ブログで商品レビューの記事を書いたりする時の為に新たに SONY の「SONY FE 50mm F2.8 Macro(SEL50M28)」という標準マクロレンズを購入してみました。既に愛用している望遠ズームレンズの「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II(SEL70200G2)」でも単体でハーフマクロ撮影、テレコンバーターの「SEL20TC」を組み合わせれば等倍マクロ撮影まで出来てしまうのですが、開放絞り値が単体で F4、テレコンを組み合わせると F8 になってしまいます。
製品の細かい部分も撮影するならやはりマクロレンズがあると便利。とは言え開放 F4 ならまだともかく、F8 とまでなってしまうとさすがに室内での撮影は厳しい・・・。マクロレンズは以前に「SEL30M35」という絞り開放 F値 3.5 の APS-C用のものを持っていたのですが、こちらをフルサイズ機の「α7C II」に付けると 1400万画素相当にクロップされてしまうため、「FE 50mm F2.8 Macro(SEL50M28)」に買い換えることにしました。
2016年9月発売の、SONY のミラーレス一眼カメラ用レンズとしてはかなり初期のものになりますが、ちょっとレビューしておくことにします。
■「FE 50mm F2.8 Macro(SEL50M28)」の基本性能を確認
まずはこのレンズの特徴を整理しておきます。
焦点距離 | 50 mm(スーパー 35mm(APS-C)モードなら 75 mm 相当) |
絞り(F値) | F 2.8(開放)~ F 16(最小) |
レンズ構成 | 7群 8枚 |
絞り羽根 | 7 枚 |
最短撮影距離 | 16 cm |
最大撮影倍率 | 1.0 倍 |
手ブレ補正 | ✕(ボディ側対応) |
フィルター径 | 55 mm |
サイズ・質量 | Φ 70.8(最大径)x71.0(長さ)mm / 約 236 g |
その他 | 防塵防滴構造 |
SONY の純正レンズとしては安価ですが、ちゃんと防塵防滴にも配慮された設計が施されている点は有り難いですね。非常に軽量でコンパクトなレンズなので AF が遅いという欠点に目を瞑れば旅行などのスナップ撮影にも使えそう。
画像:SONY
もちろん APS-C のカメラに装着して使うことも可能です(この場合は焦点距離が 75mm 相当の中望遠マクロになります)。手ブレ補正機構は搭載していないので、ボディ側で対応出来ない場合は被写界深度が極端に浅くなるマクロ撮影を手持ちで行うことは困難かと。なるべく三脚を用いた方が安全ですね。
■「FE 50mm F2.8 Macro(SEL50M28)」の外観チェック!
SONY のレンズはソニーストアで購入するのが保証が充実していてお勧めなのですが、今回はポイント還元込みでかなり安くなっていたので楽天で購入しました。あまり外に持ち出すことは無いと思いますし、そうそう壊れることは無いでしょう。
ソニーの純正レンズとしては低価格ですが、そこはマクロレンズ。フォーカスリミッターに加えてフォーカスホールドボタンも装備しています。但しレンズフードは付属していません。取扱説明書については以下から PDF を入手可能。
マクロ撮影時は被写体にギリギリまで近付くことも多いので、レンズの先端が被写体と接触して汚れてしまうことがあります。やはりレンズプロテクターは付けておいた方が良さそうなので、Kenko の「PRO1D Lotus PROTECTOR」という製品を買ってみました。フィルター径は 55mm となります。
フィルター取付枠の外側にも Φ 62mm のネジが切ってありますので、いっそのことレンズプロテクターは付けずにねじ込み式フードを取り付けるというのもありかも知れません。Nikon レンズ用のフードですが、この辺りのもの なら使えると聞いています。
前後キャップとフィルター込みでも約 273g と非常に軽量。
鏡筒は繰り出し式なので、マクロ撮影時にはグッと伸びてきます。まあ格好いいとは言えんな(笑)。
最短撮影距離が 16cm とのことで、ここまで寄っても合焦します。AF の遅さもありますが、フォーカスリミッターを併用しないとピント合わせが迷いに迷う時があります。SONY のレンズはどんどん世代交代していますが、何故かマクロレンズには手が付けられていない・・・。「SEL90M28G」は 2015年発売、「SEL30M35」なんて 2011年発売ですからねえ。
■撮影サンプル
撮影サンプルです。「はてなフォトライフ」を画像アップローダーとして使用している関係上、解像度のみ写真調整ソフトの「SILKYPIX DEVELOPER STUDIO PRO 11」を使って 1200x800 pix に落とし、撮影データの書き込みを行って掲載しています。その点の他は「α7CⅡ」で撮影した RAWデータをそのまま JPEG 出力したもので、特に画像補正などは行っていません (クリエイティブスタイルのみ SONY の「Imaging Edge Desktop(Edit)」で変更しているものがあります)。 「SILKYPIX 」については 7月に最新版の「12」が発売されています。最新カメラへの対応がやや遅いのが難点ですが、Adobe と違って ” 買切り ” 出来る貴重な存在です。現状 SONY機は「α9Ⅲ」まで対応していますが、購入前に対応済みカメラリストのチェックは忘れずに。
以下は SONY の「α7CⅡ」に装着して撮影しました。
まずはミクさんにご登場願いました。
絞り開放での前ボケと後ろボケはこんな感じです。
続いてマクロ撮影してみました。
屋外にも持ち出してみました。もちろん普通の 50mm 単焦点レンズとして使うことも出来ます。
AF の遅さにさえ目を潰れるのなら街角スナップにもいいかも知れない。動きモノは厳しいですが。
■「FE 50mm F2.8 Macro(SEL50M28)」を使ってみて
非常に軽量かつコンパクトなレンズなので「α7C II」に取り付けた時のバランスは非常に良好です。手ブレ補正機構は非搭載ですが、「α7C II」はボディ側で対応出来るので、ある程度までなら手持ちでもマクロ撮影は可能だと思います。
さて、とにかく設計が古いので致し方ないのですが、やはり最近のリニアモーターを搭載してレンズに慣れているとフォーカシングの遅さが際立ってしまいますね。加えてフォーカシングモーターの動作時に「ジーコジーコ」と結構な音が出ます。いい加減マクロレンズも世代交代して欲しいと思うのは私だけではないはず。とは言え、やはりレビュー用にマクロレンズが 1本あるとかなり便利ですよ。
マクロレンズと言えばやはり気になる TAMRON のニュー ” タムキュー ” 。世代交代を繰り返しつつ 90mm マクロとして 44年もの歴史を持つ名レンズです。いつかは手にしてみたいものですね!