さて、先日 TREK のクロスバイク「FX 3 Disc」の 2021年モデルを購入しました。新型コロナ禍での自転車人気の高まりと様々な要因による世界的なパーツ不足で、新たに自転車を買おうと思っても中々希望のモデルが入手出来ない状況が続いているようですが、訪れたお店でまさにドンピシャなサイズとカラーのバイクを手に入れられたことは幸運でした(事前に電話で取り置きはして頂いていましたが)。
「TREK FX 3 Disc(2021)」のレビュー自体は、今回購入させて頂いた明石にある「ジーンバイクス 神戸西」さんの紹介と共に以下の記事にて行っておりますので、併せてお読み頂ければ幸いです。
さて、スポーツバイクを買ったらバイク本体以外にも追加で必要になるものがいくつかあります。クロスバイクの場合はだいたいペダルは付属しているはずですが、ロードバイクの場合はこちらも別途用意するのが普通なようですね。後々交換したくなってくるでしょうから、それはそれで合理的な気もします。
初めてスポーツバイクを購入する場合は、だいたいバイク本体の価格以外にプラスで 2~3万円程度は最低限のアクセサリー購入費として予算を組んでおいた方がいいんじゃないでしょうか。今回は取りあえず必要になりそうなものについてご紹介してみたいと思います。
■ TREK FX 3 Disc と一緒にお店で買ったもの
納車前にバイク本体と一緒に買ったアクセサリーは工賃無料で取付までしてくれるお店が多いようです。今回は絶対必要になるであろうキックスタンドと、将来荷物を積んで出掛けられるようにとリアラックを買って取付まで行って頂くことにしました。
キックスタンド
ロードバイクやクロスバイクなどといったスポーツバイクには、購入時の状態ではキックスタンドが付いていないことがほとんどのようです。ロードバイクの方はキックスタンドを取り付けないのが一般的なようですね。人目が気になるのと重量増に繋がる余計な物は付けたくないという事なのでしょう。特にカーボンフレームのバイクにスタンドを取り付けるのは基本的に NG です。一点に力が掛かったりするのは非常に良くないようですので・・・。
とは言え荷物を沢山積んで長距離旅行に出掛けたり、ポタリングしながら観光・食べ歩きをする場合なんかではやはりロードバイクであったとしてもスタンドはあった方が便利でしょう。実際ロードバイクに取り付ける事の出来るスタンドも売られているようですが、フレームの構造や材質などから物理的な相性で取付が出来ない場合もあるので、確かなショップに相談した方がいいでしょうね。
TREK FX 3 Disc の場合では、Bontrager Adjustable Integrated Rear Mount Kickstand という純正のオプション品が用意されています。取り付けた状態が右の写真。さすが純正品だけあって素晴らしい一体感!
しっかりしたスタンドですが、アルミ製で 330g 弱といったところです。税込 2,310円とリーズナブル。リアラック
将来的にパニアなどを取り付けてカメラを持ち歩きたいなと思っているのでリアラックも最初から装備しておくことにしました。市販品でも構わないのですが、価格差があまりなかったのでこちらも純正品をチョイス。TREK のオプションパーツは ” Bontrager ” ブランドで販売されています。
今回購入した Bontrager BackRack Deluxe MIK を取り付けて頂いた状態が右の写真です。
こちらもアルミ製ですが耐荷重 25kg の頑丈さのトレードオフとして 650g と少し重量があります。「MIK」という対応したバッグと一緒に使う事で簡単にバッグをバイクに固定出来るシステムが採用されています。後部にはテールライトも取り付け可能。税込 6,600円。鍵
自転車の盗難は非常に多いようなので鍵は必須アイテムなのですが、残念ながら破壊時に出る音の大きさと切断に掛かる時間さえ気にしなければボルトカッターやグラインダーなどの大がかりな道具を使って壊せない自転車用の鍵というのは存在しないようです。
とは言え、なるべく人気の無い場所に自転車を長時間置かないよう注意し、窃盗犯に盗み出すのに時間が掛かったり面倒くさそうだと思わせる鍵を付けておけばリスクを下げることは可能です。
ワイヤーロックはやめておいた方が良さそうです。ワイヤーカッターで簡単に切断されてしまうとのこと。丈夫な鍵で「地球ロック」と呼ばれる、地上の固定物(柵など)と自転車をくくりつける方法を取っておけば少なくとも鍵を破壊されない限り、鍵の付いたままの自転車をトラックに積み込んで持ち去り、後でゆっくり料理されるのを防ぐ事が出来ます。但し、「地球ロック」を行う場所にはご注意を!電柱やガードレールなどは違法になってしまいます。
「地球ロック」を行うためには、鍵にある程度の長さが必要となります。最低でも 85cm 程度、出来れば 110cm 程あった方が良いでしょう。丈夫な鍵はどうしても高価で重くなりがちです。自転車価格とのバランスを見ながら選ぶのが良いでしょう。
今回私が購入したのが下の ABUS の 5805K というチェーンロックです。5mm の角形チェーンで出来ていて、そこそこ頑丈に出来ていますが、これ 1本だけで重量が 750g もあります。どうやって持ち運ぶのかが問題ですが、サドルバッグなどに入れておくのが一番いいんじゃないかと思います。
- チェーンオイル
チェーンのオイルが切れたまま使い続けると、摩擦抵抗が増してエネルギーロスが増え、ギアやチェーンの寿命も縮めてしまうので定期的な注油は必須のメンテナンス。
チェーンオイルには大きく分けて「ウェット」と「ドライ」の 2タイプが存在しています。「ウェット」タイプはオイルが雨や潮風に強く長持ちしますが、ドロやゴミが付着しやすく汚れやすいのが欠点です。一方、「ドライ」タイプは粘度が低く汚れにくいですが揮発しやすく(長距離走行時に切れてしまう)雨にも弱いという欠点があります。ドライタイプの方が抵抗は少ないので、レースなどに参加する方はこちらを好むそうです。
今回はウェットタイプを購入しましたが、確かにかなり汚れが付きやすいですね。私の場合は室内で保管しますし、そもそもクロスバイクなので一度に数百キロ走ると言うことはあまり無いかと思うので、ドライタイプにしておき、遠出をする際には念のため小容量のオイルも持っていくという方が良かったかも知れません。今ある分を使い切ったらまた改めて考えようと思います。
■ 他に用意したもの
ショップでバイクと一緒に買ったものの他にも Amazon や楽天などで色々と買い揃えました。いやはや結構色んな物が必要になるものですね。
- ヘルメット
所謂 ” ママチャリ ” では車体重量もあってあまりスピードが出せないのでまあ付けなくてもいいのかも知れませんが、スポーツバイクとなってくるとスピードも出ますし車道通行が原則なので、転倒や事故に備えてヘルメットの着用はほぼ必須です。現在のところ道路交通法上で大人の着用義務は無いようですが、条例などで努力義務としてヘルメット着用に関する規定を設けるところも増えて来ているようです。
ヘルメットも一般に価格が上がるほど頭部の保護機能が高くなっているようですが、予算だけを気にするのでは無く、頭の形へのフィット感も考慮しましょう。欧米人と日本人では頭の形がだいぶ違うそうなので、海外メーカーのヘルメットが欲しい場合は特に「アジアンフィット」と呼ばれるアジア系の頭の形に合わせて作られたモデルを選ぶのが良いようです。
ヘルメットもシューズなどと同様、実際に店頭で試着してみるのが一番ですが、特に通販で買う場合は Amazon など比較的返品・交換のし易いところで買うのも一手です。私は下の「OGK KABUTO REZZA-2」というヘルメットを購入しました。こちらについては近いうちにもう少しきちんとレビューしてみたいと思います。
- ベル
自転車には警音器(ベル)を装着しなければなりません。これは、道路交通法と都道府県の細則で既定されており、違反した場合は罰金が科されることもあります。また、何か事故に遭った際にベルを付けていなかった事で不利な立場になる可能性があります。少しでも軽くしたい、余計な物は付けたくないというのも分かりますが、ベルに関してはきちんと取り付けておきましょう。
幸い非常に軽量でデザインも良いものも販売されています。私は「Oi CLASSIC BELL」という製品を取り付けました。格安のベルに比べるとやや高いのと耐久性に不安な点はありますが、何より「ベル!」という感じがしないのが良いです。かなり売れている様子。
取り付けた感じは右の写真の様になります。どうですか?違和感ないでしょう?取付も非常に簡単です。
- 前照灯(フロントライト)
自転車で夜間に走行する場合は前照灯の点灯が道路交通法で定められた義務です。夜間の無灯火走行は違法行為となり罰金が科せられることがあります。注意だけで済む事もあるかも知れませんが、何度も繰り返したりして悪質と判断された場合は「自転車運転者講習」の受講が義務づけられ、従わない場合は 5万円以下の罰金が科せられます。もちろん事故などの際にも不利な状況に立たされます。
自転車用ライトも様々な製品が販売されていますが、今でしたらやはり充電式のものが便利でしょう。明るさは最低でも 400ルーメン以上は必要かと思います。私は以下の「CAT EYE VOLT400」という製品を取り付けてみました。バッテリーがカートリッジ式になっていて簡単に予備バッテリーとも取り替えられるのがポイントです。こちらについても後日改めてレビューしてみたいと思います。
尾灯(テールライト)
尾灯の点灯は義務とまではされていません。代わりにリフレクター(反射板)が装着されていれば法律上は問題ありません(どちらかは必要です)。ですが、事故の防止には自身の存在をアピールすることが重要なので、特に夜間は尾灯も点灯させておいた方が良いでしょう。
こちらも充電式のものが便利です。自動点灯機能を持ったものなど様々な製品が販売されていますが、今回は下記の防犯ブザー機能を併せ持った製品を取り付けてみました。こちらも後日改めてレビューしてみたいと思います。
空気入れ(フロアポンプ)
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクのタイヤは非常に空気圧が高いため、放っておくだけでもすぐに空気圧が下がってしまいます。低い空気圧のまま走行し続けてしまうとちょっとした段差などでタイヤチューブが段差の角とホイールに挟まれてしまい、所謂「リム打ち」という状態になってパンクの原因となります。「スネークバイト」という呼び方もされるようでですね。
空気圧を適正に保っておくだけでパンクのリスクはかなり減らせますので、少なくとも週に 1度は確認するようにした方が良いでしょう。ということで、空気圧ゲージの付いたフロアポンプは必須です。米式・仏式両対応のポンプが売られているので、そうしたものを購入しておくのが良いでしょう。今回は Panaracer のアルミ製フロアポンプを購入してみました。
- ボトルケージ
適切な水分補給は不可欠!ドリンクボトルをバイクに取り付けて持ち運ぶことのできる「ボトルケージ」も必須アイテムの一つです。ということで、「TOPEAK (トピーク)」というメーカーの「モジュラーケージ 2」という製品を FX 3 Disc の納車時に持参しました。乗って帰るにしても暑いですからね。坂もあるので無補給では死んでしまいます(笑)。
こちらのボトルケージ、下部にあるボタンを押すと簡単にサイズの調節をすることが出来ます。コンビニで 500㎖ のペットボトルを買って挿しておく際に調節しておくとガタガタ音がしなくなるので、なかなか良い製品ではないかと思います。但し、700㎖クラスのちょっと太めのボトルを使う場合はかなりキツくなるので、取り出す際に破損させないよう注意が必要になるかも知れません。
ボトルケージについてはやはりもう 1本付けておいた方
が良さそうだったので、フリマで安かった Bontrager
の「XXX Water Bottle Cage」という純正カーボンボト
ルケージも購入してみました。旧モデルの並行輸入品
ということでしたが、なんと僅か 19g !こちらは 700
㎖クラスのボトルも問題無く抜き差し出来ます。フリ
マやオークションでちょくちょく見かけるので、興味
のある方は覗いてみて下さい。
携帯ツール
簡単なトラブルなら取りあえず走行可能な状態に戻せるように携帯マルチツールも持っていた方がいいと思います。今回はフリマで「Bontrager Comp Multi-Tool」を入手してみました。六角レンチやドライバーなど 10種の機能を持っています。新品・定価での出品でしたがクーポンが出ていたおかげで安く入手する事ができました。今はこういう買い方もアリですね。2本目の鍵
納車時に合わせて購入した ABUS の 5805K というチェーンロックは長さが 110cm あるので地球ロックも問題なく出来るのですが、中には前輪だけ外して持ち去るなんていう輩もいる様子。買い物などで長時間自転車の側を離れる場合などに不安もあるので、もう一つ小型の U字ロックも買っておくことにしました。種類の違う鍵でダブルロックにしておくと防犯性能もかなり高くなるそうです。
お手頃価格で評判も上々だった Panasonic の「SAJ080」という U字ロックを購入。鍵本体の重さは 350g ほど。ABUS のチェーンロックと合わせて鍵だけで 1.1kg ですか・・・。まあ安全のためですから仕方ありませんね。私は Amazon で購入したのですが、タイミングが悪かったらしく納期が 1ヶ月ほどかかってしまいました。長時間バイクから離れる場合はこちらの U字ロックで後輪と車体とロックし、ABUS のチェーンロックで前輪と車体を地球ロックという形で行こうと思います。
■ 以前から使っていたもの
以前からランニング用に使っていたものの中にもそのままサイクリングでも使えそうなものがいくつかありました。もちろんこれらも活用していきます。
スマートウォッチ
ランニング時に走行経路やペース、心拍数などのデータを取得するのに愛用している「Garmin ForeAthlete 645」にはバイク用の機能も用意されているのでこのまま使っていくことにしました。購入からそろそろ 3年を迎えますが、電池の保ちもまだまだ大丈夫そうです。少し古いですが下記でレビューしていますのでよろしければそちらもご覧頂ければと思います。
いずれはナビゲーション付きのサイクルコンピューターも欲しくなりそうですが安くは無いですからね・・・。スマートウォッチでも走行経路などのデータは記録できるので当面はこのままで。ウエストボトルケージ
以前からランニング時に手放せない存在となっている mont-bell のウエストボトルケージです。こちらにもボトルを挿しておくことが出来ますし、スマホやカード類、家の鍵などを収納しておけるので、サイクリングに使うのもなかなか便利です。ランニング時には腰痛も防いでくれるのですよね。
こちらは購入から 4年ほどになるのでかなりくたびれてきました。そろそろ買い替え時が近いかも知れません。気に入ってはいるのですが mont-bell の直営ストア以外のオンラインショップでは今は取扱が無いようなのですよね・・・。700㎖ のボトルも付いてくるので結構お得だったりもします。
サングラス
スポーツバイクで走行していると結構スピードが出るものですが、特に川の近くなどを走っていると小さな虫などが顔に当たってくることがよくあると思います。走行中に目に虫が入ってしまったりすると危険ですし、偏光レンズなど、より路面状況が把握しやすくなるレンズを使っているサングラスもあるので、こちらもほぼ必需品と言って良いでしょう。
Oakley の製品は非常に魅力的ですがなにせ高い!ということで、ランニング時共々先日クラファンで入手した ellese のサングラスを活用していくことにします。フィット感が良く、マスクをしていても曇りにくいのでなかなか重宝しています。こちらのモデルは市販も予定しているとのこと。
マスク
残念ながら新型コロナとはまだまだ長い付き合いになりそうです。ランニング時と同様、果たして自転車に乗るときにマスクが必要かどうかについては議論があることは承知しています。特に夏場は熱中症との兼ね合いもありますしね。ですが、コンビニなどに立ち寄る際はやはり必要になりますし、自分が罹るかどうかということより他人に不快な思いはして欲しくないので、少なくとも私は出来るだけ着けておくことにしました(人気の無い山道などではさすがに不要だと思いますが)。
とは言え運動に不織布マスクは明らかに不向きです。私の場合は以前からランニング時に使っている「ASICS ランナーズフェイスカバー」というマスクを着けておくことにしました。定価が税込みで 4,180円とかなり高いですが最近は少し安く買えるようになってきているようですし、何よりランニング用として開発されただけあってサイクリング中に着けていても非常に呼吸が楽です。下記の記事でレビューしていますので興味のある方はご覧頂ければと思います。
サドルバッグ
サドルバッグもほぼ必須アイテムと言って良いのではないでしょうか。パンク修理キットを入れておいたり財布やスマホを入れておいたりと、やはりあると非常に便利なものだと思います。
たまたまかなり前の mont-bell の新春福袋に入っていたサドルバッグをずっと使わずにしまいっぱなしだったものが家にあったので取り付けてみました。色が合うかなと思っていましたが案外悪く無さそうです。
こちらには上手い具合に ABUS のチェーンロックと Panasonic の U字ロックを収納することができました。どうやって持ち歩こうかと思っていただけにちょうどいい収納方法が見つかって良かったです。
■ 最後に
とまあ、クロスバイクを始めるのに必要になるものをざっとご紹介してみましたが、なんだかんだで結構物入りです。やはりバイク本体以外にも 2~3万円程度はアクセサリーの予算を考えて置いた方がいいでしょうね。リアキャリアなど人に拠っては不要な物もあるでしょうが、今後新たに乗り始めようか考えている方の参考にでもして頂ければ幸いです。ウェアは最初は「Tシャツにジーンズ」で良いでしょう。
今回御紹介したもの以外にも取りあえずパンク修理キットと携帯ポンプ、スペアチューブにサイクリング用のグローブあたりは早めに用意したいなと思います。もしもに備えて「AirTag」を取り付ける方法も何か考えてみたいですね。洗車道具なんかも買い揃えねば・・・。