ミラーレス一眼カメラを新しく買うとだいたいメーカー純正のショルダーストラップもセットになっているかと思います。私が購入した SONY の α6400 にもちゃんと付属していました。カメラの両側の取り付けて首からぶら下げることのできるようになるアレですね。
スポーツ観戦や(最近はカメラの持ち込みが出来ないことも増えて来ているようですが)、植物園・動物園など、公園で自分の子供が遊ぶ姿を撮影するくらいならショルダーストラップで問題ないでしょう。ですが、例えばハイキング中にカメラを首からぶら下げていたり、野鳥を探して撮影ポイントを探し回ったりといった具合に、アップダウンのある場所を動き回ったり移動距離が長くなってくると、首からぶら下げたカメラは結構邪魔になってくるものです。
そこで便利なのが「速写ストラップ」というもの。首から提げるのではなく、肩からたすき掛けにカメラを提げることができるストラップで、カメラの三脚穴などに取り付けてカメラボディを逆さ吊りさせるタイプの製品です。容易にストラップの長さを調節することが出来るのが特徴で、撮影しないときはカメラを腰の辺り密着させて移動の邪魔になりにくくなるよう工夫されています。
その「速写ストラップ」ですが、以前にご紹介した、「CP+2021」というイベントの開催を記念して発売された Nikon の福袋に、「BLACKRAPID(ブラックラピッド)」と Nikon がコラボした製品が含まれていました。当時はいまいち使い方がよく分かっておらずそのまましまってあったのですが、先日改めて使ってみたところ非常に便利だということが分かったのでレビューしておくことにします。
■ 「BLACKRAPID(ブラックラピッド)」について
BLACKRAPID(ブラックラピッド)は、2008年に米国・シアトル在住のカメラマン、ロン・ヘンリー氏によって設立されました。三脚穴に取り付ける「FastenR」と、「ConnectR」というストラップ取付部に用いる独自機構をカメラストラップに採用し、快適な携行性と素早く撮影態勢に移行する事の出来る利便性から世界中の多くのカメラマンから支持されるブランドとなっているそうです。
今回紹介する「AN-SBR3」は、BALCKRAPID と Nikon のコラボモデルですが、残念ながら既に販売終了となってしまっています。現行品で一番近いのは以下の製品になるでしょうか。
■ 「ND 速写ストラップ S AN-SBR3」
実はこの「AN-SBR3」は BLACKRAPID と Nikon のコラボモデル第 2弾なのだそうで、前モデルの AN-SBR2(こちらも既に販売終了)から薄型・軽量・コンパクトとなっているそうです。
畳んだ状態でおよそ 18cm(長さ)x6cm(幅)x5cm(厚さ)といったところでしょうか。ストラップの重量は約 180g です。右の写真の上部に写っているのは脱落防止用の補助ストラップです。カメラ横のショルダーストラップ取付部に繋げられるようになっています。
カメラへはまず「FastenR」と呼ばれるアタッチメントをカメラ下部の三脚穴にしっかりねじ込みます。このパーツの欠点は、カメラを置いたときの安定性が悪くなることですね。一応マンフロットのクイックシュー互換でカメラも置きやすくなる「ファステンRトライポッド(FR-T1)」というアタッチメントも売られているようです。
ストラップのカラビナを FastenR に通し、カラビナのゲートをロックしたら「Lockstar」と呼ばれるカバーフックをカラビナに被せます。これによってカラビナのゲートが勝手に開いてしまうのを防いでくれるようになっています。脱落防止ストラップもカメラに取り付けておくとより安全でしょう。
肩から掛けてみると右の様になります。ストラップ自体の長さは背面の方で調節しておき、赤〇印のバンパー(留め具)の位置を変えることでカメラが動く範囲を決めることができます。移動するときは右の写真の様に背面と正面にあるバンパーでカメラを挟むようにしておくことでカメラが首の前で振り子のように動いたりせず、移動の邪魔になりにくいようになっています。一方、撮影時はこの正面側のバンパーを胸の辺りまで引き上げておくことで、ストラップ上をカメラが移動して素早く撮影体勢に移行できるようになっています。この辺が「速写」ストラップの謂れなのでしょう。
ただ、構造上長い間使っているとカラビナとアタッチメントの接触部分がすり減ってしまい、最悪破断に至ることがあるようです。材質にも原因があるのでしょうが、接触部位の肉厚が薄くなってきた場合は早めに買い換えを検討した方が良さそうです。
実際に使ってみると本当に便利ですね、これ。使ってみないことには見ただけではどれほどカメラが使いやすくなるか分かりにくい類いのアイテムでしょう。アタッチメントをしっかり三脚穴にねじ込んでおくことと、カラビナの接触部位の減りにさえ注意していれば非常に便利な製品だと思います。
脱落防止用の補助ストラップの先っちょには三角環が付いているのですが、ちょっとこのままではカメラとの着脱が面倒なので、近いうちにカラビナを買ってきて取り付けるつもりです。
パニアバッグを買ったおかげで随分自転車でカメラを持って移動するのは楽になりましたが、ちょっと移動してはパニアにしまってというのも結構な手間なので、自転車で撮影ポイントを探しながら湖の周りを回ったりするのになんかも良さそうです。桜が咲き始めたらそちらのポイント探しにも使ってみようと思います。落車・転倒には今まで以上に注意が必要ですけどね。
mont-bell に行ってカラビナを買ってきました。これだと脱落防止ストラップの着脱もストレスなく行うことが出来ます。このカラビナは「キーカラビナ フラットナスカン 5」という製品です。「フラット Dカン 4」という、もう一回り小さいものもあったのですが、さすがにちょっと頼りない感じだったのでこちらのものにしておきました。アルミニウム合金製で重量は 6g 程しかないので、重さはほとんど気になりません。
(2022.2.13)