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ねんがんのパニアバッグを手にに入れたぞ

自転車とカメラって非常に相性が良いですよね。徒歩で散歩しながらカメラを持ってブラブラするのも良いですが、自転車なら行動範囲が一気に広がりますし、車と違ってサイクリング中に何か面白そうなものを見つけたらすぐにその場で停まって写真を撮ることが出来ます。

普段クロスバイクに乗ってサイクリングに出掛ける際には以前ご紹介した、吉田カバンとニコンがコラボしたショルダーバッグを袈裟懸けにしてカメラやレンズを持ち歩いています。

吉田カバンが関わった商品なだけあって、とても丈夫でカメラの収納のこともよく考えられた鞄なのですが、やはり長距離ライドには結構な負担になります。夏場は肩紐が汗を吸って濡れてしまいますし、坂を登ったりする際にはどうしても邪魔になってしまうのですよね。ということで、以前からずっと購入を考えていた、自転車のリアキャリアに取り付ける事の出来るパニアバッグを手に入れました。

■ ABUS のパニアバッグを購入

パニア(Pannier)とは元々「対になったもの」を指す言葉で、荷物を運ぶためにラクダやロバの背中に乗せる、左右対になった籠や鞄のことを意味するそうです。自転車用のパニアバッグには左右が対になったものと左右が別になったものがありますが、本来は対になったものを「パニア」、左右別になっているものは「サイドバッグ」と言うのだとか。と言っても今ではほとんど区別無く使われているようなので、本記事でも「パニア」と称することにします。

自転車用のパニアバッグも安価なものから高価なものまで実に色んな製品が販売されていて、どれを買えばいいのか迷ってしまいます。私も随分悩んだのですが、ワイズロードさんで売られていた ABUS(アブス)のパニアバッグを購入してみました。そう、あの「鍵」の定番ブランドの ABUS です。


購入したのは ABUS のパニア・サイドバッグ「ST 8505 KF」。ABUS は 1924年創業のドイツの老舗鍵ブランドです。今は鍵だけではなくヘルメットのメーカーとしても有名になって来ているようですが、パニアも作っていたのですね。ただ、日本ではダイヤテックが ABUS の公式代理店となっているのですが、こちらではパニアの取扱はしていないようです。ワイズさんが独自に仕入れてきたんですかね。

私はものを買うときにメーカーサイトや販売ページの情報以外に他の方のレビューなどを参考にすることも多いのですが、こちらのパニアバッグはあまり使っている人が居ないのか、購入前に得られる情報が少なくて困りました。残念ながら現在はワイズロードさんでは売り切れになってしまっていますが、また入荷があるかも知れませんし、他のところではまだ売られているようですので、ちょっとしっかりめにレビューしておきたいと思います。今後購入をお考えの方のご参考にして頂ければ幸いです。

ST 8505 KF 表 ST 8505 KF 裏


バッグは非常によい作りで、力の掛かりそうな部分はしっかりと補強されています。下側のマウントのレールに傷があるのは、私が何度か取り付け直した影響です。まずは基本的なスペックから。

商品名 ABUS パニア・サイドバッグ ST 8505 KF
容量 22 ℓ
素材 1000D Kodra Nylon 使用(防水)
外寸 340x410x170 mm
バッグ重量 約 825 g(実測値)

自転車のリアラックへは上部の 2点と下部 1点の 3点で固定する方式で、上部中央のフックを起こしておけば走行中に外れる事故を防ぐことが出来ます。「KLICKfix(クリックフィックス)」というマウントシステムが使われているようで、取付はリアラックに 3点の固定具を引っ掛けた状態で押し込むだけ、取外しもフックを倒した状態で取っ手を上方向に引っ張るだけと、非常に簡単に行うことが出来ます。

ST 8505 KF 上部マウント ST 8505 KF 下部マウント


下側のレールはフックを取り外して向きを反対にすることも可能です。自分のラックにあった取り付け方に変えると良いでしょう。適切に調節するとしっかりとバッグが固定されるので、走行中にダンシングしたりしてもばたついたりしません。

バッグ内部 ポケット


バッグ内部は特に仕切りなどは無く、底にはクッション(折りたたみ可)が敷かれています。取り外すことの出来るポケットも付属しています。ポケットの上部には長財布も収まりました。鍵なども分けて入れておけるので便利だと思います。

バッグ内側 巾着部分


バッグ内側の縫い目がある部分はこのようにきちんとシールされていて防水性が高められています。バッグの生地も 1000D(デニール)と、厚みのあるコーデュラナイロンが使われているので、かなり丈夫で長持ちしてくれそうです。

バックル 補強


バックルにもしっかりしたパーツが使われていました。バックルを縛る紐とバッグ側面の ABUS のロゴには 3M の反射素材が使われています。暗いところでスマホの灯りを当ててみましたが、かなりはっきりと分かるレベルで反射してくれます。こういった配慮はありがたいですね。バイクのラックと当たりそうな部分には樹脂製のパーツで補強もされています。

脱落防止ワイヤー 鍵メーカーらしいなと思ったのがこの部分。駐輪時にパニアバッグを付けたまま離れた場合などに自転車と一緒にこのワイヤーにも鍵を通しておけば簡易的な防犯ワイヤーとしても機能するようになっています。しかもこのワイヤーを使わない時はベロをめくって収納しておけるようになっている点など、なかなか気が利いています。まあかなり細いワイヤーなので気休めレベルではありますが。

■ カメラを保護するために ” インナーボックス ” も購入

今回パニアバッグを調達した第一の目的は、ミラーレスカメラと交換レンズなどをサイクリングに持って出掛けるため。購入してしばらくは「こちらの記事」で紹介したラッピングクロスでカメラを巻いただけで直接バッグの中に入れていたのですが、落車する可能性が無いとは言えませんし、車止めなどに接触してしまうこともあり得ます。もう少ししっかり保護しておこうと思い、下のインナーボックスをパニアバッグの中に入れておくことにしました。


パニアバッグの中からカメラを取り出すときに分かりやすいように、色は敢えて ” 赤 ” を選択。” Mサイズ ” のインナーボックスの大きさは 115x240x165 mm。重量は僅か 14 g と軽量です。

インナーボックス-1 インナーボックス-2


蓋付きなので上に物を載せたりしても安心です。間仕切りはベルクロで好きな場所に固定出来るようになっています。私はレンズを付けたカメラを横にして入れ、小部屋にはブロアーやフィルターを収納しておくことにしました。もう 1本レンズを持っていく場合はカメラは縦にして入れるつもりです。

インナーボックス-3 インナーボックス-4


パニアバッグに入れてみたところかなり余裕がありました。このパニアバッグならもう 1サイズ大きくても良かったかも知れません。とにかくこれでかなりカメラの持ち運びに安心感が出ました。出先でお土産などを買っても余裕で持って帰ってくることが出来ます。

■ TREK FX 3 Disc に取り付けてみました

FX 3 Disc を買ったときに一緒に取り付けてもらった Bontrager のリアキャリアは正にこのために付けたもの。早速取り付けて垂水漁港の方へテストランに出てみました。

装着例-1

右側はディレイラーガードに取り付けたリアライトが僅かに干渉する感じだったので、このパニアバッグはキャリアの左側に取り付ける事にしました。パニアバッグの装着感は、携帯マルチツールさえ持って出ていればいつでも簡単に調節することができます。

装着例-2

固定はかなりがっちりしています。特にパニアバッグ下部がしっかりしたフックになっているのがいいですね。ガタつきも少なく、登坂時に軽くダンシングするくらいなら問題無さそうです。

装着例-3

今まで肩からカメラバッグを掛けていた事を思うと、開放感が凄いですね。ペダリングが格段に楽になりました。モノも沢山入るので、レイヤリングのための服なんかも持って行きやすくなりました。冬場は陽が落ちると一気に気温が下がってきますからね。このパニアバッグの欠点はキャリアから外してうろつくときに肩から掛ける紐が無いということくらいでしょう。暖かくなってきたらまだ遠くへ出掛けてみようと思います。お弁当も買って一緒に持っていくのも良さそうです。