こちらの記事は楽天モバイルが MNOサービスを開始した当初のものです。記録のために当時の記事を残していますが、サービス体系などが大きく変更されていますので、最新の情報は 楽天モバイル のサイト で確認して頂きますようお願い申し上げます。
3月3日の 15時から三木谷社長などによる「楽天モバイル(MNO)」の正式サービス開始日や料金プランなどに関する発表イベントが開催されました。本来であれば「MWCバルセロナ2020」という世界最大級のモバイル展示会で大々的に発表する予定だったそうですが、新型コロナウイルスのせいでイベント自体が中止になってしまった為、オンラインのみでの発表イベント開催となりました。ちょっと寂しいスタートとなってしまいましたね・・・。
MNO版楽天モバイルの正式サービス開始日は 4月8日。注目された料金プランは、国内通話かけ放題・データ容量無制限で月額 3,278円(税込)の「Rakuten UN-LIMIT」プラン 1種類のみと非常に分かりやすいものになりました。更に、契約申込者数 300万人を目処に月額基本料金を 1年間無料とするキャンペーンを実施し、契約時に必要な税込 3,300円の事務手数料は全額分楽天ポイントとして還元してくれるそうです。
1. まず、「完全データ使い放題」は楽天の基地局に接続している場合のみです。
基地局数の絶対的不足から KDDIのネットワークを併用してローミングしているのですが、KDDI
の基地局に接続してローミングされているエリアでは月毎のデータ通信量が 2GB を越える場合は
128kb/s の通信速度制限が掛かります。但しこの速度制限については、超過分 1GB につき 550円
(税込)の追加料金を払って回避する事は可能です。
2. 国内通話料金とSMSが使い放題になるのは「楽天 Link」アプリ経由で使った場合のみです。
「楽天Link」アプリを使わずにスマホ標準のダイヤラーから電話を掛けた場合は、30秒22円(税
込)の利用料が掛かってくるので注意が必要です。また、一部無料対象外の通話があるようです。
同様に SMSも「楽天Link」を使わずに日本国内で利用する場合は 70文字辺り 3円、海外へ送信す
る場合は 70文字辺り 100円の料金が発生します。
3. 同様に、海外→国内への通話も「楽天 Link」アプリで掛けた場合のみ使い放題となります。
国内から海外宛の通話、海外から海外宛の通話を利用する場合は従量課金となるので、頻繁に利用
するのであれば月額 1,078円(税込)の「国際通話かけ放題」オプションを契約した方が良いよう
です。
4. 海外でデータ通信を利用する際は、フランスキャリアの「Orange」経由で国際ローミングが提供
されるそうです。66カ国・地域で国際ローミングが提供され、データ通信は国内ローミング時と
同様に月2GBまで無料で超過すると 128kb/s の通信速度制限が掛かります。また、SMSについて
は「楽天 Link」利用時は無料で利用できるようです。
ローミングエリアでの無料通信に月間 2GBの制限があるというのが気になる所ですが、2026年3月末まで 1GB 辺り約 500円のローミング料金を楽天が KDDI に支払うという契約になっているそうなのでやむを得ないでしょうね。実際の使用時には動画視聴やアプリのダウンロードなど大容量の通信は Wi-Fi環境下で行うという事に気をつけていれば Twitter や音楽ストリーミングサービス(高音質版は厳しいですが)を使ったりちょっと情報収集する程度なら 2GBの制限内であってもまあなんとかなるかなという印象です。楽天としても高額のローミング料金を払いたいはずはないので、急ピッチで自社回線エリアの拡大は図ってくれるでしょう。
楽天の基地局に接続できているかどうかが重要になるため、「my 楽天モバイル」のアプリ上でどちらのネットワークに繋がっているのか、ローミングエリアでのデータ消費量はどれくらいになっているのかを確認できるようにするとのことです。(但し利用者側で明示的に回線を切り替える事はできないようですが。)また、現在の楽天回線とローミングで利用できるエリアマップは「こちら」から確認することができます。(エリアマップの更新は 1ヶ月ほどのタイムラグがあるようです。)
「楽天 Link」については下の記事でレビューしていますので宜しければご覧下さい。
申込の受付については、新規契約についてのみ先行申込として Web上 で 3月3日16時から、店頭では 3月4日の開店時刻から受付が始まっています(3日は早速申込ページがパンクしていたようですが)。MNPで転入する他社サービス利用者と楽天モバイル(MVNO)契約者の移行については 「正式サービス開始」となる 4月8日から申込を受け付けるそうです。
⇒⇒⇒ 前倒しされて 3月12日から移行希望者の申込受付も始まったようです。
■ 利用できる端末について
正式サービス開始後にどうなるかまでは今のところ分かりませんが、現状楽天モバイル(MNO)の SIMで利用できる端末には制限があるようです。少なくともアクティベーション時に万全を期すのであれば、楽天モバイルで動作確認済みとなっている端末を用意しておいた方が安心でしょう。
メーカー名 | 製品名 |
---|---|
SONY | Xperia Ace |
SAMSUNG | Galaxy A7、Galaxy S10、Galaxy Note10+ |
SHARP | AQUOS sense3 lite、AQUOS sense3 plus |
FUJITSU | arrows RX |
OPPO | OPPO Reno A 128GB、OPPO A5 2020 |
NEC | Aterm MP02LN、Aterm MR05LN RW |
メーカー名 | 製品名 |
---|---|
SHARP | AQUOS zero SH-M10、AQUOS R2 compact SH-M09、AQUOS sense2 SH-M08、 AQUOS sense plus SH-M07、AQUOS R compact SH-M06、AQUOS sense lite SH-M05 |
OPPO | Reno 10x Zoom、AX7、R17 Pro、Find X |
HUAWEI | HUAWEI P30 lite、HUAWEI nova lite 3 (上記2機種であってビルド番号に ”C635” が含まれている製品のみ) |
NEC | Aterm MR05LN |
iPhone については今のところ残念ながら楽天モバイルからなんのコメントもありません。(そもそも使えないのか、利用できるようになる見込があるのかどうかさえ分かりません。)少なくとも私が試して見た限りに於いて iPhone 8 を使用することは出来ませんでした。一瞬「Rakuten」の回線表示が出るもののすぐに圏外となってしまいます。iPhone XR や 11 については APN の設定で通話も含めて動作したという報告があるようですが、通話料金は従量制でもいいというのならばともかく、App Store版「楽天 Link」が存在しないので通話かけ放題という訳にはいきません。
また、Android機であっても Google の Pixel 4 や Pixel 3 なども今のところ上手く動いたという報告は無いようです。他の機種では APN を手動設定して動かせる端末もあるようですが、やってみないと分からないというのが実情です。iPhone も含めて今後対象機種が増えてくれることを祈るばかりです。
■ 「無料サポータープログラム」参加者の扱いについて
「無料サポータープログラム」参加者の正式プラン「Rakuten UN-LIMIT」への移行手続き(プラン変更)は 2020年4月8日から「my 楽天モバイル」にて受付開始されるそうです。
また、これに伴って「100GB無料プラン」となっている現在の無料サポータープログラムは 5月末まで延長されます。(但しデータチャージの購入は 2020年3月30日一杯で終了されるそうです。)
尚、「無料サポータープログラム」参加者が正式プランの「Rakuten UN-LIMIT」に移行する際は「プラン料金 1年間無料」「オンライン契約で 3,000ポイントプレゼント」キャンペーンについては、キャンペーンに間に合えば適用対象となるようです。(キャンペーンルール)
正式プランには移行せず解約する場合は、「my 楽天モバイル」のアプリから手続きを行えるようですが、この場合 SIMカードを楽天に郵送返却しなければなりません。(要送料負担)
■ 既存の楽天モバイル(MVNO)契約者の扱いについて
MVNOサービスの新規受付は 4月7日で停止されます。既存の楽天モバイル(MVNO)契約者については 4月8日から MNO回線への移行手続きが出来るようになるそうです。
⇒⇒⇒ 3月12日より前倒しで受付が始まっているようです。
2019年9月以前から「スーパーホーダイ」「組み合わせプラン」を契約しているユーザーは「こちら」をご確認下さい。「スーパーホーダイ」または「組み合わせプラン」を維持するか正式プランに移行するか選べる(最低利用期間も引き継がれます)ようですが、将来的な巻き取りは考えられていると思っておいた方がよいでしょう。
既存の楽天モバイル(MVNO)契約者が MNO回線へ移行する場合には「プラン料金 1年間無料」「オンライン契約で 3,000ポイントプレゼント」「事務手数料 3,300円分ポイントプレゼント」キャンペーンの適用対象となるようです。(キャンペーンルール)アクティベーションなどが条件になっているのでご注意ください。
■ 楽天自社回線エリアの拡大見込についてはどうなっているのか
2020年2月末時点で開局済みの基地局数は、3,490局なのだそうです。これを 3月末までに 4,400局以上へ拡大した上で正式サービスのスタートを迎え、2021年3月までに総務省に提出した計画書に記載されている 8,600局以上を設置して全都道府県で楽天エリアを構築するとしています。今のところ基地局設置ペースも良好で、計画は大幅に前倒しができる見込とのことです。(最新の楽天回線とローミングで利用できるエリアマップは「こちら」)
将来的には先日資本業務提携を発表した衛星通信事業を展開する米国のベンチャー企業「AST&Science」のスマートフォンへ直接繋がる低軌道衛星通信サービス「SpaceMobile」を利用して人口カバー率ではなくエリアカバー率 100%を目指すとしています。まだ初号機となる衛星を打ち上げて試験を始めたばかりなので事業が軌道に乗るまでは相当な時間が掛かると思いますが、日本では山や谷など地形の起伏が激しくビルなども多いため、電波状況改善の有力な武器となり得るでしょうね。
また、自宅や店舗などに設置できる「Rakuten Casa」というフェムトセル基地局を 3月下旬以降から発売するそうです。楽天に割り当てられた電波の性質上、屋内で電波の繋がりにくい場合が他のキャリアに比べてやや生じやすいためこれを補う目的のものです。固定回線(NTTフレッツ光など)を携帯電話網に変換するもので、4G LTE の他 Wi-Fiルーターとしての機能も持っているそうです。こちらについては今のところまだ設置基準などは明らかになっていませんが、大手3社が提供しているものは宅内調査なども必要になるそうなので同じ様な感じになるかと思います。
■ 「5G」への対応は?
楽天モバイルでは 6月から「5G」サービスもスタートすると予告していますが、その料金プランや利用できるエリアなどの詳細については今のところ情報がありません。Softbank が 3月27日から既存プランに月額 1,000円上乗せする形で 5G サービスを始めるとの発表がありましたが、似たような形になるのかも知れません。Softbank でもスタート時は東京、大阪など7都府県の一部の地域に限定したサービスとして開始されるそうですし、楽天5G のエリア拡大も相応の時間は掛かりそうです。
「Rakuten UN-LIMIT」が 300万人を目処に 1年間基本料金を無料とするキャンペーンを打ち出したのはやはり実質的な更に人数を拡大した無料サポータープログラムの延長ということなのでしょうね。まだまだ全国に基地局が整備されているわけではありませんし、クラウドを使った「仮想化」と呼ぶ技術を世界で初めて通信ネットワークに全面的に採用したことから安定性は未知数で、通信障害などのトラブル発生も予想されます。
料金プランに関してははっきりと魅力的に映りました。NTTドコモなど大手3社の半額以下の水準で、プランもひとつのみと非常に分かりやすいです。今のところ大手3社は静観しているようですが、これが契機となって通信料金の値下げ競争が起こるとありがたいですね。「無料サポータープログラム」に参加していろいろ試していますが、ローミングエリアでのデータ量制限などを考慮したとしても格安 MVNOから乗り換える価値は十分にあると思います。
私の場合はとにかく iPhone が使えるようになることが条件ですね。無料サポータープログラムからの切替が基本料金 1年無料のキャンペーンに間に合えばこのまま維持して様子を見たいとは思いますが、MNPしたり本格的に切り替えようとまでは思えません。Android端末も実際に使ってみて悪くないなとは思いましたが、Apple 製品を他にもいくつか使っていることもあってやはり Apple のエコシステムからは抜け出しにくいのです。今契約している UQ mobile の 2年縛りが 9月に解けるので、できればそれまでに対応して欲しいところですが・・・。
楽天モバイルの MNOサービス「Rakuten UN-LIMIT」が予定通り 4月8日付けでスタートしました。これに伴い、ローミングエリアでのデータ通信量制限の緩和などいくつか変更されている部分が出ています。以下の記事でレビューしておりますので併せてお読みいただければ幸いです。
(2020.4.9)
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