人間、生きてりゃどうしたって手足の爪が伸びて来ます。伸ばしたままでは何かと危ないし不衛生。定期的に爪切りするしかありません。爪切りなんて安物で充分だと思っていましたし、これまでずっと何かでもらったものや、トラベルキットに付属していたような爪切りで済ませていました。
ところが、何の雑誌だったか、パラパラと読んでいた記事の中でこの「SUWADA の爪切り」の存在を知ってしまいました。製造している「諏訪田製作所」は、新潟県三条市にあるそうです。” 燕三条 ” と言えば高品質な金属製品の生産地としてよく聞こえてくる地名。江戸時代に雪のため農作業が出来ない冬期間の副業として「和釘」の製造を始めて以来、資源に恵まれ、物流を担う河川など条件が整っていたことから鍛冶師の街として発展してきたのだそうです。
こちらは ” SUWADA の爪切り ” の公式紹介映像。製品としての機能美溢れる美しさに魅了され、なんとか入手を試みるも、売り切ればかりで転売屋のものしか見つかりません。どうやら日本だけで無く海外からの需要も旺盛なようで、格好の転売素材とされてしまっているようです。Amazon でも見つかりますが、正規価格で売られているのは見たことがありません。
そんな中、楽天市場に諏訪田製作所の公式ショップが出店されているのを見つけました。こちらも売り切れになっていることがほとんどですが、たま~に入荷している様子。もちろん正規価格です。
楽天市場の「お気に入り」リストに入れて時々様子を見ていたところ、ある日ストアの在庫が復活しているのを発見!ようやく購入する事が出来ました。今回購入した「CLASSIC L」は、SUWADA の爪切りの中で最もスタンダードなモデルなのだそうです。
爪切りなのにとてもしっかりした専用の金属ケースに収められた状態で届きます。爪切り本体もヘアライン加工されていて高級感が凄い!所有欲を満たしてくれます。
素材はステンレス刃物鋼。実測で 80g でした。1本1本熟練工の職人さんによって手作りされているため、多少の誤差はあるようです。このため大量生産が効かず、入荷待ちの長い列が出来るということになっているようですね。持ち手の部分は手の平にフィットするよう丁寧な加工がされていて、手に取った瞬間からモノの良さが伝わってきます。
SUWADA の爪切りは、刃物の中でも「喰切型」という、両側の刃がぴったりと合わさって対象物を切る形状になっているのが特徴で、歯を閉じると合わせ目がほとんど分からなくなってしまいます。
肝心の切り心地ですが、力を入れなくても固い足の爪にもスッと歯が入っていきます。通常の安い爪切りだとたまに反動で痛みを感じることもあるかと思いますが、そのような心配はありません。私は足の人差し指が巻き爪になってしまっていて、通常の爪切りでは非常に切るのが怖いのですが、この爪切りだと刃先を少し爪の裏側に入れるだけでそこから紙を切るように少しずつ切っていくことが出来ます。
有料にはなりますが、諏訪田の工場に送ることで研ぎ直しやバネの交換などのメンテナンスもして頂けます。メンテナンス料金も、刃研ぎとバネ交換を含む「オールメンテナンス」で 1,430円 + 送料(2023年10月現在)とリーズナブル。まさに一生モノの爪切りと言ってよいでしょう。
「ニッパー型」の爪切りということで、慣れるまではちょっと怖いかも知れませんが、一度使うと手放せなくなってしまいます。贈り物にしても喜ばれると思いますよ。神戸には無くなってしまいましたが、ハンズ(旧東急ハンズ)や、大丸(こっちは神戸にもあります)などの百貨店などでも取り扱いがあるようです。目で見て確かめたい方は足を運んでみてもいいかも(在庫があるかは分かりませんが)。