昨夜、Apple の iPhone 12 シリーズの発表イベントがありました。イベント中では全く触れられていませんでしたが、実は beats ブランドのワイヤレスイヤホン「BeatsX」の後継機となる「Beats Flex」の販売がひっそりと Apple Store で始まっています。
「Apple限定」と書かれているように、今のところは Apple Store でしか買えないようですが、そのうち一般販売も始まるでしょう。制御チップは BeatsX と同じ「W1」チップですが、価格が大きく引き下げられた上に結構な改良が施されたようです。
現在私が使っている BeatsX は購入してからもう 3年を過ぎていて、まだ故障こそしていませんがさすがにバッテリーの保ちがかなり悪くなっています。そろそろ次に買う機種を探そうと思っていた所にちょうど Amazon のプライムデーセールで BeatsX が税込 4,980円という特価で販売されていたのでこれ幸いともう一つ買っていたのですが、後継機の発売を知って慌ててキャンセルしました。スペックを見比べていると、単に価格が大きく引き下げられただけでは無さそうなのですよね。幸い納期待ち(早くても 11月14日以降)になっていたのが幸いしました。
■ 「Beats Flex」と「BeatsX」の違い
どのような改良が行われているのか、ちょっと新旧の機種で比較してみることにしましょう。
項目 | Beats Flex | Beats X(順次販売終了) |
---|---|---|
発売日 | 2020.10.14 | 2017.2.11 |
販売価格(税別) | ¥5,400 | ¥14,800 → ¥11,800 |
イヤホンタイプ | インイヤー型 | インイヤー型 |
Bluetoothバージョン | Ver.4.0? / Class1 | Ver.4.0 / Class1 |
連続再生時間 | 12時間 | 8時間 |
Fast Fuel(急速充電) | 10分間で1.5時間再生 | 5分間で2時間再生 |
充電端子 | USB Type-C | Lightning |
自動再生/一時停止機能 | 〇 | ✕ |
マイク | 〇 | 〇 |
付属品 | イヤーチップ 4種 USB-C - USB-Cケーブル |
イヤーチップ 4種 Lightning - USB-Aケーブル |
長さ | 864 mm | 864 mm |
重量 | 18.6 g | 21 g |
※ 価格は 2020年10月時点の Apple Store のもの
どちらのモデルもノイズキャンセリング機能はありません。最新世代の「H1」チップでは無く先代の「W1」チップ採用ということで、ある程度の遅延はあると思われます。音楽を聴いたり映画を観る程度なら問題無いと思いますが、所謂「音ゲー」などタイミングのシビアなゲームには不向きでしょう。
BeatsX の初期モデルには耳から外れにくくなる「ウイングチップ」とケース(これはむしろ無くていいですが)が付属していましたが、価格改定があってからは付属しなくなっています。Beats Flex の方にも付いていません。ケースが必要でしたら以前 BeatsX 用として紹介した下のものがケーブルや充電器もいっしょに持ち運べてお勧めです。
リモコンボタンの長押しから「Siri」も利用可能です。Siri に指示して別の曲を掛けさせたり再生を止めたりすることもできます。音楽を聴いている時に電話が掛かって来てもリモコンボタンを押せばそのまま通話することもできます。まあ独り言を喋っているように見えてしまうのは致し方ありませんが(笑)。
特筆すべきは、USB Type-C の採用と、従来は使わない時にくっつけておくことしかできなかったマグネット式イヤーパッドに「自動再生/一時停止機能」が付いたということです。耳に装着すると自動的に再生が開始され、会話をする際に外して首の周りでイヤーパッド同士をくっつけると自動的に一時停止してくれるそうです。この機能、前モデルでも欲しかったという人は多いんじゃないでしょうか。
■ 「Apple Care+ for Headphones」には加入できない
AirPodsシリーズと Beats のイヤフォン・ヘッドフォンには、基本となる 1年間の保証期間の他に、昨年の 9月から「Apple Care+ for Headphones」という追加保証プランが提供されるようになっているのですが、残念ながら Beats Flex は対象外となっているようです。まあ販売価格自体が低いので用意されていた所で加入する人がどれくらいいるかは分かりませんけどね。このくらいの価格帯であればさっさと買い替えてしまう人が大多数でしょう。ちなみに「AppleCare+ for Headphones」自体の価格が 3,700円です。
有償修理になる場合の費用については「こちら」に掲載されるはずですが、本日時点(10月14日)ではまだ判明していません。こちらについては判明次第追記修正という形を取らせて頂きたいと思います。
■ 価格も下がって更に魅力的なイヤホンに
Powerbeats Pro も持っていますが、あちらは「スポーツ用イヤホン」として位置付けされているため、安全のために車の走行音などが聞こえるようになっています。遮音性という面では BeatsX に劣っているので電車などで使うのであれば Beats Flex の方が向いているでしょう。
今回発表された iPhone 12 シリーズからは充電器とイヤホンが付属品から省かれてしまっているので、組み合わせて購入するのもお勧めできますよ。Beats Flex を基準としてノイズキャンセリング機能も欲しければ AirPods Pro や SONY の WF-1000XM3 、運動時に使いたければ Powerbeats Pro とステップアップしていくのもいいと思います。
BeatsX の音質については、特別不満に思うようなこともありませんでしたが、高音質を求めるなら(価格にも比例しますが)他にいいイヤホンはいくらでもあるという感じでした。今回 Beats Flex が発売されるにあたって、ドライバーの改良も行われているそうなので、どの程度の変化があったのか是非試してみたいですね。前モデル同様、防水性能については期待できないので、運動時に使う場合は注意した方がよいでしょう。
大きく価格が引き下げられた上に、バッテリー持続時間の増加など数々の改良が施された新生「Beats Flex」。かなり魅力的なイヤホンとなっていると思います。Beats Flex については近いうちに購入するつもりなので、また改めてレビューしてみたいと思います。
ブラックとユズイエローの 2色については既に Apple Store で販売が始まっています(出荷は 10月21日から)。スモークグレイとフレイムブルーの 2色については、2021年初頭に発売されるとのことです。
早速購入してレビューしてみました。こちらもご覧頂ければ幸いです。
(2020.10.26)