いやはや暑くなってきましたね。今月の 7日には世界の平均気温が過去最高の 17.24度を記録したとかでニュースになっていますが、今年は春先からペルー沖でエルニーニョ現象が続いているらしく、秋頃まで酷暑が続く様子。近頃は熱中症で救急搬送される方も増えているようで、いかに涼しく過ごせるかが死活問題となってきています。
私はクーラーが好きでは無いので極力使わないよう過ごしているのですが、そうは言っても少しでも涼しく過ごすべく、Vornado(ボルネード)の「533DC-JP」という DCモーターを採用したサーキュレーターを導入してしばらく使ってみましたのでレビューしておくことにします。
「Vornado」は、「サーキュレーター」製造の老舗として知られる企業です。飛行機をより早く飛ばす研究を行う中で、筒とプロペラと翼を合体させることでより強力な風の流れを生み出せることを発見し、これを扇風機に応用して「サーキュレーター」を開発したそうですよ。「世界初」と Vornado の HP にはありますが、サーキュレーター自体はそれ以前から炭鉱の換気などに使われていたようなので、「家庭向けでは」という意味なのかも知れません。
■ 「扇風機」と「サーキュレーター」
「扇風機」は、1893年にウェスティングハウス社が開発したのが始まりなのだそうです。驚くことに「扇風機」としての基本的な機能やデザインは既にこの頃に確立していたようです。当初は高価だったことなどから普及は進みませんでしたが、羽根などにプラスティックを採用した扇風機の登場により価格が大きく下がり、爆発的なヒット商品となったそうです。
「扇風機」も「サーキュレーター」もプロペラの回転で風を起こす点は同じですが、「扇風機」が「かき混ぜた空気を広範囲に風として送って涼をとる」ことを目的にしているのに対し、「サーキュレーター」は「直線的に遠くまで風を送って部屋の空気を循環させる」ことを目的とする点で役割が異なります。
「扇風機」の風はそれ程遠くまで届くわけではありませんが、静音性を重視した製品が多く、タイマーや首振りといった機能も充実しています。中には除菌や消臭効果まで謳った製品もありますね。
一方、「サーキュレーター」は空気を循環させる「気流」を安定して生み出すことに主眼を置いているため、基本的に余計な機能は無く動作音もうるさいものが多いです。また、” 首振り機構 ” が備わっていない「サーキュレーター」が多いですが、首を振らせると当然気流も乱れるわけで、風の流れを作り出すという本来の目的には反するものとなってしまいます。首振り機構の備わったサーキュレーターもありますが、扇風機に慣れ親しんだ消費者からの要望で付けたという感じなのでしょうね。
車で長めのトンネルを走行していると天井付近にトンネルと平行に大型のファンが付いているのを目にするかと思いますが、あれは「ジェットファン」と呼ばれる装置で、トンネル内の空気を循環させるためのものです。風の流れを生み出すという点でのサーキュレーターの一種と考えてもよいでしょう。
■ Vornado「533DC-JP」をチェック!
それでは Vornado のサーキュレーター「533DC-JP」の外観からチェックしてみましょう。こちらは 16畳程度の室内で使用することを想定した製品で、30畳程度の広さにまで対応可能な「633DC-JP」という姉妹製品もあります。
「533DC-JP」の主な仕様は以下の通り。
電圧 | AC 100V(50/60 Hz 共用) |
消費電力 | 強 40W ~ 弱 2W |
ノイズ | 強 60㏈ ~ 弱 32㏈ 以下 |
風量 | 強 10.05 ㎥/分 ~ 弱 0.68 ㎥/分 |
本体外寸 | 245x178x287 mm |
重量 | 1.6 kg |
取り扱い説明書の PDF が欲しい方は以下のリンクからどうぞ。英語と日本語の表記です。
前面にあるロータリースイッチは電源スイッチと共用になっていて、無段階で風量を調節することが可能です。電源を本体に内蔵しているので、ACアダプターのような煩わしさがないのも良い点です。ファンガードは密なので子供の指が入ってしまう心配は少ないかと。
角度調節は、天井より少し傾けたくらいまで可能です。熱い空気は部屋の上部に溜まるので、その辺りを狙って攪拌してやれば部屋の温度を均一にすることが可能で、エアコンと併用する事でより効果的に空調の効果を得られるでしょう。また、複数のサーキュレーターを用いて一方の窓から吸気し、もう一方から排気させて部屋の空気の流れを作ったりする事も出来ます。
「Vornado 533DC-JP」の難点は掃除のしにくさですね・・・。内部を掃除しようとするとドライバーを使って背面に 3箇所あるネジを緩めないと分解することが出来ません。しかもこのネジ、かなり深いところにあるので、柄の長いドライバー が必要になります。更にファンも六角ナットで留められているので、脱着にはラジオペンチなどが必要です。整備性に関しては日本製品がやはり凄いですね・・・。
定評のあるサーキュレーターなだけに風量は充分です。さすがに風量最大にするともの凄い騒音ですが、キャスターに乗せていると自身が発する風で逃げて行ってしまう程です(笑)。個人的には風量つまみを 30%~40% 辺りにしておくのが風量と騒音のバランスがいいのではないかと思います。これくらいまでならそれ程音も気になりませんよ。
■ 製品登録で保証期間が 10年に延長!
「Vornado 533DC-JP」はもともと長期の連続運転を想定して設計されており、未登録でも 5年間の保証期間がありますが、購入から 30日以内にユーザー登録することで保証期間が 10年間に伸びます(但しモータ部分に限る)。多くの家電製品が 1年程度しか保証期間が無いのに対してこれは魅力的です。手に入れたら忘れずユーザー登録を行うようにしましょう。
ユーザー登録に必要なのは、シリアルナンバーと製品本体に貼付されているシリアルナンバーシールの撮影画像です。Vornado の HP から「マイページ」にログインし(アカウントが無ければ新規作成)、「延長保証対応商品の登録」からユーザー登録を行って下さい。
ユーザー登録時にアップロードすることの出来る画像データサイズは 5MB以内なので、適宜圧縮して送信して下さい。Windows 標準の「ペイント」アプリでも画像サイズを変更することが可能です。他に購入明細書上の注文日、購入先の情報を入力して登録します。保証を受ける際に必要なるので、保証書と購入明細書などはきちんと保管しておいてください。
■ 「スマートプラグ」と 「Amazon Echo シリーズ」でより便利に!
「Vornado 533DC-JP」はリモコンで操作したりタイマーを掛けたりすることは出来ませんが、「スマートプラグ」と 「Amazon Echo シリーズ」を組み合わせることで声だけで操作したり、指定時刻になったら動作させることが出来るようになったりと、非常に使い勝手が良くなるのでお勧めです。
Amazon の「Echo」シリーズやスマートプラグについては以下の記事でもレビューしていますので、併せてお読み頂ければ幸いです。ちょうど今は「Echo」シリーズがプライムデーで安くなっていますしね。
リモコン操作が可能な製品だったりすると電源スイッチが電気式になっていて、電源を接続しただけでは動作しなかったりするのですが、今回の Vornado のサーキュレーターのような物理式のスイッチが採用された製品なら通電さえさせれば動き出します。スマートプラグと組み合わせるならば反ってこちらの方が都合が良いのですよね。
サーキュレーターは、エアコンと一緒に使う方だけでなく、私のようにクーラーが苦手だという方にもお薦め出来る製品です。室外に向けてサーキュレータを置いておけば自然に部屋全体の空気の流れを作り出してくれますし、湿気が酷い時には弱風で運転させるだけでもジメジメ感を薄れさせ、カビの発生も防いでくれるとのこと。熱中症にならないためにもこれらの機器を適切に使って暑くなりそうな今年の夏も乗り切るとしましょう。