4月16日に日付が変わってすぐ、Apple の公式HPで新型「iPhone SE」が発表されました。といってもイベントなども無くストアページでひっそりと登場です。" iPhone SE2 " や" iPhone 9 " などの名称で廉価版として発売されると予想されていましたが、どうしてどうして、羊の皮を被った狼、iPhone 8 のガワに最新の CPU を搭載させた予想以上に高性能かつ安価なモデルとなったようです。
Apple Store では 4月17日21時から予約受付が始まり、24日からの販売開始となるそうです。NTTドコモ、au、ソフトバンクの各キャリアでの販売も始まるそうですが、こちらは 4月20日10時からの予約開始となるそうです。ただ、今は新型コロナウイルスの余計な感染リスクを避ける為にもできるだけ店頭へ直接赴くのは避け、オンラインストアで予約・購入した方がいいかも知れませんね。
俄然興味がわいてきたので他の機種と比較してみました。サイズ的には iPhone 11 Pro と比較したい所ですが、如何せん新しい SE が 2~3台買えてしまう価格なので 11 との比較にしています。
まず外観についてですが、iPhone 8 とほとんど同じようですね。カメラの数・位置、各種ボタン・コネクタの配置、Touch ID は全く同じで裏の林檎マークの位置くらいしか違いが見られません。正にこのことこそが価格を非常に低く抑えられた理由なのでしょうね。ですがそのおかげでケースやアクセサリは iPhone 8 のものがそのまま使えそうです。では主な仕様について比較してみます。
機種名 | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8(販売終了) | iPhone 11 |
---|---|---|---|
価格(税抜) | 64 GB : 44,800円 128 GB : 49,800円 256 GB : 60,800円 |
(ストア販売終了時の参考価格) (64 GB : 52,800円) (256 GB : 57,800円) |
64 GB : 74,800円 128 GB : 79,800円 256 GB : 90,800円 |
CPU | A13 Bionic | A11 Bionic | A13 Bionic |
RAM | 不明(3GB?) | 2 GB | 4 GB |
サイズ | 67.3x138.4x7.3(mm) | 67.3x138.4x7.3(mm) | 75.7x150.9x8.3(mm) |
重量 | 148g | 148g | 194g |
ディスプレイ | 4.7型 Retina HD(液晶) | 4.7型 Retina HD(液晶) | 6.1型 Liquid Retina HD(液晶) |
解像度 | 1334x750 pixel(326 ppi) | 1334x750 pixel(326 ppi) | 1792x828 pixel(326 ppi) |
コントラスト | 1400:1 | 1400:1 | 1400:1 |
最大輝度 | 625 nit | 625 nit | 625 nit |
バッテリー容量 | 不明(iPhone 8と同じ?) | 1,821 mAh | 3,110 mAh |
ワイヤレス充電 | 〇(Qi 規格) | 〇(Qi 規格) | 〇(Qi 規格) |
生体認証 | Touch ID(第2世代) | Touch ID(第2世代) | Face ID |
Apple Pay | 〇 | 〇 | 〇 |
防水・防塵性能 | IP 67 (最大水深1メートルで最大30分間) |
IP 67 (最大水深1メートルで最大30分間) |
IP 68 (最大水深2メートルで最大30分間) |
コネクタ | Lightning | Lightning | Lightning |
やはり価格のインパクトが凄いですね。この価格で最新世代の CPU を搭載していることに驚かされざるを得ません。ディスプレイについては iPhone 8 のものをそのまま使っているようです。
生体認証は iPhone 8 以来となる Touch ID。これは新型コロナウイルス騒動でマスクを付ける事の多い昨今では反って重宝されるかも知れません。
NFC について、新型 iPhone SE と 11 は「予備電力機能付きエクスプレスカード」にも対応しています。これは、Xs、Xs Max、XR 以降の iPhone に搭載されている機能で、iPhone が充電せずには通常の使用ができない状態になっても最大 5 時間まで Suica などを使う事ができる機能です。但し、iPhone の電源が完全に切れてしまっている状態では使用出来ません。
■ カメラ部分の比較
iPhone 11 との最大の違いはやはり搭載されているカメラですね。こればかりは価格帯が大きく違うので仕方ありません。カメラモジュールもそれ自体は iPhone 8 と同じもののようです。
機種名 | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8(販売終了) | iPhone 11 |
---|---|---|---|
アウトカメラ | 1200 万画素(広角) | 1200 万画素(広角) | 1200 万画素x2(広角+超広角) |
f値 / 1.8 | f値 / 1.8 | f値 / 1.8(広角)/ 2.4(超広角) | |
光学式手ぶれ補正 | 光学式手ぶれ補正 | 光学式手ぶれ補正(広角) | |
最大5倍のデジタルズーム | 最大5倍のデジタルズーム | 2倍の光学ズームアウト 最大5倍のデジタルズーム |
|
ポートレートモード ポートレートライティング |
- | ポートレートモード ポートレートライティング ナイトモード |
|
インカメラ | 700 万画素 | 700 万画素 | 1200 万画素 |
f値 / 2.2 | f値 / 2.2 | f値 / 2.2 | |
ポートレートモード ポートレートライティング |
- | ポートレートモード ポートレートライティング |
ビデオ撮影 | 4Kビデオ撮影(最大 60fps) | 4Kビデオ撮影(最大 60fps) | 4Kビデオ撮影(最大 60fps) |
1080pビデオ撮影(最大 60fps) | 1080pビデオ撮影(最大 60fps) | 1080p HDビデオ撮影(最大 60fps) | |
光学式手ぶれ補正 | 光学式手ぶれ補正 | 光学式手ぶれ補正(広角) | |
最大3倍のデジタルズーム | 最大3倍のデジタルズーム | 2倍の光学ズームアウト 最大3倍のデジタルズーム |
|
QuickTakeビデオ対応 | - | QuickTakeビデオ対応 |
ですが、ソフトウェア的には A13 Bionic のおかげで大きく進化しているようです。11 の目玉の一つだった「ナイトモード」こそ搭載されていませんが、美しいボケの得られる「ポートレートモード」や照明効果を変えることの出来る「ポートレートライティング」などの機能を使うことができます。
また、動画撮影に関して新型 iPhone SE や iPhone 11 などで使用出来る「QuickTake (クイックテイク)」という機能は、写真モードで写真を撮影している時でも「シャッターボタン」をタッチし続けることで素早く動画撮影を始めることが出来る機能なのだそうです。こちらで撮影した動画は後からアスペクト比の変更などもできるそうです。
■ 通信機能関係の仕様比較
なんと言っても e-SIM とのデュアルSIM構成と Wi-Fi 6 への対応!
機種名 | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8(販売終了) | iPhone 11 |
---|---|---|---|
対応 SIM | デュアルSIM(nano-SIM と eSIM) | nano-SIM | デュアルSIM(nano-SIM と eSIM) |
LTE | ギガビット級 LTE | 下り最大 800Mbps | ギガビット級 LTE |
VoLTE | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) | IEEE 802.11 a / b / g / n / ac | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
5G 対応 | ✕ | ✕ | ✕ |
4G LTE の対応バンドは、11 や新型SE では、FDD‑LTE(B1/2/3/4/5/7/8/11/12/13/17/18/19/20/21/25/26/28/29/30/32/66)、TD‑LTE(B34/38/39/40/41/42/46/48)と日本で使われているバンドは網羅しているかと思います。(iPhone 8 はこのうちバンド 11/32/46に未対応。)
5G 対応については iPhone の場合現時点でのフラグシップモデルでさえ未対応なので仕方ないですね。
■ 楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT」への対応は?
残念ながら Apple の公式情報としては対応通信事業者のリストに載っていません。ですが、楽天モバイルの e-SIM に関する FAQ にあるように Xs、XR の世代からはなんとか使えそうです。APN についても既に公開されています。(現時点で楽天モバイル自身は ” ノーコメント ” としている事はご注意下さい。今のところ動作確認リストに加えるつもりは無いそうです。この件に関して私も責任は持てません。)
App Store に「楽天Link」アプリが存在しない以上、動作したとしても通話に関しては 30秒につき 20円の従量課金として使うしかありませんが(国内通話の場合)、楽天自社回線エリア内ならデータ無制限、ローミングエリアで月に 5GB までは追加負担無しに使えるとのことなので新型SEが動作するのであれば利用価値は十分にあるでしょう。IP 電話などを併用してもいいと思います。
また、物理SIMと e-SIM のデュアルSIM構成に対応しているので、楽天モバイルを e-SIM で副回線として利用するのも良さそうです。次世代モデルが出て価格の下がりそうな秋以降に少し安くなった 11 を買うか廉価版が出ていればそちらに買い換えようかと思っていたのですが、非常に魅力的な機種になったようなので近いうちに新型 iPhone SE を入手して人柱にでもなってみたいと思います。
それにしても安いですね。カメラにそこまで拘らない層には十分すぎる程のスペックじゃないでしょうか。Android 陣営に奪われていたシェアをかなり取り戻せそうな気がします。
白の 128GBモデルで予約入れました!4月24日の到着予定です。予約時にサイトが重くなって注文が出来ないというようなことはありませんでしたが、発売日当日の到着予定分は予約開始から十数分程度で無くなったようですね。届きましたら色々人柱やってみようと思います。大丈夫だとは思いますがもし万が一楽天モバイルで使えなかったら嘲笑ってやって下さい・・・。
(2020.4.18)