銀行ではオンラインバンキングが普通のこととなり、窓口に行かなくても PC やスマホなどを使って別の口座へ資金を移動させたり振り込みを行ったりと本当に便利になりました。とは言っても何か被害に遭ってしまうのではないかと心配している方も多いでしょう。
他の金融機関でどうかまでは知りませんが、三井住友銀行やゆうちょ銀行などではハッキングやフィッシングによる被害を防ぐために右の様な「トークン」という「ワンタイムパスワード生成機」が希望者に配られています。
予め自分の口座にこの「トークン」を紐付けしておく事で、振込などを行う際にこの「トークン」で発行されたパスワードが無いと操作を実行出来なくすることが可能です。所謂「二段階認証」の 一種ですね。この「トークン」で生成されるパスワードは一度しか使用することが出来ず、一定の時間が過ぎると使えなくなる時間制限もあるため、かなりの安全性を確保することが可能です。
この「トークン」にはボタン電池が入っていて、三井住友銀行のトークンの場合はバッテリーの寿命が近づくと左のような表示が起動時の液晶画面に表示されるようになります。先日久しぶりに使ったところ、真ん中の「End 1」が表示されるようになっていました。どうやらあと 1ヶ月半程度で寿命が来るようです。
まだスマホを持っていないという人も居るので、三井住友銀行に申し込めば新しい「トークン」を送ってくれるのですが、今はスマホのアプリ上でワンタイムパスワードを生成することが出来るようになっているので、この機会に切り替えておくことにしました。「トークン」を持ち歩く必要もありませんしね。
■ ワンタイムパスワード生成機能の「三井住友銀行アプリ」への移行方法
「切り替え」と言っても、三井住友銀行の窓口に出掛けたりする必要はありません。単に「三井住友銀行アプリ」にログインした上で切り替え作業を行えばよいだけです。実はこの事を知らなかったので面倒くさく感じて長らく放置していたのですよね(苦笑)。
「三井住友銀行アプリ」のダウンロードは以下のバッジリンクから可能です。
「三井住友銀行アプリ」では口座残高の照会が行えるほか、振込・振替や税金・各種料金の払い込みなども行うことが出来ますので、もしまだ使っていない方が居られましたら是非利用してみてください。スマホを持っていて使わない手はありません。生体認証でアプリロックも掛けておけるので安全性はまずまずだと思います。それでは切り替えを始めましょう。
アプリにログインしたら右下の「メニュー」をタップします。「ワンタイムパスワード」という項目があるのでそちらへ進み、ワンタイム有効化手続を始めて下さい。尚、スマホアプリの方でワンタイムパスワード生成機能を有効化すると即座にトークンの方は無効化されます。
続いて三井住友銀行に登録してある電話番号を入力し、本人確認を取ります。「確認番号」が表示されるのでメモを取る等しておいて下さい。間もなく登録された電話番号に電話が掛かってくるので、先程の「確認番号」を入力し、確認した後「登録実行」をタップすれば「三井住友銀行アプリ」でのワンタイムパスワード発行が出来るようになります。三井住友銀行に登録している電話番号が使えない場合は、銀行窓口に行くか郵送で変更手続きを行う必要があります。
次からは、「三井住友銀行アプリ」ホーム画面右下の「メニュー」から「ワンタイムパスワード」を選べばワンタイムパスワードが表示されるようになります。ちなみにこのワンタイムパスワードは、アプリにログインしていなくてもログイン画面の「パスワードカード」アイコンから表示させることが可能です。ここで表示されるパスコードは、画面を長めにタップすればコピーすることが出来るので覚えておくとよいでしょう。
■ 不要になった「トークン」の処分方法
さて、無事にワンタイムパスワード生成機能をスマホのアプリに移行させることが出来たわけですが、使わなくなった「トークン」の処分はどうすればよいのでしょうか?
調べてみたところ、FAQ には以下の様に書かれていました。
再発行したワンタイムパスワードカード、または、三井住友銀行アプリのワンタイムパスワードの有効化が完了し、不要となったワンタイムパスワードカードは、お客さまがお住まいの市町村の廃棄方法に従って、廃棄してください。
自分で処分してくれということですね。既に銀行口座との紐付けは切れているので仮に拾われたとしても不正利用されたりする心配はありませんが、廃棄するにしても中の電池ぐらいは取り出しておいた方が良さそうです。ということで、分解じゃー!
背面を観察していると、赤〇の辺りに丸い凹みがあったので、たぶん電池はここだろうと当たりを付けて裏のシールをペリペリペリペリ・・・。ありました!わりと堅固なシールドに囲まれていたのでペーパーナイフでこじ開けて無事バッテリーを取り出すことに成功。電池は「CR2016」という直径 20 mm、厚さ 1.6 mm のコイン電池が使われていました。それにしてもさすがに信頼性確保のためなのか、Panasonic製のいいものが使われていますね。まあこれで晴れて燃えないものとして処分することが出来ます。
■ アプリ版のワンタイムパスワード生成機能を利用する上での注意点
実際にアプリ版のワンタイムパスワード生成機能に切り替えてみてトークンの紛失やバッテリーの心配をせずに済むので非常に便利だと感じました。但しいくつかの注意点もあります。
まず、当然ながらスマホが使えないと利用することが出来ません。災害や停電などが起きた際には注意が必要でしょう。そもそもそんな状況ならネット回線や ATM などもダウンしているかも知れませんが。
また、「三井住友銀行アプリ」は、スマホだけで無くタブレットでも利用することが出来るのですが、例えば iPhone と iPad を使っていたとしても、アプリのワンタイムパスワード生成機能はどちらか一方からしか使えません(問い合わせ確認済み)。先に iPhone でワンタイムパスワード生成機能のセットアップをしていたとすると、後から iPad で利用登録を行うと iPad でのパスワード生成機能のみが有効となり、先にセットアップていた iPhone からは使えなくなってしまうそうです(iPad で生成したパスワードを使えば iPhone で振込なども可能)。
更に、セキュリティ確保の目的から、バックアップ機能から復元したアプリは無効となるそうです。機種変更などでアプリを復元した場合は一旦削除し、改めてアプリのインストールと再設定を行うようにとのことでした。
ワンタイムパスワードはその名の通り一定の時間内に一度しか使う事の出来ないパスワードが発行されるので、セキュリティ確保手段としてとても優れたものですが、さすがに直接パスワードを聞き出されてしまった場合などには無力です。電話や SMS を使った詐欺に引っかかることのないよう、たとえ人に聞かれてもパスワードを教えたりすることの無いようご注意下さい。