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Wi-Fi接続時に iPhone、iPad の IPアドレスがコロコロ変わってしまう原因を探ってみた

Wi-Fiアクセスポイントを NEC の Aterm WG-1800HP2 から同社の WX3000HP に変えてから気付いたのですが、iPhone、iPad の IPアドレスが頻繁に変わってしまうのですよね。LAN内の端末管理のためにルーターの方で MACアドレスを使って IPアドレスを固定するようにしているのですが、どうも MACアドレス自体がコロコロ変わってしまっているようです。以前はこのような事はありませんでしたし、最初はルーターを変更したのが原因なのかと思っていましたが、原因は別の所にありました。

■ 原因は iOS、iPad OS の「プライベートWi-Fiアドレス」機能

iPhone や iPad で使われている iOS、iPad OS がこの秋にアップデートされて Ver.14 となり、「プライベートWi-Fiアドレス」という機能が追加されています。

この機能は、ネットワークの事業者やその他のネットワーク観測者によって端末のアドレスをデバイスのネットワーク活動や位置情報に紐付けられてしまうリスクを軽減する「プライバシー対策」として追加されたものなのですが、Wi-Fi のネットワークに接続する度にランダム化された異なるMACアドレスが割り当てられることになるので、うちのように端末の MACアドレスを使って IPアドレスを固定しておこうとしても固定出来ないといった事になるというわけです。

このように MACアドレスが接続する度に変わってしまう状況では、ルーターが見知らぬ端末からの接続を拒否するような設定になっていたりすると問答無用で接続が弾かれてしまう可能性もあるのですが、iOS 14 ではこの機能がデフォルトでONになっているのですよね。このため、OS アップデートを機にこれまで繋がっていたネットワークに繋がらなくなってしまったり、IPアドレスがコロコロ変わってしまったりという事が起こるようです。

■ 機能の切替方法

「プライベートWi-Fiアドレス」機能の有効無効の切り替え方法ですが、iOS・iPad OS の「設定」→「Wi-Fi」から利用中のネットワークをタップすると「プライベートアドレス」という項目があるので、スライダを ON/OFF することで機能を利用するかどうか選ぶことができます。

private-Wi-Fi

この機能は、例えば家の中の Wi-Fiネットワークでは OFF にしておき、外の Wi-Fiネットワークでは ON というように接続する Wi-Fiネットワーク毎に ON/OFF を設定しておけます。はっきり言って家庭内の Wi-Fiネットワークで使う場合は、ルーターで保護されているはずなので OFF にしておいて構わないと思います。(IPアドレスが変わってもいい場合は放っておいても構いませんが。)

■ 空港や駅などの公衆Wi-Fi や店舗の Wi-Fi を使うには便利な機能

先ほど自宅内では切っておいてもいいのでは無いかと書きましたが、この機能が有益なのは空港や駅などで利用出来る公衆Wi-Fi や、飲食店などの店舗やテーマパークの Wi-Fi など不特定多数の人が同じネットワークを利用する場合です。これらの施設や場所では接続許可が個別のデバイス毎に管理されている場合でも無い限り通常は ON の状態で利用するのがよいでしょう。自分のあずかり知らぬ所でプライバシーが侵害されるリスクを減らすことが出来ます。必要に応じて使い分けるのが良さそうですね。