JustSystems の「Shuriken」というメールソフトをご存知の方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。自動仕分け機能や迷惑メールのフィルター処理など非常によく出来たメールソフトだったと思うのですが、2018年にリリースされた「Shuriken 2018」を最後に JustSystems は開発を止めてしまったようです。それどころか今年の 2月を以て販売も終了となり、今では新たに購入する手段すらありません。
JustSystems の Shuriken 2018 サポートページに拠ると、
出荷終了日より 1年後または、発売日より 3年後のどちらか遅い期日に、サポートサービスを終了します。
と書かれていたので、来年の 2月にはサポートも打ち切られてしまうことになりそうです。
今はまだオンラインアップデートも機能しているようですが、こちらもいつまで使えるか分かりません。少なくともしばらく使い続けるつもりの方は念のため今入手することの出来るパッチは保存しておいた方がよいでしょう。PC を変更したりして再インストールした場合などに困る可能性もあります(Shuriken 2018 のサポートページは「こちら」)。
■ 「Shuriken TLS設定変更ツール」
それはそうと、2022年7月7日付けで「Shuriken TLS設定変更ツール」というものがひっそりと公開されています。「Shuriken 2018」の規定値では、暗号化プロトコルとして「TLS 1.0」を使って通信するようになっています。ただこの「TLS 1.0」、「TLS 1.1」と共に 2020年7月に情報処理推進機構(IPA)がセキュリィティリスクを理由に非推奨としているそうです。メールサーバーでは既に Office365 や OCN、AsahiNet などが TLS 1.0/1.1 を廃止しているようですね。
利用しているメールサーバーの方で TLS 1.0 に非対応となった場合にメールの送受信が出来なくなる可能性が出てくるわけですが、メールサーバーの方で TLS 1.2 が使用可能であれば今回提供されたツールを使用して Shuriken を TLS 1.2 に対応させ、再び送受信可能な状態にすることが出来ます。
「Shuriken TLS設定変更ツール」のダウンロードは以下のページからどうぞ。
使い方は簡単。上記ページからダウンロードした「shuriken_tlstool.exe」をダブルクリックで起動し、コンソール画面上で「既定=1」か「TLS 1.2=2」を入力するだけです。登録済みのアカウント毎に操作を繰り返し、最後に Enterキー を押下すればツールも終了します。
「TLS 1.2」には「TLS 1.0/1.1」とほぼ同じ機能を持っているものの、セキュリティリスクから取り除かれた機能もあるらしく、「TLS 1.0/1.1」の下位互換性があるというわけでは無いそうです。もしも「TLS 1.2」に指定した状態でメールの送受信が上手くいかない場合は再び設定変更ツールを起動して元の設定に戻してみてください。私が試した限りでは、so-net、Gmail、iCloudメール、Yahoo!メールでは「TLS 1.2」に設定を変えても問題は見られませんでした。
それにしても電子メールってもうあまり使われていませんか?今でも通販でものを買えば確認メールが届きますし、業務で使っている方はたくさん居るでしょう。親会社のキーエンスは使ってないんですかね?一応法人向けの「Shuriken Pro 7」という製品の販売は続いている(個人で導入する手段はない)ようですが、こちらも 2018年登場のソフトのままです。
いずれかのソフトに移行しようかとも思いましたが、同じ様な使い勝手のソフトってなかなか無いんですよね・・・。一部 htmlメールの受信がうまく出来ないこと以外にこれと言って不満が無かっただけに残念で仕方ありません。機能追加なんてしなくていいので htmlメールのエンジンを Edge にでも代えたものを出してくれればそれで良かったものをまさかディスコンとは。
とは言え、今はまだいいとしてもずっとこのまま使い続けるのもセキュリティ的にまずい(特に htmlメールエンジンが IEベースというのはまずい)でしょうし、代わりとなるソフトは見つけておかないとなあ・・・。「Becky」と「秀丸メール」辺りはちょっと調べておきますかね・・・。Shuriken 復活!があれば一番嬉しいのですが、無いだろうしなあ・・・。