自転車用ヘッドライトは、定番とも言える CATEYE の「VOLT400(HL-EL461RC)」を TREK のクロスバイク「FX 3 Disc」を乗り始めた頃に買ってずっと使ってきました。その名が示すとおり、最大で 400ルーメンの明るさを得ることの出来る充電式のヘッドライトで、明るさを 400ルーメン、100ルーメン、50ルーメンの 3段階に調節する事が可能です。「VOLT400」のレビューは以下の記事にて。 ただ、Lowモードの 50ルーメンの明るさではあまりに暗く、街灯などがたくさん設置されている明るい市街地くらいでしか使い物になりません。神戸市内でも住宅街に入ってしまうと 100ルーメンでも心許なく感じるので、人気の少ない場所では最大輝度の 400ルーメンにして走る事がほとんどになっています。
ですが、400ルーメンでは 3時間ほどしか「VOLT400」のバッテリーは保ちません。当然バッテリーは使っていくうちに劣化していきますし、故障という可能性もあります。ロングライドに出ていて夜間にライトが使えなくなるのは致命的なので、追加で TREK のアパレル・アクセサリーパーツブランドである「Bontrager(ボントレガー)」の「Ion Elite R Front Bike Light」を買ってみました。
ショップ関係の記事以外ではあまり見かけないようですので、この機会にレビューしておきたいと思います。ついでに REC-MOUNTS のパーツを組み合わせて使って ” Blendrシステム ” でハンドル回りをすっきりスマートに「VOLT400」との 2灯構えにして取り付けてみることにします。
■ Bontrager Ion Elite R Front Bike Light
「Bontrager Ion Elite R Front Bike Light」自体にもハンドルバーに取り付けるためのマウントパーツ(直径 25.4 ~ 35.0 mm までのハンドルバーに対応)は付属しているのですが、TREK の「Blendrシステム」を利用して取り付けたかったので、「Blendr Road Ion Light Mount」を一緒に購入しました。
ワイズロードのセールで安く購入することが出来たのですが、どうやら「Ion Elite R Front Bike Light」のパッケージにはこのタイプのものと箱形のものの 2種類が存在するようで、付属のマウントパーツの種類が異なるようです。箱形のパッケージの場合は、マウントパーツが「Hard-Mount Ion Light Bracket」というよりしっかりしたものになっているみたいですね。まあ私の場合は Blendrシステムで取り付ける予定なので、どのみち付属のマウントパーツを使う予定はありません。
「Ion Elite R Front Bike Light」の主な仕様は以下の通り。
光源 | 高輝度白色LEDx1灯 |
明るさと連続点灯可能時間 | 点灯(High):1,000 ルーメン、約 1.5時間 点灯(Medium):650ルーメン、約 3時間 点灯(Low) : 350ルーメン、約 6時間 夜間点滅 :200 ルーメン、約 26時間 昼間点滅:300 ルーメン、約 22時間 |
バッテリー | Li-Ion 3.63V 4,900 mAh(17.78 Wh) |
防水性能 | IPX4 |
サイズ | 102.5(L)x30.2(W)x34.7(H)mm |
重量 | 187 g |
” Low ” モードでも CATEYE の「VOLT400」のハイモードに匹敵する 350ルーメンの明るさを誇っています。しかもこの状態では 6時間もバッテリーが保つので、夜間走行時に得ることの出来る安心感は大きいでしょう。650ルーメンの ” Middle ” モードなら真っ暗な田舎道を走る場合でもかなり安全に走行することが可能です。「夜間点滅」モードでは、200 ルーメンで点灯した状態のままフラッシュします。
マニュアルは付属していますが完全英語版です。日本語マニュアルは以下から入手することが出来るので、スマホなどで見れるようにしておくと便利でしょう。充電ケーブルの長さは約 20cm。
同梱されているマウントパーツは、ストラップをハンドルバーに回してフックに引っ掛けるだけと非常に簡単な構造ですが、摩擦の大きいシリコンストラップが使われているので、かなりしっかりとハンドルバーにライトを固定する事が可能です。
ライト上部には操作スイッチ兼バッテリーインジケーターが配置されています。スイッチの操作は以下の通り。再び電源を入れた時は最後に使用したモードで点灯します。製造は台湾でした。
電源オン | ダブルクリック |
電源オフ | 長押し |
発光モード切替 | 1度押し(High → Medium → Low → 夜間点滅 → 昼間点滅 → High・・・) |
充電端子は Micro-USB が採用されています。ライト下部のゴムカバーを開けるとアクセス出来るようになっています。Bontrager のライトは雨で壊れたという tweet をちょくしょく見かけるのですが、逆さにして吊り下げていたケースが少なくないんじゃないかなと思います。ちょっと充電端子付近の防水性が怪しげなのですよね・・・。今時フル充電に 12時間も掛かってしまうのはちょっとね・・・。
ライト点灯時はサイドもオレンジで発光します。操作スイッチのインジケーターは、バッテリーの残量が 25% 以上で緑、5%~25% で赤、5% 未満で赤点滅となり、バッテリーの持続時間を示してくれます。また、バッテリー残量が 5% 以下になると、自動的に光量を 50ルーメンにまで落とし、30分程点灯可能時間を延ばしてくれるそうです。こういうところはさすがですな。
「BONTRAGER BLENDR ROAD ION LIGHT MOUNT」をセットしてみます。取外し時はマウントのレバーを押しながらライトを引き抜く形になります。専用パーツだけに一体感も抜群。
■ Blendrシステムと REC-MOUNTS のパーツを使って 2灯体勢構築!
Checkpoint ALR 5 にはライトを取り付けるために納車時に予め「Blendr システムベースマウント」を取り付けてもらっていました。こちらのパーツを使えば FX 3 Disc の時 の時のようにハンドルバー周りをかなりスッキリとさせることができるのですよね。今回のベースマウントはデュアル仕様なので、ライトだけで無く将来的にはサイクルコンピューターも追加することが可能です。
新たに REC-MOUNTS の以下のパーツも追加購入しました。Blendrシステムを利用した CATEYE の「VOLT400」の取付に関しては「こちらの記事」を参照下さい。
こちらのパーツを使ってヘッドライトを 2灯体勢にしておくことにします。これでロングライドに出掛けた際の安心感が格段に上がります。故障やバッテリー切れの備えにもなりますし、光量が欲しい場所では両方点けるのもありですからね。夜間無灯火ダメ絶対!
REC-MOUNTS のパーツは総じてアルミ削り出しでかなりの強度が期待出来ます。
ライトは吊して付ける方が多いようですが、吊してしまうとライトの上下が逆さまになり、操作ボタンが下部に来てしまいます。加えて充電ポートが上側に来てしまい、降雨時に浸水リスクが増える気がしたので通常のポジションでライトを取り付けられるようにしてみました。
どうでしょう?結構綺麗に纏まったと思います。操作ボタンも上側に来ているので、ライトの発光モードの切り替え操作も容易です。昼までもトンネルに入る前は点灯させたいことがありますからね。
■ 自転車ヘッドライト用防眩シェード「ORCANO(オルカノ)」を装着!
Bontrager のヘッドライトは、明るくて遠くからでもよく分かるという評判がある反面、眩しすぎるという話もよく目にします。向かってくる車から存在がよく分かるというのはいいことなのですが、目眩ましにまでなってしまうようでは本末転倒というもの。
ということで、以前クラウドファンディングで入手した、「ORCANO(オルカノ)」という自転車ヘッドライト用の防眩シェードを「Ion Elite R Front Bike Light」にも取り付けておくことにしました。 この「ORCANO(オルカノ)」ですが、一般販売が始まってからも改良が続けられていて、現在は下記の 2世代目となるモデルが販売されています。特に「改良モデル」などの表記はありませんけどね。
ということで、改良された点も含めて改めてご紹介しておきましょう。
クラウドファンディングでリターンを受け取った当時は後から反射ステッカーが送られてきましたが、現在の製品には最初から付属していて、必要に応じて右の写真のように貼り付けるだけです。
「Ion Elite R Front Bike Light」に装着してみました。「ORCANO」はシリコン素材で出来ていてある程度伸びるので、このように四角いライトにも取り付ける事が可能です。裂けたりする心配はありません。ライトの操作ボタンや充電ポートへのアクセスにも問題ありませんね。
左が旧モデルの「ORCANO」、右が新モデルです。同じ黒色のように見えても新モデルの方は光が透過しているのが分かりますでしょうか(透過していない部分は裏に ” 反射ステッカー ” を貼っているため)。
目眩まし防止になるのはいいのですが、特に黒色の旧モデルはシェードの遮光性が高すぎて対向者から自車の存在を認識されにくくなるというデメリットもありました。この点新モデルでは黒色(グラファイト)でも上部に光が透過して発光するので、以前よりかなり認識されやすくなっていると思います。しかも透過光になるので、光源が直接目に入る訳では無く眩しく感じません。
旧モデルでは白色か黄色辺りを付けるのを私が推奨していた理由これだったのですが、改良モデルでは黒色を含め好きな色(但し、オレンジやピンクは道交法的に避けておいた方が無難かと)を選んで問題無いでしょう。カラーモデルだと車体イメージに合わないこともありますからね。
配光の変化です。左が ORCANO 無し、右が ORCANO 装着後となっていますが、上部への配光ががっつりカットされているのがお分かりでしょう。更にカットされた光は、ORCANO に貼り付けられてミラーステッカーで反射して足下をより明るく照らすようになっています。Bontrager の「Ion Elite R Front Bike Light」は非常に明るくていいライトなのですが、上方への無駄で迷惑な光が懸念でした。これで格段に使い勝手が良くなります。
■ ナイトライドへの備えも万端!
いや、積極的にナイトライドしようって訳ではないのですけどね・・・。遠くへ出掛けていてあちこち寄りすぎた結果、日が暮れてから帰ってくることが多いというだけですが(苦笑)。とにかく 2灯構えにすることが出来たおかげでライトのバッテリー切れや故障への不安がかなり軽減されました。
1,000 ルーメンの明るさはさすがに一般道で使うには過剰感がありますね。余程の山奥でも無い限りあまり使う事は無さそうです。Lowモードの 350ルーメンでも充分な明るさを確保することが出来るので、このモードをメインに使う事になると思います。郊外の田舎道では Mediumモードも良さそうですね。もちろん VOLT400 との同時使用も可能ですし、必要に応じて臨機応変に組み合わせていくことにします。
TREK では、「# 昼でも点けよう」を合い言葉に日中点灯を推奨しているそうです。「Ion Elite R Front Bike Light」はデイフラッシュモードのバッテリー寿命も長いので、こちらも積極的に活用していこうと思います。事故を未然に防ぐためには何より自分の存在を認識してもらうことが大事ですからね。
ちなみに TREK からは、パーツブランドの名称から「Bontrager」の名が消えた「Trek Commuter Pro RT Front Bike Light」という新作ライトが発売されています。このライト、恐ろしく高価なのですが、USB Type-C の採用により充電に掛かる時間が約 4時間と、これまでの製品の半分程度に短縮されています。配光も大きく改善され、無駄な上部への配光がカットされています。更に、ライトを使用しない時は 4,800 mAh のモバイルバッテリーとしてスマホの充電などに使うことが出来るそうですよ。
Bontrager製品は基本的に取扱店の店頭などでの対面販売でしか入手することが出来ないという制約がありますが、「30日満足保証」というプログラムがあったり、コストパフォーマンスに優れた製品を入手する事が出来るいいブランドでした。ここ最近の値上げラッシュによって価格面での魅力が無くなってしまったことは残念ですね・・・。
とは言え、高照度を謳うライトの中には公称通りの明るさを維持することが出来るのは 30分程度で、その後は照度が 6割程度まで落ちてしまう製品もある模様。その点、「Ion Elite R Front Bike Light」はバッテリー切れ間近になって光量を落として稼働時間を少し延ばしてくれる省電力機能が働くまで照度が落ちません。つい最近 CATEYE から「VOLT800 NEO」が発売されましたが、性能的に同等かちょっと上くらいであることを考えると、まだまだロングライドのお供としてお薦め出来るライトなのかなと思います。
さて、CATEYE の「VOLT 400」と Bontrager の「Ion Elite R Front Bike Light」の 2灯体勢にしたおかげで、真っ暗になる夜の田舎道でも安心して走行できるようになったのは喜ばしいことなのですが、防眩シェードの「ORCANO」を「Ion Elite R Front Bike Light」の方にも取り付けた結果、見た目という新たな問題が生じていました。
取付位置の関係で前が揃わないのですよね・・・。気にしなければ実用上の問題は無いのですが、一旦気になり出すとやっぱり気になってしまう(苦笑)。というわけで、「VOLT 400」の方のマウントパーツを以下の「GP-CATHL4」というものに取り替えてみることにしました。
左の写真で下側がこれまで使っていたマウントパーツ、上側が新たに付け替えるパーツです。今回のものは CATEYE の純正ブラケットからパーツを移植したりする必要はありません。そのままで VOLT 400 を取り付ける事が出来ます。
付け替えてみました。どうですか?いい感じじゃないですか?前が揃って見た目もスッキリしましたし、VOLT 400 を少し前に出せたお陰で将来的にサイコンなどを取り付ける際にも Blendrシステムの上側のベースマウントにも干渉せずに済みそうです。分かっていれば最初からこうしたのですが、まあ仕方ありませんね。とにかくこれで一件落着!
(2023.3.31)