少し(2週間ほど)前の話になってしまったのですが、” 旅する蝶 ” と呼ばれる「アサギマダラ」を求めて摩耶山にある「忉利天上寺(とうりてんじょうじ)」までカメラを持ってヒルクライムして来ました。
「アサギマダラ」を漢字で書くと「浅葱斑」。緑がかった薄い藍色の和名「浅葱色(あさぎいろ)」の羽根と、黒と白の斑模様の胴体を持つことからこのような名前が付けられたようです。” 旅する蝶 ” と呼ばれるだけのことはあって、秋は日本本土から南西諸島・台湾方面へ、初夏から夏にかけては逆のコースを辿るものも居るなど、なんと 1,500km 以上の距離を旅する個体もあるのだとか。その美しい姿は「鬼滅の刃」に登場する「胡蝶しのぶ」が羽織る着物のモチーフにもなったそうですね。
摩耶山の山頂近くにある「忉利天上寺(とうりてんじょうじ)」は、この「アサギマダラ」を観察することの出来るお寺としても有名です。今年は境内のフジバカマが病気に罹ってしまい、かなり数を減らしてしまったとのことでしたが、それでも「アサギマダラ」が飛来していると聞いたので頑張って機材を積んで登ってきました。「天上寺」へ行くのは昨年「神戸七福神めぐり」で回って以来のこととなります。
コースはいつも通り、名谷駅から北上して「白川峠」から「ひよどり台」へ抜け、「しあわせの村」を左手に「星和台」「鈴蘭台」から国道 428号線と交わる「二軒茶屋」へ出て「洞川湖」を横目に「再度山ドライブウェイ(神戸箕谷線)」へ。「五辻」の三叉路まで北上してそこから六甲山方面に登るルートを採りました。
ヒルクライムが控えているのでしっかりエネルギー補給してから向かうことにします。昼食は神戸電鉄有馬線北鈴蘭台駅側の「Blue-B Burgers(ブルービーバーガーズ)」で。 ボリュームが凄かったので思いのほか攻略するのに時間が掛かってしまい、再スタートしたのは 13時半過ぎ。まあソロライドですからその辺は気楽です(笑)。


「再度山ドライブウェイ」に出ました。ここから「五辻」までも結構な坂。車は少ないですが、道幅が狭いので注意が必要です。たまにハイカーさん達とすれ違い。
「五辻」の三叉路にある「関の茶屋」に到着。ここの COKE ON、前に来た時はちゃんと買えたんですが、この日は電波が安定しないらしく使用できず。楽天モバイルもっと頑張ってくれ(笑)。ここから先の自販機は「お山価格」になってしまいます。
■ 「忉利天上寺(摩耶山天上寺)」へ到着!
途中何カ所か崖崩れの復旧工事などで片側交互通行になっていました。下りならいいのですが、登りで片側交互通行は「早く通り抜けねば」とプレッシャーになるから嫌い(苦笑)。マイペースで登るつもりなのにこういうところでえらく消耗してしまいます。
「六甲山牧場」のある三叉路から「奥摩耶ドライブウェイ」を走って「天上寺」へ。
「忉利天上寺」 宗派:摩耶山真言宗 本尊:十一面観音菩薩、仏母摩耶夫人尊
住所 : 兵庫県神戸市灘区摩耶山町2-12
電話 : 078-861-2684
拝観時間 : 9:00 ~ 17:00
備考 : 拝観無料、有料駐車場有り
自転車は側の駐車場の一角に停めさせて頂きます。
階段を上って境内の方へ。SPD と言えどビンディングシューズを履いてきたので石段で滑らないよう結構気を使いました💦
「アサギマダラ」が群がる「藤袴(フジバカマ)」というのはこんな花です(正確にはこれは「サワフジバカマ」かも?)。背丈はだいたい大人の腰の辺りくらい。「秋の七草」の 1つで菊科の多年草なのだそうです。9月くらいから 10月末くらいまでの間に小さなピンク色の花を多数咲かせます。花の色が藤色で、花弁の形が袴に似ていることから「藤袴」という名になったのだとか。
居ました!「アサギマダラ」です!羽根もそうですが、胴体の水玉模様がまたお洒落!
人が近付いてもあまり逃げませんが、フジバカマアの蜜を吸っているのが気に入らないのか、スズメバチが執拗に攻撃していました。
今年は数が少ないと聞いていましたが、これで少ないのかとビックリ。
フジバカマ自体にも毒があるようですが、「アサギマダラ」が幼虫の頃に食べて育つ「キジョラン(漢字では「鬼女藍」と書くらしい)は毒性の強いアルカロイドを含んでいるらしく、自ら毒化することで敵から身を守っているそうです。
それにしても本当に美しい蝶です。ここまで頑張って登ってきた甲斐がありました。来年もまた観に来たいと思います。それにしてもこんな小さな身体でどうして海を渡れるのか不思議。
おまけ。「シオン」という、これもキク科の植物なのだそうです。
■ 天上寺を散策し、掬星台まで足を伸ばして帰宅
アサギマダラはいつまで観ていても飽きませんが、最近は日もかなり短くなってきているのであまりのんびりしているわけにもいきません。暗闇の中のダウンヒルはあまりしたくありませんからね・・・。とは言え、せっかくここまで登ってきたことですし、お参りをしつつ少し天上寺を散策し、もう少し先の掬星台まで足を伸ばしておくことにしました。
摩耶山にある「天上寺」は、50年程前に賽銭泥棒が放火したとかで全焼してしまい、現在の地に移転してきて今もまだ再建中です。元のお寺は大化 2年(西暦 646年)に開創された大変な古刹だったそうで勿体ない限りですが、よく整備されていて大変美しいお寺になっています。
摩耶山の山頂近くにあるので、天上寺の「天空の大舞台」からは眺めも抜群!


・・・なのですが、この日はあいにくの曇り空。遠くの明石海峡大橋には靄が掛かってしまっていました。空気の澄んだよく晴れた日には遠く小豆島まで望むことが出来るそう。




「金堂(本堂)」にはご本尊の十一面観音さまのほか、七福神の布袋尊像などたくさんの仏様がお祀りされていますが、内部は撮影禁止とのこと。とは言え境内には他の見所もたくさんあります。
私が行った日は紅葉シーズンにはまだもう少しといったところでしたが、今頃は見頃になっていることでしょう。駐車場からも少し歩きますが、是非行ってみてください。
天上寺から更に 15分ほどアップダウンを繰り返して絶景の展望台「掬星台(きくせいだい)」に到着!




「手で星を掬(すく)える程の絶景の夜景」を観ることが出来ることから「掬星台」と名付けられたのだとか。神戸市街から登ってくる「摩耶ロープウェー」の終点を降りてすぐの場所にある展望台なので、こちらも是非観に来てみてください。この日は生憎の天気でしたけどね・・・。日が暮れてきていたので急いで下山することにします。

結局家に着いたのは 20時前くらいになってしまいました。帰りのダウンヒルは結構寒かったです。昼間は暑くてももう長袖は持っておかないと駄目ですね。無事に「アサギマダラ」に出会うことも出来ましたし、非常に充実したライドでした。