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SONY の小型で軽量な ” 小三元 ” 標準ズームレンズ「FE 20-70mm F4 G(SEL2070G)」を「α7C II」に組み合わせてレビュー!

カメラを購入したらやはり 1本は持っておきたい標準ズームレンズ。これまでは APS-C機の「α6700」に TAMRON の「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」の組合せで使っていました。同じ ” Eマウント ” のレンズなので、もちろん「α7CⅡ」で使う事も出来るのですが、APS-Cサイズにクロップされて約 1,400万画素となってしまうので、せっかくフルサイズ機を買ったのに勿体ない!ということで、APS-C用のレンズを何本か売却して標準ズームレンズを買い換えることにしました。

今回もついつい長い記事になってしまいましたので目次を置いておきます。

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■ SONY の Eマウントは標準ズームレンズの選択肢が豊富!

買い換えを決めたとは言え、最近の SONY E-Mount 用の標準ズームレンズは非常に充実しています。あまりに種類が多くてどれを買えばいいのか迷ってしまうほどに・・・。フルサイズ用 Eマウントの標準ズームレンズで 1番人気なのは「FE 24-70mm F2.8 GM II(SEL2470GM2)」でしょうか。


かなり高価なレンズにも関わらず、カメラ専門店や家電量販店でも常にランキング上位に位置しているようです。評判は言わずもがな。価格にさえ目を瞑ることが出来ればやはり最良の選択肢の 1つなのでしょう。重量も 695g と、大三元レンズである事を考えても充分に軽く作られていると思います。


「GM」レンズではなく「G」レンズですが、同じ大三元レンズとしてこの 4月に発売されたばかりの「FE 24-50mm F2.8 G(SEL2450G)」も魅力です。440g と非常に軽い大三元レンズですが、テレ端が 50mm と少し短めになっているのが悩み所。安くはないですが、お財布にも少し優しい・・・。


そしてこちらもこの 5月に発売されたばかりの「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II Art」。重量は若干重いものの、24mm ~ 70mm の大三元レンズでこの価格です。評判もかなりいいようなのですが、人気のためか品薄で、購入を検討していた時点ではいつ買えるのかはっきりしない状況でした。ここ最近はやや入荷が安定してきたようですけどね。更に先日シグマからは「28-105mm F2.8 DG DN | Art」というレンズも発表されました。発売は 9月26からとまだ少し先ですが、前評判はかなり高いようですね。


そして、今回私が悩んだ末に購入する事にしたのが SONY の ” 小三元 ” 標準ズームレンズ「FE 20-70mm F4 G(SEL2070G)」です。決め手は小型で軽量・コンパクトであることと、評判の良さの割に比較的手にしやすい価格であることでした。素人目線ではありますが、しっかり目にレビューしておきますので購入をお考えの方の参考にして頂けますと幸いです。

■ 「FE 20-70mm F4 G(SEL2070G)」の基本性能チェック!

例によってこのレンズの特徴から把握しておくことにします。主な仕様は以下の通り。

焦点距離 20 ~ 70 mm(スーパー 35mm(APS-C)モードなら 30 ~ 105 mm 相当)
絞り(F値) F 4.0(開放)~ F 22(最小)
レンズ構成 13群 16枚
絞り羽根 9 枚(円形)
最短撮影距離 30 cm(ワイド端)、25 cm(テレ端)
最大撮影倍率 0.39 倍
手ブレ補正 ✕(ボディ側対応)
フィルター径 72 mm
サイズ・質量 Φ 78.7(最大径)x99.0(長さ)mm / 約 488 g
その他 防塵防滴構造、花形バヨネット式フード・ソフトケース付属

「FE 20-70mm F4 G(SEL2070G)」は、2023年の 2月に発売されました。開放 F値が F4 通しのズームレンズ群(広角・標準・望遠)を一般に ” 小三元 ” レンズと呼びますが、その中で標準ズームにあたるレンズです。開放F値が F2.8 通しの ” 大三元 ” レンズと比べて明るさやボケ具合では敵わないものの、軽量・コンパクトな設計が可能で、比較的手を出しやすい価格に抑えられています(安くは無いですが)。

レンズ構成とMTF曲線 画像:SONY
開放 F値こそ F4 に抑えられていますが、488 g と非常に軽くコンパクトに作られており、手の平に収まる大きさです。サイクリングや登山など、なるべく荷物を増やしたくない場面では重宝すること間違いなし。AF使用時の最短撮影距離も広角端で 30 cm、望遠端で 25 cm とまずます。” 大三元 ” レンズには敵いませんが、上手く使えば十分な量のボケを得られるでしょう。

レンズの特徴 画像:SONY
焦点距離 20mm で最もコンパクトになり、テレ端の 70mm では鏡筒がグンと繰り出して倍近くの長さになります。フォーカス群には最新の XD(extreme dynamic)リニアモーターを 2基搭載。AF速度、動体への追従性能ともに非常に高く、振動も抑えられているため高い静粛性を備えています。私には縁の無い世界ですが、ファームウェアのアップデート(Ver.02)によって α9Ⅲとの組合せにおいて秒間最大 120コマの AF/AE 追従連続撮影にも対応しています。

20mm ~ 70mm と、標準ズームレンズであるものの他には無い超広角領域まで 1本でカバーすることが可能かつ軽量・コンパクト。更には α7CⅡの「スーパー 35mm モード」を使用すれば 105mm の中望遠領域まで撮影可能と、私の様に自転車に積んであちこち撮って回るという使い方には正にぴったりのレンズと言えるでしょう。旅行なんかもこのレンズ 1本持っていけばだいたいの目的は果たせるんじゃないでしょうか。

■ 「ソニーストア」で「5年ワイド保証」を付けて購入!

今回新たに「SEL2070G」を購入するにあたって、ソニーストア で「5年ワイド保証」を付けて購入しました。カメラ専門店や家電量販店などでもショップ独自の長期保証サービス制度を設けているところは多数ありますが、そのほとんどは「自然故障(適切な使用環境のもとで発生し得る電気的・機械的な故障)」までの対応。さすがに落下や水没までカバーしてくれる保証制度はなかなかありません。

ソニーストアでカメラレンズを購入した場合、通常 1年間の製品保証期間となるところが、追加負担の必要無く「長期保証<3年ベーシック>」となります。更に、追加料金を支払うことで自然故障に対する保証が 5年間に延長される「長期保証<5年ベーシック>」や、落下・水没・火災にまで対応してもらえる「長期保証<3年ワイド>」「長期保証<5年ワイド>」に申し込むことも可能です。

また、いざ販売店独自の保証制度に頼ろうとした際には、販売店とメーカーの 2つの段階を踏む必要があるため、とにかく意思疎通に時間が掛かります。保証対応の可否の判断も曖昧なところがあったりしてストレスになりますし、保証適用外とされて有償修理となった挙げ句修理明細が開示されなかったケースを私は某家電量販店で体験しています。さすがにこの時は大きな不信感を抱かざるを得ませんでした。

この点、ソニーストアの修理サービスは充分に信頼するに足りるものだと思います。先日は再現性が微妙だったシャッターボタンの不具合を相談させて頂き、大変お世話になりました。 この、保証制度の充実が決め手となって、最近はソニー製品は余程市場価格と大きな差がある場合を除いて極力ソニーストアで購入させて頂くことにしています。

更に、「ベーシック保証」「ワイド保証」といった保証制度の他に、「α あんしんプログラム」というサブスクリプションサービスに加入することで、レンズに関しては上述の「長期保証<5年ベーシック>」「長期保証<3年ワイド>」が無料になるほか、「長期保証<5年ワイド>」も 50% OFF で申し込むことが出来るようになります。入会金 110円と、月額料金として 550円(年額 6,600円)の支払いが必要ですが、そのうち 3,000円分は「お買い物券」として戻ってきます。

ソニーストア ソニーストア


「α あんしんプログラム」に加入しておけばソニーストアで購入するレンズなら何本でも長期保証を優待価格で付けることが出来るそうです。カメラ本体やレンズの清掃・点検サービスが最大で 50%オフとなる割引サービスも魅力ですし、純正レンズを何本か揃えるつもりならかなりオトクでしょう。

一見ソニーストアの販売価格は割高に感じるかも知れませんが、ソニーストアの利用に必要な「My Sony ID」を登録することで 10% OFF のクーポンが貰えます。「ご愛顧感謝」として不定期で送料無料券やお買い物券が発行されることもありますし、カメラ・レンズだけでなくオーディオ製品やテレビ・ビデオ製品などにも使えますので、ソニー製品の購入を考えているのならソニーストアで購入することを是非検討してみて下さい。これらを駆使するとネット販売価格より安く買えるケースも結構あるんですよ。

2024年10月1日付けでソニーは 1:5 の株式分割を行うことが決まっています。これまではソニーの株主優待を受ける為には 130万円程度の投資が必要でしたが、この株式分割によって必要な投資額は大きく下がります。ソニーの株主優待はソニーストアでの販売価格から 15%引きになるという大きなものですので、この機会に買って NISA口座に放り込んでおくというのもいいんじゃないでしょうか。

■ 「FE 20-70mm F4 G(SEL2070G)」とご対面!

今回はソニーストアのオンラインショップで購入しました。配送はいつもの佐川さんです(追加料金を支払えばヤマト運輸にする事も可能)。配送業者は地域によってかなり差が大きいようですが、幸いにしてうちの近辺はどちらにお願いしても丁寧に運んで頂けています。

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「SEL2070G」には専用のレンズポーチが付属しています。レンズ本体はこのポーチに入れられた状態で箱の中に収まっていました。このポーチ自体も底部にクッション材が仕込まれていたりと、結構しっかりしたものでした。取扱説明書は以下のリンクからも PDF で入手可能です。

SEL2070G 取扱説明書(PDF)


前玉表面はフッ素コーティングされており、指紋や水滴、油、泥などが付着しにくく、仮に付いてしまったとしても簡単に除去出来るようになっています。また、防塵・防滴に配慮した設計となっており、屋外でも多少の雨なら気にする事無く撮影することが可能です(α7CⅡ ももちろん防塵防滴設計)。

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フードは一般的な花形バヨネット式。フィルター径は 72mm で、手持ちの「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II(SEL70200G2)」と共用することが可能です。実はこの点も「SEL2070G」を選んだポイントの 1つです。レンズプロテクターはともかく、PLフィルターや NDフィルターは結構いいお値段がしますからね。共用出来ると非常に助かるのです。

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フォーカスホールドボタンは 2箇所に設けられていて縦位置で撮影する際にも使いやすくなっています。AF/MF の切替も状況に応じてファインダーを覗いたまま瞬時にレンズ側で切替可能。

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「SEL2070G」には独立した「絞りリング」が備わっており、カメラ側の設定に関わらずレンズ側で F値を決定することが可能です。「IRIS LOCK」スイッチは、絞りリングを回した時に「A」の位置で固定したり「A 以外の絞り値」だけで調節出来るようにするかどうかを決めておくためのもの。

このほかに絞りリングのクリック感を ON/OFF 出来るスイッチも装備されています。シームレスかつ静かに絞りを変更出来るようになるので、動画撮影を行う方にとっては嬉しい機能ではないでしょうか。

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軽量かつコンパクトに設計されていることの対価として、「SEL2070G」ではこの様に望遠撮影時にレンズ鏡筒がかなり繰り出されます。構造上塵や埃を吸い込みやすいので、撮影が終わったら軽くでもブロアーなどを使ってクリーニングする習慣を付けておきたいところ。

ワイド端撮影時-1ワイド端撮影時-2

「α7CⅡ」に装着して実際にどのくらいまで寄って AF撮影出来るのかを確かめて見ました。まずはワイド端の 20mm。絞りは開放の F4 に設定してボケ具合も確認してみます。

テレ端撮影時-1テレ端撮影時-2

続いてテレ端の 70mm 撮影時。開放 F4 と控えめではありますが、寄って写せばかなりボケますね。これだけボケてくれるなら草花なども綺麗に写せそうです。テレ端での最短撮影距離 25cm というのは、カメラの画像センサーがある位置から被写体までの距離のことなので、レンズ先端からなら 8cm 程度の距離にまで近付けることになります。

室内で撮影する場合に ISO感度を上げたくなければ照明を工夫したり、なるべく明るい場所で撮影したりする必要はありますが、これだけ寄って撮影することが出来るのであればテーブルフォトや料理の撮影などにもどんどん使っていけるでしょう。「α7CⅡ」と組み合わせれば 7段分と強力な手ブレ補正機構を活用出来るので、室内撮影時の心配はさほど感じないで済むでしょう。

購入した時点でレンズのファームウェアは最新の「Ver.02」が適用済みでした。「α9Ⅲ」高速連写への対応ということで、私の「α7CⅡ」には関係が無いかも知れませんが、マイナーなバグの修正が含まれている場合もあるので一応チェックしておく事をお勧めします。

■ レンズプロテクターは純正の「VF-72MPAM」を採用!

「SEL2070G」のフィルター径は、先に購入した望遠マクロの「SEL70200G2」と同じ 72mm です。なので使い回す事ももちろん可能ですが、いちいち付け替えるのも面倒なので、こちらにも SONY純正のレンズプロテクター「VF-72MPAM」を奢っておくことにしました。


Kenko や HAKUBA などのサードパーティー製のものと比べると多少値が張りますが、「Zeiss」の「T*コーティング」という、フレアやゴーストの発生を抑える反射防止技術が採用されています。

VF-72MPAM-1VF-72MPAM-2VF-72MPAM-3

最短撮影距離の短いレンズで撮影していると、ついつい近付きすぎて被写体にレンズ先端を当ててしまうことがありがちです。すぐに取れる汚れならいいですが、花粉などが付着すると意外に厄介ですし、移動中にレンズを何かにぶつけてしまうという事もあり得る話なので、レンズプロテクターは付けておくことをお勧めします。

■ 撮影サンプル

撮影サンプルをいくつか置いておきます。「はてなブログ」の画像アップローダー「はてなフォトライフ」にアップロードする関係上、解像度のみ写真調整ソフトの「SILKYPIX DEVELOPER STUDIO PRO 11」を使って 1200x800 pix に落とし、撮影情報の書き込みのみ行っています。他は α7CⅡ で撮影した RAWデータをそのまま JPEG 出力したもので、特に画像補正などは行っていません 。

私が普段使っている「SILKYPIX DEVELOPER STUDIO PRO 11」については以下の記事でご紹介していますので、興味のある方はどうぞ。 ちなみに現在は最新の「SILKYPIX DEVELOPER STUDIO PRO 12」が販売中です。新しいカメラへの対応がやや遅い傾向にあるので、対応済みカメラリストをチェックしてから購入してくださいね。

以下は SONY「FE 20-70mm F4 G(SEL2070G)」の撮影サンプルとなります。

撮影サンプル-1

まずはミクさんに登場して頂きました。テレ端のボケの感じもなかなか良さげ。

撮影サンプル-2

撮影サンプル-3

撮影サンプル-4

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撮影サンプル-8撮影サンプル-9

撮影サンプル-10

撮影サンプル-11

絞り羽根が 9枚なので光芒は 18本出ます。光源との角度次第では若干フレア・ゴーストが出やすい気がしますが、個人的にはまあ許容範囲内かな。

撮影サンプル-12

焦点距離 70mm と出ていますが、「α7CⅡ」の「スーパー 35mm モード」を ON にして 105mm 相当での撮影です。約 1,400万画素での撮影となりますが、ブログ掲載程度なら全く問題無さそうです。

撮影サンプル-13

撮影サンプル-14

撮影サンプル-15

撮影サンプル-16

サンプル写真は今後いいのが撮れたら入れ替えるかも。

■ 「FE 20-70mm F4 G(SEL2070G)」を使ってみて

標準ズームはこれまでの「α6700」+ TAMRON「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」という組合せで使っていました。この組合せではフルサイズ機換算で 25.5mm ~ 105mm 相当の焦点距離がカバー出来ていたわけですが、「α7CⅡ」+「FE 20-70mm F4 G(SEL2070G)」という組合せに変えたことで 20mm ~ 70mm、更に「スーパー 35mm モード」を使えば 105mm 相当までと、1本のレンズでより広い領域をカバーすることが出来るようになりました。

おまけに APS-C機からフルサイズ機へ変更したのにも関わらず、全体の重量ではむしろ少し軽くなりました。「α7CⅡ」に「SEL2070G」を装着し、ベースプレートリストストラップ を取り付けた状態で 1,160g 程度です。レンズの全長も短いですし、パニアバッグに入れてサイクリングに持ち出す私の様な使い方には非常にマッチしていると思います。

α7CⅡ+ SEL2070G

「広角の 1mm の差は大きい」とはよく聞く話ですが、この広角側が 20mm から使えるというのが本当に使い勝手がいいですね。絞り開放の最小値が F4 というのは確かにボケの量などの面で物足りない部分もありますが、テレ側を上手く使えばそれなりのボケ感は得られますし、「α7CⅡ」の手ブレ補正機能が強力なので夜景などの撮影でも結構頑張ってくれることも分かりました。

「SEL2070G」は、20mm ~ 70mm という、他には無いユニークな焦点距離領域をカバーしてくれるズームレンズです。先程も触れた「スーパー 35mm モード」を使用すれば 105mm 相当までの撮影も可能ですし、ここから更に「超解像ズーム」を使うという奥の手も用意されています。

標準ズームレンズの多くは 24mm や 28mm スタートですが、” もうちょっと広く撮れれば ” という願望も 1本で叶えてくれるこのレンズ、旅に持ち出すにはまさに打って付けの 1本ではないでしょうか。

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