神戸のポートアイランドにある「UCC コーヒー博物館」に行って来ました。「UCC コーヒー博物館」は、1987年のオープン以来、延べ 150万人以上の来館者を迎えてきたとのことですが、新型コロナの感染拡大を受けて 2020年 3月に休館となったままになっています。
時折完全予約制で開催される有料セミナーなどがある時のみ開館されていましたが、2026年夏頃を目処としてリニューアルオープンされることとなりました。今回そのリニューアル工事前の見納めの機会として広く一般開放されるとの情報を掴んだので喜び勇んで(?)行って来たという次第です。
「UCC コーヒー博物館」
住所 : 兵庫県神戸市中央区港島中町6丁目6-2
電話 : 078-302-8880
備考 : 休館中(2026年夏頃再オープン予定)
ポートライナーを使えば「南公園」で降りてすぐの所に「UCC コーヒー博物館」はあります。ただ、ポートライナーは「神戸空港」へ向かう便に比べて「南公園」を通る路線は少ないようなので、「市民広場」で降りて歩いてもたいした距離では無いです。付近には「神戸ポートピアホテル」やプラネタリウムの観れる「バンドー神戸青少年科学館」などもありますね。
「UCC コーヒー博物館」は、ユーシーシー上島珈琲神戸本社ビルの隣に設置されています。上場していれば是非投資したい企業の 1つですが、残念ながら非上場なのですよね・・・。


こちらの建物は、1981年にポートアイランドで「神戸ポートピア博覧会」が開催された当時に出展されていたパビリオン「UCC 珈琲館」の骨組みを利用し、珈琲文化に多大な影響を与えたイスラム教の「モスク」をモチーフに改築されたものなのだそうです。
当日は予約なしでも並んで少し待てば入れたようですが、事前予約を受け付けていたので申し込んでから参加しました。ただ、自転車で行った際にちょっと場所がよく分からず、ウロウロして少し遅刻してしまった・・・。ポートアイランドの外周はよくサイクリングで走っているのですが、あまり中心部付近ってよく知らないのです・・・。到着した頃にはたくさんの方が並んでいました。みんなよく知ってるなあ・・・。


入ってすぐの所では UCCミルクコーヒーの初代復刻缶、現行缶(10代目)、カフェインレス版の飲み比べが行われていました。初代のものは今のものよりもだいぶ甘味が強かったのですね。缶の 3色のデザインにもちゃんと意味があったとは知らなかった(笑)。
奥へ進みます。館内ではスマホから専用の Wi-Fi に接続することで音声ガイドが利用出来たらしい。イヤホン持ってくれば良かった・・・。


こちらは先程も試飲した(復刻版ですが)1969年発売の初代の UCCミルクコーヒー缶。蓋の部分を見て下さい!プルタブでは無く、なんとちっちゃい缶切りが付属していて、これで缶に 2箇所の穴(片方は空気穴)を開けて啜るように飲まなくてはならなかったらしい。いきなり面白いものが観れました(笑)。


挽き立ての豆の香りを楽しむことの出来るコーナーの隣にはなんと「水素焙煎コーヒー」なるものの試飲コーナーが。UCC まで○ナソニックみたいに水素水とか言い出すんじゃ無かろうなと危惧しましたが(笑)、豆を煎る熱源に水素を使うというだけでした。ぶっちゃけ味に変化は無い(爆)と係の方も言ってましたし、えらくコストも掛かるようなので SDGs のポージングですかね。
予約優先で入場制限も掛かっていましたが、結構な人の入りです。


こちらでは ” 水淹れアイスコーヒー ” の飲み比べも行われていました。こちらの試飲も缶コーヒーの時のように 3種類を一緒に出してくれるともう少し違いが分かりやすかったかも?
ミュージアムショップに出来た行列を眺めつつ左手のエスカレーターで 2階から螺旋状のスロープに沿って行われている展示を順路に沿って拝見。ショップは後で寄ろう・・・。
展示は 1本の珈琲の苗木から始まります。順路に沿って進むことで珈琲豆の生産から収穫、選別、運搬、焙煎、抽出と、珈琲が出来るまでの流れを理解することの出来る流れになっています。


珈琲の起源については 9世紀頃のエチオピアで眠気覚ましなどに使われ始めたという説が有力らしい。日本に最初に珈琲が伝わって来たのは鎖国下の長崎・出島にあったオランダ商館からなのだとか。


1933年に神戸で上島忠雄商店(現 UCC)が創業します。




瓶入りの珈琲から最近のデザインのものまで様々な UCC の珈琲が展示されています。この意匠の頃の ” 114 ” ” 117 ” は私もよく飲んでいました。
1本の珈琲の木から収穫されるコーヒーチェリーは約 3kg。精製・焙煎した後コーヒー豆として得られるのはたったの 400g 程にしかならないのだそう。そりゃ高価にもなりますわな。




豆の選別器。ふるいに掛けながら割れた豆やカビのある豆などを取り除くらしい。豆袋の持ち上げ体験も出来ましたが、1袋 60kg もあるそうでとても持ち上がりません。






焙煎機だけでも実に様々なものがあって見ていて飽きません。




コーヒーミルのデザインってほんと機能美を感じます。古い喫茶店の入り口などでちょくちょく見掛ける鋳鉄製のアンティークな両輪式ミルは富士珈機という日本メーカーのものだったのか。






抽出道具のいろいろ。昔のサイフォンは天秤型という横に珈琲が抽出されるタイプが用いられていたのだそう。最近はサイフォンで珈琲を淹れてくれるお店はほとんど見掛けなくなってしまいましたが、あれって見ていて飽きないですよね。またブームが再燃することもあるかも?






珈琲カップも集めたくなってしまう気持ちがよく分かります。下段中央のアフリカの珈琲カップなんかは飲んでいて楽しくなりそう。” 和 ” なテイストのカップもいいですよね。
館内をぐるっと巡ってきましたが、ミュージアムショップは相変わらずの大盛況。ここでしか買えないものもいろいろ置かれていたので、私もついつい誘惑に負けてしまいました(笑)。
この日は午前・午後の完全入れ替え制とのことで正午過ぎに退館。
こちらは予約を入れていた方に配布されていたもの。試飲もした水淹れアイスコーヒーのドリップバッグを頂きました。あくまでも ” 休館中 ” ですが、工事が始まるまで珈琲アカデミーや演奏会なども行われるそうです。5,500円となかなかのお値段ですが、珈琲を頂きながら演奏を楽しめるというのもいいかも知れませんね。


こちらも試飲した復刻版、現行版、カフェインレス版のミルク珈琲セット。これにポストカードと珈琲グッズがついて 500円だったので思わず購入(笑)。バッハも珈琲好きだったとは知りませんでした。
全然こんなものを買うつもりはなかったのですが、あまりに作りが良かったので気が付いたら買っていました。Φ 100mmx115mm くらいのミニ樽です。中に何か入れてもいいし、棚や机の上に置いておくだけでも気分が上がりそう。500円でこれはなかなか。
もちろん豆も購入。コーヒーアカデミーオリジナルの「紫陽花ブレンド」だそうです。100g で 1,000円でした。こちらはゆっくり楽しみたいと思います。
2時間ちょっとで色々観て回りましたが、リニーアルが必要だとは思えないほど綺麗に管理されていて展示内容も充実していました。珈琲好きや機械好きの方なら間違い無く楽しめる博物館だと思います。私もリニューアルオープンしたらまた行ってみたいですね。どうせなら喫茶店も併設して欲しいところですが、さすがにスペース的に厳しいかな?