Amazon Echo Spot は Amazon Music や radiko の再生を声でコントロールすることが出来て非常に便利なのですが、如何せんサイズの問題もあって、内蔵スピーカーの音質は AMラジオ程度のものでしかありません。出掛ける支度をしながらちょっと音楽を掛けるくらいならまあいいのですが、さすがに本体内蔵のスピーカーでじっくり音楽を聴くという用途には向いていないと言わざるを得ないですね。
これは Echo Spot の背面の写真です。手段のひとつとして、背面の 3.5mmイヤホンジャックから AVアンプなどに繋いでやるという手もあるのですが、3.5mmイヤホンジャックと本体のスピーカーは完全に排他使用になっているようで、イヤホンジャックに接続すると Echo本体からの音声が一切出なくなってしまいます。繋いだ先の機器の電源が切れていると Echo Spot からの応答も全くわからなくなってしまい、声で操作をするときに非常に不便です。
そこで、Echo Spot から Bluetooth で NR1608 に音声を飛ばしてみることにしました。Echo Spot は、Bluetooth の送信と受信の双方に対応しているのですよね。Echo Show 5 などでも同様のはずです。
上記ヘルプを参考にMarantz NR1608 とAmazon Echo Spotを Bluetooth経由でペアリングしてみます。
- Marantz NR-1608 を Bluetooth ペアリングモードにします。といっても NR1608 のリモコンボタンの「Bluetooth」を押すだけです。(駄目な場合はリモコンの「Bluetooth」ボタンを 3秒ほど押しっぱなしにしてみてください。)
- Amazon Echo Spot の画面を上端から下にスワイプしてメニューを表示させ、歯車マークをタップ。
- 続いて一番上の「Bluetooth」をタップ。
- Marantz NR1608 が表示されるのでタップしてやれば Bluetooth でのペアリングが完了します。
ペアリングが完了すれば Echo Spot に「Alexa(ウェイクワードを変えていれば ”Echo" など)、〇〇(曲名など)を掛けて」「Alexa、radiko で FM COCOLO を掛けて」などと言うことで NR1608 に接続したスピーカーから音声が流れ出します。この状態で NR1608 の入力ソースを切り替えたり電源を切ったりすれば「Marantz NR1608 の接続を解除しました」というアナウンスと共に楽曲の再生が Echo Spot に切り替わります。また、Echo Spot での楽曲再生中に再び NR1608 の電源を入れたり入力ソースを「Bluetooth」に切り替えれば自動的に再接続されて外部スピーカーから再生されるようになります。
NR1608 の電源が入っていない場合は、スマホなどの「Marantz 2016 AVR Remote」というコントロールアプリで先に NR-1608 の電源を入れておいて入力ソースを「Bluetooth」に切り替えてから Echo Spot に楽曲再生を命じれば離れた場所からでも操作可能です。こちらのアプリを併用すればアンプの音量や音場のコントロールもできますしね。
肝心の音質はと言いますと、Echo Spot と NR1608 の接続に使われている Bluetooth コーデックは恐らく SBC にしか対応していないと思われるのですが、それでも Echo Spot 内蔵のスピーカーで聴くのとは雲泥の差です。NR1608 の「M-DAX」という圧縮音源に効く補正機能もそれなりに働いてくれているようで、チューナーで聴く FMラジオ程度の音質には十分なっていると思います。
Amazon Music には Echoシリーズからのみ加入可能な「Amazon Music Unlimited Echo プラン」という月額僅か 380円のお得価格で入れるプランがあるのですが、これなら加入してもいいかなと思える音質でした。このプラン、加入した Echoシリーズからのみでしか再生出来ないという制限があったので Echo Spot 内蔵スピーカーの音質ではさすがに魅力的には思えなかったのですよね。このプランに加入する場合はEcho端末に「Alexa(ウェイクワードを変えていれば適宜)、Amazon Music Unlimited に登録して」と話しかければOKです。ちなみにプランを変更したり解約したりする場合は、「Amazon Music の設定」のページから行うことができます。
再生中の楽曲の操作は Echo Spot に直接話しかけること以外にもスマホなどの「Amazon Alexa」アプリから行うことも可能です。再生・停止・曲戻し・曲送りなどのほか過去に再生した楽曲を選んで再生させることなどができるようになっています。「Amazon Music」アプリと連携させることもできるのでスマホを使って掛けたい楽曲を探すこともできますね。
「HEOS」アプリと「Amazon Alexa」アプリの組み合わせで HEOSデバイスとして認識させてもいいのですが、この場合 Amazon Music の再生はできるとしても radiko の音声を NR1608 に飛ばすことは出来ません。上記の Bluetooth で接続する方法ならばAmazon Music 以外にも Echo Spot で再生する radiko の音声も NR1608 に飛ばせるようになるのでこちらの方が便利では無いかと思います。
ただし、「Amason Music HD」を契約する場合は HEOSデバイスとして認識させた方がネットから来た音楽データを直接 NR1608 でデコードすることになるので音質面で有利でしょうね。いずれにせよこんな使い方も出来ますよということでご紹介してみました。