PlayStation 5 版の nasne 視聴ソフト「torne(トルネ)」が 11月24日にようやくリリースされました。BUFFALO製の新生「nasne」の販売が始まったのが今年の 3月末の事ですから、8ヶ月遅れでの登場となります。それでも当初の予定からは 1ヶ月程早くなったそうですよ。
PlayStation 4 版の torne は無料で使う事が出来ましたが、PlayStation 5 版は実質的に有料アプリになってしまいました。まあ ほぼ新規開発に近い形になった ようですからやむを得ませんね。
でも待った甲斐はあってなかなか使いやすいアプリに仕上がっているようです。早速使ってみましたので軽くレビューしてみたいと思います。
■ インストールと初期設定
「torne」のアプリは PlayStation 5 の「メディア」タブの方に用意されています。「ゲーム」タブの方の PlayStation Store で検索しても出てきませんので注意して下さい。3月に新たに発売された BUFFALO製の nasne だけでなく、従来の SONY製 nasne でも PlayStation 5版「torne」は動作可能です。
インストール自体は非常に簡単です。「メディア」タブで「torne」アイコンを探して「ダウンロード」を押すだけです。アプリのサイズは 581.1 MB となっていました。
torneアプリ起動中はスクリーンショット不可となるため直撮りです。既に nasne をセットアップ済みの場合は基本的に確認していくだけで torne の初期設定が終わります。「オンラインサービス」を有効に設定していれば、どれくらいの人が同じ番組を録画予約しているのかを知ることの出来る「トルミル機能」や、Web検索機能などが利用可能になります。
初めて nasne を使う場合は nasne の初期設定も流れの中で行うことになります。以前の nasne本体のレビュー記事の中でセットアップにも触れていますので、併せてお読み頂ければ幸いです。
右の様なメッセージが表示されて nasne と PlayStation 5 のペアリングが出来ない場合は、「nasne HOME」の「基本設定」画面で「省電力モード」がオンになっていないかどうか確認してみて下さい。「nasne HOME」へは、PC などの Webブラウザのアドレスバーに nasne に家庭内で割り当てられている LAN の IPアドレスを打ち込めば入ることが出来ます。
起動時のメニュー画面です。PlayStation 4 版 torne を使っていた方にはお馴染みの画面ですね。
番組表の文字サイズは 5段階に調節可能です。「SETTING」画面の「ジャンルカラー設定」でドラマやアニメなどを色分けして表示させることが出来るので、まずまずの見やすさではないでしょうか。
アプリ自体は無料ですが、視聴するには別途オプションの購入が必要になります。料金は下記の通り。
視聴再生機能 | 500円 |
オトイイネ | 1,320円 |
トルネ・ブラック | 500円 |
※ 価格は税込価格
「オトイイネ」は、番組を視聴・再生する際の音質を向上させる機能だそうです。圧縮されて失われた音声信号を補完するもののようですね。ちょっと価格は高めですが、映画や音楽・スポーツなどをより良い音で楽しみたいという方は検討してみても良いでしょう。「トルネ・ブラック」は所謂ダークモードの事です。「オトイイネ」については 3日間の、「視聴再生機能」は 1分間の無料体験が可能です。
オプションの購入はカートのアイコンから。残高が残っていればウォレットから差し引かれます。
視聴再生オプションを購入すればすぐに TV が観れるようになります。4Kチューナーを搭載していない点は残念ですが、アプリの動作は立ち上がりも含めて非常に軽快でストレスなく視聴することが出来ます。
1点注意点が。「nasne HOME」の設定で「省電力モード」をオンにした状態で nasne が休止状態になっている(電源ランプが赤点灯)と、PlayStation 5 の torne で nasne を起こすことが出来ません。PC用の視聴ソフトである「PC TV Plus」からであれば nasne が休止状態になっていても起こせるのですけどね。
これは恐らく PlayStation 5 が DLNA(DTCP-IP含む)に対応していないからではないかと思います。発売から 1年が経ちましたが、未だに PlayStation 5 のメディアプレーヤーでは NAS からの音楽再生や映像再生が出来ないのですよね。PlayStation 5 版の torne に「レコxトルネ」という、BDレコーダーなどと連携出来るオプションが用意されていないのもこの辺りに理由がありそうです。
■ リモコンの使い勝手は・・・
PlayStation 5 には純正のリモコンが用意されています。
もちろん PlayStation 5 版の torne でも使う事が出来るのですが、使い勝手がいいとはとても言えませんね・・・。一応テレビや AVアンプの電源を切ったり音量を操作したりといったことは可能ですが、やはりテレビの選局は 1番のボタンを押したら 1ch に変えたいと思うのです。
PlayStation 5 用のリモコンには数字ボタンが無く、こういった直感的な操作が出来ません。YouTube や Netflix の専用ボタンなんか正直要らないですよ。アプリを立ち上げるなんてたいした手間じゃないんですから。BDプレーヤーとして操作した時にも感じていましたが、このリモコン、ほんとなんでこんなデザインにしてしまったのでしょうか。PlayStation 3 のリモコンは大きかったですが非常に使いやすかったと思うのですが・・・。
■ 更なる熟成を期待!
torne のアプリとしての UI は既に完成の域に達していたと思うので特に不満は感じません。アプリの立ち上がりを含め、非常にキビキビと動いてくれていると思います。「ニコニコ」の都合で終了となってしまった「実況機能」については「真剣に考える」と AV Watch のインタビュー記事 にもあったので希望は持てるかなと思います。
PlayStation 5 側にはなんとか DLNA / DTCP-IP といった機能に対応させて欲しいですね。Amazon Music や Spotify といったストリーミングサービスは PlayStation 5 でも利用することが出来ますが、手持ちの楽曲ファイルを再生させようとすると、一々 USBメモリにコピーして挿してやらないといけないというのはどうかと思います。
BUFFALO版 nasne については、ファンを停止させる機能が是非欲しいです。ファンの搭載はまあ仕方ないとしても、nasne の稼働中は常に全開で回っているっぽいのですよね。夏場は扇風機やサーキュレーターなどの音にかき消されるのでいいとしても、この寒くなってきた時期に常時ファンを回しておく必要は無いでしょう。ファンの回転数を制御できるようなら停止も可能だとは思うのですが、果たしてそういった仕組みが組み込まれているかどうかが疑問なのですが・・・。