荷物を整理していたら、昔使っていた「SC-88 Pro」という Roland製の MIDI音源が出てきました。昔は PC用のサウンドカードに MIDIインターフェースが組み込まれていたりして PC に直接 MIDIケーブルを接続する事が出来ましたが、最近はマザーボードの音源もそこそこの音質で鳴るようになっていることもあって、そもそもサウンドカード自体を搭載していない PC がほとんどでしょう。
ですが大丈夫。今は USB-MIDIインターフェースという便利なものが発売されています。サウンドカードのインターフェースだと PC のバスが変わったら使えなくなってしまう恐れもありますが、USBデバイスなら今後も無くなることはまず無いでしょう。
ということで、「UX16」という、楽器メーカの Yamaha から発売されている製品を購入してみることにしました。
Yamaha「UX16」の主な仕様は以下の通り。当然ながら PC の方に USB端子が必要です。
対応OS | Windows : 7 SP1 / 8 / 8.1 / 10(32bit / 64bit) Mac : macOS X 10.5(Leopard)以降 |
ケーブル長 | MIDI IN / OUT:各 1,250 mm USBケーブル:600 mm |
本体サイズ | 86x16x36 mm |
重量 | 約 140g |
Yamaha「UX16」は、16 IN - 16 OUT の MIDIチャンネルをコントロールする事が可能です。電源は USBバスから取るので、別途必要になるようなことはありません。「UX16」を 2つ用意することが出来れば 32 IN - 32 OUT も可能なようです。長さは本体部分も含めて約 2m ありますが、足りない場合は USBケーブルでも MIDIケーブルでもどちら側でも延長可能です。
ドライバーの入手は「こちら」から。取扱説明書(・・・と言うほどのものでもありませんが)の PDF もダウンロード可能です。既に Yamaha の HP から入手することは出来ませんが、ドライバーが入手出来さえすれば Windows 2000 SP4 など相当古い PC でも動くようです。
製品本体の他には極簡単な説明書が付いているだけでした。簡単な作りではありますが、断線しにくいようケーブルの付け根部分はちゃんと保護されていました。こういったところはさすが楽器メーカですね。
欠点はコネクターに刻印されている IN と OUT の表示。同じ色で非常に区別しにくくなっています。まあ間違って繋いだところで壊れるわけではなく、単に音が鳴らないだけなのですぐに気付くと思いますが、ステージで使ったりするのであればテプラなどで分かりやすくしておいた方が良いかと思います。
赤いのは電源ランプです。USBケーブルで電源が供給されていれば点灯します。緑は MIDIデータが流れると点滅します。それぞれ IN と OUT のデータの流れを示しますが、こちらも同じ色なので分かりにくいですね。まあ重要度は低いですが・・・。
使い方としては、まず PC の方に用意しておいたドライバーをインストールしておき、MIDIケーブルを音源などに接続してから機器の電源を入れるという流れになります。
シーケンサーソフトは Kobarin氏作の「KbMedia Player」を使わせて頂きました。シンプルなインターフェースですが非常に軽快なソフトウェアです。フリーソフトとして公開してくださっているのが有り難いですね。ソフトを立ち上げたら「ツール」→「デバイス設定」へ進み、「MIDI Device」でテンプレートの「Device1: Port-A」に「Yamaha UX16-1」を指定すればOKです。
Roland の SC-88 Pro と言えば DTM全盛期のフラグシップ音源。Mac用の「ミュージ朗」として投げ売りされていたのを確保したのでした。Mac なんて持ってなかったので単に音源目当てです(笑)。
肝心の DTM文化の方はしばらくして JASRAC がうるさくなったこともあって完全に下火になってしまいましたが、当時はみんな流行の歌を耳コピしたりして切磋琢磨していましたね・・・。
規格として枯れきった「MIDIインターフェース」なので、ヴィンテージシンセなど古い製品を復活させたり最近の電子ピアノに接続して遊んだりと、機種を選ばず使うことが出来るのはいいですね。1つ持っていると便利な製品だと思います。懐かしい音色を聴くことが出来ました。
Yamaha の「UX16」は既に生産完了品とされており、中古か流通在庫でしか入手することが出来ませんが、Roland の「UM-ONEmk2」という製品は現在でも販売されているようです。作りは「UX16」の方が良いようですが、どちらも同じ USB-MIDIインターフェースなので機能としては変わりありません。
Windows 11 での動作を確認しました。2015年リリースの「Ver.3.1.4」で問題ありません。Mac についても macOS 12(Monterey)と M1チップ搭載機の組合せでの動作が確認されているようです。久しぶりに Roland の SC-88 Pro を鳴らしてみましたが、今でも懐かしさを感じるいい音出ますねぇ。
(2022.6.8)