Microsoft は従前から Internet Explorer に代わる Webブラウザとして「Edge」を推奨していましたが、自社開発していたエンジンを捨てて「Chromium」をベースに新たに Edge を開発し直すとの発表があったのが 2018年の 12月。その後テストが重ねられ、今年の 1月16日から新しくなった「Microsoft Edge」のダウンロードができるようになっています。放っておいてもそのうち Windows Update で更新されるようになりますが、日本ではちょうど確定申告の時期に当たっており、「e-tax」での検証が十分でない事などから自動配信は 4月1日以降に延期となったそうです。
Windows Update 経由で自動配信される時期こそずれ込みましたが、任意で手動アップデートすることで一足早く試しておくことが可能です。上の画像のサイトから「DOWNLOAD」ボタンを押すとライセンス条項が表示されるので「同意してダウンロード」を押せば「MicrosoftEdgeSetup.exe(1.75MB)」が落ちてきます。但し、このファイルは本体のダウンローダーでしかないようですね。このファイルを実行すると改めて本体が落ちてくるようです。
尚、新しくなった Microsoft Edge は、Windows 10版以外にも Windows 8.1/8/7(7 は既にサポート終了となっていますが)、macOS、iOS(App Store)、Android(Google Play) 版が存在します。
Windows 版は、ファイルをダブルクリックすれば自動的に必要なファイルがダウンロードされてインストールされ、セットアップが完了すると自動的に立ち上がります。この時点で時既存の「Edge」はアイコンも含めて完全に新しい「Microsoft Edge」に完全に置き換わります。(Internet Explorer 11 は引き続き Windows のスタートメニューの「Windows アクセサリ」から使用することも可能)。ソフトウェアのバージョンは「79.0.309.71」となっていました。
インストール直後の初期設定で「タブカスタマイズ」として「インスピレーション」「情報」「フォーカス」の中から選ぶ事になりますが、後でいつでも変更出来るので深く考える必要はないです。以前の IE のスタートアップ画面と同じく時事ニュースが表示されるようにしたければ「情報」を選んでおけばよいでしょう(後からでも変更可能です)。
ちょっと触ってみた感じ、Chromium ベースということもあってか、かなり安定しているようですね。今のところ特にクラッシュなども起きていませんし、レスポンスも良好です。現在は「Vivaldi」をメインのWebブラウザとして使っているのですが、最近アップデートの度に動作がおかしくなって困っていたので、これなら Microsoft Edge に乗り換えてもいいかなと思える出来です。まあ原因がエンジンにある場合は同じような不具合が生じる可能性もありますが・・・。
流行(?)のダークモードへの変更も可能ですね。ブラウザ右上の「・・・」から「設定」→「外観」と進んで「テーマ」から「ライト」「ダーク」の切り替えができるようになっています。同じく「外観」の「ズーム」でブラウザの表示倍率指定が行えます。27inch 4Kディスプレイで使う場合であれば 125%程度が見易いかと思います。
■ キャッシュ・ダウンロード先の移動方法(Ver.79.0.309.71で確認)
Chromium ベースということならブラウザのキャッシュも他の同じエンジンを使っているブラウザと同じように出来るのではないかと思って試してみたところ、問題無く移動出来ることを確認しました。以下に RAM DISK などに移動させる方法を書いておきます。
・タスクバーにピン留めした「Microsoft Edge」アイコンを右クリック → さらに「Microsoft Edge」を右クリックして「Microsoft Edge のプロパティ」を選択 → 「ショートカット」タブのリンク先ファイルパス 「"C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\msedge.exe" --profile-directory=Default」に続けて 「 -disk-cache-dir="任意のディレクトリ"」を追加して適用 (例:「 -disk-cache-dir="R:\Cache\Edge"」で配下に「\Default\Cashe」が作られる) ・左上「・・・」から「設定」→「ダウンロード」でダウンロード先に任意のフォルダを指定
■ iPad 版
App Store から「Edge」で検索するか下のリンクから無料で入手することができます。
こちらも特に問題無く、ごく普通に利用できる印象でした。(勿論ブラウザ上で Apple Pay を使うには Safari を使わなければいけませんが。)「ダークモード」への切り替えもブラウザ右上の「・・・」から「設定」に進んで「テーマ」の所で切り替え可能です。
■ e-tax での利用について
頑なに Internet Explorer 以外での利用を認めてこなかった国税庁の確定申告システムですが、さすがに現在は Google Chrome や Firefox も利用できるようになっています。(但しこちらはマイナンバーカードによる認証はできず、IDとパスワードによる認証となりますが。)IE 11 に加えて 1月末から新しい「Microsoft Edge」を e-tax を使った確定申告に利用できるようになるはずだったのですが、検証作業が遅れてるのか今年の申告分には間に合いそうにないですね。
来年どうなるかは分かりませんが、今年の分の申告については IE 11 を使う事ができます。(ただし、IE 11 に深刻な脆弱性 (CVE-2020-0674) が見つかっていて現在修正パッチ準備中とのことなので少なくともそちらのリリースは待ってからの方がよいでしょう。)
e-tax への対応などまだ課題は残っていますが、OS標準のブラウザとしてストレスの無いものには仕上がっていると思います。わざわざ別のブラウザをインストールしたりしない人にとってはこれで十分という感じになりそうですね。すぐにある程度のシェアは上がってくるでしょう。
2020年5月25日付けで、Google Chrome と共に Microsoft Edge も e-Tax に対応したそうです。
Google Chrome 同様、「ブラウザ拡張機能」のインストールが必要になります。具体的な手順は変更がある可能性もありますので、詳しくは「e-Tax のページ」でご確認下さい。
(2020.10.9)