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ATOK 目当てで「一太郎 2021」に更新しました

先々月だったか、農林水産省が法案作成時にはマイクロソフトの Word を使うようにとの通達を省内に出したことから「一太郎禁止令ではないか?」などとちょっとした話題になったのは記憶に新しいところ。後に報道の仕方に問題があったことが分かったようですが、風評被害もいいところですね。ただまあ今はもうマイクロソフトがオフィスソフトの覇権を握ってしまっているので、一太郎の扱いに慣れていない、或いは触ったことすら無いという人が増えているのは事実でしょう。

私自身「一太郎」の方はほとんど触ることがないのですが、Just MyShop (一太郎開発元の直営オンラインショップです)のポイントを使っておかないと勿体なかった事もあり、「ATOK」という日本語入力システム目当てで「一太郎 2021」に更新しておくことにしました。今回機能追加されたスマホ・タブレット用アプリの「一太郎Pad」との連携がどの程度使えるのかということも気になっていましたしね。


■ 「ジャストシステム」について

「一太郎」開発元のジャストシステムは今でこそ本社を東京に移していますが徳島県発祥の会社で、現在は 4686 の証券コードで東証1部に上場しています。パソコンの普及と共に成長してきたとも言える会社で、「PC 98xx」シリーズなど国産パソコンが大盛況だった頃にはほとんどのパソコンに「一太郎」が搭載されていたんじゃないかと思います。

ところが、マイクロソフトが Windows とセットで販売した「Microsoft Office」には日本語ワープロソフトの「Word」や、日本語入力システムの「Microsoft IME」、強力な表計算ソフトの「Excel」が含まれていたことなどから徐々にシェアを落とし、一時は業績不振から債務超過に陥り、いつ破綻してもおかしくない状態にまで追い込まれてしまいました。

2009年にキーエンスによる資本注入を受けて傘下企業となり、創業者の浮川夫妻が身を引くなど大きな社内体制の変更が行われました。その後業績は急回復し、現在では業績・財務ともに非常に安定した優良企業となっています。

現在は毎年更新が続けられている「一太郎」シリーズの販売を初めとする個人向け製品、小中学校向けのクラウド学習パッケージ(なんと小学校向けでは 85% のシェアがあるそうです)や官公庁、医療機関向けソフトウェアパッケージの販売、直営オンラインショップの経営などで収益を得ているようです。

■ エディションの違いについて

さて、経営的には非常に安定したジャストシステムですが、正直利用者にとってはなかなかしょっぱい企業となってしまいました。というのも明らかに今流行の「サブスクリプション」モデルに移行したがっているようなのですよね。

日本語入力システムの「ATOK」も 2018年からとうとう単体のパッケージ販売が無くなってしまいました。ATOK だけを使いたいという場合(かなり居るんじゃ無いかと思うのですが)は「ATOK Passport」という月額課金または年額課金の契約が必要です。「ATOK Passport」には「プレミアム」と「ベーシック」の 2種が用意されており、「プレミアム」の契約をすればクラウド版電子辞典を 6種利用出来るのですが、サブスク嫌いなのですよね・・・。

プレミアムプラン(電子辞典 6種利用可能) 6,600円 / 年
550円 / 月
ベーシックプラン 330円 / 月

私の場合、正直言って毎年最新の ATOK を使う必要はなく、数年に 1度更新するくらいのペースで充分なのですが、Windows・Mac・Android(iOS は買切りの別料金アプリ)合わせて 10台 までインストールできるので、手持ちの機器が多く ATOK を最新の状態で使いたいという人にとってはそれ程高くは感じないのかも知れません。

ATOK 単体で使うにはサブスクモデルの契約をしなければなりませんが、「一太郎 2021」を購入すれば一応「ATOK for Windows 一太郎2021 Limited」という買い切り版扱いの ATOK を使う事が出来ます。こちらは電話サポートを受けることのできる回数が 3回までに制限され、発売から 3年後にはサポート打ち切りとなってしまいますが、これくらいのペースであれば私にとってはちょうど良さそうです。

「一太郎 2021」のバリエーションは以下の 2つ。


 一太郎 2021 プラチナ 

   一太郎 2021   
ダウンロード版価格(税込) 通常版 37,400円
バージョンアップ版 28,600円
通常版 17,600円
バージョンアップ版 6,600円
一太郎 2021
ATOK for Windows 一太郎 2021 Limited
新明解国語辞典 for ATOK
新明解類語辞典 for ATOK
花子 2021
詠太 11
その他 フォント 17書体、JUST PDF 4
JUST Calc 4、JUST Focus 4

以前からの一太郎ユーザーは「バージョンアップ版」を買えば費用を抑えることができるのはよいとして、「一太郎 2020」以降、以前はあった ATOK用の辞書や花子がセットになって一番お買い得感のあった「プレミアム版」が無くなってしまいました。更に「一太郎 2021」ではメールクライアントソフトの「Shuriken」まで削られてしまっています

今のところ Shuriken は「Shuriken 2018」が最終版となってしまっています。このままフェードアウトしてしまうのでしょうか?ジャストシステムの製品の中では ATOK の次に毎日使っているのでなんとか存続して欲しいところなのですが・・・。Shuriken に関してはせめて htmlメールエンジンを Chrome か Chroniumベースのものにだけは更新して欲しいのですよね。

■ 今回は直営オンラインショップで購入

ジャストシステムは「Just MyShop」 という直営オンラインショップを運営しています。実はこのショップ、たまに掘り出し物があったので過去に何度か利用していたのですが、期限の迫ったポイントがいくらか残っていたので今回はこちらで購入する事にしました。過去には下のようなものを購入しています。

「Just MyShop」には独自のポイントサービスがあるのですが、このポイント制度がなかなかの鬼畜仕様でして・・・。1度の購入で使う事の出来るポイントには会員ランク毎の制限があるのですよね。

  • ポイントの利用は 1,000 ポイント以上から 500 ポイント単位(ランク毎に上限あり)
      プラチナ:1,000 pt ~ 5,000 pt
      ゴールド:1,000 pt ~ 3,000 pt
      シルバー:1,000 pt ~ 1,500 pt
  • 会員ランクは過去 2年間の累計獲得ポイントによって変動
      プラチナ:3,500 pt 以上獲得、またはジャストシステム登録製品数 30製品以上
      ゴールド:1,500 pt 以上獲得、またはジャストシステム登録製品数 21~29製品
      シルバー:501 pt 以上獲得、またはジャストシステム登録製品数 10~20製品
  • ポイント有効期限は最後に加算された日から 2年間
  • 退会すると全てのポイントが消失

とまあ、ポイントを貯めても会員ランクが下がると使い切れない部分が出てくるという、なんとも嬉しくない仕様です。年に何度かは「ポイントクリアランスキャンペーン」として使用することの出来るポイント上限が増えるキャンペーンがあるようですが、そもそも不定期ですし、ポイントを使い切るということも事実上不可能でしょう。

ポイント制度については不満が大きいですが、会員割引でダウンロード版の価格から更に 5%~10% 引きで買えますし、まあ文句を言っていても仕方ありませんね。

尚、Just MyShop にクレジットカードを登録している場合は支払い方法がクレジットカードのみになります。楽天Edy やコンビニ払いなどは利用出来なくなる点、ご注意下さい。久しぶりだったので、なんで楽天Edy が支払い方法に出てこないのだろうとちょっと悩んでしまいました。

■ ダウンロードとインストール

購入完了後、数分程度で「Just MyShop 購入完了&ユーザー登録完了(ダウンロード製品)」というメールが送られてきます。このメールには「製品シリアルナンバー」と「オンライン登録キー」、ダウンロード先のアドレスが記載されているので保存しておいて下さい。

シリアルナンバーとオンライン登録キーは、Just MyShop の「MyPage」→「DL購入製品の再ダウンロード」からから再連絡(メールの再送)してもらう事もできます。ダウンロード可能回数は原則 10回までとなっているので、インストーラーはバックアップを取って保存しておいた方が良いでしょう。

一太郎2021 インストーラー 一太郎 2021 のライセンス 1つで「同時に使用しない」という条件の下で最大 3台までインストールする事ができます。デスクトップとノートPC というように使っている方も多いでしょうからこれは助かりますね。

バージョンアップ版の場合、インストール時にシリアルナンバーとオンライン登録キーの他に「User ID」が必要になります。

詳しいマニュアルは、インストール終了後 Windows のスタートボタンから「JustSystems ツール&ユーティリティ」→「JustSystems 製品マニュアル」で PDFファイルを参照する事が可能です。どうやら旧製品や花子・Shuriken などのマニュアルもここから呼び出せるようですね。また、

   C:\Program Files (x86)\JustSystems\ATOK32T31 に「ATOK32.PDF」が
   C:\Program Files (x86)\JustSystems\TARO31 に「ICHITARO.PDF」が

格納されているので、NAS などにコピーしておけば iPad などで見ることができて便利かと思います。

■ 「プレミアム版」の復活を望む

イミクル 今回一太郎2021 にバージョンアップさせたことで ATOK 2017 から ATOK 2021 へ更新されたわけですが、正直言って両者に体感できるほどの違いは分かりません。ですが、やはり私にとっては Microsoft IME より格段に使いやすく感じています。

入力途中や文章を読んでいて意味を調べたくなった時は調べたいテキストをマウスで反転させておいて「Ctrlキー」を 2回押すだけで ATOK に登録されている辞書を使って意味の確認をする事の出来る「イミクル」という機能などはブログやメールを書く際に非常に重宝しています。

ちなみに意図せず IME が切り替わってしまった場合は、「Windows + Space」キーを押下してみてください。選択メニューが表示されてすぐに任意の IME に戻すことが出来ます。

私の場合は日本語入力ソフトの「ATOK」と メールクライアントソフトの「Shuriken」はほぼ毎日使い、グラフィックソフトの「花子」をたま~にブログに貼る図形の作成に使うと言った使い方をしています。上でも書いていますが、特に「Shuriken」は現状 htmlメールの表示に問題があるものの、それ以外は非常に使いやすいソフトだと思います。

なので、一太郎の「プレミアム版」が私には打ってつけだったのですよね。ATOK には単語を入力して「End」キーを押せば登録済みの複数の辞書を参照できるという素晴らしい機能もあって重宝していたので、いくつかの辞書も同梱されているのが非常に魅力的でした。価格的にも通常版とスーパープレミアム版(私にとっては使わないソフトが多すぎる)の中間で買いやすかったのですよ。

ジャストシステムさんには「Shuriken」の改良版のリリースと「プレミアム版」一太郎の販売再開を望んで止みません。もし賛同して頂ける方が居られましたら「こちら」からジャストシステムさんに要望を送ってみて頂けないでしょうか。一番下の「ご意見・ご要望窓口」で良いと思います。私一人が送ったところでどうにもならないかも知れませんが、人数が増えてくれば考えて頂けるかも知れませんので。

一太郎2021 から採り入れられたスマホ・タブレット用アプリの「一太郎Pad」との連携については近いうちに別記事で取り上げてみたいと思います。