メインのスマホは iPhoe 15 を使っているのですが、ブログで商品レビューの記事作成なんかをしていると Androidスマホのアプリでも動作の検証を行いたいという場合がちょくちょくあります。今までは SONY の「Xperia XZ1 Compact」を使っていたのですが、2017年に発売された端末なので OS のバージョンも Android 9 止まり。
「Xperia XZ1 Compact」は SoC に Snapdragon 835 を搭載しているので意外に今でもよく動きはするのですが、さすがにもうちょっと新しい機種を持っておきたいなと思っていたところに、中古スマホを取り扱っている「イオシス」さんで未使用品の「Xperia 5 II」の格安放出があるとの話を知り、これ幸いと飛びついてみた次第。「バレンタインペリア」なんて呼ばれていたアレです(笑)。
放出されていたのはソフトバンク版の「Xperia 5 II」。キャリア版だからシンプルなパッケージなのかと思ってましたが、ソニーストアで販売されていた SIMフリー版のものも同じ様なパッケージだったようです。ソニーはパッケージにはあまり気を使いませんね・・・。環境保護云々なのか知りませんが、安くは無い製品なのだからもっと気を使えばいいのに・・・とは前からずっと思っています。
「Xperia 5 II」の主なスペックです。
ディスプレイ | 6.1 inch 有機EL シネマワイドディスプレイ (Full HD+ 1080x2560 pixel / HDR対応 / 120Hz 駆動) |
SoC | Snapdragon 865 5G Mobile Platform (CPU:kryo 585x8 core(最大 2.8GHz)、GPU:Adreno 650) |
記憶容量 | メインメモリ : 8 GB、内蔵ストレージ:128 GB |
外部ストレージ | microSDXC(UHS-Ⅰ)対応(最大 1024 GB) |
カメラ | 背面 : 超広角 16 mm、標準 24mm、望遠 70mm(全て約 1220万画素) 前面 約 800万画素 |
国内対応バンド | 4G LTE : 1 / 3 / 8 / 11 / 28 / 41 / 42 5G : n3 / n28 / n77 (3.4GHz) / n77 (3.7GHz) |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax(Wi-Fi 6) |
Bluetooth | 5.1 |
防水・防塵 | 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X) |
バッテリー容量 | 4,000 mAh |
サイズ・重量 | 約 68x約 158x約 8 mm、約 163 g |
その他特徴 | USB Type-C(2.0)、NFC、おサイフケータイ、指紋認証、FMラジオ |
SONY の「Xperia」シリーズ中「Xperia 5」はフラグシップモデルの「Xperia 1」に次ぐグレードの製品ですが、「Snapdragon 865」という Xperia 5 II 発売当時の Androidスマホ向けハイエンド SoC を搭載しています。メインメモリも 8GB 積んでおり、128GB の内蔵ストレージに Full HD+ の有機EL ディスプレイと、ハードウェア的にはかなり余裕のある構成。OS のアップデートさえ続いていれば今でも全然余裕でメインスマホとして使えていたでしょう・・・。
「クイックスタート」と「お願いとご注意」と書かれた冊子は入っていますが、「Xperia 5 II」の機能を詳しく解説した取扱説明書は、オンラインマニュアルを参照するか PDF を入手する必要があります。
いちいち Web で探すのも面倒くさいですし、PDFマニュアルをダウンロードしてスマホに保存しておいた方がよいでしょう。それにしても ACアダプタは疎か、USBケーブルなどの付属品は何も入っていないのですね。まあ今時 USBケーブルや充電器なんていくつも持っている人は多いでしょうが。


ボディ色はブルーを買ったのですが、かなり濃いのでほとんど黒に近い紺色といったカラーです。鏡面仕上げで非常に美しく高級感のあるボディなのですが、指紋が非常に付きやすいのが玉に瑕。ケースには入れて使った方がいいかも知れません。




充電は USB Type-C。Qi などのワイヤレス充電規格には対応していません。今では珍しくなってしまった 3.5mm イヤホンジャックを搭載しています。有線イヤホンを使う方には嬉しいですね。また、有線のイヤホンやヘッドホンを接続した場合は、FMラジオアプリのアンテナ線として作用します。生体認証は指紋認証のみの対応。顔認証に慣れているとやはり面倒くささは感じてしまいます。
「ZEISS」ロゴが光る「Xperia 5 II」のリアカメラ。トリプルカメラ構成ですが、iPhone などと違ってカメラ配置はこちらの方がすっきりして美しいですね。超広角の 16mm f/1.7、標準の 24mm f2.2、望遠の 70mm f2.4 の 3つのレンズを備えていて、光学 3倍ズームや光学式手ブレ補正を搭載しています。
SIMフリー版の「Xperia 5 II」ではデュアルSIM構成も可能ですが、どうやらキャリア版の「Xperia 5 II」では SIMトレーの形状からして異なっているようです。microSDカードを載せることは出来るのですが、SIMカードは 1つしか載せられないため、デュアルSIM構成で使う事は出来ない模様。IMEI も 1つしか表示されないため、ファームウェアでも殺しているのかも知れません。
Android は Google が開発した OS なので、Google のアカウントはほぼ必須です。セットアップに詰まるようなことはありませんが、キャリア版のスマホだけに使いもしないソフトバンクのアプリが色々インストールされるのはまあ仕方ないですね・・・。
ちなみに楽天モバイルの SIM は APN の設定すら不要ですんなりと認識しました。恐らく Band 3 しかまともに使えないと思うので、混雑する場所や田舎などで繋がりにくくなる可能性はありますが、通話は出来ますし(Rakuten Link もOK)、データ通信の速度もちゃんと出ているようです。
購入時点の Android バージョンは「10」でした。Android 11 へは初回の OS アップデートで更新されたのですが、そこから最終版となる「ビルド 58.1.D.6.147」に至るまで何度も何度も更新と再起動を繰り返す必要があってげんなりしました。SIMフリー版を含め、ドコモや au が販売した Xperia 5 II は Android 12 へのアップデートが出来るのですが、ソフトバンク版は「11」止まり。
「Geekbench 6」だけ取ってみました。「Xperia 5 II」の発売は 2020年の秋。もう 4年半ほど前になるので今の最新 SoC と比較しても仕方ありませんが、当時の Android端末としては最速レベルの性能だったようです。3D Mark の「Wild Life」では総合スコアで 3817 でした。平均フレームレート 22.86 とのことでややカクツキはありましたが、まあこんなもんでしょう。
開発者向けオプションは、「設定」→「デバイス情報」へ進み、最下部の「ビルド番号」を 7連打すれば有効になります。また、標準ダイヤラーから「##7378423##」と入力すればサービスメニューへのアクセスが可能です(どちらも不用意に弄るべきものではありませんが)。
■ 画面保護フイルムは「ガラスザムライ」を試してみる
基本的にあまり外に持ち出す予定はありませんが、室内でも何かの拍子に落としてしまうことはあるので、画面保護フイルムだけは貼っておくことにしました。ケースはとりあえず無しで様子をみます。
いつもスマホやタブレットの画面保護フイルムとして NIMASO の製品を信頼して使っているのですが、「Xperia 5 II」用のものは出していない様子。安価なものもいろいろありましたが、信頼性の高そうな「OVER's」というところの保護フイルムを試してみることにしました。「ガラスザムライ」っていうネーミングは前から気になっていたのです(笑)。
保護フイルムは 2枚入っていてお得ですし、付属品も充実しています。貼付に使うための治具は貼った後もスマホスタンドとして使えるのだそう。


付属の「らくらくクリップ」なる治具は、先にスマホの画面に保護フイルムを載せて位置を決めておき、粘着テープで一旦治具に貼り付けて持ち上げた状態で吸着面の保護シートを剥がし、再び画面上にフイルムを下ろせばずれること無く貼付が出来るというもの。クリップを下ろす際に埃が画面に残らないよう注意する必要はありますが、決めた位置にずれずに貼れるという点は素晴らしい。
無事にフイルムとの間に埃や気泡が残ることも無く貼り付ける事が出来ました。指の滑りやタッチ操作の感度にも影響はありません。「らくらくクリップ」をスマホスタンドとして使うとこんな感じ。
■ 撮影サンプル
さて、「Xperia 5 II」のカメラですが、初期状態でホーム画面の右下に表示されるカメラアイコンからカメラを起動すると下の様な操作画面が立ち上がります。
まあ極普通のカメラアプリですね。一通りの操作は出来るので使えない事は無いですが、あまり細かい設定を変えることは出来ません。そこで、右下赤〇のカメラアイコンをタップすると・・・
「Photography Pro(Photo Pro)」という SONY製のカメラアプリが立ち上がります。SONY の αシリーズのミラーレス一眼を使っている方ならスマホ用アプリの「Creator's App」を使ったことがあるかと思いますが、それに近い使い勝手のアプリかなと思います。
RAWデータの記録が出来るうえに撮影モードの切替(AUTO やシャッタースピード優先など)、AFモードの切替(シングルAF やコンティニュアスAF など)、ドライブモードの切替(連写やセルフタイマーなど)、露出補正、など一通りミラーレスカメラライクな設定のカスタマイズが可能で、水準器やヒストグラムまで表示させることが可能です。絞りの変更はさすがに出来ませんが、かなりミラーレスカメラに近い操作感が得られるのではないでしょうか。これはなかなかおもしろい。
掲載しているサンプル画像は例によって「はてなフォトライフ」を利用している関係上、解像度のみ SILKYPIX Developer Studio Pro 11 を利用して横幅 1200pix に落としていますが、その点以外は JPEG 撮って出しの画像です。



まずレンズ毎の画角の違いを見ておきましょう。左から超広角の 16 mm、標準の 24mm、望遠の 70mm となっています。撮影データとして表示されている焦点距離の値が異なっていますが、実はこちらが「Xperia 5 II」のカメラレンズの実際の焦点距離で、画像データの Exif 情報にはこのように記録されています。16 mm、24mm、70mm というのは ” 35mm版換算で ” という意味ですね。
その他の撮影サンプルもいくつか置いておきます。
屋外で撮影するときにスマホの画面が見づらく、撮影し難いのが難点ですが、さすがにミラーレス一眼などには敵わないもののよく写っていると思います(まだ使いこなせていないので撮影時に画面の明るさを調整する方法があるのかも知れませんが)。ただ、広角レンズは被写体に拠ってはかなり歪みが目立つようですので、使い処は考えた方がいいかも?
■ OS のセキュリティアップデートさえ続いていれば・・・ね
さて、今回はなんと未使用品の「Xperia 5 II」を格安で手に入れる事が出来たのですが、ソフトバンク版だったので Android 12 にアップデート出来ないことと、既にセキュリティアップデートも終了となってしまっていることだけが残念です(Android のセキュリティアップデートは 2022年10月1日が最後)。
一応 OS のカーネルのアップデートは 2024年5月が最後となっていますが、こちらも既に終了。やはりこれではさすがにお金や重要な個人情報に関するやり取りをこのスマホで行うのは厳しいですね(今回は分かった上で購入しているのでいいですが)。
イヤホンジャックが付いているので、このようにポタアンなしで直に有線ヘッドホンを接続出来る点はやはり便利です。オーディオ機能に関してはさすがの SONY製!Bluetooth は LDAC にも対応しているので 「WF-1000XM5」との相性もバッチリです。「DESS Ultimate」などの高音質化技術も搭載しているので、オーディオプレイヤーとしての使い方は今でも全然OKです。縦長のスマホってどうなんだろうと思っていましたが、実際に使ってみると思いのほか手に馴染んで使いやすいことには驚きました。
Xperiaシリーズも最近発売されたものはサポート期間が 4年とかに延長されているようです。ただ、キャリア版は色々と制約が掛けられていることも多いですし、今回のソフトバンク版のように他社より早くアップデートが打ち切られてしまう可能性もあります。なのでもし今後 Xperia を買うのであればソニーストアで SIMフリー版を買った方がいいんじゃないかなと・・・。Xperia に関しては事業縮小の噂が絶えませんが、国内メーカー産スマホの雄として末永く頑張って欲しいものです。
「Xperia 5 II」はサブ機として調達したので当初はケース無しで運用するつもりでしたが、背面があまりにもツルツルでちょっとでも傾斜のあるところに置くとスマホが滑り落ちてしまうので、結局 Amazon の Prime Day セールを利用してケースも購入しました。




枯れたスマホなので当然ながら各部のサイズ感はピッタリ。ケース側面は TPU 素材で滑りにくく、サラサラとした手触りが心地よい。背面は半透明のポリカーボネート素材で、Xperia のロゴもうっすらと見えます。傾いた場所にスマホを置いても滑り落ちることは無くなりました。これで安心して使っていくことが出来ます。
(2025.7.14)