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静電容量無接点方式のスイッチを採用した唯一無二のマウス 「東プレ REALFORCE MOUSE」を徹底レビュー!

PC用キーボードの世界では東プレが独自開発した「静電容量無接点方式」のキースイッチを採用した「REALFORCE」シリーズのキーボードが高級キーボードとして確固たる地位を築いています。その耐久性の高さと打鍵感を初めとした使い心地の良さから愛用されている方も多いことでしょう。

年が明けた 2021年1月1日、パソコンSHOPアークさんの「新春初売りセール」で、その東プレのキーボードで採用されている「静電容量無接点方式」のキースイッチを小型化してマウスの左右ボタンに搭載した「REALFORCE MOUSE」が特価販売されていたので思わず飛びついてしましました。


実はこの「REALFORCE MOUSE」、昨年行われていた「REALFORCE MOUSE ハンズオンキャンペーン」という企画で 11月中旬から 1週間ほどお借りして試用していたのですが、非常に使い心地が気に入っていたのですよね。お返しした後も名残惜しく、若干 REALFORCE MOUSE ロス(?)な状態になっていたのですが、マウスとしては非常に高価な製品なので、購入には二の足を踏んでいたのです。

マウスやキーボードといったインターフェースは実際に触ってみるに越したことは言うまでもありませんが、「REALFORCE MOUSE」を店頭で展示して触れる状態になっているところはあまり無いかも知れませんので、じっくりとレビューしておくことにします。購入を迷っている方のご参考になれば幸いです。


■ 「静電容量無接点方式」とは?

PC で作業する上で必須の道具の一つと言えるマウスですが、各メーカーから実に様々な製品が市場に投入されています。最近では「ゲーミングマウス」として、素早いエイミングと確実な操作が行えるように光学センサーなどを専用設計した製品なども出ていますが、マウスのボタンスイッチにはほとんどの場合メカニカルキースイッチが採用されているようです。

東プレのキーボードを使用している人にはお馴染みですが、東プレのキーボードには「静電容量無接点方式」という独自開発したキースイッチが採用されています。とにかくこのキースイッチを採用したキーボードは耐久性が高く、ちょっとやそっとでは壊れないのですよね。一度買ってしまえば上からコーラーなどでも零さない限り 10年程度なら普通に故障無く使えてしまいます。

静電容量無接点方式 右の図は、東プレの REALFORCEシリーズ紹介ページにあるキースイッチの構造を示したものです。これはキーボード用のスイッチなのですが、原理的に同じものを新たにマウス搭載のために小型化して REALFORCE MOUSE の左右のボタンとして搭載しているそうです。このキースイッチは、一般的なメカニカルスイッチと違って電極が物理的に接することが無く、電極同士の接近を検知してキー押下を検知する仕組みなので、原理的にチャタリングが発生しないという大きなアドヴァンテージを持っています。 画像:REALFORCE

東プレのキーボードについては、以前に「REALFORCE108UG-HiPro-JS Limited」というキーボードのレビューをしていますので、よろしければ併せてご覧下さい。

■ 東プレ「REALFORCE MOUSE」のハードウェアをチェック!

REALFORCE MOUSE 外箱 黒と赤を基調としたパッケージはクールですが、価格を考えるとパッケージについてはもう少し頑張ってくれても良かったのではという気がしないでもありません。箱の中身もマウス本体の他は保証書兼説明書だけです。外観は、発売当時の PC Watch によるインタビュー記事 でも語られていた通り、定番と言われた Microsoft の IntelliMouse Explorer 3.0 を意識して設計されており、日本人の手のサイズに馴染むようワンサイズ落とす感じで仕上げたそうです。

開発には約 3年を掛けたとのことですが、東プレの製品は基本的にモデルチェンジが少なく製品寿命が長い傾向があるので、製品の開発ペースはゆっくり目ですね。Bluetooth仕様のキーボードの開発も続けられているそうですが、なかなか製品として市場に出てきません。

REALFORCE MOUSE についても Bluetooth仕様のマウスも検討されたそうですが、自社開発マウス第1弾ということで有線式での市場投入となったそうです。今後に期待というところでしょうか。

REALFORCE MOUSE 外観

ボタン数は、左右のメインボタンに加えてサイドボタンが 2つ、センタークリック機能付きのスクロールマウスホイールとホイール手前の 1つの 6ボタン仕様となっています。これらはプログラマブルとなっており、後述の専用アプリでボタンの機能を変更することが出来ます。ケーブル長は 1.8m。直径 2.8mm という非常に細いケーブルで取り回しもよいのですが、もうちょっと短くても良かった気がします。ケーブルの根元が少し上向きになっていて机との接地が減るように工夫されており、付け根の部分も断線し難くなる保護がされているのは気が利いているなと思いました。

REALFORCE MOUSE 底面 REALFORCE MOUSE の主な仕様は以下の通り。

   センサー      : PixArt PMW3360
   DPI         : 100 ~ 12,000
   最大加速      : 50 G
   レポートレート   : 125 / 500 / 1,000 Hz
   メインボタン耐久性 : 5,000 万回
   本体サイズ     : 67x122x42 mm
   重量        : 約 83 g

マウスとしては非常に珍しい「日本製」です。相模原の事業所でセル生産方式で一個一個手作業で組み立てられているのだとか。人を選ぶマウスなので大量生産というわけにもいかないのでしょうね。

マウスの心臓部と言える台湾 PixArt社の「PMW3360」というセンサーは、ゲーミングマウスに広く採用されているそうです。「こちら」でレビューしている「Microsoft Pro IntelliMouse(NGX-00018)」の「PAW3389PRO-MS(恐らくカスタム品)」よりは 1世代前のものになるようですね。ロット数量の関係でセンサーの調達に苦労したそうなので入手性重視ということになったようです。マイコンは 32bit の ARM Cortex-M を搭載する STMicroelectronics の超低消費電力マイクロコントローラー「STM32L」とのこと。128KB のフラッシュメモリを搭載した「L072RB」のようです。(PC Watch 記事写真より

ちなみにマウスの性能に関する用語で、「DPI(Dots Per Inch)」は、マウスのセンサーの位置が 1インチ(2.54 cm)動いた時に画面上のカーソルが何ドット分動くのかということを示しており、「解像度」という言い方をする事もあります。数値を大きくすると画面上でのマウスカーソルの移動距離が大きくなるのですが、やみくもに大きくすればいいのかというとそうではなく、カーソルが飛びすぎてどこにあるのか分かりにくくなってしまいます。私の使った感じでは 27インチの 4K ディスプレイでは 5,500 DPI 程度が使いやすいように感じました。

「レポートレート」は「ポーリングレート」とも呼ばれ、1秒間にマウスのセンサーが読み取った情報を何回 PC へ報告するのかという事を示しています。つまり、これが 1,000 Hz となっている場合は 1秒間に 1,000回センサーの情報をカウントしているということですね。こちらも大きければいいというわけでも無いのですが、1,000 Hz 程度までであれば問題になることは無いと思います。

■ 「REALFORCEソフトウェア」をチェック!

ドライバ無しで USBケーブルを繋ぐだけですぐに PC で認識されて使い始めることができますが、カスタマイズ設定を行うには専用アプリの「REALFORCE ソフトウェア」のインストールが必要になります。

長らく Windows にしか対応しない状況が続いてましたが、昨年 11月にようやく Mac へも対応したようです。2021年1月時点の最新版は Windows版が「Ver.2.04」、Mac版が「Ver.2.00」となっています。また、併せてファームウェアも最新版の「Ver.010」がリリースされており、ボタンに任意のキーを割り当てられるようになるなど改良も続けられているようですね。

「REALFORCE ソフトウェア」のダウンロードは「こちら」から。インストール後、マウスを繋いだ状態で起動すると下のような中々クールな設定画面が表示されます。

REALFORCEソフトウェア

LED のカスタマイズは黒(消灯)も含めて全 8色から選ぶことが出来ます。ホイール手前にあるインジケーターとブランドロゴの 2箇所についてそれぞれ点灯・消灯を選ぶことができますが、別々の配色にすることまでは出来ません。REALFORCE のロゴは結構主張が激しいので、気になる人は暗めにするか消しておくとよいでしょう。

DPI の数値は 100 ~ 12,000 の間で 4段階に設定して記憶させておくことが可能です。デフォルトの状態では " ボタン 6 " を押す度に切り替わるようになっていますが、ボタンには別の機能を割り当てて DPI はソフトウェアで切り替えというのでいいでしょう。レポートレートの切り替えはソフトウェア上で行うことは出来ません。マウス底面のスイッチを切り替えるようになっています。

「リフトオフ・ディスタンス」は、マウスを持ち上げた場合にセンサーが反応しなくなる距離の事です。これが「High」の位置になっていると、例えばマウスパッドの端から中央にマウスを持ち上げて戻そうとした際にカーソルの移動として検知してしまう事があるのですが、これは完全に好みの問題でしょうね。

左右のメインボタンについては入れ替えのみとなっていますが、ボタンのカスタマイズ性は結構いいようです。左右非対称の形状ですが一応左利きの人でも使用出来るようということでしょうね。

REALFORCE MOUSE ボタンカスタマイズ

ファームウェア Ver.010 からは「カスタムキー」として任意の動作を割り当てられるようになりました。所謂「マクロキー」機能ですね。私の場合は第6ボタンに Homeキーを割り当ててみました。これ、結構ブラウジングしていて記事の先頭に戻りたくなったなった時なんかに便利なのですよね。ただ、第6ボタンはちょっと押しにくい位置にあるのでホイールの先やサイドボタンの間なんかにあると使いやすいだろうなと思います。

マウスの設定が終わったら右上に現れるマウスを押しているようなアイコンをクリックして「保存」しておくこと。これでマウスのフラッシュメモリに設定した内容が書き込まれます。

昨年 11月に試用させて頂いた時はこの「REALFORCE ソフトウェア」やマウスのファームウェアをダウンロードする際に型番やシリアルナンバーの入力が必要でやや面倒だったのですが、その後改善されたようで、これらの入力は不要になったようです。

■ Microsoft の「Pro IntelliMouse(NGX-00018)」と比較

さて、実際の使用感ですが、一番最初に驚いたのが左右ボタンのクリック音が無いこと!静電容量無接点方式のボタンの独特の感触にも勿論驚いたのですが、こちらの方が更に衝撃的でした。一般的なマウスではカチカチと音がするので静かな場所では気になることもあるのですが、REALFORCE MOUSE は本当に静かでほとんどクリック音がしません。それでいてクリックの感触はしっかりあるという、なんとも不思議な感覚を味わうことができました。この感覚、少なくとも私は嫌いではないです。

REALFORCE MOUSE 比較 こちらは Microsoft の「Pro IntelliMouse(NGX-00018)」という、現在使用しているマウスを横に置いてサイズの比較をしてみたところです。一回り小さくなっているのが分かるかと思うのですが、このサイズ感は非常に持ちやすくていいですね。

マウスホイールは左右へのチルト機構が搭載されていない、よくあるタイプのセンタークリック機能付きのホイールですが、ちょっと大きめになっており、非常に操作しやすい印象を受けました。
左右のメインボタン以外は普通のメカニカルスイッチ式のボタンになっているのでカチカチと音がしますが、メインボタン以外も静電容量無接点方式のスイッチにしようとすると更なる小型化が必要でしょうし、メインボタンほど頻繁に使用するというわけでもないのでまあ妥協出来るかなという感じです。

ネックはやはり価格でしょう。実売 1.8万円前後というのはさすがにちょっと購入を躊躇ってしまう価格です。この価格であれば少なくとも保証期間は購入から 1年間ではなく、左右のメインボタンに限るなどの条件があってもいいので 3年程度(できれば 5年間)の保証は効くようにして頂ければと思います。

静電容量無接点方式のスイッチは既にキーボードで数々の実績を築かれていますし、東プレさんとしても自信は持っているでしょう。保証期間を長くして頂ければかなり購入意欲も増すだろうと思います。

左右のボタンをクリックする際にカチカチと音がしないので、ご家庭でテレワークを行っている方なんかにも魅力的なマウスだろうと思います。ゲーマーの方にはボタン数が少なすぎるかも知れませんけどね。