ちょっとした作業を行うのにそこそこ使えそうな小型のノートPC が 1台欲しいなとずっと思っていたので、以前から気になっていた中古の Panasonic Let's Note CF-J10SYBHR をヤフオク!で落札してみました。届いた製品は若干の使用感こそあるものの目立った傷もなくかなり状態のよいものでした。企業向けのリースアップ品も多いのか中古ノートPC市場には割と状態の良いものが潤沢に供給されて続けています。価格もお手頃になっていますし、改造を前提にしたベース機としては十分な性能です。
【 主な仕様 】
●OS : Windows 7 Home Premium (32/64bit)
●CPU : Intel Core i5-2410M(2.3GHz)
●チップセット:HM65 Express
●RAM : 4GB(DDR3 SDRAM)
●Strage : HDD 500GB
●液晶:10.1型ワイド(1366x768ドット)
●無線LAN : IEEE802.11a/b/g/n
⇒ CF-J10SYBHRスペック詳細
2011年の夏モデルで、もう 7年前の製品になります。型番上の仕様では 128GB の SSD を搭載したモデルのようでしたが、今回購入した物には 500GB の HDD が搭載されていました。後日交換する予定なのでこの点については全くの無問題です。
B5サイズに 10.1インチの液晶を搭載しており、厚みこそありますが本体重量約 980g(バッテリーパックS 装着時)と鞄などに入れて十分に持ち運べる重さです。分厚さがある分インターフェースはとても充実していて、本体左側面に HDMIポート、VGAポート、USB 3.0ポートが 1つずつ、右側面には USB2.0ポート 2つにSDカードスロットと有線LANポートが配置されていて拡張性は十分です。
最大1366x768ドットと今となってはやや手狭な画面ですが、モバイル用途や軽い作業用としては妥協できなくは無いかなと思います。(外部ディスプレイに接続すれば 1920x1200ドット表示も可能ではあります。)
マニュアルは「Panasonic 個人向けPC 取扱説明書ダウンロード」のページからとりあえず以下の2つを落としておけば大丈夫でしょう。
また、「パナソニックPC活用情報」のページには搭載されているソフトの説明やトラブル事例集なども載っています。「個人向けパソコンのサポート情報」にもリコールなどの大事な情報が掲載されることがあるので時々チェックしておくとよいでしょう。
中古で入手した品ですし、まずは動作状態のチェックを行っておきます。電源を入て「Panasonic」のロゴが起動画面に表示されている間に「F2」キーを押して BIOS 設定画面に入ります。CPUやメモリ、HDDなどが正常に認識されていることを確認したらカーソルキーで「終了」メニューを選び、「診断ユーティリティ」を選択して「PC-Diagnostic Utility」を起動します。(右側写真)
診断は自動で行われます。ハードウェアのアイコン左側のバーは、水色:待機中、青と黄色の点滅:診断中、緑:Pass、赤:Failed という具合に診断状況を示しています。全てのテストをクリアすると右写真のように緑色で大きく「Test Passed」と表示されます。診断にはそれなりに時間がかかりますのでゆっくり待ちましょう。とりあえずハードウェアのエラーはなさそうで安心しました。
Panasonic の Let's note シリーズはバッテリーに関して多くのリコールが出ているのでチェックは必須です。リコール対象のバッテリーが付属していた場合は無償交換となりますので発火事故などを防ぐためにも必ず パナソニックのリコール情報 でチェックしておきましょう。残念ながら(?)私の購入したものは対象外でしたが、仮にリコール対象に当たってしまっていてもむしろ新品が入手できてラッキーとさえ言えるかも?
OS は 64bit 版の Windows 7 Home Premium SP1がセットアップされていました。HDDにはリカバリー領域もきちんとあります。ざっと見たところ余計なアプリを入れられているようなことも無くそのまますぐに使える状態でしたが、念のため初期化しておくことにしました。
さて、とりあえず OS のクリーンインストールを行って工場出荷時の状態にしようと思い、その前に一応 USBメモリを使ってリカバリーディスクを作成しておこうと思ったのですが、この機種の「リカバリーディスク作成ツール」はなんと USBメモリに対応していないのですね・・・。このためだけに別途外付けの光学ドライブを調達するのも勿体ないと思ったのでひとまずリカバリーディスクの作成は保留して PC の初期化作業を進めていくことにしました。一応 Virtual CD などの仮想DVDドライブ作成ソフトを使用して ISOファイルとして作ってやるという方法もあるようですが、どのみち SSD に交換してリカバリー領域はクローンするつもりなのでリカバリーディスクがなくても交換して取り外した HDD を置いておけばなんとかなるでしょう。
システムリカバリーは BIOS 設定画面から入ります。電源を入れたら起動画面に「Panasonic」のロゴが表示されている間に「F2」キーを押して再びBios設定画面に入り、カーソルキーで「終了」メニューを選んで「コンピューターの修復」を選択して「Windowsを再インストールする」へ進みます。「再インストールの方法」では「ハードディスク全体を工場出荷状態に戻す」を選んで画面の指示に従っていけば Windows Update の各種パッチ適用前の状態に戻せます。
ちなみにWindows 7 64bit 仕様の初期導入済みドライバー類は以下から入手することも出来ます。
ついでに HDD のチェックも行っておきます。搭載されていたのは「HTS545050A7E380」という 5400rpm の日立製HDD でしたので「HGST Windows Drive Fitness Test (WinDFT)」を探してきて実行します。ただ、不良のある HDD で実行した場合はトドメを刺してしまう可能性もあるので S.M.A.R.T 上で警告が出ていないかどうか先に CrystalDiskInfo で見ておいた方がいいでしょう。結局 Quick Test、Ext Test 共に無事通過できました。これでとりあえずは安心して使うことができます。
Let's Note CF-J10S に搭載されている液晶ディスプレイはお世辞にも良質な物とは言えませんね。恐らく TN方式なのでしょうが上下左右共に視野角はかなり狭いようです。まあこの辺りは外で使う場合には覗き込みをある程度防げるという利点と言えなくも無いかも知れません。発色もあまりいいとは言えませんが、ノングレアタイプなので外光の映り込みが少ない点は評価出来ます。
キーボードはピッチこそ狭いですが、打ちにくいというほどではなく、パチパチとした打鍵感もパンタグラフ式としては悪く無いですね。小型PC にありがちな独自のキー配列もほぼ気にならないレベルです。左下にある Ctrl キーと Fn キーだけは逆の方がいいと思いましたが、こちらは BIOS 上で入れ替えることも出来るようですし後ほど試してみようと思います。クルクルと円を描くように指を動かせば上下にスクロールが出来るトラックパッドは使いやすくて気に入りました。
CPU に Sandy Bridge の Core i5 を積んでいるだけのことはあって年式が古い割に処理速度はまだまだ使えるレベルですね。これで私も所謂「Sandy おじさん」の仲間入りです(笑)。メモリ増設と SSD への交換をしてやれば当分の間は現役として使えそうでした。
ノートPCで最も劣化しやすいのはやはりバッテリーですが、未だに純正品が市販されていてヨドバシカメラやビックカメラなどで普通に購入できるというのは素晴らしいですね。ちなみに「CF-VZSU68JS」が約 12時間の長時間駆動用、「CF-VZSU67JS」が約 7.5時間の標準用の交換用バッテリーの型番となります。液晶ディスプレイやキーボードなどもヤフオク!などでパーツとして入手することもできるようなので、その気になれば自力修理もかなりの部分まで可能です。iPad などと違って自作PC の経験があれば容易に分解することもできますし、こうした保守パーツが長期間入手可能だというのは個人的にかなりポイントが高い点です。なかなかにいい買い物となりました。