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何かの参考にして頂ければ幸いです。

静電容量無接点方式のスイッチを採用した唯一無二のマウス 「東プレ REALFORCE MOUSE」を徹底レビュー!

PC用キーボードの世界では東プレが独自開発した「静電容量無接点方式」のキースイッチを採用した「REALFORCE」シリーズが高級キーボードとして確固たる地位を築いていますが、その東プレからこの春に未だかつて無かったタイプのマウスが発売されました。その名も「REALFORCE MOUSE」という名称で、マウス左右のメインボタンに小型化された静電容量無接点方式のスイッチを採用しているとのこと。

かねてから興味は持っていたのですが、如何せん高価なのでおいそれと手を出すわけにも行かず、これまで実際に触れたことはありませんでした。この度 1週間ほど試用させて頂けるという貴重な機会に恵まれましたのでじっくりとレビューしてみたいと思います。

■ 「静電容量無接点方式」とは?

PC で作業する上で必須の道具の一つと言えるマウスですが、各メーカーから実に様々な製品が市場に投入されています。最近では「ゲーミングマウス」として、素早いエイミングと確実な操作が行えるように光学センサーなどを専用設計した製品なども出ていますが、マウスのボタンスイッチにはほとんどの場合メカニカルキースイッチが採用されているようです。

東プレのキーボードを使用している人にはお馴染みですが、東プレのキーボードには「静電容量無接点方式」という独自開発したキースイッチが採用されています。とにかくこのキースイッチを採用したキーボードは壊れないのですよね。上からコーラーなどでも零さない限り 10年程度なら普通に故障無く使えてしまいます。

静電容量無接点方式 右の図は、東プレの REALFORCEシリーズ紹介ページにあるキースイッチの構造を示したものです。これはキーボード用のスイッチなのですが、原理的に同じものを新たにマウス搭載のために小型化して REALFORCE MOUSE の左右のボタンとして搭載しているそうです。このキースイッチは、一般的なメカニカルスイッチと違って電極が物理的に接することが無く、電極同士の接近を検知してキー押下を検知する仕組みなので、原理的にチャタリングが発生しないという大きなアドヴァンテージを持っています。 画像:REALFORCE

東プレのキーボードについては、以前に「REALFORCE108UG-HiPro-JS Limited」というキーボードのレビューをしていますので、よろしければ併せてご覧下さい。

■ REALFORCE MOUSE ハンズオンキャンペーン

さて、この「REALFORCE MOUSE」なのですが、冒頭でも触れたようにとにかく高価なのですよね。発売以降あまり値下げされることも無く、だいたい 18,000円前後の価格が維持されているようです。

店頭での展示などもあまりされていないようで(あったとしてもこのコロナ禍の中手に取って・・・というのも躊躇われますが)中々実際に触れてみる機会というものが無かったのですが、この 9月から無償で 1週間借りて実際の使い心地を試すことの出来る「REALFORCE MOUSE ハンズオンキャンペーン」というプログラムが開始されました。

応募は上記のページから行えるのですが、応募殺到とのことで現在は募集が中断されています。貸出が一巡したらまた募集を再開するそうなので興味のある方は時々チェックしてみるとよいでしょう。返却時も送られてきた箱に梱包し直して着払いで送ればよいだけですし、これはまたとない機会です。

キャンペーンの開始を知ってすぐに申し込んでいたのですが、それでもかなりの順番待ちになっていたようで、11月中旬にやっと順番が巡ってきました。(当初は 12月頃と言われていたのでこれでもかなり早くなりました。)尚、応募には免許証など身分証明書のアップロードが必要です。

■ 早速 " ハンズオン " しちゃいます

REALFORCE MOUSE 梱包状態 なんかものすごくしっかりと梱包されて届きました。ハードディスクを買った時でもここまで厳重に梱包されているのは見たことがありません(笑)。REALFORCE MOUSE 本体と共に着払いの伝票が入っていました。送られてきた箱にそのまま梱包し直して着払いで返却すれば良いようです。箱の中身はマウス本体と説明書だけです。価格を考えるとパッケージについてはもう少し頑張っても良かったのではという気がしないでもありません。
外観は、発売当時の PC Watch によるインタビュー記事 でも語られていたとおり、定番とも言われた Microsoft の IntelliMouse Explorer 3.0 を意識して設計されており、日本人の手のサイズに馴染むようワンサイズ落とす感じに仕上げたそうです。開発には約 3年を掛けたとのことですが、東プレの製品はモデルチェンジが少なく、製品寿命が長い印象があるので開発ペースはゆっくり目ですね。Bluetooth仕様のキーボードの開発も続けられているそうですが、なかなか製品として市場に出てきません。

REALFORCE MOUSE についても無線仕様のマウスも検討されたそうですが、自社開発マウス第1弾ということで有線式での市場投入となったそうです。今後に期待というところでしょうか。

REALFORCE MOUSE 外観

ボタン数は、左右のメインボタンに加えてサイドボタンが 2つ、センタークリック機能付きのスクロールマウスホイールとホイール手前の 1つの 6ボタン仕様となっています。これらはプログラマブルとなっており、後述の専用アプリでボタンの機能を変更することが出来ます。ケーブル長は 1.8m。直径 2.8mm という非常に細いケーブルで取り回しもよいのですが、もうちょっと短くても良かった気がします。ケーブルの根元が少し上向きになっていて机との接地が減るように工夫されており、付け根の部分も断線し難くなる保護がされているのは気が利いているなと思いました。

REALFORCE MOUSE 底面 REALFORCE MOUSE の主な仕様は以下の通り。

   センサー      : PixArt PMW3360
   DPI         : 100 ~ 12,000
   最大加速      : 50 G
   レポートレート   : 125 / 500 / 1,000 Hz
   メインボタン耐久性 : 5,000 万回
   本体サイズ     : 67x122x42 mm
   重量        : 約 83 g

マウスとしては非常に珍しい「日本製」です。相模原の事業所でセル生産方式で一個一個手作業で組み立てられているのだとか。人を選ぶマウスなので大量生産というわけにもいかないのでしょうね。

マウスの心臓部と言える台湾 PixArt社の「PMW3360」というセンサーは、ゲーミングマウスに広く採用されているそうです。「こちら」でレビューしている「Microsoft Pro IntelliMouse(NGX-00018)」の「PAW3389PRO-MS(恐らくカスタム品)」よりは 1世代前のものになるようですね。ロット数量の関係でセンサーの調達に苦労したそうなので入手性重視ということになったようです。マイコンは 32bit の ARM Cortex-M を搭載する STMicroelectronics の超低消費電力マイクロコントローラー「STM32L」とのこと。128KB のフラッシュメモリを搭載した「L072RB」のようです。(PC Watch 記事写真より

ちなみにマウスの性能に関する用語で、「DPI(Dots Per Inch)」は、マウスのセンサーの位置が 1インチ(2.54 cm)動いた時に画面上のカーソルが何ドット分動くのかということを示しており、「解像度」という言い方をする事もあります。数値を大きくすると画面上でのマウスカーソルの移動距離が大きくなるのですが、やみくもに大きくすればいいのかというとそうではなく、カーソルが飛びすぎてどこにあるのか分かりにくくなってしまいます。私の使った感じでは 27インチの 4K ディスプレイでは 5,500 DPI 程度が使いやすいように感じました。

「レポートレート」は「ポーリングレート」とも呼ばれ、1秒間にマウスのセンサーが読み取った情報を何回 PC へ報告するのかという事を示しています。つまり、これが 1,000 Hz となっている場合は 1秒間に 1,000回センサーの情報をカウントしているということですね。こちらも大きければいいというわけでも無いのですが、1,000 Hz 程度までであれば問題無いと思います。

■ REALFORCEソフトウェア

ドライバ無しで USBケーブルを繋ぐだけですぐに PC で認識されて使い始めることができますが、細かい設定を行うには専用アプリの「REALFORCE ソフトウェア」のインストールが必要になります。

長らく Windows にしか対応しない状況が続いてましたが、先日ようやく Mac にも対応したようです。2020年11月の時点の最新版は Windows版が「Ver.2.04」、Mac版が「Ver.2.00」となっています。また、併せてファームウェアも最新版の「Ver.010」がリリースされており、ボタンに任意のキーを割り当てられるようになるなど改善も続けられているようですね。

REALFORCE ソフトウェア」のダウンロードは「こちら」から。インストール後、マウスを繋いだ状態で起動すると下のような中々クールな設定画面が表示されます。

REALFORCEソフトウェア

LED のカスタマイズは黒(消灯)も含めて全 8色から選ぶことが出来ます。ホイール手前にあるインジケーターとブランドロゴの 2箇所についてそれぞれ点灯・消灯を選ぶことができますが、別々の配色にすることまでは出来ません。REALFORCE のロゴは結構主張が激しいので、気になる人は暗めにするか消しておくとよいでしょう。

DPI の数値は 100 ~ 12,000 の間で 4段階に設定して記憶させておくことが可能です。デフォルトの状態では " ボタン 6 " を押す度に切り替わるようになっていますが、ボタンには別の機能を割り当てて DPI はソフトウェアで切り替えというのでいいでしょう。レポートレートの切り替えはソフトウェア上で行うことは出来ません。マウス底面のスイッチを切り替えるようになっています。

「リフトオフ・ディスタンス」は、マウスを持ち上げた場合にセンサーが反応しなくなる距離の事です。これが「High」の位置になっていると、例えばマウスパッドの端から中央にマウスを持ち上げて戻そうとした際にカーソルの移動として検知してしまう事があるのですが、これは完全に好みの問題でしょうね。

左右のメインボタンについては入れ替えのみとなっていますが、ボタンのカスタマイズ性は結構いいようです。左右非対称の形状ですが一応左利きの人でも使用出来るようということでしょうね。

REALFORCE MOUSE ボタンカスタマイズ

ファームウェア Ver.010 からは「カスタムキー」として任意の動作を割り当てられるようになりました。所謂「マクロキー」機能ですね。私の場合は第6ボタンに Homeキーを割り当ててみました。これ、結構ブラウジングしていて記事の先頭に戻りたくなったなった時なんかに便利なのですよね。ただ、第6ボタンはちょっと押しにくい位置にあるのでホイールの先やサイドボタンの間なんかにあると使いやすいだろうなと思います。

マウスの設定が終わったら右上に現れるマウスを押しているようなアイコンをクリックして「保存」しておくこと。これでマウスのフラッシュメモリに設定した内容が書き込まれます。

REALFORCEソフトウェアダウンロードREALFORCEソフトウェア」のダウンロードに関してちょっと分かりにくい点がありますので補足しておきます。

REALFORCEソフトウェアをダウンロードするには、REALFORCE MOUSE の「型番」「シリアルナンバー」「メールアドレス」の入力が必要なのですが、このうちの「型番」についてダウンロードページには 3箇所入力する欄があります。マウス底面に貼ってあるラベルの型番を入力すれば良いのですが、REALFORCE MOUSE には「型番第2群」と「型番第3群」が存在しないのですよね。何も選択しない状態ではエラーになってダウンロードする事が出来ませんので、ここはそれぞれ「なし」を選択して下さい。

■ 「REALFORCE MOUSE」を試用してみて

さて、実際の使用感ですが、一番最初に驚いたのが左右ボタンのクリック音が無いこと!静電容量無接点方式のボタンの独特の感触にも勿論驚いたのですが、こちらの方が更に衝撃的でした。一般的なマウスではカチカチと音がするので静かな場所では気になることもあるのですが、REALFORCE MOUSE は本当に静かでほとんどクリック音がしません。それでいてクリックの感触はしっかりあるという、なんとも不思議な感覚を味わうことができました。この感覚、少なくとも私は嫌いではないです。

REALFORCE MOUSE 比較 こちらは Microsoft の「Pro IntelliMouse(NGX-00018)」という、現在使用しているマウスを横に置いてサイズの比較をしてみたところです。一回り小さくなっているのが分かるかと思うのですが、このサイズ感は非常に持ちやすくていいですね。

マウスホイールは左右へのチルト機構が搭載されていない、よくあるタイプのセンタークリック機能付きのホイールですが、ちょっと大きめになっており、非常に操作しやすい印象を受けました。
左右のメインボタン以外は普通のメカニカルスイッチ式のボタンになっているのでカチカチと音がしますが、メインボタン以外も静電容量無接点方式のスイッチにしようとすると更なる小型化が必要でしょうし、メインボタンほど頻繁に使用するというわけでもないのでまあ妥協出来るかなという感じです。

1週間試用させて頂いて非常に気に入ったのは確かなのですが、もう 5,000円程安くなりませんかね。実売 1.8万円程度というのはさすがにちょっと購入を躊躇ってしまいます。若しくは、左右のメインボタンに限るなどの条件があってもいいので 3年程度(できれば 5年間)の保証が効くようにして頂ければと思います。静電容量無接点方式のスイッチは既にキーボードで数々の実績を築かれていますし、東プレさんとしても自信は持っていると思うのですよね。保証期間を長くして頂ければかなり購入意欲も増すのですが・・・。保証期間 1年は価格を考えるとさすがに短く感じてしまいます。

いずれにせよ、今回貴重な体験の機会を頂けましたことには感謝の限りです。次回マウスを買い替える際には改めて候補の 1つとして検討させて頂きたいと思います。また、記事中でも触れましたように、現在ハンズオンキャンペーンは応募多数とのことで中断されていますが、いずれまた再開されるようですし、興味を持たれた方は是非一度手に取って試してみることをお勧めします。今でしたらテレワークでマウスの音が気になる方などにはなかなか魅力的なマウスなのではないでしょうか。


※ 追記 ※


年が明けた 2021年1月1日、パソコンショップアークさんの新春初売りセールで REALFORCE MOUSE が特価で販売されていたので思わず飛びついてしましました。

REALFORCE MOUSE

サンプル機を返却してから若干 REALFORCE MOUSEロス(?)な状態になっていたのですよね(笑)。届いて早速また使い始めていますが、やはりこの左右の独特なクリック感は中毒性があります。しっくりと手に収まるサイズ感もまたいいのですよね。
(2021.1.4)