(新)タイトルいつ決めるのさ

何かの参考にして頂ければ幸いです。

備前焼の再生材料を使ったマグカップ「RI-CO」が届きました

製作に失敗した陶器がどうなるかご存じでしょうか?一般的には産業廃棄物としての扱いになってしまうそうです。陶芸品は焼いてみるまで分からないと言われるように、焼成段階で傷が入ったり一部が欠けたりといったといったことはもちろん、作家さんの思い通りの仕上がりにならなかったなどといった理由で廃棄処分となるものが少なからず出てしまうのだとか。

陶磁器は、廃棄処分にするからと言っても単に割って外に捨てればいいというわけでは無いようです。焼き締めた陶器は、水分と共に含まれていた有機物も消失しているため、そのまま割って捨てたところで土には還ってくれないのですね。特に備前焼は釉薬を使わず、1200~1300℃の高音で焼き締める製法が採られていることもあって、1~2割程度の作品が使われること無く廃棄処分となってしまうのだとか。

たまたまクラウドファンディングサイトの Makuake を見ていると、こうした陶器ゴミとなってしまった備前焼を再び砕いて備前の土と混ぜ、珈琲マグとして蘇らせるというプロジェクトが目に留まりました。

今回のプロジェクトは 7月の終わり頃にスタートされ、最終的に私も含めた 784名から 300万円以上を集めて成功裏に締め切られました。

今回のプロジェクトもクラウドファンディングの分類上は「購入型」とされる案件でしたが、既に完成されている製品を輸入して持ってくるだけのようなものとは違って、かなりクラウドファンディング本来の ” 製作者の支援 ” という形に近いものだったのではないかと思います。

プロジェクトが締め切られた後もちょくちょく進捗状況の報告がされていたので、安心して待っていられる案件でした。ただ、発送スケジュールの発表まではあったものの、発送連絡自体が無かったのはちょっと残念でした。
「9月末までにお届け」とされていた通り、遅延する事無く届けて頂けました。スケジュール管理がしっかりされているのは製作者の方がプロジェクト主催者となっている案件だけの事はありますね。写真の箱を更に緩衝材で巻き、段ボールに梱包された状態でヤマト運輸さんが届けてくれました。

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冒頭でも触れたとおり、今回の「RI-CO」の原材料は廃棄処分とされた「陶器ゴミ」です。この「陶器ゴミ」を細かく粉砕して篩(ふるい)に掛け、粉状にリサイクル材を備前の粘土と混ぜて成形・乾燥させた後に焼き上げたそうです。リサイクル素材は一般的な粘土とはかなり特性に違いがあるらしく、水分量の調整などかなり試行錯誤されたとのこと。こうした製作過程をちょくちょくレポートして頂けたので、楽しみながら到着を待つことが出来ました。


今回の RI-CO は伝統的な登り窯では無く、「バッチ式ガス釜」を用いて焼成されたそうです。この窯は炉内温度や雰囲気を自動制御で細かく調節できるもので、製品を台車に載せたまま炉内に収納して焼成することが出来るようです。台車が行ったり来たりする様子から「シャトルキルン」とも言うそうですね。

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陶器ゴミを再生材料に使って新しいマグカップを作るというコンセプトが気に入ったことも確かですが、なによりもこのマグカップのコロンとしたシルエットに魅了されて支援しました。ロゴがカップ横に印字されたものと無地のものを選ぶ事が出来たのですが、シンプルな方が良さそうだったので無地の方を選択。無地の方はカップ底面に控えめなロゴが印字されています。

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付属のヤスリで軽く飲み口部分を仕上げて一旦水洗いした後、早速珈琲を注いでみました。使用目安は 200㎖ 程度とされていましたが、珈琲を入れる前に実際に計量カップを使ってどれだけ入るのか計ってみたところ、なんと 400㎖ 少し入りました。私は珈琲をたくさん飲むのでこれは嬉しい。

取っ手を持って飲んでももちろん構いませんが、このカップのシルエットが両手で包み込むように持つのに非常に良くマッチします。ちょっとざらついた触り心地も使い込むうちに変化していくことでしょう。

今回のプロジェクトは、新聞やラジオなどでも採り上げられ、行政関係者や教育関係者、自治体や陶芸作家さんの組合などから今後の素材回収への協力やリサイクル材を使った新たな作品製作の話が生まれるなど、様々な広がりが出てきたそうです。

「RI-CO」は、この秋以降にプロジェクト主催者である the continue. さんのネットショップ( こちら )で一般販売が開始される予定だそうです。併せて再整備前素材を使った珈琲ドリッパーも開発中だとのこと。購入されない方も、もしどこかで目にする機会があったら是非手に取ってみて下さい。私も微力ながら今後のご活躍を応援させて頂きたいと思います。