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何かの参考にして頂ければ幸いです。

Wi-Fiアクセスポイントの更新に備えて最近の無線LANルーターのトレンドを整理してみました

現在 Wi-Fiアクセスポイントとして使っている NEC の「Aterm WG-1800HP2」は、設置してからもう 4年程になります。特に故障することも無く今まで使うことが出来ていたのですが、ここ数年の間に「Wi-Fi 6」やら「WPA 3」やらと Wi-Fi関係で新しい規格が登場し、徐々に対応する機器も増えてきたようです。

また、うちでもスマホAmazon Echo にスマートプラグに・・・と結構な数の機器を Wi-Fiで繋ぐようになっているので WG-1800HP2 の性能不足になって来ているのか、時々パケ詰まりの様な症状が出ることがあります。NAT周りの性能不足にでもなっているのでしょうか。

新規格への対応と、家の中の通信安定性を改善できれば・・・との期待もあって、ぼちぼち Wi-Fiアクセスポイントを更新しようかと考えています。無線LANルーターに関する最近の話題で注目度が高いものと言えばやはり「Wi-Fi 6」「WPA 3」「メッシュ機能」あたりでしょうか。一体どういった技術なのか、ちょっと整理してみることにしましょう。

■ Wi-Fi 6(IEEE 802.11 ax)

Wi-Fi 6(IEEE 802.11 ax)」は、2019年にリリースされたばかりの最新の規格です。IEEE 802.11 ax などという長い名前は覚えにくくユーザーフレンドリーでないと言うことで、次のようにシンプルな呼称が定められることになりました。

   IEEE 802.11 ax ⇒ 「Wi-Fi 6」 第6世代、最大 9.6Gbps
   IEEE 802.11 a ⇒ 「Wi-Fi 5」 第5世代、最大 6.9Gbps
   IEEE 802.11 n ⇒ 「Wi-Fi 4」 第4世代、最大 600Mbps

「下位互換性」が確保されているので、Wi-Fi 6 対応ルーターであればこれまで使っていた PC やタブレットスマホなどが Wi-Fi 5 や Wi-Fi 4 にしか対応していなくてもそのまま利用することが出来ます。

Wi-Fi 6」のメリットは、「高速」「混雑に強い」「省エネ」という 3つの特徴にあります。

  ・高速化

   最大通信速度は Wi-Fi 5 の 6.9Gbps から 9.6Gbps にまで引き上げられていますが、どちら
   かというと「実効スループット(実用速度)」の改善効果が大きいようです。

 ・混雑に強い点

   「OFDMA(直交周波数分割多元接続)」という技術によって、1つの帯域を複数の機器で同
   時に利用出来るようになりました。また、 Wi-Fi 5 では下りのみに対応していた、複数の機
   器が無線LANルーターに繋がっている場合に速度低下を防ぐ「MU-MIMO」という機能が上
   下通信双方向に対応し、最大接続数も倍の 8本となりました。これらの技術によって、多数
   の機器が同時に Wi-Fiで繋がっていても通信の順番待ちの必要が無く「パケ詰まり」の様な
   現象が発生しにくくなることが期待されます。

 ・省エネ化

   「TWT(Target Wake Time)」という技術によって通信の必要が無い時は子機側の通信機
   能をスリープ状態に移行させてバッテリー消費を抑える機能も持っています。

もちろんこれらのメリットは、Wi-Fi 6 に対応した機器同士の組み合わせでなければ本領を発揮することができません。Apple製品では 2020年10月の時点で Wi-Fi 6 に対応しているのは、iPhone 11シリーズ以降(SE 2020含む)、iPad Pro(12.9インチ第4世代、11インチ第2世代)、iPad Air(第4世代)くらいです。他社のノートPC やスマホでも似たような状況ですし今後確実に対応端末は増えてくるでしょうが、まだまだこれからといった所ですね。

とはいえ今後 10Gbps などの高速な光回線や、携帯電話の「5G」が普及してくれば性能を生かすためにも Wi-Fi 6 の重要度は増してくるでしょう。

■ WPA 3(Wi-Fi Protected Access 3)

従来は無線LAN の通信を暗号化する規格として「WEP」や「WPA 2」などが使われていましたが、特に最初に標準化された「WEP」の方は簡単に暗号化が解除されてしまう事が分かったため、現在では非推奨とされています。昔のゲーム機など古い機器をまだ使居続けている場合は利用せざるを得ない事もあるかも知れませんが、危険性はよく理解しておく必要があります。

「WPA 2」は現在主流のセキュリティ規格ですが、機器との接続を簡単にするために用意されている「WPSWi-Fi Protected Setup)」を通じて攻撃される余地が残っていることや、昨今の攻撃者側のデバイス性能の高性能化によって暗号化が破られるまでの時間も短くなりつつあります。最近では「KRACKs」という脆弱性が世界中で騒ぎになった事を記憶している方も居られるでしょう。こちらについては大方の機種でファームウェアのアップデートによって回避されましたが、「WPA 2」を利用する場合は、「WPA 2 + AES」に設定し、必要が無い限り「WPS」の機能は切っておいた方がよいでしょう。

「WPA 3」は、パスワード保護の強化や、公衆Wi-Fi を利用する際の安全性の強化などが図られた最新プロトコルとして 2018年6月に登場しました。安全性に懸念のあった「WPS」に代わって QRコードを使ってデバイス同士を簡単に接続させる「Wi-Fi イージーコネクト」という仕組みも用意されるようです。「Wi-Fi イージーコネクトについては Internet Watch の記事が分かりやすかったので興味のある方は読んでみて下さい。
「WPA 3」も対応した機器同士でないと利用することはできませんが、WPA 2 の機器が同じネットワークにあっても利用出来るように「WPA3-SAE Transition Mode (WPA2-PSK / WPA3-SAE)」という互換モードが用意されています。「WPA 3」についても今後確実に対応機器は増えていくでしょうから、当面は互換モードを利用しつつ将来への備えとしておくのがよいでしょう。

■ メッシュ(Mesh)Wi-Fi

「メッシュWi-Fi」は、メッシュ(網の目)の名の通り、Wi-Fi無線LAN)を網の目のように張り巡らせることで電波の届きにくい場所の通信状況を改善しようというものです。また、「サテライトルーター」と呼ばれる機器を複数配置するため、メインルーターに掛かる負荷を分散させ、通信を安定させるという効果も期待できます。

「メッシュ Wi-Fi」と「Wi-Fi 中継」は似たもののように見えるかも知れませんが、「中継機」が単に Wi-Fi電波の到達距離を伸ばすだけのものである(ルーティングの負担は全て親機に掛かります)のに対して、「メッシュ Wi-Fi」は、電波状況に応じてサテライトルータ側でも自動的に最適な通信経路を選んでくれるという点で異なります。例えば部屋を移動したような場合でも自動的に接続ポイントを切り替えてくれるので接続が不安定になったりすることを防いでくれます。

Wi-Fi中継イメージ
反面、複数のルーターを設置する必要があるので、ルーターの台数分の費用が掛かってきます。設置する数を増やせば増やすほど通信は安定しますが、その分出費も嵩みますし、「EasyMesh」という規格に準拠していない場合はメインルーターとサテライトルーターのメーカーも揃える必要があります。(中継機の場合では「WPS」に対応してさえいれば安価な別メーカーのものでも使用可能。)

アパートの大家さんだとか、会社のフロア全体の通信状況を安定させたいなどといった場合でも無い限り、一般家庭に設置するのであればデュアルバンド対応の中継機で十分ではないかと思います。メーカーとしては売りたいでしょうから色々凄そうな事を書いていますけどね・・・。まあ「負荷分散」という効果もあるので、家族それぞれが多数の Wi-Fi機器を使っているような場合には費用に目を瞑れば悪くないかも知れませんが。


買い替えるにあたっては、Wi-Fiアクセスポイントとして使う予定なのでルーティング性能についてはあまり考慮に入れず、予算を 1万数千円前後として出来れば Wi-Fi 6 と WPA 3 に対応した機種を探してみることにしました。今後これらの規格に対応した機種は確実に増えてくるでしょうからね。