(新)タイトルいつ決めるのさ

何かの参考にして頂ければ幸いです。

東京計器(東証1部・7721)の株主優待をご紹介

船舶航海用の各種計器や航空計器などを開発・製造・販売している「東京計器」(東証1部・7721) から株主優待の案内が届きました。株主優待制度の廃止を決める企業も相次ぐ中、なんと昨年(2021年)の 1月に新設されたばかりのホヤホヤ優待です(笑)。たまたまずっと持っていたのですが、株主優待制度の新設など全く期待していなかっただけに IRリリースを見た時は驚いてしまいました。

「東京計器」は、1896年(明治 29年)に「和田計器製作所」として東京都文京区で誕生しました。日本初の計器製造会社として圧力計・航海用計器(羅針盤や測深儀等)の製造を行い、後に「東京計器製作所」と社名を改めます。戦艦「三笠」「大和」「武蔵」などに搭載された羅針儀を開発、後に光学部門を現「ニコン」として分離独立させるなど、戦前から高い技術力を擁してきました。

戦後も国産旅客機の「YS-11」用の航法計器の製造や、H-Ⅰ・H-Ⅱロケット用の油圧ポンプの製造などを行っており、面白いところでは走行しながら新幹線の軌道や架線の検査を行うことの出来る「ドクターイエロー」に搭載されている検査機器なども製造しているそうです。

この企業は F-4EJ や F-15J など戦闘機用の航法計器やレーダー警戒装置等も納入している事から防衛関連銘柄としても知られており、国家間の緊張が高まる有事の際には株価が乱高下することもあります。ただ、石川製作所や細谷加工などに比べると株価の感応度は低めなようですね。

■ 株主優待の内容と権利取得の条件

東京計器では、毎年 3月末日時点の株主名簿に 3単元(300株)以上の株式保有者として記載または記録された場合に株主優待を受ける権利を取得する事が出来ます。基準日時点の保有株式数に応じて下記の表のように 5段階にランク分けされています。

保有株式数 付与されるポイント
300 株~ 499 株 3,000 ポイント
500 株~ 699 株 6,000 ポイント
700 株~ 999 株 9,000 ポイント
1,000 株~ 2,999 株 20,000 ポイント
3,000 株以上 50,000 ポイント

このポイントは「東京計器プレミアム優待倶楽部」という 株主限定の特設Webサイト で 1ポイント ≓ 1円 として約 5,000種類以上の商品(2022年現在)の中から好きな商品に引き換えることが出来ます。現在の株価水準から言って 1,000株で 2万円相当というのは株主優待としてはかなり気前がいい方ではないでしょうか。今後改悪されたりしなければいいのですけどね。

また「プレミアム優待倶楽部」制度を導入している他社の優待ポイントとも「WILLs Coin」という共通株主優待コインに交換することで合算してより多くのポイントが必要な商品と交換したり、有効期限を引き延ばしたりすることが行える画期的なプログラムとなっています。この制度については近いうちに別の記事で詳しく取り上げてみたいと思います。

現在のところ、東京計器では長期優待制度は設定されていませんが、翌年 3月末日に於いて同一の株主番号で株主名簿に氏名が記載されていた場合は、1回に限り有効期限を繰り越して次年度の優待ポイントと合算させることが可能です。また、「WILLsCoin」に交換する場合の手数料が、株式保有年数 1年未満が 10%、2年未満が 5%、2年以上が 0% とされているので、一応長期保有する意味はあるようです。まあ貰ったその年に使い切ってしまう方には関係の無い話ですけどね。

 


■ 「東京計器プレミアム優待倶楽部」

東京計器優待2022 だいたい 3月が権利日の株主優待は 6月上旬頃から届き始めるものが多いのですが、東京計器の場合は 5月半ば頃に送られてきました。普通は株式関係書類なんかと一緒に送られてくることが多いのですが、東京計器の場合は「東京計器プレミアム優待倶楽部」の登録方法と概要が書かれたパンフレットだけでした。中に書かれている株主番号と 3月末の時点で株主名簿に記載された郵便番号を株主名簿に照らし合わせてチェックを行っているようです。
「東京計器プレミアム優待倶楽部」の登録は若干手間が掛かりますね。流れとしては以下の通り。

  ① 「こちら」のサイトで会員登録画面に進む。
  ② パンフレットに記載されていた株主番号と郵便番号を入力して次の画面へ進む
  ③ 規約に同意し、自身の情報(生年月日やメールアドレスなど)を入力する
  ④ 投資歴やスタイルなどの質問とアンケートに答える
  ⑤ 入力情報を確認し、登録する。
  ⑥ メールが送られてくるのでリンクを踏んで認証する。
  ⑦ ログインパスワードを設定する。

以上でようやく「東京計器プレミアム優待倶楽部」のサイトにログイン出来るようになりました。住所は変更可能なようですが、氏名は変更できないようです。優待権利の売買を阻止するためでしょうかね。ちなみに 2年目以降は登録済みのメールアドレスとパスワードでログイン可能です。

パンフレットにはほんの一部しか交換できる商品が紹介されていませんでしたが、5,,000点以上の商品から選べると書かれているだけあってもうほとんどネットショッピング感覚です。株主優待でよくあるお米や和牛肉などの食品類はもちろん、ワインや日本酒などの酒類も豊富でムートンまでありました(笑)。

他にも家電製品(バルミューダやダイソンの製品も入っています)、生活雑貨からジュエリーまでよりどりみどりでした。高額商品の中には 1年分の優待ポイントでは交換できないものもあるのですが、上でも書いたように同一の株主番号で連続 2回以上株主名簿に記載された場合に限り 1度のみ繰越ができるそうです(家族名義のポイントを合算することはできません)。

また、「東京計器プレミアム優待倶楽部」のポイントは、『WILLsCoin』という一種の仮想通貨に交換することで他の「プレミアム優待倶楽部」制度を導入している企業の優待ポイントと共通化することができるようです。この『WILLsCoin』は、「プレミアム優待倶楽部 PORTAL」という別の会員制サイトに掲載されている商品と交換することができます(こちらの方が選択肢は多いようです)。

このように、ポイントの繰越ができたり『WILLsCoin』に交換して他社の発行したポイントと共通化できたり(手数料はかかりますが)と、個人投資家にとってはかなり使いやすい株主優待だと思います。家電製品などは定価ベースでの提供となるので割高感はありますが、導入する企業も徐々に増えているようですので、今後この動きが広まってくれるといいですね。

ちなみに、昨年は株主優待制度導入初年度ということもあってか交換手数料が掛からなかったので、株主優待ポイントを『WILLsCoin』に交換して留保していました。今年の分と合算して貰うつもりのものがあったのですが、商品入れ替えで消えてしまっていた (ノД`) のでこれから使い道を考えることにします。まあ時間はまだありますからね・・・。失効だけには気をつけたいと思います(笑)。


※ 追記 ① ※


結局 BALMUDA の「The Lantern」というバッテリー内蔵で持ち運ぶことの出来る LEDランタンを頂きました。こちらの製品は「東京計器プレミアム優待倶楽部」の優待品リストには載っておらず、「プレミアム優待倶楽部」の方の掲載品です。この「優待倶楽部」の優待品の発送は三越が受け持っているようですね。百貨店の包装紙で纏われたものが届いたのは久しぶりです。

東京計器2022 東京計器2022-2


「BALMUDA The Lantern」のレビューは以下の記事に掲載しています。宜しければ併せてご覧下さい。 申込みから 3週間程度で届くと書かれていた気がしますが、結局 1ヶ月ほど掛かりました。まあ別にいいんですけどね。定価ベースにはなりますが、好きなものに交換できるというのはいい制度だと思います。
(2022.9.10)


※ 追記 ② ※


2023年3月末日を基準日とする株主優待の内容に変更は無いのですが、2024年3月末日を基準日とする株主優待から判定条件が厳しくなります。

株主優待制度「東京計器プレミアム優待倶楽部」の株主優待進呈条件、繰越条件の変更に関するお知らせ(PDF)


かいつまんで言うと、今までは判定基準が年に 1回、3月末日時点で所定の株式数を保有していれば良かったものが、3月末と 9月末の 2回で判定されるようになり、しかもどちらかの時点で 300株以上保有していなければならず、いずれかの時点での株式保有数の少ない方が判定基準となります。

つまり、9月時点で株式保有数が 300株未満であったが、優待権利を取るつもりで 3月末時点で 300株以上に買い増したような場合に、株主優待を受けることが出来なくなりますので、充分にご注意下さい。長期に株式を持ってもらうための変更とのことですが、ひょっとしたら今後他社にもこのような動きが広まってくるかも知れません。
(2022.11.30)