長いこと使っていなかった PlayStation 3 の電源を入れてみたところ、ピッと鳴って電源が入り、ディスクドライブの回転までは始まるものの、OS の起動が始まって 10秒ほどすると勝手に電源が切れるという症状が出ていました。電源が切れるまでの間ならディスクの挿入・排出も出来るのですが、何度やっても同じようにしばらくすると電源が落ちてしまいます。
HDD は取り出して検査してみましたが、特に異常はありませんでした。また、よく PlayStation 3 故障の症状として出ている「Yellow Light of Death (YLOD)」というわけでもないようです。もしそれが原因だったらワンチャンあったのかも知れませんけどね・・・。
この機種(CECH-3000A)を購入したのは 2012年。既に SONY公式の修理サービスも終了してしまっており、既に 8年が経過していたわけですから、まあ大往生と言っていいでしょう。せっかくなので(?)、処分してしまう前に分解して中を見てみることにしました。
まず本体をひっくり返し、赤〇印のネジを外します。特に ” 封印シール ” のようなものは貼られていませんでした。緑▢のところのネジは HDD 固定用のものです。こちらも先に取り外しておいた方が良いでしょう。右上のゴム脚のところはダミーのようです(笑)。
続いて水色○印の 4箇所のネジを外します。こちらはトルクスネジになっていました。安いのでいいので トルクスドライバーセット のようなものを持っていると分解が捗ります。精度は必要ありません。
パカッと開けると上の写真のようになっています。もっと埃を吸っているかと思いましたが、思いのほか汚れていませんでした。シロッコファンも綺麗なままです。まずは上部にある電源ユニット左右のコネクタと側のネジを外して電源ユニットを取り出します。
電源ユニットは DELTA製でした。紙エポキシ基板のようでしたが、パーツも整然と配置されており、丁寧な作りの電源ユニットが使われているようです。こちらも電源ユニットの故障ならある程度修理出来そうな気がしていたのですが、電源ユニット自体には問題がなかったようで、テスターで測ってみたところ所定の電圧が出力されていました。こうなると故障原因はやはりメイン基板の方でしょうね・・・。
BDドライブユニットとメイン基板の接続はリボンケーブルが使われていたので丁寧に取り扱う必要があります。Wi-Fi用のアンテナ線は、何も考えずに外してしまうとどっちがどっちか分からなくなるので、外す前に写真を撮っておいた方が良いでしょう。ファンを外して放熱カバー兼電磁波抑制用のプレートを外すといよいよメイン基板とのご対面。
グリスはさすがにガビガビになっていました。左の少し大きい方が GeForce 7800 GTXベースのカスタムGPU の「RSX(Reality Systhesizer)」、右が CPU の「CELL BROADBAND ENGINE」ですね。実は以前に初期型も分解したことがあるのですが、技術の進歩ってやはり凄いですね。コストダウンのために削られてしまった機能もありますが、部品点数が減って基板レイアウトにかなりの余裕が出来ていました。
焼損している部品も無さそうでしたので、ひょっとしたらヒートガンで炙れば復活したかも知れませんが、今更 PlayStation 3 で遊ぶことも無かろうということでお別れすることとしました。初期型ならともかく後期型では SACD が聴けるわけでもありませんからね・・・。さようなら PlayStation 3 !