(新)タイトルいつ決めるのさ

何かの参考にして頂ければ幸いです。


▼ 当ブログはアフィリエイトサービスを利用しており、リンクにはプロモーションが含まれます ▼
当ブログではアフィリエイト広告により得た収益をブログの運営・維持に充てさせて頂いております。提携しております ASP につきましては「プライバシーポリシー」よりご確認下さい。
尚、企業様より商品またはサービスの提供を受けて掲載した記事につきましては、別途「PR・プロモーション」カテゴリに分類し、記事冒頭にその旨を分かりやすく記載するよう心掛けております。
当ブログ記事の記載内容や広告の掲載方法に関するご指摘がございましたら「こちらのフォーム」よりお問い合わせ下さい。

AMD の第 3世代 APU「Ryzen 7 PRO 4750G 」を入手したのでレビュー!

AMD のデスクトップ版APU「Ryzen 7 PRO 4750G」とマザーボードのセットが格安で売られていたので思わずポチってしまいました。Ryzen 5 3500 + Radeon RX580 のマシンの中身を入れ替えてみようと思います。実は下位の「Ryzen 5 PRO 4650G」とのセットも更に安く売られていたのですが、Ryzen 5 3500 と性能差がほとんど無さそうで面白みに欠けるということで 4750G の方にしてみた次第です。

今回はマザーボードの方は現在積んでいる ASRock の B450 Steel Legend をそのまま使うことにして CPU だけを交換し、「Ryzen 5 3500」と「Ryzen 7 PRO 4750G」の両者の性能の違いについて確認してみたいと思います。セットで買った MSI の「B550 TOMAHAWK」の紹介ははまた別の記事で。


AMD の「Ryzen 7 PRO 4750G」はバルク版のみの販売となっており、原則としてマザーボードとセットで無ければ購入することができません(Amazon などには並行輸入品が出ていますが)。化粧箱などは存在しないため、APU のみがブリスターパッケージに入れられた状態で販売されています。もちろん CPU クーラーも付属していませんが、バルク版とは言っても正規ルートの製品ならば 1年間の正規代理店保証は付いています。(私の場合は「アスク」でした。)

■ まずは AMD の第 3世代 APU と Ryzen 5 3500 のスペックを比較

CPUソケットは 2016年から引き継がれている「Socket AM4」です。Intel は頻繁に CPUソケットを変更してしまうのでマザーボードの互換性がほとんどありませんが、AMD の方は UEFI のサポートがあればある程度世代を跨いでマザーボードを使い続けることができるのが魅力です。

Ryzen 7 Pro
4750G
Ryzen 5 Pro
4650G
 Ryzen 5 
3500
アーキテクチャ Zen 2(TSMC 7nm FinFET)
コードネーム Renoir Matisse
コア数 / スレッド数 8 / 16 6 / 12 6 / 6
L2キャッシュ+L3キャッシュ 4 MB + 8 MB 3 MB + 8 MB 3 MB + 16 MB
クロック周波数 3.6 GHz ~ 4.4 GHz 3.7 GHz ~ 4.2 GHz 3.6 GHz ~ 4.1 GHz
GPUアーキテクチャ Radeon Graphics(Vega) N/A
GPU コア数 8 7 N/A
GPU クロック周波数 2,100 MHz 1,900 MHz N/A
PCIe レーン数 PCIe 3.0x24本 PCIe 4.0x24本
TDP 65 W

キャッシュの総容量としては Ryzen 5 3500 の方が大きくなっています。GPUコアを積んだ分のスペース的な問題なのでしょうか。また、Ryzen 5 3500 は PCIe 4.0 にも対応しています。それぞれの PCIeレーンの内訳は、外部GPU用が 16本、NVMe SSD とチップセット接続用がそれぞれ 4本で合計 24本となっているそうです。

■ Ryzen 5 3500 から Ryzen 7 PRO 4750G へ換装!

Ryzen 7 PRO 4750G パッケージ バルク版のみの販売ということで、Ryzen 7 PRO 4750G はそのままブリスターパッケージに入った状態でした。「Ryzen 7」と「RADEON GRAHICS」のエンブレムシール以外には本当に何も入っていません。CPUクーラーも当然自前で用意する必要がありますが、TDP 65W ということなのでさほど神経質になる必要は無いでしょう。万一の保証に必要なのでパッケージは捨てずに取っておくように!
同じ Socke AM4 なので当然ですが、CPU のサイズやピン配置は Ryzen 5 3500 と全く同じです。

Ryzen 7 PRO 4750G 表 Ryzen 7 PRO 4750G 裏


さて、いざ CPU を交換しようと CPUクーラーを取り外したところ、ここで事件ガガガ・・・。

スッポン ぎゃー!これが「スッポン」ですか!噂には聞いていましたが、まさか自分の身に降りかかって来ようとは・・・。取り外す前に一度 PC を起動して軽くベンチを回して CPU を温めておいたつもりだったのですけどね・・・。それにしても物の見事に「スッポン」してしまいました。CPU のピンには折れや曲がりが出ず、動作にも支障なかったことは本当に不幸中の幸いでした。皆さんもどうかお気を付けを!
「スッポン」で焦りましたが、「Ryzen 7 PRO 4750G 」への換装自体はどうという事ありません。CPUクーラーも今まで使っていた Noctua の「NH-U12P SE2 」をそのまま使う事にします。この CPUクーラー、購入したのはもう 7年程前ですがファンから異音がするようなこともありませんし、まだまだ全然現役で使っていけそうです。

CPU換装1 CPU換装2


HDD こそ古くなって退役させたものを放り込んでいるので沢山積んでいますが、グラフィックカードすら取り払ってしまったので PC内部はスカスカです(笑)。3D性能を割り切れるのであれば APU を使えばかなり安く PC を組むことも出来ますね。グラボの価格がなかなか下がってこない今なら結構アリな構成だと思います。

UEFI画面 「Ryzen 7 PRO 4750G 」に換装して PC の電源を入れてみたところ、何事も無くあっさりと認識されました。(B450 Steel Legend の UEFI は「4.10」に上げてあります。)

CPU換装時の注意ですが、今まで使っていた CPUで「fTPM」を有効にしていた場合は、一旦 UEFI上で無効に設定した上で Windows を起動し(PIN の再設定が必要になると思います)、電源を切ってから CPU を交換するという手順を踏む必要があるようです。

これは TPM の秘密鍵が固有のものとして CPU内部に保存される為で、もし fTPM を無効にする前に CPU を交換してしまった場合は、一旦元の CPU を取付直し、UEFI上で fTPM を無効に設定してから新しい CPU に交換して下さい。 Windows 11 が正式にリリースされたらここに引っかかる人が増えるかも知れません。

Windows 11 互換性テスト Windows 11 での動作にも問題無さそうです。Windows 11 の動作要件については以下の記事を参照下さい。

■ 「Ryzen 5 3500」と「Ryzen 7 PRO 4750G 」を比較

「Ryzen 5 3500」と「Ryzen 7 PRO 4750G 」は GPUコアの有無以外は同じ「Zen 2」世代なので、CPUコア数などの差こそあれ、両者の基本スペックはよく似ています。それにしても GPUコアを積んだ上 CPUコアも増えているのに TDP が 65W を維持しているのは凄いですね。微細化技術の凄さを感じます。

hwinfo64比較

GPU比較 GPUコアはやはり ” それなり ” のスペックです。単体のグラフィックカードと比較するのは酷というものですが、数年前の RX 580 と比べてみてもシェーダーユニット数で 1/4 程度、フィルレートも 1/3 程度に留まっています。メモリも Renoir は PC のメインメモリ(DDR4)を共用しますが、RX 580 はグラフィック専用の GDDR5 を搭載していますからね。メモリ帯域にも大きな差があるので太刀打ちできるはずはありません。
とは言え、「Ryzen 7」を名乗るだけあって CPUコア数とスレッド数が多く、CINEBENCH ではマルチコアの性能に如実な差が現れました。Ryzen 5 3500 のスコアがシングルコア 1,160 pts、マルチコア 5,856 pts だったのに対して、Ryzen 7 PRO 4750G ではシングルコア 1,231 pts、マルチコアでは 11,329 pts と大きくスコアを伸ばしました。写真や動画の編集をする際には大いに役立ってくれることでしょう。

CINEBENCH Ryzen 7 PRO 4750G CINEBENCH Ryzen 5 3500


引き続き 3Dグラフィックスのベンチとしては軽い部類に入りますが、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ 」のベンチマークでグラフィック性能を確認してみます。

FF14 bench HD FF14 bench WQHD


最高画質のフルHD のスコアが 3,314 の「やや快適」でした。う~ん、フルHD までの解像度で若干描画品質を落とせば充分プレイは出来そうですかね。WQHD ではさすがに厳しいです。ちなみに Intel Core i7-9700K 内蔵の UHD Graphics 630 ではフルHD でも最高品質ではスコアが 1,091 の「設定変更が必要」でしたから、それと比べると全然描画性能も格上でした。

参考までに Ryzen 5 3500 + RX 580 の環境で WQHD 最高品質のスコアが 7,102 の「非常に快適」でした。3Dゲームもバリバリ楽しみたいと言うのであればやはり素直に外部グラフィックスカードを使った方が良いでしょうね。

■ 3D性能は妥協するにしても安く高性能な PC を組みたいなら充分アリ

CPU の性能としては Ryzen 7 3700X に近いものを持っているようです。正直、今のメインPC(Intel Core i7-9700K)より性能が高くなってしまったので、きちんとしたマザーボードを調達して Ryzen 7 PRO 4750G を載せ換えた方がいいかもという誘惑に駆られてしまいました。(まあそれだとどうせなら「Zen 3」世代の Ryzen が欲しくなってしまいますが。)

「Ryzen 7 PRO 4750G」は、小型PC を組んだり、サブPC でもある程度の性能は欲しいといったような用途には最適の APU でしょうね。ASRock の DeskMini なんかには是非搭載してみたいものです。マイニング規制の広がりによって徐々にグラフィックカードの相場も落ち着き始めてはいますが、まだまだ割高感が凄い現状。取りあえずこれらの APU を使って PC を組んでおき、ビデオカードの値下がりを待ってから追加で購入するというのも良いでしょう。

また、APU自体で映像出力ができるというのは、万が一 PC が故障した際に問題を切り分けるのにも一役買ってくれます。間もなく販売が始まるという「Zen 3」ベースの APU となった「Ryzen 7 5700G」や「Ryzen 5 5600G」では更に大幅な性能の向上が見込まれてるようなので、そちらの動向も大いに気になる所です。

BTOパソコン・パソコン関連商品がお買い得!パソコン工房のセール