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PlayStation 5 の内蔵SSD拡張が解禁されたので要件を整理

未だ品薄状態が続いている SONY の PlayStation 5 ですが、9月15日に待望されていた M.2 SSD を本体の拡張ソケットに取り付けてストレージ容量を大幅に増やすことの出来るファームウェアがリリースされました。更新後のシステムソフトウェアバージョンは「21.02-04.00.00.42-00.00.00.0.1」となります。

正直、M.2 SSD の拡張に対応した正式版のファームウェアがリリースされるまでは後 1~2ヶ月程度は掛かるだろうと思っていました。余程 βテストでの結果が良かったようですね。

βテストまで行われた大型アップデートと言うだけのことはあって、今回のシステムソフトウェア更新による変更箇所は多岐に渡ります。詳しくは以下の公式ブログにてご確認ください。

PS5 システムソフトウェアアップデートを明日 9月15日配信!(PlayStation.Blog)



■ PlayStation 5 に使用できる M.2 SSD の要件は?

M.2 SSD であればどれでも挿せばいいという訳ではありません。PlayStation 5 に搭載することのできる M.2 SSD の要件は以下の通りです。

インターフェース PCI-Express Gen4x4対応 M.2 NVMe SSD (Key M)
搭載可能容量 250 GB ~ 4 TB
搭載可能 SSD サイズ 2230、2242,2260,2280,22110
ヒートシンクを含む最大サイズ 25 (W)x30~110 (D)x11.25 (H) mm
シーケンシャル Read 速度 5,500 MB/s 以上を推奨

「M.2」SSD には幅「12 / 16 / 22 / 30mm」の 4種類、長さ「16 / 26 / 30 / 38 / 42 / 60 / 80 / 110mm」の 8種類で計 32タイプが規格としては存在するのですが、このうち PlayStation 5 に取り付けることができるのは幅が 22mm で長さが 30~110mm の 5つのタイプだけです。現在主流になっているのは「Type 2280」という幅 22mmx長さ 80mm の製品で、ノートPC用の小型のものを除けば他の大きさのものはあまり見かけることは無いでしょう。

拡張した M.2 SSD には、PlayStation 5 及び PlayStation 4 のゲームをインストールして直接プレイすることができます。従来も USB端子に外部の SSD / HDD を接続する事が出来ましたが、PlayStation 5 専用のゲームについては本体の SSD からファイルを退避させ、本体ストレージの空き容量を確保することしか出来ませんでした(PlayStation 4 のゲームについては直接プレイすることができましたが)。

M.2 SSD は発熱量が非常に大きくなります。PlayStation 5 に拡張SSD を搭載する場合は、ヒートシンクの取付は必須となります。取り付けるためにカバー外せば分かりますが、あまり空気の流れが良さそうな場所ではないので、ヒートシンクが組み込まれていない SSD を取り付ける場合は必ず何らかのヒートシンクを購入して取り付けましょう。

片面実装タイプ 両面実装タイプ

画像:PlayStationサポート
少なくとも以下の親和産業の「SS-M2S-HS02 」というヒートシンクはサイズ的に問題無く取り付けできることを確認しました。但し、このヒートシンクは SSD の片面のみを冷却する構造になっているので、両面実装タイプの SSD を使う場合は別の製品を取り付けることをお勧めします。


■ 各メーカーによって動作確認が取られているもの

基本的に上記の「要件」を満たす Gen4 の M.2 SSD であれば一般に PC用として販売されている製品はどれでも使用できるはずです。ですが、あまりに多くの製品が販売されているので実際にどれを買えばいいのか分からないという方も多いでしょう。なので、いくつか SSD の製造メーカーによってβ版のファームウェアの段階から動作確認されているものを紹介しておきます。

ヒートシンクは後付けで取り付けても構いませんが、こちらも色々な製品が販売されています。サイズによっては物理的に PlayStation 5 に取付が出来ないものもあるので、最初からヒートシンクが搭載されている製品を選んでおくのも良いでしょう。ヒートシンクを自分で選んで取り付ける場合は事前に取り付け可能かどうか良く確認してから購入するようにして下さい。最近のゲームは大容量化が進んでいるので、容量は 500GB ではすぐに埋まってしまいます。最低でも 1TB以上、できれば 2TB以上のものが良いでしょう(値段が高いのですけどね・・・)。

● Nextorage社の「NEM-Hシリーズ」


「Nextorage」はソニーグループの会社で、一応「純正品」ということになります。こちらの製品にヒートシンクを付けてもいいですが、PlayStation 5用としてヒートシンクを一体化した「NEM-PA」シリーズが間もなく登場してくるそうです。Read 7,000MB/s Write 5,500MB/s で保証期間は 5年間。

● Seagete社 の「FireCuda 530シリーズ」


Seagate社の高耐久を謳う M.2 SSD の「FireCuda 530」シリーズはいち早く PlayStation 5 での動作確認が取れたことを報じました。1,275TBW(1TBモデル)と、高い耐久性能と 3年間のデータリカバリーサービスが付帯していることが特徴です。Read 7,300MB/s Write 6,900MB/s でこちらも保証期間は 5年間となっています。

● Western Digital社 の「WD BLACK SN850シリーズ」


Western Digital社の「WD BLACK SN850」シリーズにもヒートシンク付きのモデルが用意されています。Read 7,000MB/s Write 5,300MB/s で、こちらも保証期間は 5年間。

● Crucial(Micron)社 の「P5 Plusシリーズ」


Crucial は Micron Technology のブランドです。こちらはヒートシンク付きのモデルは用意されていないようなので別途調達する必要があります。Read 6,600MB/s Write 5,000MB/s(1TBモデル)で、こちらも保証期間は 5年間となっています。

これらの他にも様々な製品が販売されています。中には怪しげなメーカーの格安SSD もありますが、壊れやすかったり期待した速度が出ないといった製品もあるようです。価格は安いに越したことはありませんが、出来るだけメジャーなメーカー製のものを購入する事をお勧めします。やっぱりね、サポートや安心は ” 買える ” のですよ・・・。

■ 「Gen3」の SSD を使おうとするとどうなるのか?

ちなみに、「Gen3」の M.2 SSD を PlayStation 5 に取り付けるとどうなるのか気になる方も多いんじゃないかと思います。そこで、実際に手持ちの Gen3対応の「Seagate FireCuda 510」を組み込んで確かめてみました。

規格外の製品を取り付けた場合 物理的には「Gen3」の M.2 SSD を PlayStation 5 に取り付ける事は可能です。別に壊れてしまうというようなことはありません。

ですが、残念ながら PlayStation 5 に「Gen3」の SSD を取り付けても使う事が出来ません。起動までは出来るのですが、右の様な画面が表示されて、取り外すまで電源を切ることしか出来なくなってしまいます(取り外せば正常に起動します)。
正直、「Gen3」の SSD と「Gen4」の SSD で体感で速さの違いを感じることの出来る人は居ないだろうと思うのですがね・・・。ちょっと PlayStation 5 の要求レベルは高すぎる気がします。

■ やはりネックとなるのは価格か?

快適になる事は間違いありません。ですが、やはりネックは価格ですね。現状 Gen4対応の M.2 SSD は 1TB のモデルで 2万円前後です。搭載できる上限とされている 4TB の SSD も販売が始まっていますが、こちらは転売価格の PlayStation 5 が楽に買えてしまえるという、ちょっと現実離れした価格になってしまいます。

Twitter などを見れば分かりますが、実際に PlayStation 5 の拡張スロットに M.2 SSD を取り付けた方に拠ると、「Gen4」にさえ対応していれば Read / Write の速度は 5,000MB/s 以下の製品でも動作に問題は出ていないようです。そのような製品は比較的安価ではありますが、それでもやはり費用対効果で割安とはちょっと言えないですね・・・。

今のところ私は Gen3 までの M.2 SSD しか持っていないので、残念ながら今回のファームウェアアップデートで拡張SSD が使えるようになったことの恩恵を受けることは出来ません。2TB のモデルが 2万円を切るようになってくれば考えてみたいとは思っていますが、まだまだ当分先の事でしょうね・・・。