私は遠くまでサイクリングに出掛けた際に目的地でウロウロし過ぎて遅くなってしまい(苦笑)、22時くらいに帰宅ということもちょくちょくあるのですが、神戸周辺でもちょっと外れの方に行くと本当に真っ暗な夜道になってしまいます。ライトのバッテリー切れや故障は死活問題になるので必ず 2つ持っていくことにしているのですが、最初に買っていた CATEYE の「VOLT400」の調子が悪くなってきました。 「VOLT400」は、High & Middle と Low で LED が分かれているようなのですが、LOWモードが完全にしんでしまいました。また、バッテリーの充電も上手く出来ていないことがあって、いざ使おうとするとバッテリーが無かったりして危険なことも出てきたので、別のものに交換しておくことにします。
もう一方のライトには TREK 傘下のアクセサリー・パーツブランド「Bontrager」の「Ion Elite R」という製品を取り付けていたのですが、こいつの使い勝手がなかなか良かったので、「Ion Comp R」という、ワンランクグレードが下の製品も買ってみることにしました。両方を比較している方はあまり見掛けないので、こちらでレビューしておきたいと思います。宜しければ購入のご参考にどうぞ!
■ Bontrager「Ion Comp R Front Bike Light」
CATEYE のライトとはマウントに互換性が無いので、ライト本体のほかに Blendrシステム用のライトマウントパーツ を購入しました。以前は TREK 関係のパーツやアクセサリをオンラインショップで買う事は出来なかったのですが、現在は TREK 自身で直営の Webショップを運営しているほか、コンセプトショップなどでも独自のオンラインショップを始めたところもあり、随分入手性が良くなりました。
「Ion Comp R Front Bike Light」の主な仕様は以下の通り。「Ion Elite R」と比較しておきます。
Ion Elite R | Ion Comp R | |
---|---|---|
定価(税込) | ¥17,900 | ¥14,900 |
光源 | 高輝度白色LEDx1灯 | |
明るさ と 持続時間 |
点灯(High):1,000 ルーメン、約 1.5時間 点灯(Medium):650ルーメン、約 3時間 点灯(Low) : 350ルーメン、約 6時間 ナイトフラッシュ:200 ルーメン、約 26時間 デイフラッシュ:300 ルーメン、約 22時間 |
点灯(High):700 ルーメン、約 1.5時間 点灯(Medium):500ルーメン、約 3時間 点灯(Low) : 300ルーメン、約 6時間 ナイトフラッシュ:200 ルーメン、約 9時間 デイフラッシュ:300 ルーメン、約 19時間 |
バッテリー | Li-Ion 3.63V 4,900 mAh(17.787 Wh) | Li-Ion 3.6V 2,550 mAh(9.18 Wh) |
防水性能 | IPX4 | |
サイズ | 102.5(L)x30.2(W)x34.7(H)mm | 100(L)x26.2(W)x30(H)mm |
重量 | 187 g | 135 g |
これら 2つのライトのほかに、同じ「Ion シリーズ」として「Ion Pro RT」という、Highモードの照度が 1300ルーメンとなり、ANT+ でサイコンと連携させることの出来るライトも出ています。ただ、こちらは 2万円越えと、ちょっと手を出しにくいお値段・・・。いずれにせよ、「Low モード」ですら 300 ルーメン以上の照度があり、6時間もバッテリーが保つ自転車用ライトというのはあまり多くないと思われます。
現在片方に使っている CATEYE の「VOLT400」は、Lowモードで 18時間、Middleモードで 8時間バッテリーが保つとはされていますが、こちらはそれぞれ 50ルーメン、100ルーメンと、明るい市街地くらいでしか使えない照度です。CATEYE 製品で対抗馬となるのは、「VOLT800」「VOLT800 NEO(店頭販売のみ)」辺りでしょうか。LOWモードで 200ルーメンあるのならまずまず安心して走行出来ると思います。ただ、こちらも随分価格が上がってしまいましたね。
ハンドルバーに取り付けるためのマウントと、充電用の USBケーブル(Micro USB - USB Type-A)がセットになっています。付属のマニュアルは以下のリンクからも PDF で入手可能(リアライトの説明書と一緒になっています)。製造は台湾。
操作はライト上部のスイッチ兼バッテリーインジケーターで。スイッチ操作は以下の通りです。
電源オン | 電源ボタン 2回クリック |
電源オフ | 電源ボタン長押し |
ライトモード切替 | High → Medium → Low → Night Flash → Day Flash → ・・・ |
再び電源を入れた際は最後に使用したライトモードで点灯します。
「Ion Comp R 」の欠点は、充電端子が今時 microUSB だという点。まあこれは発売時期的には致し方ないところです。「Ion Elite R」よりはマシですが、急速充電規格には対応していないので、フル充電に 6.5時間掛かってしまうのはちょっと辛いところですね(「Ion Elite R」は 12時間)。
電源ボタンの LED はバッテリー残量を示していて、表示の意味は以下の通りです。
緑点灯 | 100% ~ 25% |
赤点灯 | 25% ~ 5% |
赤点滅 | 5% 以下 |
尚、バッテリー残量が 5% 以下になると、ライトが自動的に 50ルーメンにまで光量を落とし、ライトの稼働時間を 30分程伸ばしてくれます。一応 USBケーブルとモバイルバッテリーを持って行っていれば給電しながらライトを使うことは出来るようですが、夜間に長時間走行する予定のある方は 2本のライトを取り付けて置くことをお勧めします。不意の故障にも対処出来ますからね。これは何処のメーカーのライトを使う場合でも同じ話です。
ライトに何らかの不具合が生じた場合は、ライトの電源が入っている状態で電源ボタンを 15秒間押し続けることでライトを工場出荷状態の設定に戻すことが可能です(8秒後に 1度 LED が光り、15秒後にもう 1度光ります)。Bontrager のライトには理由の如何に関わらず返品・交換可能な「30日満足保証」のほかに、2年間の製品保証が付いていますが、ショップに持ち込む前に試してみる価値はあるでしょう。
■ 「Ion Elite R Front Bike Light」との比較
これまで使っていた「Ion Elite R Front Bike Light」と見比べてみたいと思います。
デザインはよく似ていますが、「Ion Comp R」の方が若干小さく軽くなっています。バッテリー容量は倍近く違うのですけどね。また、「Ion Comp R」の方には「Ion Elite R」にあったサイドのオレンジ色のインジケーターがありません。
ライト本体の重量の差は僅かです。価格差が許容できるのであればより明るい「Ion Elite R」の方を私は推しますね。私のように 2灯体勢にするつもりなら片方ずつ、或いは両方「Ion Comp R」にするのもよいでしょう。
■ 自転車ライト用防眩シェード「ORCANO(オルカノ)」装着!
Bontrager(TREK)の「Ion シリーズ」のライトは非常に明るいのですが、配光が上方向にも広がってしまうのが難点です。これ、対向車(者)からは非常に眩しいのですよ・・・。TREK からも「Commuter シリーズ」という、上部への配光をカットしたモデルも出ていますが、バッテリー性能的には「Ion シリーズ」の方がずっといいと思います。
そこで、CATEYE のライトからずっと使っているのが「ORCANO」という防眩シェード。 シリコン製のシェードをライト先端に取り付ける事で余計な上部への光をカットしてくれる製品です。
左が「ORCANO」装着前、右が装着後の写真ですが、効果はこの通り一目瞭然です。上部への光をカットしてくれるだけでなく、シェード上部に貼った反射シートで足下をより明るくしてくれる超お勧め品!最近発売されたライトでは上部への配光を抑制してくれる製品も増えて来ましたが、価格も安いですし、興味のある方は是非お試し下さい。
■ CATEYE「VOLT400」から「Ion Comp R」に交換!
それでは CATEYE の「VOLT400」から今回購入した Bontrager の「Ion Comp R」に交換してみます。と言っても、既に「Blendrシステム」を利用して VOLT400 を取り付けていたので、マウントパーツを入れ替えるだけ。
左が入れ替え前、右が入れ替え後です。「Blendrシステム」を利用してライトを取り付けるにしても、ぶら下げる形で取り付けている方が多いと思うのですが、私はこのように正位置で取り付けるようにしています。まあぶら下げるとハンドルバーバッグに干渉してしまうというのが一番の理由なのですが、実はこちらの方がいいんじゃないかと思っています。
というのも、Bontrager のライトは IPX4 の防水等級に対応しているのですが、「X」などでちょくちょく雨で壊れたという報告を見掛けます。ただ、多くの方はライトを吊り下げて充電端子が上に来る形で使っているような気がします。充電端子はゴム系のパーツでカバーされるようになっているのですが、どうもここから内部に水が入るのが原因なんじゃないかと思っているのですよね・・・。
私は「Ion Elite R」の方を正位置(スイッチが上に来る方)にしてこの 1年ちょっと使って来ましたが、何度か夕立などで大雨の中を走る羽目に陥ったものの、今のところ不具合は出ていません。これが原因だと断定する事は出来ませんが、故障リスクが気になる方は正位置の方で取り付けてみては如何でしょうか?写真の様にサイクルコンピューターに干渉することもありませんし、ライトのスイッチが上部に来てインジケーターも見えるようになるので、こっちの方が絶対いいんじゃないかと思います。マウントパーツを上下逆に取り付けるだけなので、是非お試しを!
2灯体勢にしておけば故障に備えることが出来るだけで無く、バッテリーの保ちの問題も解消されますし、本当に真っ暗な田舎道を走る時などは両方 LOWモードで点けることで非常に見易くなります。別に私も好き好んで夜道を走っている訳では無いのですが、目的地周辺で長居しすぎたりして計画が狂うこともしょっちゅう(苦笑)なので非常に助かっています。夜間に長時間走る事がある方は是非 2灯体勢にすることを検討してみて下さい。
P.S.
ついでにノベルティグッズを頂いて来ました。TREK に登録していると、時折割引クーポンやノベルティグッズの引換券などを送ってきてくれます。今回頂いたのはポータブルファン!単4電池 3本(eneloop 使用可能)で稼働し、2段階の風量を切り替える事が出来ます。「強」の方にするとそれなりの音が出ますが、そこそこ風量も得られます。スタンドを引き出して立てた状態で使う事も出来ますので、暑くなってきたら意外と重宝しそうな感じです。