも?
- スルーアクスルに取り付けるタイプ
キャリアの取り付けに対応した専用のスルーアクスルに交換し、チェーンステーと共に取り付けるタイプです。このため、スルーアクスルを「DAVOS キャリア用リアスルーアクスル」のようなものと交換する必要があります。チェーンステーも使用するため、カーボンロードには取付不可です。こちらもあまり強度は期待出来ないようなので、荷物を付け外しするには不向きかも?
- ボトルケージに取り付けるタイプ
以前は「PHS-1 バイクレスト」の商品名でボトルケージ用のダボ穴に取り付ける事の出来る折りたたみ式のスタンドが販売されていたようですが、既に生産終了しているようです。スタンドが長くなってしまうため強度不足でたわみやすいなどのデメリットがあったようですね。ちょっと調べたのですが、現在販売されているこのタイプのスタンドは見当たりませんでした。
- スタンド内蔵型ペダル
GORIX からスタンドが内蔵された自転車用のペダルが販売されています。走行時は折り畳んで普通のペダルとして機能し、駐輪時にはブレーキをベルトで固定した上でペダルを開くことでスタンドとして機能するという製品のようですね。ペダルなのでカーボンロードでも気にせず使用可能ですし、ビンディングペダルだけでなくフラットペダル(GX-FYK26)も用意されているなど、ペダルに拘りが無ければなかなか面白そうな製品だと思います。
- めだたんぼー
写真さえ撮れればいいという方にお薦めなのが、「青奴工房」の「めだたんぼー」という製品。後輪をバンドで固定した上で「めだたんぼー」をクランクの BBシャフトの穴に差し込むことでバイクを自立させるというもののようです。スタンド自体がアクリル製なので強度は期待出来ませんが、透明なのであたかもスタンドを使っていないのにバイクが自立しているかのような写真が撮れるようですよ。元々個人的に制作していたものが SNS で話題になって製品化されたのだとか。
また、異色の存在として、ママチャリ用の両足スタンドをスポーツバイクに付けてしまおうという企画 がクラウドファンディングサイトの「READYFOR」で始まっています。重量増も上記で上げたような製品の比ではありませんが、安定性に関しては折り紙付き。見た目は全く気にせず実用性こそ至上!という方には需要があるかも知れません。気になる方はリスク等勘案の上ご検討下さい。
■ チェーンステー取付型の「GIZA PRODUCTS YRA-59」を購入!
色々なスタンドを見てきましたが、結局 Checkpoint ALR 5 には GIZA PRODUCTS(ギザプロダクツ)から発売されている「YRA-59」という、チェーンステーとシートステーで固定するタイプのキックスタンドを取り付けることにしました。
「GIZA PRODUCTS」は、神戸市にある「株式会社マルイ」というところの自転車用パーツブランドのようです。明治 30年創業と老舗の企業ですが、輸入商社のようなものなのでしょうか。HP を覗いても社史のようなものは書かれていないのでよく分からないのですよね・・・。ここの アーレンキーセット は私も使っていますが、品質は悪くないと思います。TREK や SPECIALIZED などとも取引があるようですよ。
商品ページには 345g と記載されていますが、取り付けボルトを一緒に計り忘れていたので、だいたい公称値通りだろうと思います。アルミ合金製で、見た目のごつさからはかなり軽く感じました。
ディスクブレーキ仕様のバイクにも取付可能で、” エクステンションステー ” を取り替える事で様々なバイクに対応可能です。チェーンステーとシートステーを使って取り付ける関係上、カーボンフレームのバイクには取り付けてしまうと後悔することになるかも知れません。
Checkpoint ALR 5 は、ブレーキホースがチェーンステーに内装されていて、キャリパー付近で外に出てくるようになっていますが、このように上手く避けて取り付ける事が可能です。
ブレーキキャリパーのすぐ近くに取り付ける事は出来ないので、真っ直ぐで長いエクステンションステーを使う事で無事にシートステーの方にも固定する事が出来ました。
もともと白と黒が基調のバイクということもあってか、思いのほか違和感がありません。ペダリングする際にかかとが当たったりすることも無いようです。片足スタンドなので風には弱いですし、アルミバイクとは言えチェーンステーやシートステーへの影響が気にならないわけではないので長時間の駐輪に使用するつもりはありませんが、バイクを立て掛ける場所を探したりする必要が無くどこでもさっと停めてカメラを取り出して撮影出来るようになったので、やはり取り付けてよかったと思います。