令和 4年分の確定申告が始まっています。以前は e-tax を利用するにはパソコンと ICカードリーターの準備が必須でしたが、今は PC が無くてもマイナンバーカードとスマートフォンを使って申告することが出来るようになっているようです。PC の代わりにタブレットを使う事も出来るようですね。
確かに日本ではマイナンバーカードの読み取りに対応した NFC(Near Field Communication)リーダー機能を搭載したスマートフォンが、iPhone・Android機を問わず数多く流通しているので、これを利用しない手はありません。これだとわざわざ PC用のカードリーダーを買う必要がありませんから。
上記のページから申告書を作成したり e-tax による申告を行ったりすることが出来るのですが、現在 e-tax を使ってオンラインで確定申告を済ませる方法は以下の 3つのパターンから選ぶことが出来るようになっています。
確定申告書作成 | マイナンバーカード読取り |
PC・タブレット | ICカードリーダライタ |
PC・タブレット | スマートフォン |
スマートフォン | スマートフォン |
マイナンバーカードの読み取りに対応した ICカードリーダライタについては「こちら」、スマートフォンの機種については「こちら(NFC)」または「こちら(Bluetooth)」より PDF でご確認願います。iPhone については「iOS 14 以上を搭載した iPhone 7 以降の機種」と分かりやすい条件ですね。
また、まだマイナンバーカードを取得していない方のために暫定的に ID とパスワードを使って e-tax を利用することも出来るようです。そもそも e-tax で提出したくないという方は作成した確定申告書を印刷して郵送することも出来ますが、まあ信用出来ないという方も居られるのでしょうね・・・。
スマートフォンだけでも確定申告を完結させることは出来るのですが、スマホの小さな画面でポチポチするよりは PC で入力した方が楽なのは確かじゃないかと思います。ICカードリーダライタを使って PC から e-tax で確定申告を行う方法 については以前からずっとやっているので、今回は 申告書は PC で作成し、PC とスマートフォンをペアリングしてマイナンバーカードによる電子署名を行う方法を試してみることにします。
■ 推奨環境
e-tax の「確定申告書等作成コーナー」を利用するためには、以下の中からいずれかの環境を満たした端末を使用する必要があります。
スマートフォンを使う場合
OS | バージョン | ブラウザ | PDF 閲覧 |
Android | 10.0、11.0、12.0、12L、13.0 | Google Chrome | Adobe Acrobat Reader DC |
iOS | 14.8、15.7、16.1 | safari | safari PDF Reader |
iPad OS | 14.8、15.7、16.1 | safari | safari PDF Reader |
PC を使う場合
OS | バージョン | ブラウザ | PDF 閲覧 |
Windows | 10、11 | Microsoft Edge、Google Chrome | Adobe Acrobat Reader DC |
macOS | 10.15、11.0、12.0、13.0 | safari | Adobe Acrobat Reader DC |
源泉徴収票や生命保険料控除証明書など、申告書の作成に必要な書類も併せて準備しておきましょう。ちなみに iPad には NFCリーダライタ機能は搭載されていませんので、PC と同様にスマートフォンと組み合わせて使う必要があります。
■ スマホを ICカードリーダライタとして使って PC から e-tax を行う手順
Windows PC と ICカードリーダライタの組合せで e-tax を利用する際は事前準備が必要になります。手順は昨年とそれほど変わっていないはずなので、以下の記事も参照頂ければ幸いです。
今回は手持ちの iPhone 13 mini を PC とペアリングさせて ICカードリーダライタの代わりとして使います。事前準備はスマートフォンに「マイナポータル」アプリをインストールしておくことくらいです。「マイナポイント」の申請を行っていた方は既にインストール済みでしょう。
準備が出来たら確定申告書を作成します。
上記画像か「こちら」から国税庁の「確定申告書等作成コーナー」へアクセスして下さい。
「作成開始」を選ぶと Webブラウザの別ウインドウが開くので、そちらで作業していきます。
税務署への提出方法で「スマートフォンを利用して e-Tax」を選択します。
作成する申告書等を選択します。
「マイナポータル」と連携して申告書等を作成するかどうかを選択します。連携させておくと、マイナポータル経由で医療費やふるさと納税等の控除証明書など、必要書類のデータの一部が自動入力されるようになります(控除証明書等の発行主体がマイナポータルに対応している事が必要)。
「事前設定を行う」ボタンをクリックすると概要と設定方法の書かれたページが別ウインドウで開くので、最下部の「マイナポータル連携の事前設定を行う(マイナポータルへ)」と書かれたボタンをクリックして下さい。
続いて推奨環境の確認と、「マイナポータル」アプリのインストールを促す画面が表示されます。まだインストールしていない場合は表示される QRコードをスマホでスキャンしてインストールを行って下さい。既にインストール済みの場合はそのまま「利用規約に同意して次へ」をクリックします。
マイナポータルへ移動して、マイナンバーカードによる認証が行われるので、指示に従って操作します。「QRコードでログイン」をクリックすると以下の様に QRコードが表示されます。
スマホ側で「マイナポータル」アプリを立ち上げて QRコード読み取り操作を行います。
「マイナポータル」アプリでの操作は以下のようになります。
① 「マイナポータル」アプリの右下に表示される「読み取る」ボタンをタップ
② 「QRコード読取」を選択
③ PCの画面に表示されている QRコードをスマホのカメラで読み取る
④ 「利用者証明用電子証明書(数字 4桁)」のパスワードを入力
⑤ 「読み取り開始」をタップしてマイナンバーカードを読み取る
マイナンバーカードの読み取りに成功すると、PC の方が上記のような画面に切り替わっているはずです。「次へ」を押下して確定申告書等作成コーナーに戻って下さい。過去に e-Tax を利用したことがあれば登録されている情報が表示されます。確認して「次へ進む」をクリックし、指示に従いながら確定申告書を作成し、提出して下さい。
マイナンバーカードの読み取りは、このログイン操作時の 1回だけで済みました。以前は何度かマイナンバーカードによる認証が必要で、最後には「署名用電子証明書暗証番号(半角英数字 6~16文字)」を入力して電子署名を行って提出する必要があったのですが、これすら必要無くなっていました。
楽になったとは言え、マイナンバーカードの「利用者証明用電子証明書(数字 4桁)」パスワード入力は、3回連続して間違うと不正操作防止のため即ロックされてしまいます。こうなってしまうと、役所に行ってパスワードの再設定手続きを行うほかありません。実は私も過去にやらかしてしまいました。再設定手続きについては以下の記事で流れを書いていますので、万が一の場合にはご参照下さい。
実際に試してみて、スマホを ICカードリーダライタとして使う事が出来るようになったおかげで、これまで PC と別途用意した ICカードリーダライタを使って e-Tax を行っていたのが馬鹿らしくなるほど簡便になっています。ソフトウェアの更新が必要だとしてもスマホだと自動アップデート機能があったり、せいぜいタップ数回で済みますからね。
もう別売りの ICカードリーダライタを持つ意味は、Windows PC で楽天Edy が使えるということくらいになってしまったかも知れません。そもそも Windows の 楽天Edy Viewer は Microsoft Edge の「Internet Explorer」モードでしか動かない ので、これもいつまで使えるか分かりませんが・・・。