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『小惑星探査機「はやぶさ2」帰還カプセル特別展示 in 明石』へ行ってきました

数日前のことになりますが、小惑星探査機「はやぶさ 2」の帰還カプセルの特別展示を観に明石市立天文科学館へ行ってきました。こんな時期なので行くべきか行かざるべきか最後まで迷ったのですが、2回目のワクチン接種を受けてからまだそれほど日が経っていない事と、予約状況を見る限り土日以外はかなり空いている状況だったので、思い切って行ってきたという次第です。滅多に無い機会ですからね・・・。

訪れた日は雨こそ降りませんでしたが、あいにくのどんよりとした曇り空。奥にある時計塔は「日本標準時(Japan Standard Time:JST)」の基準となる、東経 135度の子午線(天文経度)がちょうど通るところに設置されています。

明石市立天文科学館

明石市立天文科学館がオープンしたのは1960年(昭和 35年)6月 10日。2020年には開館 60周年を迎えています。1995年の阪神淡路大震災では震源が近かったこの天文科学館でも時計塔に大きな亀裂が入ったり、塔頂に設置されていた天体望遠鏡が倒壊したりと甚大な被害を受け、3年 2ヶ月に及ぶ休館を余儀なくされましたが、プラネタリウム設備だけは被災を免れ、その後も「長寿日本一のプラネタリウム」としての記録を更新し続けています。現役の投影機としては世界でも 5番目に古いものなのだそうですよ。

明石市立天文科学館の場所は以下の地図の通り。電車で行く場合は「山陽電鉄本線 高砂行き」に乗り、「人丸前」駅で降りるのが一番楽です。駅を出たら北に 5分ほど歩けば到着します。JR なら「明石」駅が最寄り駅になりますが、東に向かって 15分ほど歩くことになります。約 90台分の駐車場もあり。駐車料金は最初の 2時間までが 200円(以降 1時間毎に +100円)と破格です。


観覧チケットも格安です。まず大人の一般観覧料が僅か 700円!そして高校生以下は無料、65歳以上の明石市民も無料(明石市民以外は半額)である事に加えて JAFカード保持者やイオンのクレジットカード保持者などは 2割引で入館することができます。もっと驚いたのが、年間パスポートがたったの 2,000円(高齢者や障害者は半額)なのですよね。今は通いにくい状況だと思いますが、ここのプラネタリウムが好きな方とっては嬉しいでしょうね(プラネタリウム視聴に追加料金は掛かりません)。

この辺りはサイクリングでよく走っているので今回も FX 3 Disc を駆って行ったのですが、ちょっと移動に必要な時間を見誤ってしまい、展示の予約を入れていた時間ギリギリの到着となりました。

特大パネル

入り口横では特大パネルがお出迎え。記念写真を撮れるようにとの配慮で設置されているようです。この「はやぶさ 2 帰還カプセル」の特別展示は全国各地を回っているらしく、明石市立天文科学館ではたった 5日間の会期となっていました。1月末からは福岡で展示されるそうです。

フェンス 明石市立天文科学館はちょっと小高くなった場所に建てられているので、パネルの反対側には転落防止用のフェンスが設置されています。このフェンスは、丸い時計塔をぐるっと取り囲むように設置されているのですが、どうですか、この書き込みのまた精緻なこと!天文科学館周辺の明石の街並みや、明石海峡を挟んだ対岸の淡路島の様子などがイラストで楽しく紹介されていました。

■ まずは「はやぶさ 2」帰還カプセルの展示を観に

展示室 入り口で検温を済ませ、受付でチケットを購入して急いで 3階に設けられていた特別展示室へ。一応予約時間には間に合ったのですが、既に事前の説明が始まってしまっていました。どうやら予約時間の 10分ほど前から事前説明が行われ、予約時間に特別展示室入室という流れになっていたようです。ところが、かなり空席があるとのことで係の方が次の回にずらしてくださることに。ありがたや🙏。改めて予約していた名前を伝えていざ見学開始!
肝心の「はやぶさ 2」帰還カプセルですが、残念ながら撮影禁止だったため写真はありません\(__ )。事前説明の行われた部屋は撮影OKとのことでしたので、壁面に展示されていたボイジャーや、国際宇宙ステーションの模型などを撮らせて頂きました。以前こちらの天文科学館で公演が行われたという、宇宙飛行士の毛利衛さんのサインなんかも展示されていましたよ。

資料 「Play Back HAYABUSA 2」という資料を手に「はやぶさ 2」の打ち上げから地球帰還までの道程を解説して頂いた後、いよいよ特別展示室へ。特別展示室には、オーストラリアのウーメラ砂漠で回収されてきた実物の「はやぶさ 2」の「インスツルメントモジュール」「搭載電子機器」「背面ヒートシールド」とレプリカの「前面ヒートシールド」が展示されていました。「前面ヒートシールド」の実物は今も解析が続けられているのだそうです。
他にも小惑星「りゅうぐう」と組成が同じという炭素質の隕石や、サンプル採取時に着陸地点の目印として使われた「ターゲットマーカー」に使われたのと同じ反射フィルムなども観ることが出来ました。あ、別途 1階に展示されていたカプセル帰還時に使用されたパラシュートももちろん拝見してきましたよ。

大気圏再突入時の約 3,000℃ という高温に耐えたヒートシールドももちろん凄いのですが、何より驚いたのが搭載されていた電子機器群。思っていたのより遥かに複雑で細かな配線で繋がれていました。振動や宇宙線といった過酷な条件の中、打ち上げから帰還まで約 6年にも及ぶ長旅によくぞ耐えてくれたものだと感心することしきり。まだどこの国も実現させていなかった、宇宙の小惑星からサンプルを持って帰ってくると言う壮大な計画は正に ” 偉業 ” と言うしかありません。

土日はほぼ満席だったようですが、私の行った最終日は前日の 17時に予約が締め切られた段階で 1日辺りの定員 780名に対して 25%ほどしか予約が入っていなかったそうです。新型コロナの感染を懸念して観覧を取りやめた方も多かったのでしょう。カプセルの帰還から時間が経っていることもあるとは言え、本来であれば大盛況であったろうにと思うと、なんとも残念ですね・・・。


■ そして ” イエナさん ” に逢いに

「はやぶさ 2」の帰還カプセル展示を堪能した後は第2 の目的である ” イエナさん ” に逢いにプラネタリウムへ。プラネタリウムを観たのは一体何年ぶりでしょうか。初めて観に行ったのは小学校のイベントか何かだったかと思いますが、中学生の頃に一時期ド嵌まりしていた時期があって、友人と毎週のようにバスと電車を乗り継いで観に行っていたことを覚えています。

” イエナさん ” というのはこの子(?)のことです。カールツァイス・イエナ社製の大型プラネタリウム投影機のことですね。どうですか!この威容!今にも歩き出しそうな気すらしてしまいます(笑)。

”イエナ”さん

なぜ ” イエナさん ” なのかというと、もちろん製造メーカーの「カールツァイス・イエナ」から採られているのですが、「planetarian(プラネタリアン)」というアニメ作品の劇中で正にこのプラネタリウム投影機が ” イエナさん ” として登場しているのですよね。実際に取材協力もされているのだとか。

planetarian色紙 ということで、プラネタリウムの入り口にはメインキャラクターだった ” ほしの ゆめみ ” ちゃんの記念色紙が飾られていました。

世界規模の大戦で使用された細菌兵器の影響で放棄され、人の居なくなった都市でお客さんをずっと待ち続けていたプラネタリウム解説担当のコンパニオンロボットという設定のキャラクターです。
「プラネタリウムはいかがでしょう。 どんな時も決して消えることのない、美しい無窮のきらめき・・・。満天の星々がみなさまをお待ちしています」と、誰も訪れることの無くなったデパートでプラネタリウムの呼び込みを行っていたロボットの少女と、貴重資源探索中の戦闘機械による襲撃から逃れるために偶然迷いこんで来た ” 屑屋 ” が出会ったことから始まる、とても切ないアニメーションです。


アニメはさておき、この「カールツァイス・イエナ」社製のプラネタリウム投影機、非常に貴重なマシンなのです。まず製造が「東ドイツ製」!カール・ツァイス社自体は 1846年に顕微鏡メーカーとして操業したのですが、第二次世界大戦後の東西ドイツ分断の影響で西側所属が「カール・ツァイス・オプトン」東側所属が「カール・ツァイス・イエナ」と分かれてしまいました。1989年のドイツ再統一の後、両者は再び統合されて「カール・ツァイス」となりましたが、この明石市立天文科学館に設置されたプラネタリウム投影機は東ドイツの「カール・ツァイス・イエナ」社で製造されたものだったのですね。

メンテナンスやオーバーホールのために時折小休止を挟みこそしたものの、明石市立天文科学館の開館以来、実に 60年以上に渡って稼働を続けています。2010年頃には老朽化と部品調達が難しくなってきたことなどから機種変更が計画された時期もあったようですがその後も稼働を続け、2012年8月29日には、開館日よりの稼働日数が 19,074日を迎えて「長寿日本一のプラネタリウム」となりました。2015年3月13日には稼働日数 20,000日、2021年4月12日には 22,222日を突破、それ以降も日々長寿記録更新中です。

明石市立天文科学館のプラネタリウム投影機は、数百枚のレンズ、200枚近くの歯車、90個のランプが組み込まれた、当時のカール・ツァイス・イエナ社の技術の粋が投入されたもので、約9,000個の恒星と太陽、月、5つの惑星、天の川、彗星、変光星、人工衛星などを投影することができるそうです。

いや、もう美しくてパシャパシャと色んな方向から写真を撮りまくってしまいましたよ(笑)。昔の人はほんとうに凄いですね。コンピューターも無い時代に手計算と歯車の精密加工技術で ” 室内で星を観る ” ためだけにこんなものを作り上げてしまうのですから。” イエナさん ” は美人!

イエナさん-1 イエナさん-2
イエナさん-3 イエナさん-4


プラネタリウム室の端には解説台と操作卓が設けられていて、来館者の属性(年齢層であったり番組の種類であったり)に合わせた臨機応変な解説を ” 肉声で ” 行ってくれます。新型コロナが始まる前は、プラネタリウムとアンサンブルの生演奏を組み合わせた「星と音楽のプラネタリウム」や、熟練解説員の方が来館者を快眠へ誘う「熟睡プラ寝たリウム」などのイベントも行われていたようです。こうしたイベントが早く再開できる状況になるといいですね・・・。

2022年の2月~3月の間にドイツからカール・ツァイス社の技師を招聘してプラネタリウム施設を部分休館とし、プラネタリウム投影機のオーバーホールが実施される予定でしたが、新型コロナ再拡大の影響から入国できなくなってしまったそうで、オーバーホールは再延期(元々 2021年に予定されていた)となってしまったそうです。古い機械ですからね。早くスケジュールの目処が立ってくれる事を祈ります。

日蝕・月蝕投影機 月投影機


エントランスには以前のオーバーホールで取り外されたパーツが展示されていました。こういった精緻なパーツを観ていると浪漫を感じてしまいます。機能的なものは美しいんですよ、やはり。

プラネタリウムを観たのは随分久しぶりでしたが、やはり心地よい解説の方の語り声、満天の星、美しい旋律の BGM の組合せは珠玉ですね。とてもリラックスした時間を過ごさせて頂くことが出来ました。

■ 14階の展望台へ

らせん階段 明石市立天文科学館の時計塔 16階には天体観測室があり、口径 40cm の反射望遠鏡などが設置されているのですが、基本的には天体観望会のある日でないと入ることは出来ません。

ですが、13階と 14階の展望室へは開館日なら自由に上がることが出来ます。時計塔の中央に設置されているエレベーターでももちろん上がることが出来ますが、何人か待ってらっしゃる方が居たのと、こんな時期なので、運動も兼ねてエレベーターの周りに設置されているらせん階段を上がってみることにしました。
天気がね・・・。晴れていたらもっと良かったんですが、まあこればかりは仕方ありません。夜景も綺麗なんだろうと思いますが、明石市立天文科学館の開館時間は基本的に 17時まで。「ナイトミュージアム」などの特別なイベントでしか夜景を楽しむことは出来ません。残念!

明石海峡大橋方面 明石海峡


14階では「2022年 全国カレンダー展」が開催されていました。こちらのイベントも、なんともう 52年連続で開催されているそうですよ。宇宙に関するものだけでなく、動物や和風のイラストのものなど色々なカレンダーが展示されていました。

子午線儀 子午線儀-2


再び階段で 3階まで降り、他の展示物をいくつか拝見してから天文科学館を後にしました。そうそう、時計塔の 1階にはミュージアムショップがあるのですが、ショップと言うにはあまりにこじんまりしすぎて通り過ぎそうになってしまいました。あと、売店のお姉さんとの物理的な距離が近すぎてなんだか気まずかったです(笑)。オリジナルグッズ もあるのですが、種類も少ないのが残念ですね。スペースの問題があるのは分かりますが、もっと商売っ気を出してもいいんじゃないでしょうか。

また是非お伺いしたいと思います。大変有意義な時間を過ごさせて頂くことができました。” イエナさん ” には今後も末永く頑張ってもらいたいですね。