現在メインPC で使っている EVGA の「SuperNOVA 650 P2(220-P2-0650-X1)」という電源には 10年間の製品保証が付いています。現在日本には EVGA の製品を取り扱う代理店は無いはずですが、米国本社に申請することで保証に関しては受けることが可能です(恐らく台湾辺りに送ることになるはず)。今のところこの電源には問題は生じていないのですが、使い始めてから既に 7年半は経過しているので、PC を改修するついでに予防的に電源も交換しておく事にしました。こちらの電源に関しては予備として保管しておくことにします。ぶっちゃけ後から電源を交換するのって面倒くさいんですよ(笑)。
PC用の電源はこれまでに EVGA の SuperNOVA 650 P2 の他に Corsair の RM650 や Cooler Master の V750 Semi-Modular(壊れた)、Scythe の帝力 750W、TORICA などの製品を使ったことがありますが、ここはブログネタ的にもまだ使ったことの無い製品を使ってみる方がよかろうということで、MSI の「MPG A750GF」という 750W の ATX 電源を購入してみることにしました。
PC用の電源には「80 PLUS 認証」という電源の変換効率の性能を認定する制度があります。
負荷 / グレード | TITANIUM | PLATINUM | GOLD | SILVER | BLONZE | STANDARD |
---|---|---|---|---|---|---|
100% | 90% | 89% | 87% | 85% | 82% | 82% |
50% | 94% | 92% | 90% | 88% | 85% | 80% |
20% | 92% | 90% | 87% | 85% | 82% | 80% |
グレードが高い電源ほど電気の変換効率が高く、各種保護回路が充実していて発熱も少ないのですが、その分価格も高くなってしまいます。最近は GPU の価格が上昇しており、故障リスクを減らすためにもなるべくグレードの高い電源を使いたいところですが、私のようにハイエンド GPUを使うわけでも無いのなら「80 PLUS Gold」辺りの電源が価格と性能のバランスが取れているのかなと思います。
今回購入したのは「MPG A750GF」という製品ですが、MSI からはほぼ同等のスペックで「MAG A750GL PCIE5」という電源も発売されています。
この両者の相違点は以下の通り。いずれも 750W モデルでの比較です。
製品名 | MPG A750GF | MAG A750GL PCIE5 |
---|---|---|
グレード | 80 PLUS Gold | |
電源容量 | 750W(100-240 VAC、47-63 Hz) | |
保護回路 | OCP / OVP / OPP / OTP / SCP / UVP | |
PFC タイプ | Active PFC | |
冷却ファン | 140 mm(流体軸受けベアリング) | 120 mm(流体軸受けベアリング) |
サイズ | 160x150x86 mm | 140x150x86 mm |
保証期間 | 10年間 | 7年間 |
よく似たスペックですが、冷却ファンと本体のサイズが異なること、保証期間が 10年か 7年かの違いに加えて「MPG A750GF」では全て日本ブランド製の 105℃ 対応コンデンサーが採用されています。尤も、コンデンサーの品質に関しては最近は台湾製のものもかなり良くなっているようですけどね。
保護回路についてですが、それぞれ ” OCP ” は Over Current(+12V)Protection、” OVP ” は Over Voltage Protection、” OPP ” は Over Power Protection、” OTP ” は Over Temperrature Protection、” SCP ” は Short Circuit Protection、” UVP ” は Under Voltage Protection の略となります。
「MPG A750GF」の方が高品質なパーツを使用しているようですが、発売時期的に「MAG A750GL PCIE5」の方が新しい規格(PCIE5、ATX 3.1)に対応しています(調べたところ、「MPG A750GF」は ATX 2.52、EPS 2.92 までの対応のようです)。ATX 3.1 では瞬間的に消費電力が増える ” スパイク ” という現象に余裕を持って対応出来るよう設計されているとのことなので、RTX 4090 などの高い消費電力の GPUカードを使う場合は ATX 3.1 に対応した電源を使う方がいいかも知れません。
MSI は日本国内にサービス拠点を持っているので安心ですね。今回は Yahoo! ショッピングの Joshin web で購入しました。
ケーブルはフルモジュラー式で、まとめてしまっておける収納袋が付属します。複数の電源を使っている場合はどれがどのケーブルか分からなくなることがあるので、こういうのは地味に助かります。マニュアルは以下より PDF でも入手可能。
付属しているケーブルの種類と数、長さは以下の通りです。
ATX Connectorx1 | 24-PIN | 600mm ± 10mm |
EPS Connectorrx2 | 8-PIN(4+4) | 700mm ± 10mm |
PCI-E Connectorx6 | 8-PIN(6+2) | 500mm ± 10mm |
SATA Connectorx8 | SATA | 950mm ± 10mm |
Peripheral / FDD Connectorx5 | 4-PIN | 1100mm ± 10mm |
個人的には SATA ケーブルが長めなのが有り難い。ケーブル類を裏配線しようとすると長さが足りなくなっちゃいがちなんですよね。
流体軸受けベアリングの 140mm ファンを装備しています。分解は NG(保証が無効になります)。
「MPG A750GF」の OEM 元は「CWT(Channel Well Technology)」という台湾の電源ユニットメーカーらしい。ここの電源は頑丈かつ長寿命との定評があるそうです。
ケースに取り付けてみました。フルモジュラー式なのでケーブルを接続する前は恐ろしくスッキリしてますね(笑)。ケーブルは全てフラットケーブルになっていて柔軟性も高いので取り回しはし易かったです。冷却ファンも非常に静かですし、故障せず安定して長く使える事を期待します。