なんだか急に暑くなってきましたね・・・。一旦消えていた梅雨前線が復活したとかで今週は雨が多くなりそうですが、来週くらいからまた猛暑となってくるようです。今年もまた地獄の日々がやって来る・・・。
さて、SONY から ” 着るエアコン ” こと「REON POCKET」というウェラブルデバイスが発売されています。初代モデルが発売されたのは 2020年ですが、毎年改良モデルが発売されると共に口コミで売上を伸ばしており、今では夏前に入手困難となるほどの人気になっているのだとか。「REON」の名称は ” 冷却 ” と ” 温熱 ” から来ているらしい。冬場に温熱モードで使う場合の評判も上々のようです。
今年は新モデルの発表が遅かったようですが、これまで 1基だった「サーモモジュール」を 2基に増やして吸熱性能を強化し、バッテリー駆動時間も大幅に伸ばしたモデルとして「REON POCKET PRO(RNPK-P1) 」が 5月末に突如として発売されました。
以前からどんなものかと興味はあったのですが、価格も 1万円ほど上がってしまったため躊躇している間に続々と品切れ状態に・・・。これだけ人気があるのならやはり買って使ってみるか!ということで徐々に納期の延び始めていた ソニーストア でなんとか無事 5月中に入手することが出来ました。
SONY の製品はソニーストアで購入するのが一番いいとずっと言っている私ですが。「REON POCKET」に関してはどこでも好きなお店で買ってください。というのも、「REON POCKET」シリーズはソニーストア購入で魅力となる各種割引クーポンの対象外(送料無料券とお買い物券だけは使えます)、更には長期修理保証も対象外と、特にソニーストアで購入するメリットが無いのです・・・。むしろ納期などは他のお店で買った方が早いという・・・。私の場合は「α あんしんプログラム」で戻って来た ” お買い物券 ” があったからというだけのことです。
昨年発売された「REON POCKET 5(RNPK-5)」もまだ併売しているとのことなので、「REON POCKET PRO(RNPK-P1)」とスペックの比較をざっと行っておきましょう。
REON POCKET PRO(RNPK-P1) | REON POCKET 5(RNPK-5) | |
---|---|---|
価格(税込) | 27,500円 (センサー付き:29,700円) |
17,600円 (センサー付き:19,800円) |
サーモモジュール | 2基搭載 | 1基搭載 |
バッテリー持続時間 | 冷却時:約 5.5時間(Level 5) ~ 約 34時間(Level 1) 加温時:約 5.5時間(Level 4) ~ 約 10時間(Level 1) |
冷却時:約 4時間(Level 5) ~ 約 17時間(Level 1) 加温時:約 4時間(Level 4) ~ 約 8時間(Level 1) |
対応 OS | iOS 16 以上、Android 9 以上 | |
通信方式 | Bluetooth 5.0 LOW Energy | |
防滴シーリング | 冷却/温熱面、内部部品、操作ボタン、USB端子部 | 冷却/温熱面、内部部品 |
動作環境 | 5 ℃ ~ 40 ℃ | |
充電端子 | USB Type-C | |
充電時間 | 約 200分(満充電)、約 130分(90%) | 約 170分(満充電)、約 100分(90%) |
最大外形寸法 | 約 130x58x170(188)mm | 約 125x23(45)x137(170)mm |
質量 | 約 247(252)g | 約 153(160)g |
発売日 | 2025.5.20 | 2024.4.23 |
※ ()内はエアフローパーツ(ロング)装着時
見ての通り価格と重量がかなり増していますが、「サーモモジュール」が 2基に増え、バッテリー性能もかなり上がっています。この「サーモモジュール」は「ペルチェ素子」という、電気を流すと片方の面から他方の面に熱を移動させる性質を持つ素子と放熱ユニットを組み合わせた作りになっているようです。
ペルチェ素子は PC の自作を行っている方なら CPU の冷却に使われていたこともあるのでわりと馴染みのある素材かもしれません。結露が生じやすい素材なので防滴に配慮した設計になってはいますが、完全防水設計とはなっていない点には注意が必要です(汗くらいなら大丈夫のようですが)。
周囲の温度や湿度を測定する「REON POCKET TAG」の付いた ” センシングキット ” の方を購入したので、REON POCKET PRO 本体と REON POCKET TAG の他に充電用の USBケーブル(Type C to C)、エアフローパーツ 2種(ショートは装着済み)、取扱説明書類が付属していました。
付属の取扱説明書は多言語版となっているので、以下から PDFマニュアルをダウンロードしておくことをお勧めします。スマホなどに入れておくと便利かと。


冷却・温熱面の素材には「SUS316L」というステンレス鋼が使われているのですが、熱伝導率としては低い金属素材なのだそうです。肌に直接触れる部分なので、低温やけどなどを防ぐための配慮でしょうか。それでも冷たすぎると感じる方は別売りの「シリコンコーティングシート(RNPP-SP1)」を使用するようにとのことです。


ネックバンドの付け根付近にあるボタンを押しながらちょっと捻るとネックバンドを取り外すことが出来ます。「RNPB-NP1」という型番で交換用のネックバンドが 2,200円程度で市販されているようなので、万が一破損してしまっても安心?ただ、この着脱機構を設けたことで、ネックバンドを調節したりもたれたりした際にここが意図せず外れてしまうことがあるのですよね・・・。


ネックバンドを取り外した本体からは放熱用のヒートシンクが見えました。この奥には冷却ファンも入っているらしい。先っちょのエアフローパーツはロングとショートの 2種類が用意されています。スーツを着て使ったりするならロングの方がいいかも。


充電ポートは USB Type-C ですが、防水用のカバーが邪魔になるのであまりコネクタ部分の大きいケーブルは使用出来ません。バッテリーの定格は 5V=1.5A となっていました。USB Type-C のコネクタですが、残念ながら高速充電規格の USB PD には非対応。バッテリー自体はよく保つので、寝てる間に充電というのが良さそう。


電源オン・オフは電源ボタンを 2秒間長押しで。モードは押す度に以下の順に切り替わります。
- SMART COOL ↔ WARM モード :緑色
- SMART COOL / MANUAL COOL モード :青色
- SMART WARM / MANUAL WARM モード:オレンジ色
このうち「SMART COOL ↔ WARM モード」は REON POCKET TAG とペアリングさせた時のみ使用可能です。また、動作停止中は各動作モードに応じた色で MODE LED が点滅します。また、「状態表示 LED」の緑点灯は動作中であることを示します(充電中は赤で点灯)。



左からエアフローパーツ(ショート)装着時、エアフローパーツ(ロング)装着時、REON POCKET TAG の重量です。スペックとは多少の誤差がありますが、まあ 5g 程度なので(笑)。本体は一般的なスマホより重いですが、首に掛けてみるとさほど重さは感じません。
■ スマホアプリ「REON POCKET」に登録!
「REON POCKET PRO 」はそれ自体を単体でも使用することも出来ますが、本領を発揮させるためにはスマホアプリとのペアリングが必要です。「REON POCKET」というアプリが iOS用、Android用にそれぞれ用意されているので、まずはこれをインストールして下さい(もちろん無料です)。
インストールが完了したらアプリを起動し、画面の指示に従って「REON POCKET PRO 」とペアリングしてください。「REON POCKET PRO 」は、電源を入れた後、本体の「SMART」ボタンを 2秒間押し続けることで LED が青で点滅し、ペアリングモードにすることができます。
途中でファームウェアのアップデートが始まりました。今後のファームウェアアップデートもこちらのアプリ経由で行うことになります。装着している間だけ稼働し、取り外すと待機モードになる「AUTO START / STOP」機能は便利ですね。
通常はこちらのアプリで「COOL」モード、または「WARM」モードにしておく事で本体周辺の温度や、歩行・静止などの行動の変化に応じて冷却/温熱の強度を自動的に調節してくれます。
■ 「REON POCKET TAG(RNPT-1)」をアプリに登録する
「REON POCKET TAG」は必ず必要というわけではありませんが、セットで購入した方がかなりおトクになるので、初めて使うなら一緒に購入しておくのがよいかと。差額は 2,000円ちょっとです。このタグは「REON POCKET 5」とセット販売されていたものと同じものらしいので、既にお持ちの方は新たに買う必要はありません。


電池はコイン型リチウム電池の「CR2032」です。電池寿命は約 1年とのこと。「REON POCKET PRO」同様一応のシーリングはされていますが、完全防水というわけではありません。衣服のポケットに付けたり鞄にぶら下げたり出来るようクリップとキーリングが付いています。重さは電池とキーリング込みで 15g 程度です。
タグに電池をセットしたらアプリの方で「設定」→ 「タグの機器登録」へ進み、タグのサイドにあるボタンを押して LED が青で点滅し始めたらアプリの「登録」をタップしてください。こちらもペアリングが完了したら即座にファームウェアの更新が始まりました。
タグをペアリングすることで直射日光や周辺環境の温湿度を計測し、状況に応じて冷却 / 温熱の温度を自動調節してくれる「SMART COOL ⇔ WARMモード」が使えるようになります。このアプリ、一つ残念なのがバッテリー残量がアイコンでしか表示されず、大まかな残量しか把握出来ない点。ここは % で表示して欲しかった・・・。操作性はシンプルで分かりやすいと思います。
■ ファクトリーリセット方法
「REON POCKET PRO」をペアリングすることが出来るスマホは 1台のみとのことで、スマホを機種変更した場合などは本体を一旦初期化してから新しいスマホとペアリングさせる必要があるそうです。
アプリから初期化する方法については「Web 取扱説明書」の方に記述があるのですが、本体だけで工場出荷状態に戻す方法については書かれていないようなので、こちらで補足しておくことにします。
以上の操作で工場出荷状態に戻せるようです。充電出来なくなったり、ボタンを押しても LED が点灯しないなどの場合でも本体をリセットすることで不具合が解消されることがあるそうなので、困ったときは一度お試しを。
■ 専用ケースは買っておいた方がいいかも?
「REON POCKET PRO」は、使っていない時に机に置いていたりすると 15cmx20cm くらいの結構な面積を専有します。さりとて壁掛が出来るフックのようなものも無く、ネックバンドの存在が片付けるのに結構邪魔になってしまうので、専用ケースは買っておいた方がいいかも知れません。というか、私も最初買っていなかったのですが、結局買い足しました。


ぱっと見セミハードケースかなと思っていましたが、実際のところはソフトシェルケースでした。さすが専用品だけのことはあって、「REON POCKET PRO」本体以外に USBケーブルや替えのエアフローパーツ、ANKER の小型 USB充電器 くらいは入りました。
ケースに収納した状態でだいたい 15x21x5 cm くらいになります。わりと嵩張りますが、ビジネス鞄やトートバッグなどに入れて持ち運ぶ分にはまあ問題無いかと。税込 3,300円はちょっと高い気もしますが(笑)。
ここしばらく実際に使っていますが、確かに効果は感じています。ただ、エアコンの様に部屋全体の温度を下げるわけでは無く、あくまでも冷却板の当たる首から背中に掛けての一部分を冷やすものなので、” 涼しくなった ” というよりは ” 楽になった ” という表現の方が合うかなと思います。暑さでボーッとするような気温・室温でも頭の回転は保たれるといった感じでしょうか(笑)。
250g 程度と、一般的なスマホよりも重さがありますが、首に掛けるというより背中に乗せるといったイメージの装着感なので、特に重いと感じるようなことはありません。ただ、ネックバンドの調節をしていたりすると不意にネックバンドと本体が分離してしまうことがあるので、自転車やバイクに乗りながら使うというのはあまりお勧めできません。通勤・通学で歩いたり、庭の草刈りをしたりといった用途ならまあ大丈夫かと。そうした際でも落下防止のため、シャツの裾はパンツに入れておくことをお勧めします。
「SMART COOL ⇔ WARMモード」に設定しておけばバッテリーは起きている間くらいは保つというのはいいですね。まあこれで今年の夏を乗り切るのに少なからず役に立ってくれることを期待しています。問題はやはり価格でしょうか。一時入手困難な状況になっていましたが、ここ最近の在庫状況は安定してきているようです。