今年の 4月末に発売された Apple謹製の忘れもの防止グッズ「AirTag」ですが、自転車に取り付けて万が一の盗難対策にも利用したいという方は多いのでは無いでしょうか。AirTag それ自体が携帯電話の SIM を搭載しているわけではないので連続的な位置の追跡こそ出来ませんが、 Bluetooth と「U1」チップの通信機能を備えているので、AirTag を付けた紛失物の近くをスマホを持った人が通ってくれさえすれば発見できる可能性があるのですよね。
「AirTag」自体については以下の記事でレビューしておりますので、合わせてお読み頂ければ幸いです。
「AirTag」は、iPhone にプリインストールされている「探す(Find My)」アプリを使って置き忘れたり紛失してしまったりした AirTag が取り付けられているもの(鍵や財布など)を、地図上で位置を確認したり音を鳴らせたりして見つけること便利グッズですが、AirTag自体は碁石のような形をしているのでそのままでは自転車に取り付ける事ができません。そこで今回は以下の様な自転車のサドル下のレールに取り付けることが出来るという製品を購入してみました。
Type-A ~ Type-D の 4つタイプが販売されていますが、今回購入したサドル下に取り付ける事が出来るのは「Type-A」のものです。私のクロスバイクにはリアキャリアを取り付けているので、「Type-B」の製品も気になったのですが、取付ねじの位置の間隔が分からなかったので止めておきました。リフレクターとセットというのも便利そうだったのですけどね。3Dプリンターがあればこの程度のものであればちゃちゃっと作れそうなのですが、持っていないので仕方ありません。
届いたのは AirTag のケースとタイラップ 2本だけです。取付説明書なんて気の利いたものは入っていませんでした。商品説明の画像を見て取り付けろということでしょうね。まあ見ればわかりますが。
AirTag の仕込みは簡単。ケースに入れて蓋をねじ込むだけです。
後はこんな感じにサドル下のレールに付属のタイラップを使って取り付け、余分な部分を切ればOKです。ただこれ、電池交換の時はタイラップを一旦切らないと駄目かも知れませんね。指先を入れてなんとか蓋を開けれなくは無いかも知れませんが、タイラップなんて安いものですし風化して脆くなる可能性もあるので素直に取り替えてしまった方が良さそうです。
下から覗き込まない限り、ぱっと見横から見たくらいでは AirTag が取り付けられていることは分からないと思います。サドルバッグを取り付ければ更に分かりにくくなるでしょう。自転車のサドルだけ抜き取るなんて非道ないたずらをする輩も居るようなので、そういった場合にも役に立ってくれるかも知れません。まあそんな目には遭いたくないものですけどね・・・。
AirTag には「ストーカー防止機能」があるのと、少し調べれば無効化する手段は分かるため、決して万能な防犯グッズというわけではありませんが、仕込んである事がバレさえしなければ万が一盗難に遭ってしまっても少しは発見の可能性を上げる事は出来るでしょう。実際海外では AirTag を仕込んでいた電動キックボードを追跡して警察官を説得し、無事取り戻したという例も出ているようです。
My scooter was stolen last week. Unknown to the thief, I hid two Airtags inside it. I was able to use the Apple Find My network and UWB direction finding to recover the scooter today. Here’s how it all went down:
— Dan Guido (@dguido) 2021年8月10日
この方は 2個の AirTag を仕込んでいたそうです(1個は囮として目立つ場所に装着)。クロスバイクでそこまでする必要はないかも知れませんが、ロードバイクでは 100万円近いものなんかに乗っておられる方もいらっしゃるようなので、そうした方にとっては AirTag 2個なんて安い物でしょう。
上記の方もおっしゃっていますが、AirTag はなるべく目立たないように取り付け、万が一盗難に遭ってしまったらできる限り早く行動し(AirTag のストーカー防止機能が作動する前に)、無事発見出来たとしても警察官の手を借りるようにした方がいいでしょうね。まあ最大の問題は警察官が動いてくれるかということなのですが・・・。少なくともどこかで乗り捨てられたりしていた場合は見つけることができるかも知れません。
自転車の盗難対策の基本はやはり丈夫な鍵。そして出来ればダブルロックと地球ロックです。そして特に夜間は人目の少ない場所は避けて駐輪すること。ですが、一旦盗まれてしまった自転車が手元に帰ってくる確率は相当低いらしいです。気休めにしかならないのかも知れませんが、AirTag とマウントの料金で少しは気の安らぎを得られるのであれば高い買い物では無いのではないのでしょうか。